●パホハクビーチ●
マウナロアから少し州道460号線を東にもどって左折,つまり北西に向かって海岸線へ降りる道路に入る。その道路の曲がり角には目立たない看板があると「地球の歩き方」には書かれてあったが,すぐにわかった。
その道路は一応舗装されていたが,でこぼこであった。そのまま4.5マイル,約7キロメートルほど下っていくと,島の北西の海岸線に出た。そこがケプヒ・ビーチリゾート(Kepuhi Beach Resort)であった。
遠くから見ると,マウイ島にあるような立派なコンドミニアムが立ち並び,プライベートビーチもあった。マウイ島などのリゾートは,よそ者お断り感満々なので,ビジターが車を停めることさえなかなか困難だから,ここも同じように,私は遠慮しがちにビジター用の駐車場をさがして車を停め,少し様子見をすることにしたのだが,すっかり当てが外れて,ここは場末感ただよう寂れたリゾートであった。
とりあえず,ここはまた来ることにして,その先を急ぐことにして,車に戻った。
この先,島の西側の海岸に沿って,パポハクビーチとカプカヘフビーチがあるということだったので,ともかく,先に,そこまで行ってみることにした。
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まず,島の西側を海岸に沿って南に走ると,パポハクビーチ(Papohaku Beach)に着いた。
ビーチの入口には看板があって,広い広い駐車場が完備されていた。また,ピクニックエリアもあったので,マウイ島のマケナビーチのような感じではあった。しかし,唯一の,しかも最大の違いは,来ている人がほとんどいないということであった。当然,レストランも何もない。
パホハクビーチはハワイで最も長い白砂のビーチで,その距離は約5キロメートルも続いているという。風が強く波が高く潮の流れも速いので泳ぐことはできないということなので,砂浜でパラソルを広げてボーッと海を眺めるくらいしかすることがない場所である。
私が行ったときは,一組の家族がいただけだった。
このような砂浜はハワイには結構あるのだが,見ると行くのとは大違いで,砂は深く,歩くのがたいへんなのである。スニーカーなどを履いていても,どんどん砂が入ってくる。さらには,日焼け止めにパラソル,そして,イス,これが必需品で,それがないと,砂浜で立ち尽くす以外どうしようもなかったりするから,憧れるほど楽しいところではない。こんな場所で海を眺めるのならホテルのテラスのほうがずっと快適な気がする。
ハワイの海岸よりも,オーストラリアのゴールドコーストのほうがずっと快適で美しいと,私は,ゴールドコーストに行ったときにそう思った。
いずれにしても,ここは,こんな巨大なビーチを独り占めにできる,日本では考えられない場所である。こんな場所を知ってしまうと,オアフ島のワイキキビーチなど,箱庭にすぎない。とにもかくにも,ここは太平洋のど真ん中なのである。