エミュレーツ航空では機長がアラビア語で話すし,機内にはアラビアの音楽がかかっているし,とてもエキゾチックでした。しかし,シュクラン(شكرا)と言われても私は困ります。いずれにせよ,キャセイパシフィック航空の中国語よりは抵抗がなかったのですが…。
やがて,窓にはシドニーの夜景が見えてきました。私には30数年ぶりのシドニーでした。この30年でシドニーは驚異の発展を遂げているということなのですが,今回は単なるトランジットなので,町の様子は機内の窓からしかわかりませんでした。
それにしてもシドニーの空港は巨大でした。空港内にはブランド品の売り場がひしめき合っていて,日本のデパートのようでした。プライオリティパスを持っていると,ラウンジの少ないシドニーではラウンジを利用する代わりに37ドルの食事券がもらえるのですが,私はもはや食事はうんざりだったので,歩き回っていたら,アメックスのラウンジがあったので,そこで休憩をすることにしました。
今回の帰国は,3回の乗り換えで4度飛行機に乗るので,トランジットで利用するのはニュージーランドのクライストチャーチ,オーストラリアのシドニー,そして羽田ですが,そのすべてで私はラウンジを利用しました。つまり,ラウンジのはしごを楽しんでいたのですが,食べ過ぎました。
やがて,日本へ行くカンタス航空の搭乗時間がきました。
私は近距離のフライトでは窓際,長距離のフライトでは通路側を指定します。このフライトでももちろん通路側に座ったのですが,窓際の2席を新婚旅行の人たちが座りました。ツアーの人が海外旅行をするときに座席を指定できるのかどうかは知りませんが,自分で指定しないと,大概,最も不便な席があてがわれていてとても気の毒に感じます。
機内では再び夕食が出ましたが,さすがに私は,この夕食には手が出ませんでした。食事に困ることは多々あれど,逆に食べられないほど何度も出てきたのもまたはじめてのことでした。贅沢なものです。
いつものようにぐたぐたと機内で過ごすうちに,いつの間にか赤道を越え,日本に近づいてきました。着陸の1時間前,フルーツの朝食が出ました。そして,午前5時過ぎ,羽田空港に到着しました。ニュージーランドは時差が4時間あるので,この日は1日が28時間あって,いつ食事をすればいいのかよくわからないまま,なんとなく何度も食事がでて,出されたまま食べたり残したり…。そして,この日の朝食は日本時間では午前4時でした。
羽田空港でもラウンジで最後のフライトを待って,やがて,セントレアへの便に乗り込みました。
こうしてこの旅が終わりました。
運が悪ければそのすべては実現せず,運がよければそのすべてが実現するという,運任せの旅,しかも,出発前の,あわや台風直撃騒動からはじまって,現地の天気予報も最悪,ということでまったくテンションがあがりませんでしたが,結局,天候に恵まれて,すべてうまくいきました。
アイスランドもニュージーランドも日本からは同じくらいの時間で行くことができます。アイスランドのほうがずっと人口は少ないのですが,どちらの国も島国で,同じように自然が豊かです。しかし,物価が異常に高いアイスランドに比べればニュージーランドはそういう感じもないのが救いです。また行ってみたい国です。
セントレアでは出発を待つフィンランド航空の機体が停まっていました。私の次の旅は,このフィンランド航空を利用してオーストリア・ウィーンです。
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特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑮
クイーンタウンに到着して,レンタカーを返しました。
さあ,これから,帰国に向けて昨年のアラスカに匹敵する長い道のりのはじまりです。
この旅では,セントレア・中部国際空港からニュージーランドのクライストチャーチまでの往復とクライストチャーチからクイーンズタウンまでの往復は,まったく別に予約をしました。前者はJALとカンタス航空なのでワンワールド,後者はニュージーランド航空なのでスターアライアンスと,アライアンス自体も異なりました。
そこで,もし,帰りのクイーンズランドからクライストチャーチまでの便に遅れがあっても,クライストチャーチからの便に乗り遅れないようにと,クライストチャーチでの待ち時間を5時間ほどとりました。
クイーンズタウンの空港もクライストチャーチの空港もスターアライアンスとワンワールドではチェックインカウンタが分かれていました。スターアライアンスはキオスクで自動チェックインができるのに対して,ワンワールドはそれができませんでした。そこで私は,クイーンズタウンではキオスクで簡単にチェックインはできたのですが,この先のクライストチャーチでは不便な目にあうことになります。
行きのクライストチャーチからクイーンズタウンのフライトはプロペラ機でしたが,帰りは大型のジェット機でした。また,来るときのクライストチャーチの空港はセキュリティチェックがありませんでしたが,クイーンズタウンではしっかりとセキュリティチェックがありました。
心配は杞憂に終わり,定刻にクイーンズタウンを出発してクライストチャーチに着きました。ひとまず安心です。クライストチャーチに着いたのですが,これから待ち時間が5時間もあるので,日本までの帰国便のチェックインをしてキャリーバッグを預けてしまおうと,とりあえずカンタス航空のカウンタに行ったところ,あなたの乗るのはカンタス航空ではなく,エミュレーツ航空だといわれました。そうだったのです。私がクライストチャーチからシドニーに行く飛行機はエミュレーツ航空のコードシェア便だったのです。そして,キオスクのないワンワールドはチェックインカウンタが開くまでチェックインができませんでした。たとえネットでチェックインをしてもカウンタが開いていなのでキャリーバッグが預けられません。チェックインをしていなければクライストチャーチのラウンジも使えません。しかたなく,空港のフードコートで2時間ほど時間を潰しました。
そして2時間後,エミュレーツ航空のカウンタでチェックインをしてから,クライストチャーチのラウンジで3時間を過ごしました。このあとシドニー便と乗り換える羽田便で合計2回も夕食が出ることは知っていたのですが,おいしそうなケーキが目に留まり,ラウンジで食べきれないほどのケーキを食べてしまったのをあとで後悔することになりました。
エミュレーツ航空というのはアラブ首長国連邦ドバイを本拠地とする航空会社で,私はこれまでに利用したことがありません。一度香港で,この航空会社の客室乗務員と出会って,なんとまあ変わった服装だと度肝を抜かれたことがありましたが,まさか私がこの航空会社を利用するとは思いませんでした。そして,利用する機体はA380という最新式の世界最大のもので,エコノミークラスは横が10席もあってとても広く豪華でした,なんと,ファーストクラスは2階にあるのです。私はエミュレーツ航空どころかA380にも乗るとは思わなかったので,びっくりしました。機内食が出て,豚と羊の肉が選べました。こうなったら羊でも食べてやろうと思っていたところ,あんたは豚でいいだろうといわれてショックを受けました。ここで反対してもいいのですが,なんかまったくテンションが下がってしまったので,それで了承してしまいました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑭
クイーンタウンの近郊アロータウンに私は2泊したのですが,到着したのが夕刻で,しかも,最終日は帰国の日,そして,2日目は終日ミルフォードサウンドへ観光に出かけたから,わざわざクイーンズタウンに来たのに,クイーンズタウンを観光することもないだろうと思っていましたが,1日目と2日目の夜に短い時間とはいえクイーンズタウンに出かけて,さほど広くもないこの町を知ることができたのは望外のことでした。
人それぞれでしょうが,私は,こうした町の雰囲気や,何の目的もなく歩き回るのは嫌いではないけれど,だからといって,わざわざ観光をするような気持ちは起きません。結局のところ,こうした町にはレストランやお土産屋さんがあるだけだから,日本国内のモールを歩いているのとそんな違いを感じないからです。
それよりも,私が興味をもったのは,むしろアロータウンという町でした。アロータウンがこんなすてきな町だとも知らず,単にクイーンズタウンの近くに安い宿泊先を見つけたというだけで選んだのですが,この町は,かつて金の採掘で栄えたところで,今も,この町に流れる川では砂金が取れるというし,町の雰囲気も伝統を感じさせて,とてもよいところでした。また泊まってみたいです。
話は前後しますが,到着した日,私は一度クイーンズタウンに出かけてからアロータウンに戻って,宿泊したホテル兼タバーンで夕食を済ませた後に,アロータウンの町を散歩しました。この町一番の見どころというのは,19世紀に金の採掘者として労働をしていた中国人居住区を再現した公園でした。ここは宿泊先から5分くらい歩いた場所にあって,当時の住居跡がいくつか復元され,詳しい説明が書かれていました。
ニュージーランドというのは,どうやら,かつては,上流階級にニュージーランド人がいて,その下の労働者階級に中国人がいた,という社会だったらしく,今でも,北島のオークランドや首都のウェリントンには多くの中国人が住んでいるという話です。ここの中国人住居跡は住居というよりも掘立小屋といったほどの粗末なものでした。
ニュージーランドと日本は北半球と南半球の違いがあるだけで,同じような島国だし,共通する部分も少なくないように思えるのですが,もともと昔から多くの人が暮らしていた日本とは違って,ニュージーランドはマオリの人が住んでいた地に近年になって移民がやってきて開拓をしたという国なので,日本とはまったく異なっています。こうした初期の移民というのは,ずいぶんと大変な苦労をしてこの国を作ってきたわけです。
話は飛んで,最終日です。
アロータウンからクイーンズタウンまでは20分もあれば行くことができるし,今日のフライトの出発は11時過ぎなので,宿泊先をチェックアウトしてから,この町にある博物館に行くことにしました。博物館は午前8時30分から開館しているのです。
この博物館は外観からは想像できないほど,内部の展示が充実していました。このあたりの歴史がとてもよくわかりました。もし強度の地震が起きた時の安全が保障できないので自己責任で見てください。という表示が地震国ニュージーランドを思い起こさせました。要するに建物が耐震補強されていないということなのでしょう。
博物館を見終えて,私は空港に向かいました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑬
ミルフォードサウンドからの帰路,すっかり天気が回復して,行きはずっと霧で見れなかった風景も,きれいに見ることができました。
バスはものすごいスピードで国道6を北上して走り,途中のテ・アナウで行きと同様に30分の休憩をしただけで,午後7時にはクイーンズタウンに戻ってきました。これだけの距離なのに,運転手さんはいつも走りなれているからであろうと思いました。一般に,ニュージーランドは道路が狭いのに,運転はかなり荒いのです。
バスは,行きに私をピックアップしたバスターミナルに戻って,私はバスを降りました。そこにはすでにタクシーが待っていて,それに乗り込んで宿泊先のアロータウンに戻りました。
これで,今回の私の旅はほぼ終わりで,明日は帰国です。この旅の目的であった,テカポ湖の満天の星空,マウントクックの山頂,そして,ミルフォードサウンド,そのすべてを十二分に堪能することができました。
アロータウンに着きましたが,まだ午後7時すぎで,日没前だったので,私はこの日の夕食はクイーンズタウンでと思って,再び宿泊先を出て,車でクイーンズタウンに行くことにしました。
クイーンズタウンは小さな町ですが,観光客が多く,駐車場を探すのがけっこうたいへんでした。それでも湖畔にある小さな公園の駐車場を見つけて車を停めました。夕方ともなると風が吹いて,けっこう寒くなりました。
南半球は季節が反対で,この時期,日本では4月中旬にあたる時期だったのですが,まだまだ冬が抜けておらず,この日は最高気温が8度,最低気温が1度でした。しかし,この次の日からは,最高気温が16度,最低気温が8度となるようです。
湖畔を歩いて,町の中心部,いわゆるダウンタウンに出ました。さてなにを食べようかと探していてみつけたのが日本料理店でした。そこに入ることにしました。シーフード弁当なるものを注文しましたが,なかなかおいしい食事となりました。
このクイーンズタウンはまだまだ拡大を続けているところで,しかし,平地がないものだから,山の上にまで住宅地が伸びていて,ちょうど,鎌倉のような感じのところでした。
ニュージーランドは現在住宅バブルです。面積は日本から北海道を引いたくらいで,人口はわずか400万人と日本の25分の1程度だから,住む場所などどこにでもありそうに思えますが,やはり,人が住みたいと思う場所はだれしも同じなのでしょう。そこでこうした風光明媚な場所に人が集まってしまうわけです。それは仕事という側面も当然あって,だれもいないような場所に住んでも仕事がなければどうにもなりません。
さて,食事を終えて,私は再びアロータウンに戻りました。この古きよき町の空には南十字星が美しく輝いていました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑫
天気予報どおりミルフォードサウンドは晴れ渡っていました。ここは1年のうちで300日は雨で,年間降水量は6000ミリメートル以上なのだそうで,こうして晴れていたのは奇跡的だということでした。
波止場には数隻の船が停泊していましたが,私のツアーの船はまだ停泊していませんでした。やがて船が来て,さっそく乗船しました。船は私たちの乗ってきたバスを運行しているツアー会社のものでしたが,とても空いていました。
まず船の2階の客席に用意された昼食を食べました。
このツアーは,オプションで日本食の昼食を選ぶこともできるし,私のようなランチボックスを選ぶこともできるし,自分でテ・アナウで昼食を調達してきてもよいのでした。私たち6人のうちの2人は新婚旅行で,旅行全体がツアーでそのなかでミルフォードサウンドをオプショナルで加えたのだそうで,この2人だけが日本食のお弁当を食べていましたが,この広大な風景を眺める時間が惜しいので,十分に食事を味わう暇はなさそうでした。ちなみに,船にはバイキング形式のレストランもありました。
私は早々に食事を終えて,甲板の上に出ました。そこには写真などでよく見る風景が広がっていました。そのスケールはものすごいものでした。
ミルフォードサウンドは,ラドヤード・キップリングという作家が「世界で8番目の不思議」(Eighth Wonder of the World)と呼んだ場所です。「世界の七不思議」という言葉が昔からあって,それは,古典古代における7つの注目すべき建造物のことを指すのですが,それが転じて「世界の自然七不思議」というものがリストアップされていて,それは,グランド・キャニオン,グレート・バリア・リーフ,リオデジャネイロの港,エベレスト,オーロラ,パリクティン火山,ヴィクトリアの滝なのだそうです。このミルフォードサウンドはそれに次ぐもの,ということなのでしょう。
ミルフォードサウンドはフィヨルドランドと呼ばれる地域にあって,690ヘクタールに及びます。ここは世界遺産です。日本にあるようなチンケな世界遺産とは全く違っていて,正真正銘,これぞ世界遺産と呼べる場所です。
周辺の地層は古く,一部は4億5,000万年前のものだといいます。また,このあたりのフィヨルドの海は二層に分かれていて,上の部分は山から流れてきた淡水,それより下は海水で,それらは混ざり合うことなく層をなしているそうです。深さは400メートルに及びます。
船は1時間ほどでタスマン海まで出ました。この先にオーストラリアがあります。船はここでUターンをして再びミルフォードサウンドの波止場に戻ることになります。途中にレディ・ボーエンとスターリングというふたつの滝がありました。また,岩の上にはオットセイを目撃することもできました。
それにしても,何と雄大な景色だったことでしょう。ここを見ずしてニュージーランドを語ることはできないと強く感じました。それとともに,偶然,天気がよい日にこの地を訪れることができた幸運を感謝しました。










特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑪
迎えに来たタクシーはものすごいスピードで一挙に駆け抜け,私が走ってきた空港を通り過ぎたところにあったバスターミナルに着いて,私を降ろしました。どうやらそこは公営のバスの停留所であるらしく,日本と同じような時刻表があって,バスが停まったりしていました。それに加えて,ここは,ミルフォードサウンドに行く観光バスの集合場所でもあるらしく,けっこう多くの人が観光バスが来るのを待っていました。やがてバスが来ましたが,どうやらそれは私の乗るバスではなさそうでした。ミルフォードサウンドには数社のバスが走っているようでした。
それとほとんど同じくして,次に私の参加するツアーのバスが来ました。バスから日本人のスタッフが降りてきて,私をバスに案内しました。すでにバスには多くの人が乗っていて,私とそのほかに数人が最後の乗客でした。
このバスは,英語の案内を運転手がして,それと同時に日本語の案内を日本人がするのをヘッドフォンで聞くというシステムになっていました。すでに大勢が乗っていましたが,日本人は私を含めてわずか6人でした。現地のツアー会社に日本人が加わっているという形でした。後で聞いたところによると,もう1か月もするとハイシーズンになって,バス1台が日本人で埋まるということでした。
ミルフォードサウンドに行くにはほとんどこれしか手段がないわけで,そういった意味でも,どうやってミルフォードサウンドに行くのかさえ知らなかった私が偶然このツアーを見つけたのは正解でした。
バスは,クイーンズタウンから快調にワカティブ湖の東湖畔を南下していきました。あいにく天候があまりよくなくて,周りは霧で,景色はほとんど見えませんでしたが,唯一の頼りは,この日のミルフォードサウンドの天気予報が晴,ということでした。しかし,こんな状況で,本当に現地が晴れているのかなあ? と思いました。案内放送によると,気象条件が悪ければ現地まで行くことができず,途中で引き返すこともありえます,という話でした。そして,その確率は五分五分だということでした。
ワカティブ湖の南端にある小さな町がキングストンで,これは対岸のクイーンズタウンに対抗してつけられた名前です。さらに南下していくと,やがて,辺りはヒツジのたくさんいる牧草地となりました。そのうちに,ファイブリバーという小さな町に着いて,ここでバスは右折して,国道97に入りました。国道97はモスバーンという町までのわずかな距離の国道で,ここで南東からきた国道94に合流しました。さらに西に走っていくと,ついに,テ・アナウというミルフォードサウンドの玄関口にあたる町に着きました。ここで30分の休憩です。私はここで朝食をとりました。テ・アナウにあるドライブインは,ミルフォードサウンドに向かうバスから休憩で降りた観光客でいっぱいでした。
ここから先,国道94はテ・アナウ湖の東岸を北上して行きます。ときおり晴れ間が覗くこともあるのですが,すぐに天気が悪くなり,小雪まで舞っています。この先にゲートがあって,条件が悪いとこのゲートが締まっていて,そうなるとミルフォードサウンドには行くことができず,引き返すことになるそうです。祈る気持ちでいましたが,すんなりと通りすぎて,やった! と思いました。
さらに進んでいくと,テ・アナウ湖を過ぎて,今度は険しい山岳地帯になりました。途中,氷河で浸食したU字谷の美しい景色が見られたり,「ケア」と鳴くからケアと名づけらた鳥に遭遇したりと,ミルフォードサウンドに到着するまでにも,日本では見ることもできない絶景が次から次へと広がっていきました。こんな風景を見てしまうと,日本で「秘境」といわれる場所がすべてむなしくなってしまいます。
やがて,最後の難関であるホーマー・トンネルに差しかかりました。ホーマー・トンネルはこの国道94最大の難所で,1935年から1953年まで実に18年を要して作られたそうです。狭いトンネルなので一方通行で,運が悪いとずいぶんと時間待ちをする必要があるのだそうですが,すんなりと抜けることができました。
国道94はホーマー・トンネルを抜けるとやがて下りはじめ,ついに,ミルフォードサウンド観光船の出るターミナルに到着しました。
このターミナルには数台のバスが停まっていて,ここから観光船に乗り換えることになります。この険しい道路をクイーンズタウンから5時間以上ドライブすれば個人でここまで来ることもできるのですが,かなり大変なことだなあというのが実感でした。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑩
今日はこの旅で一番楽しみにしていたミルフォードサウンドの観光です。ミルフォードサウンドは2年前にニュージーランドに来たとき,行きたくとも行くことができなかった場所でした。ちなみに,サウンドというのは入り江のことです。ニュージーランドの英語というのは私には独特で,この「サウンド=入り江」とともに,「スタジオ=ホテルの部屋」というのもあります。
さて,今回の旅はテカポ湖に適当な宿泊先を見つけたことからはじまったのですが,せっかくニュージーランドに行くのなら、ぜひミルフォードサウンドにも寄ろうと考えました。ところが,行く方法がわかりません。クィーンズタウンが玄関口だということはわかったのですが,まず,クィーンズタウンにどうやって行くべきかで困りました。
クライストチャーチからテカポ湖を経由して車で行くことができないわけではないのですが,これを往復するにはちょっと距離がありすぎます。そこでテカポ湖から一旦クライストチャーチに戻って国内線で往復することにしました。
次はクィーンズタウンのホテルが高すぎて適当なところが見つからないという問題がありました。これはアロータウンというちょっと離れたところに安宿を見つけました。
最後の問題,そしてこれが最大の問題だったのが,クィーンズタウンからミルフォードにどうやって行くかでした。これほど有名な観光地であるにもかかわらず,行く方法がよくわからないのです。クィーンズタウンから直接距離は100キロメートルほどなのに道がありません。しかもミルフォードサウンドの近くには町らしい町すらありません。はじめは車を運転して行こうと思っていたのですが,道路はクィーンズタウンからUの字には迂回していて片道有に4時間かかります。しかも現地に到着してからどのように観光するのかさえよくわかりませんでした。
そうこうしているうちに,クィーンズタウンから日帰りの現地ツアーを見つけました。しかも私の泊まるアロータウンまで送迎してくれるというではないですか。
ツアーは早朝7時発で帰りは夜の7時ということで,しかもバスに乗っている時間が8割で現地の観光が2時間弱ということでしたが,これがミルフォードサウンド観光の一般的な方法のようでした。ということで予約をしました。
気がかりは天候でした。聞くところでは,天気が悪いと道路が閉鎖されていて行くこともできないのだそうです。これほど有名でありながらこれほど行くことが困難ということに驚きました。2年前にニュージーランドに来たのは11月の終わりで,当時まったく認識がなかったのですが,これは観光のハイシーズンだったようです。ルピナスは咲き誇り美しい風景が続きました。わずか1か月とはいえ,今回はまだ寒く観光シーズン前だったのもまた,私の認識不足でした。
この時期に来たのは新月で星がきれいであるというだけでした。さらに運が悪いことにここ数日寒波がやって来てとても寒いということでした。最高気温が8度ほどで来週になれば20度近くになるということですから不運にもほどがありました。
そんなわけで,テカポ湖からクィーンズタウンまで移動した昨日は雪こそ免れましたが,天気もはかばかしくなく落ち込みました。そして今日の天気予報ですが,クィーンズタウンは雨か雪。しかしどういうわけかミルフォードサウンドの天気予報は晴れなのでした。果たして私はミルフォードサウンドに行くことができるのでしょうか? 期待と不安のなか朝7時,ホテルの玄関前に送迎のタクシーが来るのを待ちました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑨
やがて飛行機が高度を下げはじめました。山間にあるクイーンズタウンはまるで飛行機の尾翼が山にぶつかるほどのところを飛んでいてびっくりしました。空港に着きました。預けてあったカバンをとり,予約したあったレンタカーのカウンタに行くと,係員が出迎えてくれました。どうやらこの飛行機で予約をしてあったのが私だけだったようです。借りたのがカローラだったのですが,色があざやかなブルーでびっくりしました。
今日よやくしてあったのがクイーンズタウンから北に20キロメートルほどのアロータウンというところにあるホステルでした。クイーンズタウンの宿泊施設は高く,適当に選んだのがアロータウンだったというだけのことでした。
カーナビの案内にしたがって走っていくと,やがて,ちいさな風情のある田舎町につきました。わずか数十件ほどの商店街がアロータウンのすべてでしたが,その中央に私の予約したホステルがありました。しか,ホステルというよりも,そこはいわゆるタバーンという飲み屋(兼食堂)で,その店の裏に宿泊施設が6部屋ありました。
バーのカウンタでチェックインをしてキーを受け取りました。こういうところに泊まるのもおつなものです。
行くまでまったく知らなかったのですが,アロータウンはゴールドラッシュで栄えた町でした。当時の面影があって,その雰囲気を楽しむために,結構な観光客が来ていました。
私はここに2泊することになるのですが,このように到着は夕刻で,明日は1日ミルフォードサウンド観光,そして,明後日は朝チェックアウトしてそのまま空港に戻り帰国ということなので,せっかくクイーンズタウンに来ても,町の観光をする時間がありません。そこで,少しの時間だけでも,ということで,この晩,クイーンタウンを観光することにして,さっそく車で向かいました。
空港はクイーンタウンとアロータウンの中間あたりにあるので,約30分ほど走るとクイーンズタウンに到着しました。平坦な場所にぽつんぽつんと家があるといった町を想像していたのですが,それとはまったく違い,ワカティプ湖の湖畔,坂ばかりのところに町がさほどひろくなく広がっていて,ダウンタウンは多くの店やレストラン,そして多くの観光客でごった返していました。
どこも車を停めることができそうなところはすでにいっぱいで,やっと見つけた30分限定の駐車スペースに車を停めて,ともかく少しだけ町を歩いてみました。こんな場所にこんな観光地があることに驚きました。
その後,宿泊先にもどり,せっかくここの泊まるのだかからと,この日の夕食はここでとることにしました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑧
夕方になって,将棋も佳境に入りました。ニュージーランドは今夏時間,日本とは時差が4時間あるので,勝負所を迎えるのが日本では午後5時でもこちらでは午後9時と遅いのです。この日の夕食は買ってきたサンドイッチとカップヌードルで済ませました。
将棋が藤井七段の完勝で終わったころから,当たらないと言われる天気予報の「降水確率100パーセント」が当たって小雨が降り始めましたが,もうじたばたしてもしかたがないので,運を天に任せて寝ることにしました。朝起きて雪が積もっていたら余裕を見て宿泊先を出て,ゆっくりと走るしか方法がありません。
朝になりました。この旅の5日目,滞在4日目です。
昨晩は雨は降ったものの,それも深夜にはやんだようで,雪はまったく降りませんでした。思えば,前回と今回で私はこのテカポには合計5泊しましたが,星が見られなかったのは昨晩だけでした。今回は満天の星空も,マウントクックの雄姿も見たからすっかり満足していたのに,その後の雪の予報を知ったときからその感動も吹っ飛んで,気が気でない時間を過ごしていましたが,これで安心しました。
あとはクライストチャーチまで行くだけです。
朝8時過ぎにチェックアウトしました。クライストチャーチまでの道も片側1車線なのに,ほとんどが100キロ制限です。私は午後2時過ぎのフライトに間に合えばいいから,せっかく観光に来たのに急ぐ必要もないので,80キロくらいでゆっくり景色を楽しみながら走ります。こちらの人の運転は日本のように荒いのですが,頻繁に2車線になって追い抜きができるし,ほとんど対向車も来ないからどこでも追い越しができるので,後ろから車が迫ってくると道を譲ります。
しかし,もっと天気がよければ景色もよく見られたのでしょうが,ずっと雨模様だったのが残念でした。道路の周りはほとんど人家もなく,ヒツジだけがやたらといました。ヒツジはちょうど出産期を過ぎたところで,かわいい子羊がウロウロする様があちらこちらで見られました。たいてい3頭の子ヒツジが一緒にじゃれていたり,母ヒツジにまとわりついていました。
ニュージーランドのヒツジは,以前は人口の20倍もいたそうですが,今は減って人口の6倍だそうです。ヒツジの数が減少した理由は,羊毛の需要が減ったこと,牛や馬や鹿を買う方が利益になるからだそうです。鹿は高タンパク低カロリーの高級な肉として,ヨーロッパに輸出されているということです。
途中の小さな町にあったカフェで朝食をとりました。ここでもまたフラットホワイトを飲みました。朝食はおいしかったのですがとても量が多く,今日の昼食は抜きということがここで決定しました。
クライストチャーチに戻り,レンタカーを返して国内線にチェックインしました。ここからクィーンズタウンまでのフライトはわずか1時間です。乗客は少なく,小さなプロペラ機でした。乗り込むゲートにはなんとセキュリティチェックがなく,そのまま乗り込めました。これでは村のバスターミナルと同じだなあと思いました。
機内では,わずかな時間のフライトだというのに,まず水が出て,次にお菓子とにコーヒーが出て,最後に飴が配られました。客室乗務員は恰幅のいいおじさんと若い女性のふたりでしたが,そんなに忙しく働かせなくてもいいのにと,気の毒になりました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑦
旅行の4日目,ニュージーランド滞在3日目になりました。
今日は予定がありません。自然相手の旅行,特に星空やオーロラを見るためには,最低3回のチャンスを設定しておかないと実現できないことがあると思っているので,テカポ湖に3泊しました。2か月前に行ったアイスランドなど,6泊したのにすべて曇りでしたが,それは例外で,というか,アイスランドはもともと晴れない国でした。これまで,オーストラリアもアラスカもフィンランドもそれですべてうまくいきました。幸運なことに,今回は1日目の晩に晴れ上がったので,結果的には2日目さえなくてもよい日となりました。
昨日は晴れ上がり,マウントクックに出かけることができましたが,今日は天気予報が最悪で,終日雨ということだったので,1日中宿泊先のコテッジで過ごすことにしました。
幸いなことに今日は将棋新人王戦第一局があるので,ネットで観戦です。ニュージーランドまで来て将棋の観戦とは,なんだかおかしなものですが,ほかにすることもありません。AbemaTVは海外では見られませんが,ニコニコ生放送は見られます。
ところが,1日中雨という予報だったのに,午前中は晴れました。そこで朝食を取りにふらりと町に出かけました。そして,前回来た時からずっと気になっていたカフェにはじめて入りましたが,なかなかの朝食が食べられました。こちらの物価はアイスランドとは違って高くなく,しかもチップも要りません。ただし飲み物は別に注文でコーヒーつきセットというものはありません。ニュージーランドのコーヒー文化は独特で,私はフラットホワイトを飲むのを楽しみにしています。フラットホワイトというのはエスプレッソにたっぷりとミルクがのっているものです。
朝食後一度コテッジに戻り,再び散歩を兼ねてその後の「籠城」に備え,昼食と夕食を買いにマーケットに行きました。コテッジでは電子レンジをはじめすべてそろっているので,食材をマーケットで買えば食事は外食をせずともなんとかなります。
この日も続々と一見さんの観光客がやってきます。そのうちの多くが中国人です。現在,世界中の観光地は中国人であふれかえっていて,テカポ湖も例外ではありません。人の家の庭に入り込んで写真を撮ったり,列に割り込んだり,人のカバンの上に座ったり,その傍若無人さは有名です。彼らは,大挙してバスで現れ,スマホに自撮り棒をつけ,黒いサングラスをかけ,ブランド品のカバンを持ち,女性は厚化粧をし,大声で闊歩するといった共通の特徴があります。日本人の観光客もまた,いわゆる田舎モンの旅慣れていない人は同じようなものですが,数が少ないので目立たないだけかもしれません。日本国内でも,平気で横入りをし,公園では花を折るし,どこにいってもタバコをふかしているようなおじさんやおばんさんは今でもけっこう生存しています。
午後からは部屋に戻ってネットで将棋を観戦して過ごしました。
明日の朝は早朝テカポ湖を発ってクライストチャーチに戻り,ニュージーランド航空の国内線でクィーンズタウンに行く予定ですが,深夜の雪という天気予報が気がかりでなりません。雪が積もって,明日,クライストチャーチに戻れなかったらどうなるのでしょう。聞くところでは,こちらに人は雪でもスノータイヤなんてつけずに走っているよ,ということなのですが⁈
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑥
念願のマウントクックの姿もはっきり見られて,目的のふたつ目も簡単にクリアして,再びテカポの町に戻ってきました。
テカポ湖畔にあるテカポの町は2年前に比べて様変わりしていました。まず,スーパーマーケットができていました。以前はよろず屋さんのような店しかなかったので便利になりました。この日の夕食はそこで買いました。2年前に来たときに星空観察ツアーに参加したアース&スカイという会社のオフィスも移っていました。来年には天文台つきの建物が完成するということで,スーパーマーケットのとなりのプレハブの仮の建物で営業していました。それ以外にもさまざまな新しい建物が建設中でした。
ここは星空の美しい町として世界中から観光客がやってくるのですが,正直いってこのままだと将来が心配です。それはあまりに明かりに対して規制がなさすぎるからです。
私が今回やってきた目的は,すでに書いたように,「善き羊飼いの教会」を入れた南十字星の写真を写すことだけだったので,持ってきた機材も最小限にしました。ここはちゃんとした天体写真を天体写真マニアが写しにくる場所ではないのです。「善き羊飼いの教会」のあたりは夜ともなるとすごい人の数で無作法者も多く,懐中電灯やら車のヘッドライトの隙間をぬって写真を写すのが精一杯です。そのほとんどの人は満天の星空といってもどの星がなんなのかもわかっていないものだから,単に教会を入れればいいとばかりに秩序もなくごった返しているわけです。しかし,おそらくほとんどの人はピントすら合わせられないだろうから,まともな写真は撮れないことでしょう。
私は,目的だった「善き羊飼いの教会」と南十字星を雲ひとつない夜空に写せたのでこれで満足しました。南半球でちゃんとした星野写真を写すのは,これからもまた,オーストラリアに出かけることにします。
滞在2日目の夜も晴れて星空が見えましたが,最悪なことに南十字星のあたりだけ雲が出ていたので,昨晩写すことが出来て本当によかったと思いました。それにしても,これまで通算4晩をテカポ湖畔で過ごしたことになりますが,天気予報は曇りだとあっても,そして,お昼間どんなに曇っても,夜はすべて晴れました。しかし,ここが本当に晴天率が高いのかどうかはわかりません。安定した晴天が続かないからです。
明日から寒くなり天気が崩れるという予報で,さらに,夜は雪になるということなので心配です。ここに住む多くの人に会うごとに尋ねてみたのですが,すべての人に共通だったのは,予報などあてにならないよ,雪など降らないから心配いらないよ,ということでした。本当にそうならいいのですが…。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE⑤
すっかり晴れ渡った昨晩は,思った以上の写真が写せて満足しました。考えてみれば,雲ひとつない星空なんて,オーストラリアならともかくニュージーランドではかなり無謀な期待だったのですが,奇跡的に実現しました。
お昼間は中国語しか聞こえなかったのに,この「善き羊飼いの教会」のまわりで写真を写していたのは意外とに本人が多くて,いたるところで日本語が聞こえてきました。
私は承知できたからいいものの,ここはあまりに有名になり過ぎていて,落ち着いて写真をとる場所ではありません。「世界で一度は見ておきたい絶景」とかいう写真集があって,この場所は必ずといっていいほど載っているのですが,それがこんなものだから,それ以外の場所もまあ,同じようなものなのでしょう。有名な話としては,ピラミットは反対から見るとカイロの大都会が借景となっているとかいうものもあります。
その翌日3日目,滞在2日目。
2年前にも行ったカフェで朝食をとりました。食後,今日こそはマウントクックの姿を見ようと,出かけることにしました。テカポ湖からは100キロメートルの距離です。マウントクックはニュージーランド南島南アルプス山脈に位置するニュージーランド最高峰の山で,標高は3,724メートルあります。正式の名称は「アオラキ/マウントクック」といいます。
行く途中で,まず,マウントジョン天文台に寄りました。ここの天文台はカンタベリー大学と名古屋大学の共同運用です。テカポ湖を見下ろす山の上にあって,お昼間は誰でも山頂まで登ることができます。天文台自体は公開されていませんが,山頂にはアストロカフェという名のカフェがあって,コーヒーを飲みながらテカポ湖の姿を見ることができます。
お気に入りのフラットホワイトを飲みながら店員さんにマウントクックが見えるか聞くと,親切に教えてくれました。マウントクックは山頂まではっきり見えたので,これは是非急がねばということで,さっそく山を降りて出発しました。
テカポ湖からマウントクックまではプカキ湖沿いにものすごく美しい風景が広がります。はじめて見た2年前は大感動しました。マウントクックは少し遠くから見たほうがむしろよく見えます。
マウントクック国立公園の駐車場に着いてトレイルを歩きました。結構険しい登り坂でしたが,登りきったところには日本では絶対に見られない絶景が広がっていました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE④
今回ニュージーランドにやって来た目的は3つでした。そのひとつは,テカポ湖にある有名な「善き羊飼いの教会」と南十字星を一緒に入れた満足のいく写真を写すことでした。ふたつ目は,マウントクックの山頂までの姿を見ることでした。そして3番目が,ミルフォードサウンドに行くことでした。
ひとつめの,写真を写したかった理由は,前回来たときは南半球で星空が見たいという一念だけだったのですが,テカポ湖まで行ったら「善き羊飼いの教会」を入れた星空の写真を撮ってこないと意味がないということをあとで悟ったためです。前回はそこまで気がまわらなかったので,教会を入れた写真は星空に雲がかかったものが数枚あるだけでした。それが私にはずっと不満でした。ふたつめのマウントクックは,前回行ったときには山頂付近だけ雲がかかっていて見えなかったので,ニュージーラドで最も有名なマウントクックの形すら私の記憶になかったことです。ませんでした。そして3番目のミルフォードサウンドは,ニュージーランドで最も知られた観光地だというのに,遠くて行くことができまなかったからです。
そこで今回は,テカポ湖に3泊,クイーンズタウンに2泊することにしました。テカポ湖に3泊もする必要はないのですが,自然相手では予備日も作っておかないとうまくいきません。ところが,出発前に調べた天気予報では,2年前のときと同様にずっと曇りか雨。日本とは違い,当たらない天気予報とはいえ,これでは今回もまた,2年前と同様にテンションが下がりました。
ブリスベンからクライストチャーチまでは3時間のフライトなのに食事が出ました。これでは食べてばかりです。
やがてニュージーランドが見えてきましたが,予想に反して天気がよくて驚きました。上空からはおそらくプカキ湖であろうと思われる湖が,雲で遮断されることもなく,鮮やかに見えました。
定刻にクライストチャーチに着きました。前回のことは忘れましたが,ニュージーランドの入国は結構大変で,いろいろ聞かれるので英語力が要ります。おそらく入国者が少なくて係員さんは暇だったのでしょう。
入国してすぐに予約したレンタカーを借りましたが,レンタカーもまた,オプションの保険だとか,返すときにガソリンを入れなくてもいいオプションだとか,そういうものの説明が長く,大変でした。きっとここもまた暇なのでしょう。
テカポ湖までゆっくり走っても3時間で到着しました。
予約してあったのは「善き羊飼いの教会の近くのコテッジでした。最高のロケーションでした。
アイスランドのゲストハウスとは違い,シャワーもトイレもついているし,チェックインのとき牛乳飲むかと言って牛乳くれました。
天気は晴れ。ほぼ快晴でした。夕方に着いたので,まずは歩いて「善き羊飼いの教会」に行き写真を撮り,そのあと湖畔という名の日本料理店でテイクアウトして部屋で夕食を取りました。
日が沈み再び外に出ると,先ほどの快晴はどこへやら一面曇っていてがっかりしましたが,やがて雲が切れてきて,しだいに雲ひとつない満天の星空となりました。
こうして,旅の目的のひとつ目は,簡単に達成できました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE③
たった2年前のことなのに,ニュージーランドに到着するまでのことは断片的にしか覚えていないのが不思議です。どうやら記憶というのは印象に残るある部分だけがそのままの形で冷凍保存されていて,残りは消化され混ぜ合わされグタグタになってしまうからなのでしょう。
ということで,私が覚えていたのは,ブリスベンの空港でトランジット用のセキュリティを通ってニュージーランド向かったところと,セキュリティを越えた後で空港のターミナルビルのなかから見たブリスベンの景色と,ニュージーランド便の機内で出てきたギリシャヨーグルトの食べ方に戸惑ったこと,そして,クライストチャーチのレンタカーカウンタで予約した日を1日間違えていたことだけでした。
あのときはブリスベンにはじめて行ってトランジットしただけだったから,空港の外がどうなっているんだろうと,ターミナルビルの中からガラス越しに想像しました。おそらく旅というのはそうした想像をしているときが一番楽しいのでしょう。
その後私はブリスベンに3度も行ったので,もう外の様子は想像ではなく実態としてわかってしまいます。
オーストラリアとニュージーランドはすぐお隣の国のイメージがありますが,実際は日本と台湾くらいの距離があって,時差も3時間あります。ニュージーランドとハワイは時差が実質は1時間しかないのですが,その間に日付変更線があるというのが決定的な違いを生みます。つまり,ハワイは時差ボケに悩まされるのに対して,ニュージーランドは時差がないような錯覚におちいるのです。
しかし,実際は,行きはオーストラリアのブリスベンからニュージーランドのクライストチャーチまでは3時間ほどなのに,時間は6時間も経ってしまうから,早朝にブリスベンに到着してもクライストチャーチに着くのは午後の2時というように1日がかりなのです。反対に帰りは時間が経たないのですが…。そんなわけで,オーストラリアやニュージーランドへの旅は5泊8日というようになるので,8日もの休暇をとって旅行をしても,実質は4日ほどの時間しか使えないのです。
カンタス航空のおもしろいところは,座席のアップグレードが入札制であることで,いくらならアップグレードに応じますか? というメールがきました。うまくいけばかなり安くビジネスクラスに乗れるかもしれません。
今回は成田からブリスベンまでの機内でお話をしたのは,結婚してオーストラリアに住んでいて里帰りの帰りだという息子さん連れの女性と,ツアーでエアーズロックに行くという年配の女性でした。オーストラリアのブリスベンに住むという女性はオーストラリアがあまり好きそうにありませんでした。考えてみればブリスベンに住んだって,それほど行く場所もないし,オーストラリアから海外旅行に行こうとしても,ヨーロッパやアメリカは遠いから大変です。ツアー旅行の女性の方は総計11人のツアーだそうですが,機内ではバラバラに座っていました。
海外旅行をしていると,このようにツアー旅行ばかりで旅をしている年配の人によく会うのですが,こういう人たちは,カタログショッピングでブランド品を買い漁るように世界中の名所を脈絡もなく所構わず出かけているので,話を聞いているとたまげてしまいます。しかし,どこへ行っても結局はバスで名所を周りお土産を買って帰るというおきまりのコースなので,テレビの旅行番組を見ているようなものでしょう。旅行費用は私の3倍ほどだそうです。でも,機内でも座席は真ん中の窮屈なところが指定されていたり,空港からはバスで移動して名所の滞在時間はちょっぴりだけでみやげ物屋さんに連れて行かれたりします。スケジュール表を見せてもらったら目玉のエアーズロックの滞在もわずか半日でした。
はくちょう座の北十字と南十字の区別もつかないのに星空観察ツアーに参加したり,ベートーヴェンとモーツァルトの区別もわからないのにオペラを見にいったり,将棋のコマの動かし方も知らないのに藤井くんを追っかけているといった類の人たちです。それに加えて言葉もできないので現地の人と触れ合うこともないわけです。まあ,お金持ちの方は景気振興のためにも,こうしてどんどんお金を使っていただきたいものですが。
ブリスベンから乗り換えたクライストチャーチまでのフライトに乗っていた日本人は私だけで,そのほとんどはオーストラリア人やニュージーランド人でした。オーストラリアやニュージーランドの人にとってこの移動は何を目的としているのかなと思いました。
オーストラリアに比べればニュージーランドの方がはるかに自然が起伏に富ぶので,山歩きなどのトレッキングもできますから,そんな観光でしょうか。あるいは,オーストラリアは春休みが終わったところということですから,家に帰るのでしょうか? ともかく日本と季節が正反対の南半球は,今日本でいう4月のはじめですが,ニュージーランドはまだまだ寒そうです。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE②
出発の日は,台風25号の直撃ははずれたのですが,日本海を進む台風によるフェーン現象のために蒸し暑く,しかも風が強かったので,飛行機が通常運行しているか心配でしたが,定刻に成田に着きました。
セントレアから成田まではJALでしたが,ANAのようなめんどくさくばかていねいな優先搭乗のシステムもなく,単に優先搭乗の方は先に乗ってくださいという放送があっただけで,私には好感がもてました。客室乗務員の対応をみても,田舎っぽいANAに対して大人のJALという感じがしたのは,単に気のせいかもしれません。所詮社会全体が小学校のような日本です。海外に出かけるたびにそう感じます。
座席は,今回も富士山を見るために進行方向左の窓席を指定しておいたので,ずっと窓から富士山が見えました。となりに座った男性も海外旅行慣れしているみたいで,話が弾んでいるうちに,すぐに時間が経ちました。
成田空港に着くと,まず,台風で国内線が飛ばないときのためにと,事前に送っておいたキャリーバックを受け取り,すぐにカンタス航空でチェックインして預けました。JALとカンタス航空は同じアライアンス「ワンワールド」なので同じ第2ターミナルで助かります。
カンタス航空は機内持ち込み制限が7キログラムときつく,これではまず持ち込めず,預けるしか方法がありません。成田空港の出国ゲートにも顔認証のマシーンが導入されていましたが,その先に,希望すると出国スタンプを押してくれるブースがあったのでそうしました。その流れがスムーズで,セントレアも見習って欲しいものだと思いました。
あとは搭乗までの時間を潰すだけですが,ラウンジが出国ゲートの手前にあるのをうっかりしてセキュリティを抜けて中に入ってしまったので,せっかく今回持ってきたプライオリティパスが使えず,がっかりしました。
仕方がないので,いつものように,第2ターミナルのふかふかのリクライニングチェアで時間を潰しました。
特別編・2018秋ニュージーランド旅行LIVE①
今年のはじめに書いたように,再びニュージーランドに行きます。
前回行ったのは,今から2年前のことでした。そのときは,アメリカ以外の国に行くことも久しぶりだったし,南半球で満天の星空を見ることもはじめてだったので,期待と不安でいっぱいでした。
それがわずか2年しか経っていないというのに,その間に,私はオーストラリアに2回も行って南十字星もマゼラン雲ももう飽きるほど見たし,フィンランドに行ってオーロラも見たし,アイスランドに行って大自然の風景も見たしと,多くの国々を訪れることができました。そうしたら,不思議なことに,前回行ったときはニュージーランドなんてハワイより魅力に欠けると思っていたのに,再びニュージーランドに行きたいという思いが募ってきました。
そこで,前回行くことができなかったミルフォードサウンドにはぜひ行こうと,旅行の準備をはじめました。
いよいよ出発という1週間前,台風24号が日本列島を直撃し,しかも次の台風25号が台風24号と同じようなコースで後を追いそうになってあわてました。もし出発が1週間早かったら行くことすらできなかったかもしれません。10月ということで油断していました。出発までの1週間は毎日台風情報とにらめっこする羽目になりましたが,おかげで随分と気象に詳しくなりました。
幸いにして台風は直撃を免れて,無事出発となりました。まだまだ私の「モッている」幸運は逃げていなかったようでした。
今回は,セントレア・中部国際空港から珍しくJALで成田まで行き,そこからはいつものようにカンタス航空で乗り慣れたオーストラリアのブリスベンを経由して,ニュージーランドのクライストチャーチへ行きます。なんとブリスベンに行くのは今年3度目になります。南半球のニュージーランドは今は初春で,気温は夏に行ったアイスランドくらい? らしいのですが,天気予報では連日曇りか雨ということで天気が悪く心配です。
出発時間よりかなり早くセントレアに到着したのですが,成田までは国内線なのでセントレアの国際線のラウンジは利用できず,一般用のラウンジを昼食を挟んではしごする羽目になりました。この時期,中国がなんかの連休の終わりらしく,中国便のカウンタは中国人でごった返していました。
また,4階のイベント会場では中国展をやっていました。私もあやかって昼食に中華料理を食べました。お昼どきのセントレアのレストランはどこも混雑しているのですが,到着ゲートのある2階には中華料理店とサブウェイがあって,ほとんどの人はその存在をしらないので,穴場です。



















































































































































