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NHKBSP「ワールド・トラックロード 〜俺の助手席に乗らないか〜」,1回目のアメリカ編に続いて2回目はオーストラリア編でした。この番組は
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世界のトラック野郎が見る景色を「主観」で楽しむ新感覚ロードドキュメンタリー。
運送の仕事を擬似体験しながら,高さ2.5メートルの車窓に広がる壮大な景色を堪能する。
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と番組の紹介にあるのですが,オーストラリア編が放送されたのは2023年1月2日で,見逃してしまったので,再放送がいつあるのか,ずっと探していました。それが3月24日に放送されたので,録画して,佐渡島から帰ってから見ました。
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今回の舞台はオーストラリア。
▼赤土の大地を横断する長距離トラックの助手席から見えた絶景とは?
▼6日間・4,300キロメートルの大陸横断の仕事に密着! ガイドブックにはないオーストラリアの素顔とは?
▼カンガルーやコアラに注意! 標識にびっくり!
▼荒涼とした大地「アウトバック」を疾走!
▼オーストラリアで一番長い約150キロメートル直線の道
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というのが,番組のテーマとなっていました。
アメリカもそうですが,私はオーストラリアもかなりの距離を走ったことがあります。私が走ったのはニューサウスウェールズ州とクインズランド州,そして,ノーザンテリトリー州のウルル・カタジュタ国立公園あたりです。そのなかでも,ニューサウスウェールズ州とクインズランド州は砂漠の中を深夜6時間以上走った経験があります。
番組にもあったように,オーストラリアを走るときは動物の飛び出し注意で,特にカンガルーは車と並走して走っていたり,道路にはよく死骸があります。
しかし,それ以外は,ほとんど車も走っていないし,のどかな大平原を走りやすい道がずっと続いているので,とても楽に走ることができます。シドニーやブリスベンなどの大都会に一部高速道路があるだけで,片側1車線の道路です。
そこで,アメリカとはまったく違っていて,変化も何もなく,かなり単調であり,刺激もありません。時折小さな町があるだけで,それ以外のところは街灯もないし,赤茶けた大地が広がっているだけです。地形も,アメリカのように変化に富んでいるわけでもありません。
オーストラリアでは,トレイントラックといって,鉄道のように何両も接続した大型トラックが走っています。そんな国ですが,私が最も印象に残っているのは,ウルル・カタジュタ国立公園のガソリンスタンドに石油を運んできたタンクローリー車の運転手さんと話をしたときのことです。日本ではありえないものすごく長いタンクローリーを接続して,オーストラリア大陸を横断していると言っていました。とにかく,町を出ると,永遠に続くとさえ思える大地に道路だけが続いていて,ちょっと想像を超えています。自家用車ならともかく,こんな大型車が故障でもしたらどうするのだろう,と思ってしまいました。
オーストラリアでは5時間も6時間もかけて隣町に行くのは普通のことというのですが,日本に住んでいる人に想像がつかないことでしょう。アメリカは大陸横断をしてもおもしろくロマンチックでもあるのですが,オーストラリアにはそんなときめきも感じません。
私は,オーストラリア大陸を車で横断するような夢も勇気はもち合わせていません。であるのに,奇しくも,深夜の6時間,オーストラリア大陸を走り続けたことがあります。時に運転を休憩して外に出て空を眺めたときのろうそくの光ひとつない暗闇に輝く満天の星は地球上とは思えないすばらしさで,これだけは,オーストラリアでなければ味わえない感動でした。
しかし,それまでは夜の光なんて星が見えなくなるだけだと毛嫌いしていたのに,遠くに町の明かりが見えたときのホッとした気持ちも,今は,強烈にこころに残っています。
それやこれやで,懐かしい気持ちにさせられた番組でした。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは