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●マンモスケイブ国立公園(Mammoth Cave National Park)
カールズバッド国立公園を紹介した折に思い出したので,忘れないうちに今日はマンモスケイブ国立公園を紹介します。
アメリカの東側にも国立公園はあるのでが,私が参考にしている「地球の歩き方」の「アメリカの国立公園」編にはまったく載っていません。このように,マンモスケイブ国立公園は情報が少なく,当然日本からのツアーなども存在しないと思われます。したがって,私も,マンモスケイブ国立公園がどんなところなのか,まったく見当がつきませんでした。
マンモスケイブ国立公園は,ケンタッキー州の中央部にあって,世界でもっとも長い洞窟群であるマンモスケイブを含む国立公園です。
国立公園の敷地は214平方キロメートルもの広さがあって,東海岸の多くの都会から比較的容易にアクセスできるので人気です。マンモスケイブは,1本の大きな洞窟があるのではなく,大小さまざまな洞窟が奥の方でつながり合っていて,現在通行可能な洞窟の長さは600キロメートル! もあります。日本の秋芳洞は通行できるところが5キロメートルほどしかないことを考えると,途方もないスケールです。
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マンモスケイブの歴史は3億5,000万年前にさかのぼります。浅い海に住んでいたウミユリとか貝類やサンゴなどの死骸がどんどん堆積して,石灰岩を形成,やがて海が大地になり,大地に降り注いだ雨が石灰岩を溶かし,隙間から地下に流れこみ,地下水が長い年月の間に石灰岩をさらに溶かし,地下水の川となり,川の流れで空洞と空洞がつながっていって,洞窟をどんどん拡大させていったものです。
私はツアーに参加して,洞窟を巡ることにしたのですが,ここは非常に人気があるので,早朝到着して,予約をしました。
ツアーガイドについて階段を降りると,そこから先の洞窟はものすごく広くて天井も高いものでした。洞窟内の気温はいつも15度で,少しひんやりと涼しいところでした。
この洞窟は,以前マンモスケイブが鉱山として使われていた跡が残されていて,落書きがあったりするので,大自然のなかの未開の場所,という感じではありません。しかし,途中にはいろいろな岩や穴があって,階段から見るとぞっとする深さだったりもします。ツアーでは440段の階段を上り下りするのですが,ツアーで最後に訪れるのが「マンモスドーム」(Mammoth Dome)。この「マンモスドーム」とよばれる巨大な縦穴は,マンモスケイブでも最大の高さを誇ります。
「マンモスドーム」を過ぎると,ここから150段の階段がジグザグにグルグルとつけられていて,出口までひたすらこれを登っていくことになります。その途中にある「ファトマンズミザリー」(Fat Man’s Misery)という通路は,太った人が惨めな思いをするという意味の狭い回廊で,数10センチ四方しかない横穴です。
マンモスケイブはカールズバッドの洞窟よりもずっと規模が大きくて,しかも高低差があるのですが,鍾乳洞という意味からは,カールズバッドの洞窟のほうが,古来より人間の手にかかっていないだけに素朴なところでした。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは