【Summary】
The Kyoto Symphony Orchestra’s 706th subscription concert featured Spinosi conducting Rossini, Haydn’s “Bear,” and Beethoven’s “Pastoral.” Spinosi’s background in Baroque music was highlighted. I appreciated the standard violin seating, recalling Ashkenazy’s memorable “Pastoral.” Berlin Philharmonic violinist Kotoha Machida served as concertmaster, praised the orchestra’s strong strings and excellent winds.
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2025年11月29日に京都市交響楽団第706回定期演奏会を聴きました。
指揮はジャン・クリストフ・スピノジ(Jean-Christophe Spinosi)さん,曲目はロッシーニの歌劇「アルジェのイタリア女」(L'italiana in Algeri)序曲,ハイドンの交響曲第82番「熊」(L'Ours),ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」(Pastorale)でした。さわやかなとても快適なプログラムです。
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ジャン・クリストフ・スピノジさんは,1964年生まれのフランス・コルシカ出身の指揮者・ヴァイオリニストです。1991年に自ら創設した「アンサンブル・マテウス」を率いて,特にバロック音楽,なかでもヴィヴァルディのオペラ解釈で国際的に高い評価を受けています。
舞台演出にも積極的で,振付師や演出家とコラボしながら音楽と演劇を融合させた独創的なプロダクションを次々と生み出しています。
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ということですが,私はおそらくはじめてでした。楽しく,自由に,というのがモットーのようです。
ところで,この日,東京では,東京芸術劇場で東京都交響楽団の定期演奏会があって,ここでも,メインプログラムがベートーヴェンの交響曲第6番「田園」だったようです。同じ曲目が同じ日,あるいは,数日後,というのはけっこうあります。
めずらしい曲だと,楽譜の貸し借りをするために同じ曲が数日の感覚で並ぶということがあるようです。しかし,「田園」では楽譜を楽団がもっているからそういうことではなく,今回は偶然だと思うのですが,秋らしい曲,ということで,たまたまこのような選曲になったのでしょう。
ということで,今回のメインプログラムである「田園」。大好きな曲のひとつです。
以前,ウィーンに行ったとき,「田園」のモチーフとなった小川のほとりを歩いてみたことがあります。いい思い出です。こういう経験のもとで曲を聴くと,また,輝きます。
私は,これまで,「田園」は何度も聴いているのですが,以前,NHK交響楽団で,アシュケナージさんが指揮をしたのが最も印象に残っています。というのは…
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オーケストラの配置は,ステージに向かって左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロが並び,その後にコントラバスというのが,現代の一般的な通常配置((Stokowski shift))とよばれるものです。この場合,第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリンが隣同士なので,オクターブやユニゾンで音程を取りやすく,一体感のある響きが生まれるといわれます。また,第2ヴァイオリンとビオラがまとまっているため,内声のハーモニーも自然に溶けやすくなります。
それに対して, 対向配置というものがあります。それは,古典派やロマン派の作曲家が想定していた配置のひとつで,ステージに向かって,左側に第1ヴァイオリン,次いで,ビオラ,右側に第2ヴァイオリン,次いで,チェロと並びます。これは,左右対称で音が広がるように聞こえ,弦楽器の掛け合いがはっきり感じられるということです。
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こうした配置は,オーケストラによって決まっているというものではなく,指揮者によって決まるようですが,「田園」では,第1楽章の展開部で,第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロという順に流れるように音階が続くところがあって,これが,対抗配置だと,音階が左から右へと飛びはねるので変なのです。アシュケナージさんが指揮をしたときは,通常配置(ストコフスキー・シフト)だったので,左から右へ流れるように奏でられて,とてもすてきでした。「田園」を対抗配置で演奏するなんて,私には理解できません。今回の京都市交響楽団は,当然のように,通常配置だったので,私は,ホッとしたというか,うれしくなりました。
ところが,ジャン・クリストフ・スピノジさんの「田園」は,聴きなれたものとはずいぶんと違いました。テンポがある部分で非常にゆっくりとなったり,わずかな休符があったりと,おそらく,賛否両論だったことでしょう。団員さんも出るタイミングを合わせるのが大変そうでした。お客さんにも戸惑いがありました。しかし,NHK交響楽団の某指揮者のように,最初から最後までものすごいスピードで駆け抜けるだけなのとは全く違い,指揮者の主張がはっきり出たもの,と考えると,これはこれでありだと私は思いました。
なお,今回の演奏会では,コンサートマスターがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者である町田琴和さんが務めました。
ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州のロイトリンゲンを拠点とするオーケストラであるロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団(Württembergische Philharmonie Reutlingen)のコンサートマスターを務めたのち,1997年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者として正式に加わったという経歴です。演奏は透明感があって芯のある音色が魅力ということです。現在,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がジャパンツアーを行っていることから来日しているので,それが縁で起用されたようです。
「今回初めてご一緒させていただきますが,弦も層が厚くて,管も素晴らしくてびっくりしました」とのことでした。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは
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