●「キングズキャニオン国立公園」(Kings Canyon National Park)
キングスキャニオン国立公園とセコイア国立公園は一体となっていて,途中にゲートがあったりはしません。ともにジャイアントセコイアの森ですが,キングスキャニオンの方は,そのまま深い渓谷に続いています。
この地は,ある者は谷の西端にダムを建設しようとし,ある者は公園として保護しようとしたのですが,1965年に谷全体が「グラントの森国立公園」に編入されたときにやっと国立公園としてその自然が守られるようになりました。
コロナ禍の時代にこういう話を聞くと,何でもきちんと法律によって保護する国と,何でもなし崩しにして自然を破壊する国の根本的な考え方の違いが明白にわかるような気がします。
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キングズキャニオン国立公園は,グラント将軍の森 (General Grant Grove) 地区とキングズ川 (Kings River)の支流サウスフォークとミドルフォーク,サンワーキン川(San Joaquin River)の支流サウス・フォークの源流を形成している渓谷とのふたつの異なる場所から成ります。
グラント将軍の森にはグラント将軍の木があります。グラント将軍の木は、園内では3番目に大きな木として知られていて,第18代グラント大統領(Ulysses S. Grant)の名をとってつけられたものです。
地元商工会の人がこの木を訪れたとき,横にいた少女が「この木がクリスマスツリーだったらどんなにすてきだろうに」と言ったのがきっかけで,「国のクリスマス・ツリー」(Nation's Christmas Tree〉となり,現在,クリスマスにイベントが行われているということです。
そのあとで,車でシーダーグローブ(Cedar Grove)を目指して細い山岳道路を走りました。山岳道路になると,急に景色が変わって山並みの美しい風景になり,すばらしい景観が望めました。
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キングスキャニオン国立公園をでてから,前回書いたセコイア国立公園に入りました。
セコイア国立公園で一番の見ものは「シャーマン将軍の木」です。「シャーマン将軍の木」(General Sherman tree)は,地球上で最も大きな木であると同時に最も大きな生命体であると考えられています。樹齢はおよそ2,200年だそうです。
この木の名前は南北戦争における北軍の指導者ウィリアム・シャーマン将軍(general William Tecumseh Sherman)に因んでつけられたものです。
その次の見ものは,クセントミドウ・ロード(Crescent Meadow Road)です。
ここには博物館があって,その裏手にあったトレイルを歩いて,ラウンドミドウ(Round Meadow)という草原に行くと,突然,目の前に草原が広がります。不思議なところでした。
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子供のころに覚えたことはいつまでも忘れません。私は,セコイアという木をしって,日本にはそんな木はないなあ,と思ってアメリカに憧れ,さらに,名古屋の植物園にメタセコイアという木があると聞いて行ってみたのですが,がっかりしたことがあります。
そうした「トラウマ」は,実際にセコイアの木を見て,すべて解消されたのです。
ちなみに,メタセコイア(Metasequoia glyptostroboides)はセコイアと違って落葉樹です。当初は日本を含む北半球で化石として発見されるのみで絶滅した植物と考えられていました。常緑種のセコイアに似た落葉種の化石が発見され,発見者の三木茂によってセコイアに「変わった」という意味の接頭語である「メタ」をつけて「メタセコイア」と命名されたものです。
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月齢28.4の月と水星。
11月4日早朝東の空に見えました。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは