ずいぶんと時間を無駄にした。でも,こういうことを含めて旅である。
ともかく,これで,踏ん切りがついて,インターステイツ89をどんどんと南下して,マサチューセッツ州へ行くことにした。こうなると,もう500キロ近い距離を,65マイルに固定して,どんどん走るだけである。
雨が降っているので,注意して走る。巨大なトレーラーが前を走っているときが一番気をつかう。斜めから見ると,日本のくるまのような大きさに思うのだが,実際にはものすごくでかい。追い越すのは大変である。
このあと,ずっと車を走らせ,FMラジオから気の利く音楽を流している周波数を探すくらいで,とくに変わったこともなく,時間が過ぎていった。
車はオートクルーズ。持っているカメラ「クールピクスP300」はズームを100ミリ相当にして右手でシャッターを押すと,運転しながら景色を写せるので,しばらくは写真で,道路の様子,天気の様子をご覧いただきたい。
2車線道路のように見えるのは,片側の2車線であって,対向車線は,はるか遠いところにある。道は,右側の側道にそって,刻みがずっと入っていて,車が車線からはみ出ると,すごい振動がタイヤから伝わるようになっている。逆に,左側にはずっと黄色いラインが引いてあって,これは,真っ暗なときでも,明るく浮かび上がるので非常に安全に運転できる。
日本では,このようにラインが引かれておらず,特に深夜の山道などでは何を信じて走ればよいかわからない。近頃は,交差点がやたらいろんな色で塗りたくられていたりして,さらに混乱の度合いが増す。
どうして,この国の人は,工業製品だけでなく,なにもかも簡単明瞭にしないで,ごちゃごちゃいろんなことをするのだろうか。
運転をしている人もアクロバティカルで,すごいスピードで煽るわ,追い越すわ,しかも,自転車は左車線をのろのろと走っているわ,2車線が突然1車線になるかと思えば左車線が突然左折専用になるわ,で,制限速度で左側を安全に走ることすら困難な状況である。
運転をしていて疲れる度合いがアメリカとはまるで違う。
インターステイツ89はバーモント州を東に,そして,モントビリアからは南東に進路をとって,レバノンというバーモント州とニューハンプシャー州の州境の町に来た。ここにジャンクションがあって,インターステイツ91とX形で交差する。
アメリカのインターステイツは東西に走るものは偶数番号,南北に走るものは奇数番号がついているのだが,89と91,ともに奇数であることから,その両者が,89は北西から南東,91が北東から南西に走っていることが読み取れる。
私はここで91に進路を変えて,バーモント州の東側の州境に沿って南下し,マサチューセッツ州のちょうど中央部でこれを横断し,コネチカット州のハートフォードというマーク・トゥインとハリエット・ビーチャー・ストウの住んだ町で一泊しようと,走りながら考えていた。
ところが,レバノンで道を間違えて,そのまま89を南東に進み,気づいたときは,ニューハンプシャー州の観光案内所のあるパーキングエリアに到着してしまっていた。
◇◇◇
Lack for nothing : Sox deny Tigers !!!
第3戦はナポリ捕手のホームランによる1点を,田澤・上原投手が守り抜き1-0の勝ち。
あとふたつ。