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打ち上げの中継を楽しみにしていた,アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙船「オリオン」を搭載した新型ロケット「SLS」(Space Launch System)の打ち上げが,燃料漏れによって延期されているようです。早く修理が終わるといいのですが。
今回の打ち上げは,人類を再び月面着陸させる「アルテミス計画」(Artemis Program)のはじまりを告げるものです。50年以上前に人類を月に送った「アポロ計画」とは雲泥の差で,計画も複雑化し,多くの国や機関が参加し,また,頻繁に予定が見直されるので,私は,なかなか計画の全貌がわかりません。そこで,調べてみることにしました。
「アルテミス計画」は,当初の計画では,2024年までに「最初の女性と次に男性を」月面の南極付近に着陸させ,2028年までに月面基地の建設を開始するというNASAのプロジェクトですが,すでに2年以上の遅れが生じています。
2004年,当時のブッシュ大統領は,2020年までに有人月面ミッション「コンステレーション計画」(Constellation Program)を実施する方針を示しましたが,オバマ政権で失速しました。
2017年,トランプ大統領が宇宙政策指令第1号に署名し,有人月面探査とそれに続く火星探査の実施を決定しました。これが現在の「アルテミス計画」です。アルテミスという名前は,ギリシャ神話に登場する月の女神でアポロの双子です。
「アルテミス計画」は,単一的な着陸ではなく,人類が月面に滞在するのに必要な環境やシステムを整えて持続的な探査と,将来の火星へのアクセスのハードルを下げることが目的とされていて,国際協力の上で実行されます。
早期の「アルテミス計画」は3つのミッションからなります。
●「アルテミスⅠ」
新型ロケット「SLS」と宇宙船「オリオン」を地球から月まで往来させる無人飛行試験を実施します。これが今回のものです。このミッションでは,最大42日間の想定で,13のキューブサットを放出します。
●「アルテミスⅡ」
新型ロケット「SLS」と宇宙船「オリオン」を使用した有人飛行試験を実施します。4人のミッションクルーが乗った宇宙船「オリオン」は,地球を周回する軌道上で様々なテストを行ってから自由帰還軌道に投入され,月を周回した後に地球に帰還する予定です。
打ち上げは2024年の予定で,ミッションは10日間の想定です。
●「アルテミスⅢ」
2025年以降に予定されているこのミッションで,有人月面着陸を行うことになります。
ミッションに先立って,有人着陸システム(Human Landing System = HLS)を軌道に投入する支援ミッションが行われます。この支援ミッションの後,月面に降り立つ初の女性と有色人種の宇宙飛行士を含む4人のクルーをのせたオリオン宇宙船が月に送られ,有人着陸システムとドッキング。その後,ふたりのクルーが有人着陸システムに移動し,降下して月の南極付近に着陸します。
着陸クルーは6.5日間を月面上で過ごし,少なくとも2回の船外活動を行います。その後,月面から離陸して,月の周回軌道で待機しているオリオン宇宙船とドッキングし,地球に帰還することになります。
ところで,国際宇宙ステーション(ISS)の運用が2030年まで延長されたのですが,ウクライナ情勢などの影響で,ロシアが2024年でそのプロジェクトから脱退すると宣言したようです。
そこで,今後の運用にさまざまな問題が出てくることが予想されています。
さまざまな問題とは,ロシアが撤退した場合,これまでロシアが担当してきた国際宇宙ステーションの地上落下を防ぐための軌道制御どうやって肩代わりするか,また,スペースシャトルの退役後,ロシアのソユーズを使用して宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送ってきたのですが,これを運用がはじまったばかりのスペースX社(Space Exploration Technologies Corp.)が開発したファルコン9ロケットに搭載されたクルードラゴン宇宙船が肩代わりする必要があるのですが,クルードラゴンの運用はまだはじまったばかりだというようなことです。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは















