自分の楽しみで日々空を見上げているだけなので,高価な機材を持っているわけでもなく,買う気もないのですが,それでも,長年楽しんでいると,安価であっても愛着のあるものがけっこうあります。
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そのひとつが2017年8月にアメリカ・アイダホ州で皆既日食をみるために買った小さな屈折望遠鏡です。それだけで役目を終えるのも気の毒なので,写真用の三脚に微動装置のある架台に載せて,太陽や月を写すのに使っています。
今日の写真は2022年1月9日の朝写した日の出ですが,大きな黒点があったので,ピントを調節して,少し高度が高くなった時に再び写してみました。
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太陽活動領域(solar active regions)は太陽フレアなどが発生するコロナ中の局所的な発光領域のことですが, アメリカ海洋大気庁 (National Oceanic and Atmospheric Administration=NOAA)によって1972年以来,番号づけがされています。
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この日の黒点は,上側のペアが12924で,下側の小さなほうが12925です。
太陽には活動周期があって,2020年ころはほとんど黒点がなくなってしまったのですが,このごろは結構大きな黒点が見られるようになったので,それなりに楽しめます。
ふたつめは,オーストラリアで南半球の星空を写すために購入した簡易赤道儀です。海外に持っていくためになるべく軽いものということで選んだのですが,こちらは広角レンズや魚眼レンズで星野写真を写すのが目的でした。
この機材もまた,海外旅行ができないこのご時世,遊ばせておくのもかわいそうだと思っていたのですが,レナード彗星(C/2021A1 Leonard)が夕方の西空低く見られるようになったので,少し荷が重いのですが,180ミリの望遠レンズをつけたカメラをこの機材にとりつけて,1秒程度の露出で写るかを試してみることにしました。
とはいえ,まったく恒星が見えない街中なので,頼るのは水星,土星,木星といった惑星です。まず,この3つの惑星が入る広角レンズで構図を決めてレナード彗星のある位置を特定してからレンズを交換して写すことにして,数日楽しみました。こうして数日写した結果,レナード彗星の位置が地上の景色を基準にしてわかるようになりました。
今日の写真は2022年1月8日のものです。もう,ほとんど限界だったのですが,なんとか写りました。それが3番目のものですが,これではわかりにくいので,レナード彗星のあるあたりだけ拡大したのが4番目のものです。なお,3番目の写真には,レナード彗星の位置のめやすとなる2つの恒星が写っています。左側のものがつる座のガンマ星GSC7494.1748(γ Gru)で,上右がみなみのうお座のイオタ星GSC7490.1839(ι PsA)です。また,4番目の写真の右上の恒星はみなみのうお座の暗い恒星GSC7493.1118です。
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GSCはガイドスターカタログ(Guide Star Catalog) といって,ハッブル宇宙望遠鏡が軸外の恒星を捉えるのを支援するために編集された星表です。15等星までの約2,000万個の恒星が含まれ,さらに,21等星までの9億4,559万2,683個の恒星が加えられました。これは,外宇宙の航行のために特別に作成された初の全天の星表です。
また,昔からあるバイエル符号(Bayer designation)は,ドイツの法律家ヨハン・バイエル(Johann Bayer)が1603年に星図「ウラノメトリア」(Uranometria: Omnium Asterismorum Continens Schemata, Nova Methodo Delineata, Aereis Laminis Expressa =ウラノメトリア:新しい方法で描かれ銅版印刷されたすべての星座の図を集めたもの) で発表した恒星の命名法で,星座ごとに原則として等級順にギリシャ文字の小文字α, β, γ, …… と名づけたものです。
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月,木星,土星,水星。
1月10日。日没後の快晴の西の空。
月齢8.6の月は天頂に。
水星が地平線ぎりぎりに写りました。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは