朝,津軽半島の先端龍飛崎の「龍飛崎温泉ホテル竜飛」を出発して,一路,下北半島を目指したのですが,思ったよりも早く下北半島までたどり着いて,霊場恐山にも行き,さらに仏ケ浦海岸まで足を延ばすことができました。
この日予約してあったのは,むつ市の「むつグランドホテル」,素泊まりでした。
地図を見ると,仏ケ浦海岸からは,下北半島を南の海岸線に沿って反時計回りに来た道を戻るのも,時北の海岸線に沿って時計回りに大間崎を経由して戻るのも,ともに同じような距離だったので,大間崎に行って,そこで夕食をとることにしました。きっとおいしいマグロが食べられることでしょう,という期待を込めて…。
仏ケ浦海岸から下北半島の西岸に沿って国道338号線を走るのですが,海岸線はずっとすばらしい景色が続いていました。下北半島に限らず,日本海側の風景は変化に富んでおもしろいものです。
しばらく走っていくと集落が見えてきました。国道338号線はここで終点で,引き続き国道279号線になるのですが,国道を走っていくと大間崎を通り越してしまいます。国道338号線の終点で,道路標示に従って,大間の市街地を北上していくと,大間崎に着きました。
広い駐車場があったのですが,車は全く停まっていませんでした。車を停めて,まず,大間崎の日本最北端の地碑まで行きました。すごい風でした。
大間崎は,35年ほど前に一度来たことがあるのですが,そのときのうっすらとした記憶では,もっと閑散とした漁港だったように思います。現在は,立派な観光地に変貌を遂げていましたが,観光客は皆無でした。聞くところによると,北海道の宗谷岬や美瑛の青い池はインバウンドであふれかえっているとか…。それだけで,私は行く気がなくなるのですが,それに比べて,ここは最高でした。
時刻はまだ午後5時前でしたが,夕食をとることにしました。
何軒か,食事のできる店があったのですが,車を停めたとき声をかけてくれた人の店に行くことにしました。注文したはもちろん極上のマグロ丼です。マグロを釣ったという人の息子さんがやっている店ということでした。出来上がったマグロ丼を食べていると,私の食べているマグロを釣りあげたという人が入ってきました。小柄な初老の人で,この人が一本釣りしたとは信じられませんでした。
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マグロといえば「大間の一本釣り!」と答える人も多いくらい有名な,大間のマグロです。小型船に乗ってマグロが回遊する沖まで出て,釣竿で1本のマグロを釣り上げるのです。
一本釣りは,傷が少なく状態もいいため単価がよくなりますが,1本ずつ釣り上げるので手間のかかる作業になるし,漁に出ても全く釣れないこともあるといいます。
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何事もすごいものだと感動しました。
マグロは日本海を回遊して,津軽海峡に入り,太平洋へ向かうのですが,津軽海峡は海流が早く,身が引き締まっておいしいマグロになるということです。ちょうどこの時期から漁がはじまりますが,この季節のマグロは赤身ばかりだそうで,油ののったおいしいマグロは冬に捕れたものだそうです。
釣ったマグロは,マイナス60度にして都会に送るそうです。
といった話を聞いていたときはそんなものか,と思ったのですが,後で考えてみると,冬の漁は,ものすごく寒い時期ではないですか。過酷です。
店で出されたものは,冬に捕れたものということで,私が生涯食べたものの中でも最高の味のひとつでした。上質のトロと上質の牛肉を足したような味。こんなおいしいものを食べてしまうと,帰宅してから,トロにぎりは食べられないなあ,と思いました。
さすが大間のマグロでした。
ところで,先日,NHKBS「にっぽん縦断こころ旅」で大間崎を取り上げていましたが,晴れた夜には,大間崎から函館の夜景が海の上に浮かび上がって見えるのだそうです。
そんなことを知ると,ぜひ,一度はそれを見てみたいなあ,と思ったことでした。
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