以前,このブログに書いたことがある星野道夫さんですが,写真展を開催するというので,見てきました。
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2022年4月14日から2022年4月25日まで,ジェイアール名古屋タカシマヤにおいて,写真展 「星野道夫 悠久の時を旅する 」を開催します。この写真展は,2012年に六本木富士フィルムスクエア,2013年に富士フィルムフォトサロン大阪で開催された同名の写真展に,あらたに代表作を加え再構築するものです。
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ということでした。
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星野道夫さんは,1952年(昭和27年)に生まれ,1996年(平成8年)に亡くなった写真家であり探検家でした。
慶應義塾高等学校在学中に北アメリカ大陸へ旅行を計画し,1968年(昭和43年),16歳のときに2か月間の冒険の旅に出ます。
慶應義塾大学では探検部で活動し,熱気球による琵琶湖横断や最長飛行記録に挑戦。19歳のときに神田の洋書専門店で購入したアラスカの写真集を見て,掲載されていたシシュマレフ村(Shishmaref)を訪問したいと村長に手紙を送って,その返事をもって,渡航,3か月間を過ごします。卒業後,アラスカ大学フェアバンクス校に入学しました。
その後,TBSのテレビ番組の取材のため滞在していたロシアのカムチャツカ半島南部のクリル湖畔に設営したテントでヒグマに襲われて死亡しました。
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写真展には,多くのアラスカの写真とともに,星野道夫さん自筆の手紙や使っていたカメラなどが展示されていました。
私は,アラスカはフェアバンクスとアンカレッジしか行ったことがありませんが,フェアバンクスから郊外に出ると,雄大な平原が広がっていました。また,道路にトナカイなどの野生動物が飛び出てきたりもしました。
オーロラも見ました。
しかし,私がフェアバンクスに行ったときは夏だったので,冬の過酷さはわかりません。
今回の写真展では,動物たちの今にも動き出しそうなその瞬間を捉えた多くの写真に感動しました。今とは違って,機材も未熟な時代に,そうした写真を写すことがどれほど大変なことかはよくわかります。今も健在なら,もっと多くの,そして,現代の機材で,より生々しい写真を残したのに,惜しい人を失くしたものだと思いました。
こうした写真を写すのが難しいのは,写真の技術はもちろんですが,そうした姿をみることができる場所に行くことがずいぶんと大変だということです。そしてまた,現地に行っても,そうした瞬間に立ち会わないとできません。
貴重な1枚1枚に,どれほどの時間とエネルギーが費やされたのかと思うと,胸が熱くなりました。
この写真展はデパートの催事場で行われていました。まあ,いわば,客寄せです。
そこで,単に招待券をもっている人が大勢入っていて,とても混雑していて,ゆっくりと味わうことができなかったので,少しがっかりしました。このごろは,多くの美術展が予約制になったことで,本当にその絵画を見たい人だけが美術展に訪れるので,とても人が少なく,幸せを感じていただけに,このことだけがとても残念でした。
星野道夫さんの残した多くの写真はウエブ上なら見ることができますが,大きな画角のプリントをいつもゆっくりと鑑賞できる常設会場があればいいなあと思ったことでした。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは