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 私は,星を見ること以上に天文台に興味がありましたが,それは,子供のころに買ってもらった「原色現代科学大事典」の第1巻「天文」に載っていた世界中の天文台を実際にこの目で見てみたいというのが動機でした。
 そうした望遠鏡は,ウィスコンシン州のヤーキス天文台にある口径102センチメートルの屈折望遠鏡,サンノゼ郊外のハミルトン山にあるリック天文台の口径91センチメートル屈折望遠鏡,サンディエゴ郊外のパロマ山にあるパロマ天文台の口径500センチメートル反射望遠鏡と口径122センチメートルシュミット望遠鏡,ロサンゼルス郊外のウィルソン山にあるウィルソン天文台の口径152センチメートルヘール望遠鏡と口径254センチメートルフッカー望遠鏡,アリゾナ州フラグスタッフにあるローウェル天文台の口径33センチメートル屈折写真儀などでした。
 しかし,ウィルソン山,パロマ山という名前だけは知っていても,それがどこなのかは全く認識がありませんでした。

 その後,知識も増して,そうした望遠鏡の多くが今は時代遅れのものとなっていることは知ったのですが,子供のころの夢はそんなこととは関係ありません。
 そこで,私はこのような望遠鏡が現在公開されているのならぜひ見てみたいものだという想いがどんどん強くなってきて,ついに出かけることにしました。
 しかし,一般の観光地とは違って,わざわざ行っても見られるものかどうかわかりません。ホームページを見ても,どんな様子なのか要領を得ません。行かなくてはことが進まないので,とにかく行ってみようと,2018年と2019年に天文台を見るためにカリフォルニア州に旅に出たのですが,今では,本当に行ってきてよかったと,強く思います。
 これもまた,もし,行っていなければ,今ごろはものすごく後悔していたことでしょう。

 実際は,2018年に行ったときは,もっとも期待したパロマ天文台は見ることができず,逆にあまり期待していなかったウィルソン天文台は偶然にも特別公開の日にあたって,そのすべてを見ることができたのは不幸中の幸いでした。
 2018年には行くことができなかったパロマ天文台は,その翌年にまた出かけて,ついに,念願のパロマ天文台にも行くことができて,しかも,見学ツアーに参加することができて,私は,長年の夢をすべて実現したのです。
 ここでもまた,私の強運が発揮されました。

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 1917年11月に完成したウィルソン天文台の口径254センチメートルフッカー望遠鏡でエドウィン・ハッブル(Edwin Hubble)は,星雲が実際には我々の天の川銀河の外にある銀河であると結論,さらに,ハッブルと助手のミルトン・ヒューメイソン(Milton L. Humason)は,宇宙が膨張していることを示す赤方偏移の存在を発見しました。
 この望遠鏡は世界最大のものとして君臨していましたが,1948年にパロマー山に口径500センチメートル反射望遠鏡を完成したことでその座を明け渡すことになりました。1986年に口径254センチメートル反射望遠鏡は一度は運用を終了しましたが,1992年に再び使用が開始されました。フッカー望遠鏡は20世紀を代表する傑出した科学装置なのです。
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 パロマ天文台については次回。


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「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは

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