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すでに2年近くになろうとしているのに,世界は未だに新型コロナウィルスに翻弄されているようです。それで本当に困っている人も多くいるのに,これが金儲けのチャンスだとばかりに不安を煽りそれを利用している人もまた少なくないのは,いつもの常,これが人の世です。
そしてまた,それに踊らさて,怪しげなものを首から下げている人とか,意味もない品々を買いあさっている人も見かけます。このときとばかり,名を売るために真しやかな「学説」を唱える学者から,効用も定かでない何がしかの「製品」を売る業者,そして,大した知識もないのにさも詳しいように「私見」を書くマスコミ,不安を煽るような「記事」を書いて売上げを伸ばそうと企む雑誌など,この2年間でその姿の本質が次第に明らかになってきました。
吉田兼好の書いた「徒然草」の時代から人はまったく進歩していません。学校で何を学んでいるのやら…。
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世に語り伝ふる事,まことはあいなきにや,多くは皆虚言なり。
あるにも過ぎて人は物を言ひなすに,まして,年月過ぎ,境も隔りぬれば,言ひたきまゝに語りなして,筆にも書き止めぬれば,やがて定まりぬ。
「徒然草」第73段
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この世の中に語り伝えられている事は,真実そのままに語ってもつまらないからだろうか,多くの話は嘘八百である。
人は事実よりも大げさに物事を言う傾向がある上に,ましてや,年月を経て,遠く離れた場所の出来事であれば,言いたい放題に語られる。書物などに記録されてしまえば,もはや嘘は真実に書き換えられてしまう。
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人の世なんて,だれにも明日のことはわからない。であるけれど,できる限りそうしたリスクを避けようと考えるのが人というものなので,その心配を利用し,不安を煽ることがビジネスチャンスとなる,これもまた,人の世です。
しかし,自分の力ではどうにもならないようなことを耳に入れたところで意味がなく,自分でできることをする以外は,人の世が不条理に満ちているからこそ,先のことなどなるようにしかならないから心配しても仕方がないのです。ということで,私は,寿命は神様にお任せして,病気はお医者さんにお任せして,自分ではそんな心配は一切しないと決めて生きてきました。つべこべ言わずに行動するしかない,行動しなければ運はつかめない。これが私がこれまでの人生で覚えたことのすべてです。
そして,今自分ができることは,このコロナ禍では一刻も早く3回目のワクチン接種を受けることで,これをしようと,1月19日に接種券が届いたその日にLINEで集団接種を予約して,1月24日の朝,終了しました。しかも,1回目,2回目がファイザーだったので,3回目はモデルナ,これがベストだということだったので,そうしました。幸い,私は,これまでも今回も副反応とは無縁です。
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この日が集団接種の初日とあって,私の接種した会場である県営名古屋空港には,県知事が視察にくるわ,テレビ局やら新聞記者が接種者以上に殺到するわでごった返し,まさにお祭り状態でした。おそらく,ワクチン接種に限らず,どんな報道も同じような有様なのでしょう。以前私が観戦した朝日杯将棋トーナメントも同じでした。
それにしても,感染が落ち着いていた1か月前に3回目のワクチン接種を実施していればよかったものを,これで終結とかいった何の根拠もない神頼みをしてしまうのも日本人の特質で,その後,暢気に2回目の接種8か月後だのとこれまた根拠のないことを決めておいて,何事かが起きると慌てて前倒しだとかでそれをはじめるのもまた,いつもように,やったふりの得意なこの国の行政です。
それと同じくして,自分で考えもせずデマに踊らされ言われるままそれをうのみにして行動する多くの人たち。
そうしたあり様は,奇しくも,今,再放送をしているNHKBSPの「マー姉ちゃん」で描かれている日本の太平洋戦争時の状況,つまり,軍の力で威張り散らす輩だの,隣組だといって異論者を村八分にする世間だのといった様子や,日本には神風が吹くだの,敗戦でアメリカ軍が日本に上陸して女子供を連れ去るだの,といったデマを流して人を不安にするような騒動を見れば,この国の人々のもつ変わらぬ本質がどういうものかとてもよくわかるというものです。
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2022年1月24日現在,日本の新型コロナウィルスワクチン接種3回目完了者は2,363,995人,人口の1.9パーセントです。
また,2022年1月24日までに日本で新型コロナウィルスに感染した人は2,224,982人で,接種3回目完了者より少ないのです。しかも,そのうちの約90パーセントは軽症か症状なしです。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは