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【Summary】
Orchestra Ensemble Kanazawa, a small orchestra founded in 1988, held a memorable concert in their Kanazawa home venue, Ishikawa Ongakudo, in November. The program, including Akira Nishimura's Bird Heterophony and Shostakovich's Symphony No. 14, was challenging yet captivating. Conductor Michiyoshi Inoue's final performance before retirement added significance, though it drew a diverse audience beyond classical enthusiasts, impacting the concert's atmosphere. Lyrics were shown in subtitles, aiding comprehension, especially for the Russian text of Shostakovich’s work, making this complex concert experience more accessible.

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 オーケストラアンサンブル金沢は1988年に設立されて,2001年から石川県立音楽堂を本拠地として定期演奏会を行っている小規模なオーケストラです。かねてから一度聴いてみたいと思っていたのですが,なかなか機会がありませんでした。今回,いい機会だということで聴きにいくことができました。当日,早朝,家を出て,車で金沢市まで2時間以上かけて行きました。
 会場は,石川県立音楽堂。2001年に開館した金沢市にあるコンサートホールで,オーケストラ・アンサンブル金沢の本拠地です。まず,金沢駅前の特等地にあるということに驚きました。そして,充実した設備であることにも感動しました。
 コンサートホールは1,560席で,クラシック音楽を聴くにはほどよい大きさです。ただし,中に入ると,今となっては少し古く,座席も狭く,期待していたほどではありませんでした。

 この日の1曲目,西村朗の「鳥のヘテロフォニー」は,私が予習していたものよりもずっとダイナミックでした。曲をさらうだけでもたいへんなのに,これを消化して,聴衆に感動を与えることができるというのは,プロだから当然であるとはいえ,すごいものです。
 こうした,いわゆる現代音楽は,どのように聴いたらいいのか,私にはよくわかりません。どういう聴き方をしたらいいのか,というようなことを,何かの機会にわかりやすく解説してほしいものだといつも思います。
 ショスタコーヴィチの交響曲第14番を聴くのは大変です。何せ,歌詞がわかりません。事前に訳を読んではいても,曲を聴きながら把握できるものではありません。テレビ中継でもあれば,歌詞が字幕で出るからそれでも味わえるのですが,テレビ中継でもないし,また,ドイツ語ならともかく,ロシア語なんて,私には無縁の言語です。と思っていたら,ステージに歌詞が字幕で表示されたので,助かりました。以前,NHK交響楽団の定期公演でショスタコービッチの交響曲第13番をやったときには,こうした配慮もなく,まったくもって消化不良に終わったことを思えば,これは助かりました。
 それにしても,ショスタコーヴィチが,最も聴いてほしかったと思われるロシアで,この曲を演奏することが現在可能であるかどうかは知りませんが,おそらく無理でしょう。であるなら,他の国の人に何かを訴えようとしても,ほとんどの人がわからないロシア語では困難なことです。だから,このような曲をロシア語の歌詞で残したということが私には残念です。

 今回の曲目は,このような小規模なオーケストラでなければ実現しないものであり,また,指揮の井上道義さんが言っていたように,このコンサートでこの曲をはじめて聴いたという観客がほとんどで,これで集客ができるというのも,さまざなま要因が重ならないと無理,というものでした。
 とはいえ,曲目が何であれ,引退を間近にした井上道義さんの最後のオーケストラ・アンサンブル金沢との共演というご祝儀のような演奏会だったので,曲を純粋に楽しむ,という感じではなかったのが私には残念でした。また,終演後に井上道義さんがロビーで現れたのですが,こうなると,一部の常連さんのお別れ会のようになってしまっていて,よそ者の私には,それが大きな疎外感となりました。興行的にはこれでいいのでしょうが…。
 また,ここ数年,ほぼすべてのクラシック音楽のコンサートはカーテンコールの写真撮影が許可されています。しかし,石川県立音楽堂の意向なのかオーケストラアンサンブル金沢の意向なのかは知りませんが,ここでは未だそうした配慮もなく,これだけでも,私は,リピートしたくないな,という気になりました。しかし,多くの人はそれを無視して写真を撮っていました。
 また,神奈川フィルハーモニー管弦楽団の演奏会では,カーテンコールの写真撮影可どころか,終演後,ロビーに団員さんが並んでお見送りもしてくれるので,また来たいな,と思います。
 ファンあっての演奏会です。少しは見習ってほしいものです。

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