【Summary】
I visited Fugan Canal Kansui Park in Toyama. A famous "world's most beautiful Starbucks" for its beautiful scenery in it. I took a cruise on the Fugan Suijo Line, passing through Nakajima Lock, a historical structure. After reflecting on past memories near Toyama Station, they boarded the limited express "Hida", a train popular among foreign tourists, and enjoyed the ride back to Gifu, concluding their trip along the Tateyama Kurobe Alpine Route.
######
・・・・・・
富岩(ふがん)運河環水公園は「とやま都市MIRAI計画」のシンボルゾーンとして富岩運河の牛島町(うしじまちょう)側の船溜まりを整備した公園で,面積は9.7ヘクタール(約5ヘクタールがプロ野球のグランド程度)あります。
1988年に工事がはじまり,1997年に船溜まり最上部のフロントデッキやプロムナードなどが完成しました。また,1999年には天門橋(てんもんきょう)が完成し,2007年には富岩運河環水公園内に小運河と人工島「あいの島」が完成しました。また,富岩運河環水公園から中島閘門間の両岸には遊歩道や休憩所が整備され,かつてのゴミ捨て場から市民の憩いの場所へと変わりました。
・・・・・・
公園内には「スターバックス富山環水公園店」がありました。かつて,スターバックスの社内コンテスト「ストアデザインアワード」で最優秀賞を受賞したことから「世界一美しいスタバ」といわれるほどの店ということでした。満員でした。
家の近くにこんな公園があったら最高だと思いました。
私の目的は,富岩水上ラインでした。
富岩運河を船で遊覧する富岩水上ラインは,3月下旬から11月下旬に定期運行されています。使用される船は,環境に考慮し太陽光を利用する定員55人のソーラー船「sora」(そら),「fugan」(ふがん),「kansui」(かんすい),それに,バッテリーとモーターで動く定員11人の電気ボート「もみじ」2019年3月23日に就航したソーラー船(定員55人)の4隻です。
また,運行コースも何種類かあり,閘門操作室の見学と乗船したまま水位2.5メートルの水上エレベーターといわれる高低差を実際に体験できる中島閘門を通過するコース,片道に富山ライトレールを併用し還水公園と岩瀬地区を往復するコースなどがありました。
私は,中島閘門を通過するコースに乗船しました。
・・・・・・
中島閘門は,総延長約5.1キロメートルの富岩運河河口側より約3.1キロメートル上流にあり,上流側標高が約2.7メートル,下流側標高約0.2メートルで,その水位差が約2.5メートルあるので,長さ86メートルのパナマ運河方式の複扉室(ふくひしつ)閘門をつくって,それを調節するために,1934年(昭和9年)に,富岩運河の掘削と同時に竣工しました。
建設後は,運河上流部沿岸の工場などへ原材料や資材・製品の運搬をする船を通すことで富山の工業発展に寄与しましたが,輸送手段が陸上運輸に変わり,近燐に住宅地が増え環境への配慮が必要になったり,水質の悪化などにより周辺の工場の縮小や撤退が進み運河交通自体が衰退したため,使われなくなりました。
1979年(昭和54年)に,富岩運河を埋め立て道路を建設する計画がありましたが,1984年(昭和59年)に方向転換し,水辺を生かした街づくりを目指し整備することになりました。
老朽化した中島閘門は,1997年(平成9年)より扉体等の原形復元修理を行い,1998年(平成10年)に復元修理工事が完了し,「富岩運河水閘施設」として国の重要文化財に指定されました。
・・・・・・
このように,現在,中島閘門は富岩水上ラインによる観光用のものとなっています。そこで,私の乗ったコースは,風景を堪能するというより,中島閘門を体験するというものでした。
私は25年ほど前,シカゴのミシガン湖クルーズで同じような,しかも,ずっと規模が大きいものを体験したことがあるので,珍しいものではありませんでしたが,これはこれでおもしろかったです。
JR富山駅に戻ってきました。駅の近くに「インテック」という会社がありました。ここは,私が大学4年生のときに内定をもらったことがある会社です。結局縁はなかったのですが,懐かしさを感じました。ひょっとしたら,私は富山市に住むことになっていたのかもしれないなあ,と思うと,不思議が気がしました。これもまた,私の伏線回収でした。
・・
私がJR富山駅から乗るのは午後5時17分発の特急「ひだ」20号でした。
・・・・・・
特急「ひだ」は,名古屋駅 - 高山駅,あるいは,富山駅間,および,大阪駅 - 高山駅間を運行します。
1958年に名古屋駅 - 富山駅間を運転する準急列車として運転を開始し,高岡駅まで運転区間が延長され,1966年には急行列車に格上げされました。さらに,1968年から特急列車に変更され金沢駅まで運転区間を延長しましたが,1985年3月14日に飛騨古川駅 - 金沢駅が廃止されました。そして,JR発足後は,一部列車が富山駅まで運転されるようになりました。
・・・・・・
特急「ひだ」なんて誰が乗るのだろう,がらがらだろうと思っていたのですが,実際は,2010年代以降,インバウンドの急増で利用客も増えているということでした。今回も,乗客のほとんどは外国人でした。聞いてみると,イタリアから来た,とか,スペインから来た,とかで,ヨーロッパ人ばかりでした。彼らは,特急「ひだ」に乗って,高山をめざしているということでした。つまり,東京から北陸新幹線で金沢に行き,金沢から高山,そして,京都,広島に行くらしいのです。
列車は先日私が紀伊半島1周したときに乗ったのとおなじハイブリッド式の新型車HC85系でした。
私の座席は7号車の指定席でした。編成が7両もないのにどうして7号車かと乗務員の人に聞くと,高山で1号車から4号車までを接続するということでした。そんなに乗るか,と思ったのですが,実際,高山駅で多くの人が乗車してきました。
私はいつもの楽しみで車内で駅弁を食べようと思っていたのですが,JR富山駅には駅弁というものがなく,というか,駅弁という概念がないらしく,みやげ物売り場にあったお持ち帰り弁当を買いました。値段は,東京で駅弁を買うよりもずっと安くてびっくりしました。
特急「ひだ」で楽しく列車に揺られるうちに,岐阜駅に到着して,私は下車しました。
はじめての立山黒部アルペンルートの旅も,こうして終えることができました。
◆◆◆
「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは
◆◆◆
過去のブログの一覧は ここ をクリックすると見ることができます。