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【Summary】
Emanuel Ax offered a gentle, refined Mozart, though the hall felt too large. Payare’s passionate style suited other repertoire better, and “Ein Heldenleben” impressed less than past performances. Poor balance and the outdated, remote Toyota Civic Center left the concert feeling underwhelming despite the holiday weekend.

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 76歳のエマニュエル・アックスさんは温厚なおじいちゃん,という感じでした。
 エマニュエル・アックスさんは,2002年6月の定期公演Bプログラムでブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏して以来23年ぶりということです。
 2003年2月の定期公演Aプログラムで,イモージェン・クーパー(Dame Imogen Cooper)さんが今回と同じ曲をイギリス人らしく気品漂う上品な演奏をしたのをNHKホールで聴いたのを思い出しました。年齢を重ねたピアニストにモーツアルトの協奏曲第25番はとてもよく似合います。
 今回も,透明感と艶やかさでさわやかな雰囲気が漂いました。こうした室内楽のようなサロン調のものはとてもいいものですが,会場が大きく,それにふさわしいスケールでなかったのが残念でした。Bプログラムが行われたサントリーホールなら,もっとすばらしかったのでしょう。
 アンコールはショパンのワルツ第3番でしたが,これがとてもよかった。

 それに対して,ラファエル・パヤーレさんは,全身を使った情熱的なスタイルで,まさにラテン系でした。R・シュトラウスよりもふさわしい選曲があるのでは…,と思いました。
 「英雄の生涯」の最も注目すべき聴きどころは,コンサートマスターのソロです。長原幸太さんはよかったのですが,私は,コンサートマスターを会田莉凡さんが,指揮を沖澤のどかさんが務めた京都市交響楽団のすばらしい演奏を聴いたときの印象が強すぎて,それに比べたら,というのが率直な感想でした。
 それにしても,NHK交響楽団の演奏を聴くたびに思うのは,弦楽器と管楽器のバランスがよくないなあ,ということです。それはおそらく普段NHKホールのようなだだっ広いところで演奏をしているからなのかも知れません。

 豊田市には,豊田市駅前に1998年開館の豊田市コンサートホールがあります。ここは,クラシック音楽専用の本格ホールとして音響のよさが評判で,座席数は1,010席,パイプオルガンもあります。今回行われたのは,豊田市民文化会館で,1975年に豊田市文化芸術センターとして開館,1981年に大ホール棟を増築して現在の名称に変更されたもので,1,708席あります。
 この日,豊田市コンサートホールで別の演奏会が行われていたわけでないのに,豊田市民文化会館でNHK交響楽団の演奏会が行われたのは,おそらく,今回のプログラムのひとつにR・シュトラウスの「英雄の生涯」の大規模編成の曲であったことや,収容力を優先したもの,あるいは,主催が豊田市文化振興財団ということがあったのでは,ということですが,豊田市民文化会館は,豊田市駅から徒歩で30分程度かかることやホールが古い設計で,客席からステージが見上げるほど高いことなど,魅力のないところでした。それが理由かどうか,連休中にもかかわらず,会場は空席が目立ち,すごくもったいない気がしました。名古屋市の愛知芸術劇場コンサートホールでやれば満席なのに,と思いました。
 正直なところ,行ってよかった,という気持ちにはなりませんでした。せっかくのNHK交響楽団が気の毒でした。

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