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午前8時5分,列車は会津川口駅に到着しました。
反対側のホームには,小出駅午前5時36分発の2両編成の列車が午前8時2分にすでに到着していました。この列車は,会津川口駅で39分停車します。私の乗っている列車は会津川口駅を午前8時15分に出発するので,停車時間は10分でした。
只見線全線に乗る,といっても,単に列車に乗っているだけかと思っていたのですが,こうして,会津川口駅と,その先の只見駅での長い停車時間があるので,ホームに出て写真を撮ったり,駅舎を見ることもできるのでした。
あたりは凄い雪で,これもまた,美しく,最高でした。
会津川口駅は,金山町の中心にあります。金山町は,金銀の鉱山が多かったことに由来するといわれ,江戸時代は羽州街道の宿場町として発展しました。もとは秋田の小野寺義道の領地でしたが,やがて最上義光の領地となりました。
おいしいものが食べられたり,景色がすばらしかったり,温泉があったりと,歴史や名所などを調べて行けば奥が深いと思うのですが,あまりまとまった情報がありません。もったいない話です。ぜひ,今度は時間を十分にとって行ってみたいところです。
この日は,10分の停車時間だったので,駅舎まで行ってみました。
さて,列車は出発して,只見駅に向かって進んでいきます。
会津川口駅から只見駅までの区間の橋梁がすべて流されてしまって,7年もの間,只見線は不通となっていましたが,今,こうして乗ることができるのがうれしいことです。
まず超えたのが第五只見川橋梁でした。会津川口駅と本名駅間の阿賀野川水系只見川に架かる全長193.28メートルの橋梁です。2012年(平成23年)7月の新潟・福島豪雨被災後で,只見川の増水・氾濫によってこの橋梁は川口方プレートガーダー桁1連が流失しましたが,この付近の只見川は川幅がやや広く,かつ下路式トラス橋のため,トラス桁部分は冠水,流失する事態を免れました。
列車が,次の只見川夏井川橋梁をこえると,本名駅に着きました
本名駅を出ると,大きなダムが見えてきます。これは,上端が旧国道252号線になっている全国でも珍しい形状をもつダムで,太平洋戦争終戦後,GHQとの敗戦処理の折衝を矢面に立って行った白洲次郎氏が東北電力初代会長時代の1954年(昭和29年)に完成した,東北電力の発電専用のダムです。
列車が第六只見川橋梁を渡る瞬間,北西側にその巨大な姿を目の前に見ることができますが,ダム下流の金山町から見ると,ダムと橋梁の景観がすばらしく,ゲート巻上機建屋から見下ろす下流の景色も絶景ということです。