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長勝寺から観光案内所まで戻ってきました。私が車を停めたのは,弘前市観光案内所の駐車場でした。
これで弘前市の観光を終えて,この日の宿泊先まで行くことにしたのです。しかし,観光案内所のあたりに気になる建物がいくつかあったので,弘前市を出発する前に入ってみることにしました。

弘前市の市街地には多くの洋館があるのですが,ひときわ変わった形をした洋館は,旧弘前市立図書館でした。これは,1906年(明治39年)に建てられ,1931年(昭和6年)まで市立図書館として利用されたものです。設計・施工は堀江佐吉で,木造洋風3階建て。八角形の双塔をもつルネッサンス様式を基調としながら,随所に和風様式が取り入れられているということでした。現在,一般に無料で公開されていて,1階は旧市立図書館の形態を復元し,当時の関係資料が展示してありました。また,2階には地方出版物や同人誌の紹介,ビデオによる文学碑めぐりのコーナーなどがありました。
その隣にあった洋館が旧東奥義塾(とうおうぎじゅく)外人教師館でした。旧東奥義塾外人教師館は,1903年(明治36年)弘前市立東奥義塾に招かれていた英語教師の宿舎として建設されたもので,木造2階建て。設計は,本間俊平とも堀江佐吉ともいわれています。キャンパスの移転に伴って,1987年(昭和62年)に市に寄贈され,ここもまた,一般公開されています。また,当時の街並みを再現したミニチュアが庭にありました。
最後に,観光案内所の隣にあった山車展示館に入りました。山車展示館は,1994年(平成6年)に建設されたもので,藩政時代から伝わる弘前市内各町会の山車を一堂に展示してありました。また,弘前ねぷたまつりの時に出陣する直径4メートルの「津軽剛情張大太鼓」も収納されていました。

さて,これで弘前市の観光を終えて,青森県の西海岸に向かいます。私がこの日宿泊するのは深浦町というところなのですが,そこがどういうところなのかはまったく知りませんでした。つまり,私は自分が宿泊する場所について知識もなく予約をしたのです。
先日,NHKBSPで「神様の木に会う~にっぽん巨樹の旅~」という番組が放送されていて,何となく見ていたのですが,その番組で日本一の大イチョウというものが紹介されていました。何でも,その大イチョウは青森県深浦町の「北金ケ沢の大イチョウ」だということを聞いて,私が泊まるところの近くだ,と驚きました。この番組は,2021年12月30日に初回放送された「神様の木に会う~にっぽん巨樹の旅~」の第4話の再放送だったのですが,それで,今回,ぜひ見たいと思っていました。
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「北金ケ沢の大銀杏」に行く途中で目についたのが「関の甕杉」という案内標示でした。
「関の甕杉」は深浦町関に位置する大杉で,推定樹齢1,000年以上,樹高30メートル,幹周り8.2メートル,という巨木でした。中世にこの一帯を支配した安東氏の内紛で戦死した霊を弔うために植樹されたと伝えられているもので,杉自体が神格化され「神杉」から「甕杉」,または,遠くから眺めると水甕の形に似ていることなどが名前の由来になったといいます。
また,そのとなりには「関の古碑群」がありました。これは,1340年(暦応3年)から1401年(応永8年)までに時宗の信徒が建立した関集落周辺の石碑を「関の甕杉」の下に集めたもので,42基あります。この地は中世「阿曽米関」(あつまえせき)とよばれる関所があったと推定される地域で,鎌倉末期に津軽大乱の戦場になったとの伝承もあります。
このあたりには,大イチョウのほかにも不思議なものが存在するものだと思いました。

「関の甕杉」を見てから,「北金ヶ沢の大イチョウ」を目指しました。迷うこともなく,案内標示を見つけました。目的地に着きました。少し離れたところに広い駐車場があったのですが,停まっていた車は私の車以外には1台だけでした。
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「北金ヶ沢の大イチョウ」は深浦町北金ケ沢塩見形に位置する大木で,推定樹齢1,000年以上,樹高31メートル,幹周りは22メートルもあります。
伝説によると,この地は,飛鳥時代の7世紀中ごろに,越国守・後将軍・大宰帥を歴任した武将で,658年(斉明天皇4年)に蝦夷に侵攻し比羅夫に従った蝦夷の首領のひとりだった安倍比羅夫が勧請した神社の境内で,創建した際にイチョウの苗が植えられたと伝えられています。
「北金ヶ沢の大イチョウ」には数多くの気根・乳垂があることから、赤子をもった母親の母乳の出がよくなると信仰され,「垂乳根の公孫樹」(たらちねのいちょう)とよばれるようになりました。周囲には多くの小祠や石仏が建立され,気根に御神酒と御米を奉納し祈願する風習は昭和50年代まで見かけたとされます。
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あまりに大きくて,全体を写真に入れるのに苦労しました。
大イチョウのとなりにJR五能線の線路があったので,列車と一緒に写真に収められたらいいなあ,と思ったのですが,2時間に1本程度しか走っていないので,それはムリな話でした。

その翌日。
私は,深浦町の民宿に泊まって,再びここまで戻ってきました。その途中で,何とJR五能線を走る列車を見ました。JR五能線の線路は国道101号線に沿っているのですが,列車は駅に停まるから車の方が若干早く,「北金ヶ沢の大イチョウ」のあたりで待っていれば,列車と大イチョウを一緒に写真に収められるのでは,と思いました。
それが,今日の1番目の写真です。

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