しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

カテゴリ:アメリカ合衆国50州 > ニューハンプシャー州

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 この観光案内所,やる気がないというか,普通,親切な年配のスタッフがいて,聞くと,とても親切にいろいろと教えてくれるのに,だれもいなかった。
 でも,いつものように,たくさんの資料やらパンフレットが置いてあったので,ニューハンプシャー州の道路地図をもらった。ここではじめて,ニューハンプシャー州の詳しい地図を手に入れることができたのだった。
 このように,この大統領予備選がはじめに行われることで有名な人口わずか130万人のニューハンプシャー州は,私にとって,どうも相性が悪かった。
 おまえはこの州に来るにはまだ青い,と言われているかのようであった。

 雨は,少し小降りになってきたけれど,まだ上がらない。山岳地帯が雨では観光もままならないので,引き返すのはやめて,そのままインターステイツ89をそのまま走ることにした。
 道は,南東に進み,やがて,コンコードにさしかかった。ここは,名前は同じだけれど,2日目の朝に行ったマサチューセッツ州のコンコードではない。
 これまでほとんど車の走っていなかったインターステイツ89であったが,次第次第に車が多くなってきた。

 北からインタステイツ93という別の道が現れ,ジャンクションで一緒になって,インターステイツ89は終わり93に融合された。また,ここで,インタステイツ93はターンパイク(有料道路)になった。
 トールパスの吸盤の接着が弱く,窓から落ちてしまったので,トールパスは,車のトレイの中に放り込んであった。そういったことをすっかり忘れていて,EZPassのゲートを通る。ゲートには,日本と違って,遮るものはなく,トールパスを感知すると信号が青になる。ここでは,信号が青にならなかったので,変だなあ,とは思ったが,赤がともったわけでもなく,壊れているんだろう,と思って,そのまま通過してしまった。
 今思うと,あれは,いったいどういう扱いになっているのだろうか…。
 ともかく,ターンパイクを走っていくと,マンチェスターの大きな町が見えてきた。

 ニューハンプシャー州のマンチェスターは,ニューイングランド北部3州(メイン州,ニューハンプシャー州,バーモント州)の中で最大の都市で人口10万人強。繊維産業の中心地である。
 マンチェスターは,バーモント州にもあるし,もちろん,本家イングランドにもある。ニューイングランドというだけあって,このあたりの地名は,イングランドと同じものが多い。
 マンチェスターに差し掛かったとき,走ってきたインターステイツ93は環状道路となって,Y字形のジャンクションで左手はそのままインターステイツ93,右手はインターステイツ293になった。走っていると,このようなときが難しいのだ。地図を広げて調べるわけにもいかず,多くの車が65マイルで走行していて,車線も多いので,車線変更もままならない。
 アメリカの道路標示は,日本とはくらべものにならないほどわかりやすいが,行き先の標示は,その標示があったとともに車線変更をしないと手遅れになるくらい冷淡(直前にしか標示がない)なので,瞬間の判断が要求されるのだ。
 こうしたことをてっとり早く経験したい人は,ロサンゼルスのフリーウェイを走ってみるといい。
 ダウンタウンにさしかかるにつれて,多くの道路が一緒になっていくが,日本のように車線が減るのではなくて2車線が4車線になり,6車線になり…,というようにどんどん多くなっていき,道路標示に従って,わずかな距離で多くの車がそれぞれ車線変更を繰り返し,アッという間に,また,別の道路となって離れていく…。運転していると感動するし快感もあるのだが,実際運転は大変だ。

 私は,インターステイツ293に進路をとって進んでいったのだけれど,道は,マンチェスターのダウンタウンのビル街を左手に南下していって,マンチェスターの市街地が過ぎたところで,再び左に折れて,結局,また,インターステイツ93と一緒になってしまった。
 わずかな命のインターステイツ293であった。私の車は,ただ単に,インターステイツ93を迂回したに過ぎなかったわけだった。結局,このあとは「ボストン」という道路標示に従って,インターステイツ93を南東に進むことになった。
 ニューハンプシャー州とマサチューセッツ州の州境にセーラムという町があるが,これも,昨日行った魔女博物館のあったセーラムではない。同じ名前の町が複数あるので,道路標示やら地図を見ると迷ってしまう。このようなとき,道路標示には,「Salem NH」のように,地名の後に州名が書いてあるのだが,はじめは,このNHの意味も分からず,なんだこりゃ,と思った。何の省略だろうと…。
 こういうことは,辞書を引いてもわからない。このような学校で習ったこともないが,こちらに住んでいる人にはあたりまえ,みたいなことを旅行者が解読するのが最も困難なことなのである。
 こういうことはこちらに住んでいる人に聞くのが一番だけれど,聞かれたほうも,日ごろ当たり前みたいなことが多くて,あなた何言ってるの? なんて質問の意味すら分かってもらえない,ということもよくある。

◇◇◇
Shutdown Ends; Debt Limit Rises.

心配されていたアメリカ政府の債務不履行はなんとか回避されました。以前にも書きましたが,ティー・パーティを支持母体とする一部の共和党議員は何とかならないのでしょうか。彼らは,共和党ではなく,茶党(Tea Party)として独立したほうがいいと思います。これでは,共和党はどんどん支持を減らしてしまいます。
この日,下院で議決が終わった時に,速記者である女性がマイクをもって壇上に駆け上がり,「神は騙されない。議会は分断されている。許すことはできない。」と20秒ほど演説し,警備員よって退場させられた,というハプニングがあったそうです。

◇◇◇
「マロン」は,もともとは,トチノキ科のマロニエの実のことで,かつてはマロニエの実を使ってマロングラッセ(フランス語 marrons glaces)を作っていたのですが,後にクリの実で代用するようになった結果,マロンにクリの意が生じました。フランス語で栗は Chataigne,英語では chestnut と言います。ただし,フランスでは,大粒の栗=Marron,小粒の栗=Chataigneと考えている人が多いそうです。実際には,日本の栗,アメリカの栗,フランスの栗は種類が違うので,同じものを指していないというのが真実です。

◇◇◇
昨日も大リーグ中継でトロント・ブルージェイズの川崎宗則選手がゲストで登場。アナウンサー「川崎選手の英語もずいぶん上達されたという話ですね」。川崎選手「はい,英語は楽しいです。I like study English.」。
川崎選手,その英語間違っていますよ! でも,通じるんだからそれでいい。アグレッシブで,英語でインタビューに応じる川崎選手は立派です。

☆ミミミ
昨晩は旧暦の9月13日。
十五夜を中秋の名月と呼ぶのに対し,十三夜は「後の月」「豆名月」「栗名月」ともいいます。十三夜月は十五夜についで美しい月とされ,宮中では古くから宴を催すなど月を鑑賞する風習がありました。
十五夜だけ観賞するのは「片月見」といって忌まれていて,十五夜に月見をしたら,必ず同じ場所で十三夜にも月見をするものとされています。
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 道は,予告もなく,ニューハンプシャー州に入った。
 メイン州が高原なら,ニューハンプシャー州は山,そして,次に行くバーモント州は森であった。
 州の境を過ぎると,突然景色が変わるのだ。これが興味深かった。

 この旅で心残りだったのは,このニューハンプシャー州の中をずいぶんと走ったのにもかかわらず,結局,この州について,なにもわからなかったということである。たとえれば,地図も持たず,わずか数時間で長野県を観光する,という感じであろうか。きっと,安曇野の景色も,伊那谷も,馬篭も,そういう魅力のある観光地も知らずに,単に国道19号をかけぬけたようなものだった。

 どうしてこうなってしまったか。理由は,くわしい地図がなかったことだ。
 車につけたGPSは,簡単な地図しか表示しないので,行き先を検索しない限り,全く頼りにならなかった。
 事前に日本で見つけてプリントアウトして持って行った地図は,観光をするには,あまりに大まか過ぎた。
 ニューハンプシャー州も思った以上に広く,どこかへ行くには,数時間かかるような気がした。どこかへ行けば,今日中に宿泊先バーリントンに着くことができないように思えた。 
 地図は,ふつう,その州に入ったあたりにある案内所で手に入れることができるから,そのようにして手に入れようと思っていた。しかし,走っていた国道2には,そうした案内所がなかった。これも,帰国後にわかったことだが,国道2の20マイル(32キロメートル)南を走る国道302には案内所があった。
 ニューハンプシャー州の国道2を駆け抜けて,やっと案内所を見つけたとき,そこは,すでに,バーモント州であった。

 「地球の歩き方」によると,ニューハンプシャー州の見どころは,ホワイトマウンテンズと湖水地方であるという。地図さえあれば,簡単なことであったのに…。
 私が走っていた国道2ではなく国道302にそって,ホワイトマウンテンズがあった。国道2から南に見えていた小高い山が,探し求めていた正真正銘のワシントン山で,そのふもとに,乗りたかったコグ鉄道があった。本当に惜しいことをした。
 そして,国道302はインターステイツ93と名を変え,そのまま南下すれば,湖水地方を巡る国道109につながっているのだった。
 この地方は9月の紅葉が絶品であるという。
  ・・
 これまでもそうだった。思い続けた夢は必ず実現した。
 私は,いつかきっともう一度,この地を訪れることであろう。そして,そのときは,ニューハンプシャー州を心いくまで堪能することであろう。

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