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 2018年の旅で,念願だったパロマ天文台を訪れたのですが,私が訪れたちょうどその日,天文台構内の駐車場の工事をしていて,中に入れませんでした。
 今にして思えばそのときの私は何にとりつかれていたのか,その翌年2019年にも再びそこに行くことにしたのがすごいことです。京都や東京だって,そう簡単に何度も行くことができるわけではありませんが,その当時は,ロサンゼルスなんて,私には精神的にそれくらいの距離でしかなかったのです。
 コロナ禍が起きていなければ,今もそんな感じで旅を続けていたのでしょう。しかし,今では遠い遠いところです。

 2019年は,パロマ天文台だけでなく,後に紹介することになるフラグスタッフのローウェル天文台をはじめ,バリンジャー隕石孔,さらには,大谷翔平選手まで見ることができましたが,これらのことは,2018年にパロマ天文台の中に入れなかったことで成し遂げられた奇跡なのです。まさに塞翁が馬でした。
 が,幸運はそれだけではなく,パロマ天文台を訪れたこの日が土曜日で,私が見たかったパロマ天文台の200インチ反射望遠鏡は,通常はガラス越しにしか見ることができないのですが,ドームの中に入って見学できるツアーに参加することができました。これもまた,もし2018年にパロマ天文台に入れたとしたらできなかったことでした。

 ロサンゼルスからパロマ天文台までは120マイル,約200キロメートルあります。
 ロサンゼルスで宿泊したモーテルから国道91を走り,アナハイムを過ぎて,さらに東に進んでいってインターステイツ15に入ります。そして,インターステイツ15を南東に進んでいって,テメクラ(Temecula)という町でインターステイツ15を降り,州道76に入る,という経路で走っていきます。テメクラからは一般道で,わずか36マイル,約60キロメートルの州道76は山道となるので1時間程度もかかり,リンコン(Rincon)という数件の家がある小さな町からさらに山道を走っていくと,やっと,パロマ天文台の口径500センチメートル反射望遠鏡の巨大なドームが見えてきます。

 門を通り過ぎて天文台の構内の道路を入っていくと,その先に広い駐車場があって,車を停めると右手にビジターセンターがあります。このビジターセンターもまた,土曜日と日曜日だけ開いているということでした。
 見学ツアーでは,まず,ドームの入口の前で望遠鏡の歴史のレクチャーがあってから,いよいよドームに入ります。ドームの1階部分では反射鏡の再メッキができる工場があって,それらの装置の説明ののち,端にある階段を上って,ついに,望遠鏡のある2階に登り,巨大望遠鏡と対面となります。 
 ドームはものすごく巨大で,外観もピカピカ,今も現役の口径500センチメートル反射望遠鏡はしっかりと整備されていて,ドーム内もきちんと整理整頓がされていました。


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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは

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