今日の1番目の写真はずいぶん前に写した国際宇宙ステーションの写真です。自らは光らないので,月と同じように太陽の光を反射して夕方の太陽が沈んがあとと明け方の太陽が昇る前に予報通りの時間に簡単に見ることができます。国際宇宙ステーションは巨大なので,1等星よりずっと明るく,都会でも確かめられます。
写真を撮るには,見えはじめてから消えるまで5分程度あるので,そのまま5分間露出をしてもよほど空が暗い所でなければ露出オーバーになってしまいます。そこで,20秒ほどの露出で何枚も写して,後で画像処理をして写真を合成することになります。
写真を撮る以上に,肉眼で見たときに,そこに人が乗っていると思うと,それだけで感動的です。
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ということですが,夕暮れ時に散歩したり望遠鏡で星を見ていると,国際宇宙ステーション以外に結構多くの人工衛星を目撃することがあります。しかし,これまでは関心もなく,また,そうして見ることができる人工衛星が何であるかも知りませんでした。
国際宇宙ステーションを見飽きたこともあって,そうした人工衛星に興味をもつようになったので調べてみると,見ることのできる人工衛星のさまざまなデータが載っているサイトを見つけました。
そうした中で,ハッブル宇宙望遠鏡が肉眼で見ることができることがわかりました。これはぜひ見て見たいと思いました。そこで「百聞は一見にしかず」ということで,ハッブル宇宙望遠鏡を撮ってみることにしました。
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ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope=HST)は,1990年4月24日に打ち上げられた地上約600キロメートル上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡です。長さ13.1メートル,重さ11トンの筒型で,内側に反射望遠鏡を収めていて,主鏡は直径2.4メートルです。地球の大気や天候による影響を受けないので,地上から困難な高い精度での天体観測が可能です。
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データを見ると,幸運にも,1月10日くらいから1週間ほど,毎朝,明け方の南の空で見られるということがわかったので,連日期待しました。早起きしてカメラを構えます。ところが,雪雲があって,なかなか晴れません。
なんとか雲が切れてその間から星が見られたのが1月15日の早朝でした。
南の空にはからす座の四角形が見えていました。
ハッブル宇宙望遠鏡は,そのあたりを西から東に飛行するようですが,これまで見たことがないので,どのように見られるかわかりません。時間になったので凝視していると,雲の間を約2等星ほどの星がゆっくりと動いていくのが見えました。これが待望のハッブル宇宙望遠鏡でした。こちらは人間が乗っているわけではないのですが,これがあの有名なハッブル望遠鏡かと思うと,別の意味で感動しました。
思っていたよりよく見えた,というか,国際宇宙ステーションよりかなり暗かったというか,そんな感想をもちました。やはり「百聞は一見にしかず」で,どのようなものかもよくわかりました。こうして,この日写したのが2番目の写真です。合成をしたものですが,薄雲に隠れてしまって,ちょっと残念な結果となりました。拡大してみると,記入した矢印の先に細い線のように見えるのがハッブル宇宙望遠鏡です。
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これでは満足できないので,翌日に期待しました。
1月16日早朝。昨日とはうって変わって快晴になりましたが,あいにく月齢13.0の月が沈みきらず,西の空に明るく輝いていました。月明かりは空を白くし,星や人工衛星を見るには大敵です。それでも,思ったより明るいハッブル宇宙望遠鏡がゆっくりと南の空を西から東に進んでいくのが見えました。それが今日の3番目の写真です。
肉眼で見ていたときは気づかなかったのですが,この写真には同時に何か別の人工天体が写っていました。それが何か,調べてみてもよくわかりません。
ということだったのですが,ハッブル宇宙望遠鏡がどのように見られるかがわかったので,これからまた作戦をねって,さらに満足な写真が撮れるように色々と工夫をしていきたいと思います。またひとつ楽しみが増えました。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは