しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

カテゴリ:日本国内 > 羽田国際空港

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●こんな旅さえできなくなった。●
☆7日目 2019年7月1日(月)
 機内で何をするでもなく時間を過ごし,日本に戻ってきた。羽田空港からセントレア・中部国際空港までは国内線を使ったが,国内線の搭乗時間まで少しあったので,夕食をとった。
 以前は,海外旅行をするとやたらとカレーライスを食べたくなったものだが近ごろはおそばである。ということで,今回もまた,おそばを食べた。

 東京と名古屋を飛ぶ国内線は,行きも帰りも北側が見られる座席に座れば富士山を見ることができるから,その座席を選ぶのだが,このところいつも天気が悪く,富士山を見たことがない。それは飛行機に限ることでなく,新幹線に乗って東京と名古屋間を移動しても,富士山をみたことがない。
 2019年の日本はずっと天気が悪かった。それにしても悪すぎる。そしてまた,ずっと暑い。こんな異常な天気を私は知らない。

 国内線は,いつものように,搭乗ゲートに来るまで3枚もの紙をくれる。書かれてあるのは,乗る飛行機の搭乗ゲート案内だったり,セキュリティを通ったという証明書だったりだが,これらはすべて何の意味もない書類である。
 先日,機内持ち込みのできないはさみを持ち込んでしまった乗客がいたために,乗客全員の保安検査をやり直したという事件があったが,こうしたときに,その証明書を持っていたところでまったく効力などないのだから,そんな書類をもらったところで意味がない。また,搭乗ゲート案内の書類には,実際の搭乗ゲートが変更されても,変更前のものが書かれているから,これもまた,まったく意味がない。
 要するに,こんな書類を渡す必要はまったくない。こういうムダなことばかりをするのが日本という,世界から遅れた滑稽な国なのだ。
 この国のやっていることの90パーセントは意味のないことなのである。こうして,何事も非効率に仕事をし,ブラックになり,生まれてから死ぬまで,90パーセントは無意味に働き続けているのであろう。

 私は,こうして,ふらっとアメリカを旅して,日本に帰ってきた。
 この旅では,パロマ天文台もフラグスタッフもローウェル天文台もバリンジャー隕石孔も大谷翔平選手も,見たいと思っていたものややりたいと思っていたことをすべて見,やることができた。とても幸運であった。
 本当に,2019年,この年にこの旅をしておいてよかった。もしこの旅が実現していなかったら,今,ものすごく後悔していることであろう。
 こんな旅なら何度やっていもいいなあ,とこの時は思ったが,今は,そんな旅さえできない。

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●一体何が楽しみなのだろう。●
 エコノミーの狭い座席で海外旅行をするのが苦痛になってきた私は,デルタ航空とフィンランド航空に乗るときは,エコノミーコンフォートを利用するようになった。カンタス航空はアップグレードの仕方を知らないのでエコノミーで妥協しているが,大概隣の席が空いているから狭いと思ったことはあまりない。
 2月に行ったハワイは,ファーストクラスが約4万マイルで手に入ったので,往復ファーストクラスを利用した。今回もそうしようと思ったが,ファーストクラスにアップグレードするには8万マイルほど必要だったので躊躇してそのひとつ下のプライムエコノミーという席が4万マイルほどだったので,試しにそれを利用することにした。
 やがて時間になったので搭乗した。
 私はてっきり往復とも窓側の席を予約してあると思い違いをしていたのだが,座席に行くと,私の隣の窓側の席にはすでに私より少し若いくらいの女性が座っていたのであわてた。私の勘違いで窓側席をとったのは帰国便だけだった。聞くところによると,彼女はロサンゼルスに住んでいて帰るところだという話だった。
 今回のプライムエコノミーも,そのまたひとつ下のエコノミーコンフォートも,最前列は足元がすごく広いので,窓側に座っても隣の人の迷惑にならず移動して通路に出ることができるから,窓側席をとっても問題がない。最前列の欠点と言えば,ディスプレイが前の席の背中の部分にないから見にくいということと手荷物を置く場所がないということだが,私は機内で映画を見ないし,荷物も少ないのでこれもまた問題はない。
 プライムエコノミーは思っていた以上に快適だった。座席はエコノミーよりずっと広く,フットレストもあった。イスの横には写真のようなレバーがあって,はじめ使い方がよくわからなかったが,いじくりまわすうちになんとかなった。それは,背もたれの位置やフットレストの位置を調節するものだった。さすがにファーストクラスのようなフルフラットにはなれないが,新幹線のグリーン車程度の座席だった。また,食事は豪華だった。こんな席に座って海外旅行をしはじめると,この先エコノミーシートに乗る気がますますなくなる。

 ところで,若いころの私は海外に住むことに憧れていたので,隣にいた女性がロサンゼルスに住んでいるということを聞くだけで羨ましいと思ったものだが,それがどうしたことだろう,今ではそういう憧れはまったくなくなってしまった。
 日本に住むのが快適,というわけでは決してないのだが,日常というのはどこに住んでも同じで,要するに,基本的に楽しくない,ということを知ってしまったからだ。非日常を求めるには住むのではなく旅するに限るのだ。ただし,住みたくない,こんな国に生まれなくてよかった,という国はけっこうあるから,日本に住むのはまだましだ。
 私はどの国であっても,都会には住みたくない。東京なんて問題外だ。昔は東京でしか手に入らない,体験できないというものも多々あったが,今はインターネットでどこにいても手に入るし,何かを体験したければそのときだけ出かければ事足りる。外出したとき食事をしようと思っても,東京に限らず,名古屋ですら繁華街のレストランはどこも混雑していて,何十分も何時間も待ちになり,しかも,座席はせまく,ゆっくりと外食を楽しむこともできないありさまである。
 その一方で,田舎生活には憧れるが,住めば住んだで近所づきあいがめんどうそうだ。しかしそれ以上に思うのは,日本のような妙に開発されてよさのなくなった田舎はともかく,アメリカやオーストラリアなどの郊外に行くと,旅で訪れるのにはいいところでも,ここに住んでいる人は毎日何が楽しみなのだろうと思ってしまうほど,何もない。毎晩,星を眺めてくらすのだけが楽しみというわけにもいかないだろう。

 閑話休題。
 いつものように,機内では食事をしたあとはだらだらと過ごした。どっちみち海外旅行をすると時差で体内時計はめちゃくちゃになるから,気にしても仕方がない。いろいろなグッズを持ち込んで少しでも快適にと工夫をしている人を見かけるが,気にしないに限る。私はノイズキャンセリングのついたBOSEのイヤホーンを重宝していて,これでクラシック音楽を聴いていると,自然と気持ちよく寝てしまう。
 今回のフライト最大の欠点は,着陸前に出てくるはずの食事の準備が遅かったということだった。着陸予定時間の1時間前になっても食事が出てこないのでやきもきしていたら,やっと配りはじめた。これでは30分遅い。配り終えたころにはすでに着陸態勢に入って,大急ぎで片付けはじめるありさまだったので満足に食べる時間もなかった。おそらくこれは,客室乗務員のチーフの段取りがよくなかったからだろう。

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●意味のないことが大好きな国●
☆1日目 2019年6月25日(火)
 うかつにも,というか,いつもどおり,というか,私は,今回の旅で行こうと思ったところにどうやっていくかということを,2年も前にすでにこのブログに書いたことすら忘れていた。しかし,自分で考えることは変わらないらしく,今回,そのときに考えたのと同じ方法で旅をした。
 デルタ航空のロサンゼルス便は成田から出るものだと思っていたが羽田に変更されていて,昨年羽田からロサンゼルスに行ってみたら,こりゃ楽だと思った。そこで今年も同じ方法でロサンゼルスに行くことになった。ところで,デルタ航空はついに成田から全面撤退して,すべてのアメリカ便は羽田発着になると先日発表になった。
 昨年はセントレア・中部国際空港から羽田国際空港までANAを利用したが,羽田での待ち時間がずいぶんあったので,今年は高速バスを利用しようと思って,チケットを購入した。しかし,何事かが起きて高速道路が渋滞するかもしれず飛行機に乗り遅れたら後悔するなあとだんだん心配になってきて,思いなおして新幹線に変更した。私は暇なので,新幹線を利用するときは「ぶらっとこだま」というJR東海ツアーズの企画商品を利用することにしている。これを使うとわずか1,000円余分に出すだけでこだまのグリーン車に乗れる。ガラガラのこだまのグリーン車はストレスがなくていいのだ。
 出発当日は晴れであった。雨だと駅まで行くのに傘がいるのでめんどうだ。しかし,晴れていたのにもかかわらず,静岡では富士山を見ることができなかったのが残念だった。また,この旅に出るころやたらと関東地方に地震があったので,新幹線に変更したのはよいとしても新幹線も止まったらどうしようとそれだけが心配であったから,定刻に品川駅に着いたときはホッとした。

 私は,羽田空港というところはモノレールで行くものだと思っていたが,調べてみると,品川駅から羽田空港に行くには京急,つまり京浜急行電鉄が一番便利だとあった。そこで,品川駅前の吉野家でお昼を食べてから品川駅の延々と続く通路を歩いて京急に乗った。お昼どきの品川駅はすごい人混みだったから,吉野家など行かずとも,名古屋駅で駅弁でも買って,それを新幹線の車内でまったりと食べたほうがもっと楽だったなあと後悔した。私は人混みが大嫌いなのである。
 お昼どきにかぎらず,品川駅の混雑はほとほと嫌になる。品川駅に来るたびに,こんなところを毎日通って通勤をしている人が哀れでならない。
 京急の駅は名古屋の名鉄の悪名高き名古屋駅みたいだったが,表示がわかりやすく,ことのほか便利であって,ほどなく空港に到着した。
 羽田国際空港は国内線ターミナルと国際線ターミナルが離れているからトランジットするには不便な空港である。これもまた以前書いたが,この空港に限らず,日本の空港は,根本的な間違いをしている。空港というのは飛行機に乗るところという大原則を喪失しているのだ。ここは空港でなくテーマパークなのである。セントレアも同様で,飛行機を利用する人であっても,お昼どきには食事をする場所をさがすのさえ大変なのである。
 飛行機を利用する人の利便性よりも空港に遊びに来る人が優先されるような日本の空港って何だろう,と私は思う。世界中から様々な人が来る国の窓口である空港という交通の根幹に,飛行機に乗らない人を無差別に集めてテロでも起こされたらどうするのだろう。これもまた,平和ボケの日本ならではである。

 羽田空港には貧弱なカードラウンジだけはかろうじて存在するが,デルタ航空のラウンジであるデルタスカイクラブがない。空港のチェックインカウンタで聞いたら,東京オリンピックのころにはできるかもしれない,と言われた。先に書いたが,デルタ航空は成田空港から撤退してすべての発着を羽田に変更するので,そうなればおそらく羽田空港にラウンジを作ることになるであろう。
 ところで,チェックインカウンタといえば,私は,ネットでフライトのオンラインチェックインをしてあったし,カバンもキャリーオンなので預けるつもりはなかったから,チェックインカウンタに寄らずそのままセキュリティを通ればいいと思っていた。しかし,パスポートチェックをするから一度チェンクインカウンタに行ってほしいと言われた。これではオンラインチェックインなど無意味でないか。国内線に搭乗するときも,今や紙の搭乗券すら不要だというのにそのほかに保安検査証と搭乗案内などという意味のない紙を2枚もくれるが,これもまた同様である。そもそも紙の搭乗券すらじゃまなのでスマホを使おうと思うのにその上余分なものをくれるおせっかいさったら,どう解釈すればいいのだろう。救いようがない。しかも,保安検査証が何の役に立つのか法的根拠があるのか不明だし,搭乗案内に印刷してある搭乗ゲートは変更があっても変更前のものが印字してあるからまったく用をなさないムダな紙なのだ。かといって個人情報が書かれてあるから処理に困る。
 キャシュレス社会に頑なに現金で小銭を払ってレジで渋滞を起こしているような人同様,こういう時代錯誤なことを考える人が組織のなかにひとりはいるのだ。あるいはこんな紙を印刷する機械を考えて売り込むメーカーがあるのだろう。こうした意味のないことをして税金を使い仕事とゴミを作るのが日本人は大好きなのである。つくづく変な国だと思う。

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●「また来いよ」と言われた国●
 今日からは,2019年6月25日(火)から7月1日(月),5泊7日のアメリカ旅行記である。
 2017年9月29日と30日のブログに「古の大望遠鏡は今-世界一を誇ったアメリカの象徴」と題して,私が訪れてみたいアメリカの天文台について書いた。そして,昨年の今年と同じ時期にそれを実行に移し,私はロサンゼルスに旅立った。そのときの旅の一番の目的はパロマ天文台(1番目と2番目の写真は今年写したもの)に行くことだった。
 しかし…。
 以下は2018年夏のアメリカ旅行記の抜粋である。
  ・・・・・・ 
 やがて,山の間にドームが見えてきて,これが夢にまで見た天文台だと感激した。そうこうするうちに,天文台の入口に到着した。天文台の公開開始時間よりも30分も早かったので,私は入口に車を停めて,ゲートが開くのを楽しみに待った。
 時折,天文台の職員が車で登って来ては,右側の関係者のゲートから中に入っていくようになった。彼らは私の車に手を振ってくれた。しかし,9時を過ぎて,いつまで待ってもゲートが開かなかった(3番目の写真)。
 中で何やら工事をしている人がいたので,大声で叫んでゲートまで来てもらって訳を聞くと,今週は駐車場の工事だから公開はお休みだと言うではないか。こんなことってあるのだろうか! よほど無理を言ってせめて望遠鏡くらい見せてもらおうと思ったが,誰ももうゲートには来なかった。
  ・・
 ともかく,今回の旅の一番の目的地だったパロマ天文台に行くことができなかったのが極めて残念なことであった。何とか近い将来行ってみたいものだが,今度はアリゾナ州のフラッグスタッフあたりに行くときに含ませるのがよいのだろう。しかし,どうすればそれが実現するかとなるとこれが難しいのだ。
 私にはロサンゼルスもサンディエゴもまた行きたいと思うような場所ではないが,フラッグスタッフに行くにはロサンゼルスから車で行くか,あるいはアリゾナ州のフェニックスまで行ってそこから車で行く必要がある。また,フェニックスに行こうと思っても,日本からは直行便がないから,結局どこかで乗り換える必要がある。それでも,日本からアメリカには午前中に到着するフライトが多いから乗り換えは不便ではないが,問題は帰りである。
 また,アリゾナ州の夏は非常に暑いから,それ以外の季節を選ぶほうが無難かもしれない。
  ・・・・・・

 その後,私はずいぶんと考え,その1年後に再びパロマ天文台を目指すことにしたのだった。そして,ついに,2年越しの夢を実現した。今年アメリカに行ってみて,また,アメリカへの想いがよみがえってきたのが,不思議なことだった。これは,昨年帰国したあとでは決して起きなかったことである。
 昨年の今ごろは,ロサンゼルスからフェニックスどころか,たかだか片道200キロメートルで行けるロサンゼルスからパロマ天文台への道のりすらずいぶん遠く感じていて,果たして再び行けるのだろうかとさえ思っていたのだから,人,いや,自分の気持ちは自分でも理解不可能なのだが,人のこころはうつろいやすい,いや,概してそんなものだ。今となっては,むしろ,ロサンゼルスからフェニックスまでも空路でなく車で走ったほうがよかったのになあと,そう思うようになったのもまた,不思議なことだ。
 なにはともあれ,私は,昨年行くことができなかったパロマ天文台に加えて,さらに,バリンジャー隕石孔とローウェル天文台という,これもまた長年行きたかったところを加えて旅をすることにしたのだった。 

◇◇◇


5泊7日のアメリカ旅行です。パスポートを見てはじめて知ったのですが,昨年も全く同じ日にアメリカに向けて出発していました。あれからもう1年,月日の流れは早いです。昨年も羽田空港からロサンゼルスでしたが,羽田空港までは国内線を使いました。その後,ニュージーランドからの帰国でトランジットしたシドニーから羽田に降りたので,それ以来の羽田空港ということになります。
昨年ははじめて羽田空港を利用したのでよくわかららず,戸惑うことも多々あったのですが,いくらいい加減な私でも多少は学習能力があります。そこで,今回は名古屋から新幹線こだまのグリーン車で品川まで来て,品川駅を出た所の吉野家でお昼を食べてから京急線に乗りました。
すでにフライトはオンラインチェックインを済ませてあったので長い行列を横目にプライオリティカウンタでパスポートチェックを済ませ,さっそく出国手続きを終えました。
羽田空港最大の欠点はデルタスカイラウンジがないことですが,アメックスで入れるラウンジがあるので,搭乗開始時間までそこで過ごすことができます。昨年はそれを知らずに待ち時間を潰すのに苦労しました。

今回はデルタの機体が新しくなってエアバスA350でした。JALに同じ機体が導入されたとかで盛んに宣伝をしていますが,デルタにもそして8月に利用するフィンランド航空にもすでに導入されていて,珍しいものでもありません。しかし,フィンランド航空はいいとして,アメリカの航空会社がボーイング買わなくてトランプ大統領にしかられないのでしょうか?
それはともかく,マイレッジが山ほどあるので,今年の2月にハワイに行ったときは往復ファーストクラスに乗りましたが,今回はそこまでせずともということと新しく導入されたお試しで,マイレッジでアップグレードしてプレミアムエコノミーというのにしました。

今回の旅行の目的は昨年行けなかったパロマ天文台に加えて,アリゾナ州フラッグスタッフにあるトンボーが冥王星を発見したというローウェル天文台の見学,そして,ずっと行きたかったバリンジャー隕石孔です。それ以外にはロサンゼルス・エンジェルスのゲームで大谷翔平選手を見ることです。全部かなったら最高です。
まず,羽田とロサンゼルス間の航空券だけを購入しました。その後,旅の予定を立てていたとき,フラグスタッフまでロサンゼルスからよほど車で走ろうかとも思ったのですが,片道7時間,歳のせいかそんな長距離を走るのが面倒になって,後日,ロサンゼルスとフェニックス間の往復国内線を購入しました。こちらはエコノミーだったのですが毎度のことでアップグレードされてファーストクラスになりました。
このところ関東地方で地震が多く心配だったのですが出発の日は何事もなく,また,今年は梅雨の季節なのに天気もよく台風も来ずといったそんな日の旅立ちとなりました。


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●日本ではおにぎりとお味噌汁●
 これまで書いてきたように,私は1年に1度はアメリカ本土へ行っているのだから,決して久しぶりということではなかったが,今回は,なぜかずいぶんと懐かしい気がしたのが不思議だった。ただ,ロサンゼルスに行ったのは本当に久しぶりのことであった。ロサンゼルスもまた,アメリカの他の都会のように,ますます人も車も多くなってきたし,ダウンタウンは古びていた。アメリカの大都市は,人と車の量がどこも限界に来ているように私は思う。

 近ごろは様々な航空会社を利用するようになったので,以前のように,デルタ航空一辺倒でなくなったが,これもまた,久しぶりに乗ったデルタ航空の機内に入ると,実家に帰ったような気持ちがした。
 今回は,行きも帰りもはじめて羽田空港を利用したが,東京都内に住んでいる人ならともかく,私のように名古屋からアメリカに行くための中継地点というだけで利用する場合,羽田空港は決して便利な空港でないということがわかった。

 確かに,東京都心に住んでいる人にはアクセスが楽だから便利な空港だが,狭いしラウンジも少ないし,帰りにキャリーバッグを無料で家に送ってもらおうと思ったのに,羽田空港ではアメックスの無料サービスが利用できないと言われてがっかりした。l
 羽田空港に降りたって,帰国の手続きを終えて,国際線から国内線に行くターミナルを移動するバスに乗った。バスの中にはひとりの若い婦人警官が乗っていたが,なぜか彼女と話が弾んだ。日本にも,こうした気軽に話に応じてくれる人が,しかも警官がいるのが不思議なことだった。 
 羽田空港の国内線ターミナルに到着した。セントレアまでの乗り継ぎ便の搭乗まで時間があったので,食事をすることにした。国内線ターミナルにはいろんな店があったが,私が選んだのは,おにぎりとお味噌汁であった。
 アメリカに住んでいる私の知人が,アメリカでおにぎり店をやればもうかるだろうと言っていたが,果たしてどうであろうか? 日本からの観光客にはうけるに違いないが,アメリカ人に受けるかどうか私には予想がつかない。「いきなりステーキ」もニューヨークで苦戦している。
 この旅で私は意識してハンバーガーばかりを食べていたが,飽きるどころか,逆にハンバーガーを再評価したのだった。しかし,おにぎり以外にも牛丼とかカレーライスなど,外国に出たときに懐かしくなる日本の味というもがあって,それらは捨てがたいものである。
 寿司は世界中どこでも食べられるが,日本流のカレーライスはない。このごろは日本でもインド人の経営するカレーライス店がたくさんできたが,あれは日本人の求めるカレーライスとは妙に違う。牛丼は今回,ロサンゼルスに吉野家があるということを帰国してから知ったが,現地で知っていれば食べにいったのにと後悔した。

 ともかく,今回の旅では,一番の目的地だったパロマ天文台に行くことができなかったのが極めて残念なことであった。何とか近い将来行ってみたいものだが,今度はアリゾナ州のフラッグスタッフあたりに行くときに含ませるのがよいのだろう。しかし,どうすればそれが実現するかとなるとこれが難しいのだ。
 私にはロサンゼルスもサンディエゴもまた行きたいと思うような場所ではないが,フラッグスタッフに行くにはロサンゼルスから車で行くか,あるいはアリゾナ州のフェニックスまで行ってそこから車で行く必要がある。また,フェニックスに行こうと思っても,日本からは直行便がないから,結局どこかで乗り換える必要がある。それでも,日本からアメリカには午前中に到着するフライトが多いから乗り換えは不便でないが,問題は帰りである。
 また,アリゾナ州だと夏は非常に暑いから,それ以外の季節を選ぶほうが無難かもししれない。
 おにぎりとお味噌汁を食べてから,狭いながらもラウンジを見つけたので,そこで,セントレア便の搭乗時間までを過ごした。羽田空港国内線のセキュリティは混雑していて長い列ができていたが,入口がたくさんあったのでその別の入口へ行ったらそれほどでもなく,すんなりと搭乗ゲートに入ることができた。

 この旅での私の記憶はここまでで,その後のことをほとんど覚えていないし写真もない。機内では座席が通路側だったこともあって景色を見ることもなく,何の感想もなくセントレアに到着したのだろうと思う。
 セントレアに到着して,車を預けた駐車場に迎えの車が来てもらうように電話をして,その車を乗降用の場所で待ったことだけは記憶にある。やがて迎えの車に乗って駐車場に着いて,自分の車に乗り換えてそのまま家に帰った…らしい。

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●羽田空港は空港ではない。●
 前回書いたように,羽田空港にはデルタワンラウンジがなく,私の利用できるカード会社のラウンジは国内線ターミナルにしかなかった。時間を潰すために東京都心に出たところで行くところもなく,私はプラネタリウムで時間を潰すことになった。
 その後,セキュリティを越えたあともまた動く歩道が延々と搭乗ゲートまで続いていたが,こんななさけない空港はアメリカにはない。
 そんなわけで,羽田空港はまったっさえない空港であった。これが日本の大都会・東京の空港なのである。

 ゲートで待っていたら名前を呼ばれた。カウンタに行くと座席がデルタコンフォートにグレードアップされたということで,新しい搭乗券をくれた。
 デルタコンフォートというのはエコノミーとイスは同じで座席の間隔が少し広いというだけのことであるが,少し広いというだけでもうれしいものだ。それ以外の違いは,歯ブラシがついてくるということだが,そんなものはいらない。
 やっと時間になったので,飛行機に乗り込んだ。私が指定されたのは デルタコンフォートの1番前の席であった。この席は,写真のようにコンフォートのなかでもさらに座席の前が広い。足を延ばしてもまだスペースに余りある。
 私は,昨年行ったハワイ便に続いて,今回もまたこの席になった。私は正規の運賃で乗ったことはないが,アップグレードやらダブルブッキングやらなにやらで,これまで3度ほど国際線のファーストクラスに乗ったことがある。確かにファーストクラスは快適だけれど,快適さ以上に値段が高いから,そうまでしてあんな料金を払う気にはならない。それに比べて,最も安価な料金で足が延ばせるこの席は非常にお得である。

 羽田からロサンゼルスまでは9時間と少しかかる。帰りはジェット気流に逆らうから11時間ほどかかる。成田からシアトルへ行くよりも距離が少し遠いから,同じ西海岸でも,シアトルよりも1時間ほど余計にかかることになる。その間に,夕食と朝食が出る。途中でアイスクリームが出ると書かれてあったが,それが配られたのか寝ている間にスキップされたのかは知らないが,私の手には渡らなかった。
 日本からは,オセアニア,ヨーロッパ,そして,アメリカ本土など,どこに行くにも9時間くらいかかるから,9時間のフライトが苦痛でないなら気楽にどこへでも行けるが,飛行機が苦手で9時間の飛行が耐えられない人はどこにも行けない。
 私は若いころは機内の過ごし方やら時差ボケを回避するためにいろんな工夫をしたものだが,今は何もしない。結局,どう工夫しても同じだからである。ただひとつ,BOSEのノイズリダクションつきのイヤホンを重宝している。さらに,今回はiPhoneを6Sから8にグレードアップし保存容量を大幅に増やして,音楽やビデオを大量に保存して持っていったから,これを聴いたり見たりしていれば,自然と眠たくなって,そして,あっという間に時間が経つという,そういう段取りにした。
 だらだらと機内で過ごしているうちに,窓の外には美しいロサンゼルスの街並みが見えてきた。

 

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●日本人は根本的に勘違いをしている。●
 私は成田空港は数えららないほど利用しているが,羽田空港ははじめてであった。
 飛行機を降りてバゲッジクレイムででカバンが出てくるのをずいぶん待った。預けるのでなかったと後悔した。
 羽田空港は都心の空港であるから,少し期待していた。
 成田空港はターミナル間の移動にバスに乗る必要があるなどという,アメリカの空港では考えれらないほどインフラがひどいが,羽田空港は少しはマシだろと思っていた。しかし,羽田空港は,私の予想に反して成田空港以上にひどい空港であった。
 羽田空港も国内線と国際線のターミナルが離れていた。ここもまた移動はシャトルバスであった。私ははじめてだったので,あわててやってきたシャトルバスに乗ったら,それは国際線ターミナルには行かないバスであった。乗ってから運転手に確かめたときの運転手の態度がぞんざいで気分を害した。せっかく乗り込んだのに降りるはめになって,やっと乗り込んだ次のバスはとても混雑していた。
 やっと国際線ターミナルに到着してみると,そこは空港というよりもショッピングモールであった。デルタ航空のラウンジすらなかった。
 ここは空港であって,レジャーセンターではないはずだ。こんな空港であるのに空港利用者の利便性よりも観光でやってくる人が金を落とすのが目的の施設を作るなんて,本当にどうかしていると思った。
 そもそも,これではテロの標的ではないか。空港という施設の目的が何かすらわからない平和ボケした日本ならでは施設であった。

 何度も海外旅行をすると見えてくるのが,日本人の根本的な大きな勘違いである。
 本質的にこの国の人たちは何か大きな間違えをしていている。それは,政治も,仕事も,教育も,道路整備も,何もかもである。しかし,ほとんどの日本人はそのことにまったく気づいていないから,私が何を問題としているのかさえわかってくれないのである。 
 そんなわけで,私は羽田空港で何をして時間を潰すか,途方にくれることになった。
 私はこれから国際線に乗って太平洋を渡るのである。レストランがたくさんあったところで,そのすべてがこのときの私には必要ないのである。
 空港のなかには江戸の街並みを模した一角があった。これは外国から来た人たちのウケを狙って作られらたものであろう。おそらくはじめて海外から来た人はこれを見て,驚き,はじめは感動するに違いない。しかし,彼らは,こんなものを見たさに日本に来たわけではあるまい。

 国際線のターミナルでデルタ航空のチェックインをして再び荷物を預けた。デルタ航空はプライオリティだから,ここで黄色のプライオリティタグをつけてもらうために一旦カバンをおろしたのだが,そんなことをしなくても羽田でタグはつけると言われてがっかりした。そんなことなら一旦羽田空港で荷物をピックアップする必要などなかたわけだ。
 ともあれ,身軽になった私は,国際線に乗るまでの数時間を過ごす場所を探すことにした。そして,やっと見つけたのがプラネタリウムであった。この施設の入場料は決して安価ではなかった。しかも,さらに,入場料の他にドリンク代が別途必要なのだった。
 そもそも,星に目の肥えた私には,この施設で見ることのできるプラネタリウムの星空はかなりチンケなんものであろうと容易に想像ができた。それでも時間を潰すには一番の選択だと思ったので,プラネタリウムがはじまる少し前に列に並んだ。
 私の前に若い女性がいた。
 彼女はこうして空港に遊びに来るのが楽しみだという話であった。そして,これまで飛行機に乗ったことがないと言った。要するに,この施設は,こうした人たちをターゲットにしたレジャーセンターであって,空港ではないことを確信した。

 プラネタリウムは1時間くらいの周期で同じようなプログラムを繰り返していた。私は,機内で食事が出るまでの数時間の空腹を埋めるために,パスタとジュースを注文して,それを食べながら時間を費やした。
 成田空港では,第2ターミナルはセキュリティを越えた先に,ラウンジよりもくつろげるスペースがある。それを知っているから,私はまず,セキュリティを越えてなかに入る。しかし,羽田空港では,セキュリティのさきがどうなっているか知らないから,先にセキュリティを越えるのを躊躇した。しかし,プラネタリウムに何時間もいることができるものでもなく,ほどなくセキュリティを越えて出国することにした。
 羽田空港は想像以上に不便なだけの空港であった。 デルタ航空のラウンジがあるだけ成田空港のほうがまだマシだと思った。

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●なぜロサンゼルスに行くことに?●
☆1日目 2018年6月25日(月)
 私が前回ロサンゼルスに行ったのは2001年のことであった。そのとき,帰国の朝,ハリウッドのマクドナルドでパスポートの入ったカバンを置き引きされた。それ以来,私はロサンゼルスに行っていないし,あまり行きたくない。
 だから,どうしてこの時期にロサンゼルスに行こうと思ったのかさえ忘れていたが,それを思い出したのはこの旅から帰国して,私が以前書いたブログを読み直してからのことであった。

 そこには次のように書かれてあった。
  ・・・・・・
 天文台のある場所と見学の詳細を順に確かめておきます。
 まず,パロマ天文台があるのはロサンゼルスから2時間と少しのところです。パロマ天文台の一般の見学はクリスマスを除いて毎日行われていて,ギフト・ショップだけが週末のみのオープンだそうです。駐車場も見学も無料ということです。
 次に,ウィルソン山天文台はロサンゼルスから近く1時間程度で行くことができるところにあります。ただし,見学できるのは週末の土・日曜日だけで,ガイドつきツアーが午後1時から所用時間約2時間で行なわれているということです。ここもまた,駐車場と入場料は無料ということです。
 そこで,このふたつの天文台の見学はロサンゼルスに滞在すれば合計2日あれば行けそうです。
 この先アメリカへ行くときは,最優先でこうした天文台に行ってみたいと思うと,ロサンゼルスへ行って,そこからパロマ天文台とウィルソン山天文台へ行き,その足で,ロサンゼルス郊外の国立公園を組み合わせれば1週間程度の旅ができそうです。
 ロサンゼルスもまた成田まで行かないと直行便がないので,それだけが少しばかり面倒なわけです。なんとか成田まで楽に移動してロサンゼルスまで行く方法を考えているこのごろです。
  ・・・・・・

 これを書いたときはまだ,ロサンゼルスに行くというのは夢物語であった。これまで何度もアメリカに出かけたが,本気で再びロサンゼルスに行こうとは思っていなかった。
 このころ,なんとなく,セントレアからロサンゼルスというありもしないフライトをデルタ航空のサイトで探していたら,デルタ航空とはアライアンスの違うANAを利用してセントレアから羽田まで行って,羽田からロサンゼルスまで直行便で行くというが見つかってびっくりした。そこで興味半分でそのまま予約してしまったのだった。
 しかも,それは,ずいぶんと前のことで,そうしたいきさつさえも忘れていた。フライトを予約しただけで,それ以来ずっと何もしなかったから,どういう行程で旅をするかなんて,まるで考えていなかった。つまり,フライトだけ予約して,それ以外はほったらかしであった。
 そもそも,本当に,セントレアから羽田までデルタ航空のサイトでANAの予約ができたということがずっと不思議であった。本当に行けるのかしら,とかなり疑心暗鬼であった。しかも,ANAのサイトにログオンして私のアカウントを入れても,ここで予約したフライトが検索できないのであった。
 ともあれ,そんなわけで,私は,準備不足のまま,とりあえず,現地のホテルだけは旅立つ数日前に適当に予約して,出発の日を迎えた。

 セントレアから利用するANA便は,いつものように朝早い安価なものであった。羽田までも成田までも,早朝の便と午後の便だけANAは異常に値段が安いのである。
 しかし,早朝だからといって,前日の夜に空港近くのホテルに泊まるというのは,昨年やってみたがバカらしかった。そんな宿泊代を出すくらいなら早朝の新幹線で東京へ行くほうが安上がりだ。しかし,早朝に名鉄でセントレアまで行くというのもまた,名鉄に何が起こるかもわからないから極力したくなかった。やたらと遅延する名鉄を私はまったく信用していない。3月にオーストラリアに行ったときには,名鉄は架線事故で突然運休となってしまったくらいだ。
 ということで,今回は常滑市内の私設の駐車場を借りることにして,ネットで探して予約をしてあった。

 ネットには駐車場は朝6時30分からとあったのに,着いてみたら7時に開門だと言われた。日本も実はこのようにいい加減な国なのである。まあ,それでも,幸運にもその日に限って時間より早く係員が来ていて,今回だけはということで,時間より早く空港まで送ってもらうことができたのもまた,日本らしいことであった。
 そういう次第で,午前7時前にはセントレアに到着した。到着したとき,ANAのカウンタは開いたところであった。デルタ航空で予約したけれどチェックインはどこかと聞いてみたら,ANAでいいと言われた。ただし,羽田でデルタ航空のチェックインをする必要があるのだという。マイレッジもANAで有効だと言われた。それなら事前にANAのサイトで座席の指定ができるはずなのに,それができなかったのはどうしてだろう? と不思議に思った。国内線でわずか1時間乗るのなら,事前に窓際の席を指定しておいたほうがずっといいではないか。いろいろと納得がいかなかった。そもそも,アライアンスなど,航空会社の論理であって,利用者の利便性など全く考えていない。

 カバンは預けても機内に持ち込んでもいい,羽田まででもロサンゼルスまででもいいと言われた。とりあえず手元にあっても邪魔だったので羽田までということで預けることにして,チェックインを終えた。こうして身軽になったのでまずは朝食をとろうと思ったが,どこも店が開いていなかった。7時30分の開店だという。そこでそれまでラウンジで時間を潰そうと思ったが,ラウンジもまだ閉まっていてすることがなくなってしまった。
 ぐたぐたと少し待っていたら,7時30分よりも早く開店したハンバーガー店があったので,そこで朝食をとることにした。この先この旅ではおそらくハンバーガーばかり食べることになるであろうというのに,出発前からハンバーガーというのも気が引けたが,ほかに選択肢がなかったのだった。

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古の大望遠鏡は今-世界一を誇ったアメリカの象徴②
特別編・2018春オーストラリア旅行LIVE①

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