●とにかく道路が汚いということに尽きる。●
私はノースカロライナ州に入ってビジターセンターでひと休みをしたことで,ノースカロライナ州に足を下したことになると自己満足して,そのままインターステイツ95を走ってノースカロライナ州を突き抜けた。
結局,ノースカロライナ州では,どこの町に立ち寄ることもなかったわけだ。
今これを書いていてとても不思議なのは,今日の1番目の写真は片側1車線の道路であるから,インターステイツ95ではない,ということだ。だが,私はノースカロラナイ州はインターステイツ95を走り抜けた記憶しかないから,どうしてこの道路の写真があるのか,まったく記憶にないのである。
ここはどこなのだろうか?
ノースカロライナ州(State of North Carolina)は人口は約1千万人で合衆国の10位,面積は北海道の約2倍の約14万キロメートルで合衆国の第28位,州都はローリー(Raleigh)である。
タバコと家具の生産地として知られたが,バイオテクノロジーや金融分野など多様な経済に転換してきた。イギリスから独立したアメリカ合衆国13州のうちのひとつで,南北戦争では南部連合側に最後に参入した。南部連合に属した州うちで最も多くの兵士を失い,苦しい再建時代を送った。
ノースカロライナ州のひとり当たりの収入はアメリカ合衆国の38番目ということだからかなり貧しい州ということになろうか。
走り抜けただけのノースカロライナ州で私が強く印象に残ったことといえば,とにかく道路が汚かったということに尽きる。
今日の写真にあるように,ノースカロライナ州に入ったら,ものすごい雨に出会った。しばらくすると小雨になったが,そのことに加え,道路のいたるところにタイヤのくずやらが落ちていて,道路自体もボロボロであった。こうしたことから,私はこの州を観光しても仕方がないなあ,と思ってしまった。
そういえば,2015年の初夏に旅をしたオクラホマ州も同様であった。
このときはカンザス州から南下してオクラホマ州に入ったのだが,カンザス州のインターステイツがターンパイク(有料道路)で,整備が行き届いてたのに対し,州を越えた途端にフリーウェイとなったが,それとともに道路がボロボロになった。また,そのあとで通ったアーカンソー州やミシシッピ州も同様であった。
アメリカではインターステイツを見ればその州の経済状況がわかるのかもしれない。
そうこうしているうちに,私はノースダコタ州をあっという間に通過して,バージニア州に入った。私は,こうして,曲がりなりにも50州すべてに行くことができたのだった。
カテゴリ:アメリカ合衆国50州 > ノースカロライナ州
2016夏アメリカ旅行記-ノースカロライナ・ついに50州目②
●念願の50州目に到達したのだった。●
さて,インターステイツ95に戻ってしばらく走ると,いよいよ50州目のノースカロライナ州へ到着した。私は州境でぜひ「ようこそノースカロロラナイナ州へ」の道路標示を写そうとカメラを準備した。
このブログで多くの道路の写真があるが,これは運転しながら写したモノである。とはいえ,ピントは自動で合うし構図を液晶画面で確かめているわけでもなく単に右手でシャッターを押すだけなのである。レンズの焦点距離を35ミリフィルム換算で80ミリ程度に合わせてカメラの位置は経験上わかっているからあとは車の通らない直線道路でシャッターを押しさえすればいい。こういうとき利き手の右手でシャッターボタンを押すことのできる左ハンドルは便利である。日本で運転していてもこうはいかないし,スマホではこういう写真は写せない。
ただし,道路標示をきちんと入れて写すのは難しいから,こういうときは1秒15コマとかに設定しておいて連射をすることになる。それでもなかなかうまくは写せない。そのうちの1枚が今日の1番目の写真である。
私はついに念願の50州目に到達したのだった。
私が50州制覇を意識したのは,名前は忘れてしまったが,ある写真家がアメリカ50州を制覇したというブログを読んでからのことである。この人は,最後に残ってしまったのはノースダコタ州であったと書いてあった。そこでノースダコタ州を特に意識した私は,それほど行くのが大変なところならばととりあえず2012年にノースダコタ州に行ってみた。
それまでにもアメリカの半分くらいの州には行っていたが,そのときから私の50州制覇の残りの旅がはじまったのだった。
もし,私がライフワークで50州制覇をしようともっと若いころに決めていたら,その後,こんな大急ぎの旅はしなかったことだろう。私にとって,50州制覇はそれを思い立ったときは冗談にすぎず,それが40州を超えるあたりから次第に呪縛になってきて,さらに無茶な行程で旅をすることになってしまった。しかし,その結果,様々な貴重な経験をすることができた。
私は50州制覇を達成できたこのときに呪縛が解けてアメリカ以外の様々なところに行きたくなったが,そこへ行く時間がこの先も十分にあるのが幸いなことである。
州境を越えたところにビジターセンターがあったので,車を停めて私はなかに入っていった。
アメリカでは通常インターステイツが州境をこえたところにビジターセンターがあって,そこでは多くのパンフレットや地図が無料でもらえる。それらは形式や大きさが統一されていて,非常に便利なのである。私がこの国の底力を感じるのはこういうときである。日本ではパンフレットやチラシや地図はそれぞれの場所で大きさも記載方法もバラバラなので保存に困るのだ。
ビジターセンターにはたいてい人の好い初老の係員がいて,質問に答えてくれる。ここのビジターセンターでも女性の係員がいたので,私は興奮状態で「このノースダコタ州でアメリカ合衆国の50州をすべて旅した!」と話しかけたのに,彼女は,私の予想したような反応をしなかったので,かなりがっがりしたのだった。
2016夏アメリカ旅行記-ノースカロライナ・ついに50州目①
●いずれにしても動機が不純なのである。●
マートルビーチ州立公園を出た私は,そのままインターステイツ95に戻ることになった。
私が今晩予約したホテルのある場所は,ノースカロライナ州ではなくバージニア州のウィリアムズバーグというところなのであった。地図で確認していただくとよくわかると思うが,マートルビーチからウィリアムズバーグまでは370マイル,つまり約600キロメートルもあって,順調にインターステイツを走っても約6時間の距離なのである。
要するに,私にとって,今回の旅でのノースカロライナ州は単なる通過する州であって,実は,この州を観光することなどどうでもよかったのである。
せっかくの記念すべき50州目だというのに,これでは情けない話ではないか。
数年前にアメリカを30州くらい行った時点で思い立った50州制覇だが,ずっと冗談で言っていた「ハワイを50州目にする」ということを忠実に守ればよかったのである。
昨年の春,私にとって48州目になったハワイに行く前までは,私はハワイは大嫌いであった。それは,あんなところに行っても日本人ばかりだろう,ということが主な理由であった。
そしてまた,オーストラリアやニュージーランドにもいまいち興味が乗らなかった。こちらのほうの理由は,オセアニアに行くには,デルタ航空の特典利用できないから,ということであった。
つまり,どちらにしても,動機が不純なのであった。
しかし,このことはすでに書いたが,2016年の春,南半球に星を見にいこうと誘われて,まじめにずいぶん検討したのにもかかわらずドタキャンされて,その腹いせに南半球ではなくハワイに行ってみて,オアフ島はともかくとして,それ以外の島々は,私が恐れていたような「日本人ばっかし」ではないということがわかって,私はハワイが大好きになってしまった。
私は,旅は,自分で行動し,現地の人と交流しなくては意味がないと思っている。
日本の若い女性がディズニーランドに行きたがるのは,本当はアメリカに行きたいのだけれど独力でアメリカに行けないからディズニーランドで我慢しているからだと思っている。多くの芸能人がお正月になると,ハワイ,ハワイと出かけるが,そのほどんどはハワイとはワイキキビーチのことであり,あんなところなら渋谷と熱海に行くのとそう違ったものではない,ということを私はハワイに行ってみて実感した。
ニューヨークやラスベガスだって,それは同じようなものだ。結局のところ,団体旅行ツアーで旅をするのは,所詮はテレビの旅番組を見ているのとそう変わったものではないのである。
50州制覇を達成して呪縛が解けて以来,私は,アメリカ以外の場所に急に行きたくなった。そして,2016年の秋に,カンタス航空を利用してニュージーランドに行ってみたが,アメリカ本土に行くのとは違って,別に,航空会社のプライオリティ特権などなくても何の問題もないことを知った。
要するに,人を金をもっているかどうかでランク付けするというアメリカ的な発想は,人がやたらと多くセキュリティも深刻だから,安全な人を特別扱いしないと不便極まりないからこそ成り立つ特典であるわけだ。
さて,マートルビーチ州立公園を出て,インターステイツ95に乗るために国道17を走って行くと,マートルビーチのダウタウンに差しかかった。
マートルビーチのダウンタウンは,簡単にいえばホノルルやマイアミと同じようなところであった。私はこうしたリゾートには全く興味も関心もないから,そこへは寄らず交差点を左折して国道501へ入った。
その後は,そのまま北北西に70マイル,つまり120キロメートル近く内陸部に向かって走っていけば,インタースステイツ95に戻ることができるのだ。
国道501はのどかな道路で,1時間以上走っていくと,やがてデイロン(Dillon)という町に到着した。
この町のジャンクションでインターステイツ95に入ることができる。インターステイツ95に入れば,まもなくノースダコタ州との州境なのである。
私は昼食をまだ済ませていないことをやっと思い出して,インターステイツ95に入る前に,このデイロンにあったバーガーキングに入ることにしたのだった。