しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:「カムカムエヴリバディ」

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 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」も,残るはわずか2週間となりました。
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 「カムカムエヴリバディ」は2021年11月から2022年4月まで放送する「連続テレビ小説」第105作です。 岡山・大阪・京都を舞台に,大正・昭和・平成・令和の4時代をラジオ英語講座とジャズと時代劇と共に生きた母娘三代の1世紀に渡る悲喜劇を描く。
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といった内容のこのドラマ,現実から考えれば,あまりに不自然な設定と展開だったりします。
 仕事もしないで1日ふらふらしているだけの夫に文句ひとついわずに円盤焼き屋さんだけで子供をふたりも育て上げる妻のるい。これまで何をやっても長続きしなかったのにちょっとラジオ講座を聴いただけで英語がペラペラになってしまった娘のひなた。居酒屋で管を巻く大女優美咲すみれ。などなど。
 現実離れだと批判する愚かな人もいるそうですが,ドラマはドラマ。そんなことはどうでもよく,すべてはおとぎ話。なので,楽しく,そして,元気がでるすばらしいドラマになりました。
 まあ,現実に目をやれば,実家がお金持ちで,生まれつき能力があって,正直にまっとうに生きていれば,若いころにめちゃくちゃやっていても,最終的に人生なんとかなるさ,というのが,世の中の真実であって,変に勉強を強制したりすれば,逆にひきこもりになる,というのが60年以上にわたって私が見てきたこの社会。それは語学の勉強も同じこと。
 そんな暗黙の了解のもと,普通の人はこのドラマのような生き方に憧れても,それを夢見てはいけません。
 それより何より,100年という時間の流れと英語を媒体として日本とアメリカをつなぐ空間,これほど雄大な「朝ドラ」がこれまであったでしょうか。そしてまた,日本の語学教育の痛烈な批判だったりもします。

 残り2週間なのですが,未だ,どう結末を迎えるのかがわからない,というものまた,推理小説以上のワクワク感を抱かせます。
 ネット上には
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「やはり森山良子! アニー・ヒラカワ ヒラカワ?」
「主題歌は息子がかかわって,母親が出演とは!!」
「平川って,ラジオの平川先生の奥様?」
「懐かしそうに神棚を見るマダム… あなた… やはりあなたは… もしかして…」
「アニーは訳あって初来日のふりをしているんですね」
「日本での生活を断ち切ってアメリカに行った安子が英語の師匠の平川先生の苗字を名乗ってる,とか?」
「安子,ロバート,平川先生,どうつながるのか」
「ひなたとアニーさんが話していて,ラジオ体操の話とラジオで英語の勉強をしてるって言ったとき,アニーさんが動揺していたから,安子ちゃん説が濃厚かな?」
「アニーさん… めっちゃ素敵やん… あなたは…」
「アニー・ヒラカワ? それは本名ではなく,平川唯一さんからとった通称では? アニーは安子からきてる? とすると、安子本人か?」
「アニー,言動からやっぱり安子の香りがするな」
「絶妙に安子ではないか,と思わせる台詞がでてくるな」
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などのコメントが見られるということですが,果たして…。
 もうこうなると,私はネタバレなんて絶対に知りたくない。この先のあと2週間の展開,とても楽しみです。

 ところで,るいが母安子の消息を探しに行ったシアトルですが,この町は日本から最も近いアメリカ本土の大都市で,私にもとても身近なところです。私が写してきた今日の写真のように,マーケットにも日本のものが溢れています。
 番組のなかでひなたのセリフに「広いからなあ,アメリカは」とありましたが,実は,アメリカの日本人社会は意外と狭いのです。企業の駐在員はともかく,アメリカに定住している日本人は,ひとり知人がいれば,どんどんと人脈がつながっていったりしていて,東京で人を探すよりも,ずっと簡単だと,経験上,私は思いますよ。

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 「食わず嫌い」ではないけれど,私は,ほとんどのドラマを第1回から見はじめないのです。それは,番組の宣伝だけでつまらなそうだ,といった先入観をもってしまって,見るのを避けてしまうからです。今回の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」もそうでした。何を今さら英会話? と思いました。 しかし,一度,ふと何かの機会で見たときに,そのすばらしさにすっかりはまってしまいました。
 これはおもしろい。
 ということで,2020年にはまっていた「エール」以来何作目かで,また,朝が楽しみになりました。
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 「カムカムエヴリバディ」は,2021年度後期放送のNHK「連続テレビ小説」第105作として,11月1日から放送されている日本のテレビドラマ。京都,岡山,大阪を舞台に,昭和から令和の3つの時代をラジオ英語講座と共に生きた祖母,母,娘の3世代のヒロインの一世紀(100年)におよぶ家族の物語をハートフルコメディーとして描く。
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ということですが,ドラマの感想は,いろんな人がいろいろと書いているので,ここではやめて,その代わりに,ラジオ英語会話番組の草分け「カムカムエヴリバディ」にちなんで,NHKのラジオ語学講座の思い出について書きます。

 私は,中学校1年生ではじめて英語を学んだとき,すすめられたのがNHKラジオ第2放送の「基礎英語」という番組でした。私は,毎日かかさずこうした講座を聴く,といった継続が得意なのです。現在に至るまで,多くのラジオ語学講座にお世話になりました。もともと能力が不足しているので身についたとはいえませんが,それでも,ほとんどお金をかけず,いろんなことを学びました。
 さて,私が12歳ではじめて聴いた「基礎英語」の講師は,調べてみると北村宗彬という慶応義塾大学の先生でした。と知ると,名前に憶えがあります。さらに調べてみると,北村宗彬先生に大学で習ったという人のブログがあって
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 (北村宗彬先生が言うには)英会話のためには文法なんて中2程度+(would like to などを含む)仮定法で十分だ(ということだった)。これは本当にそうだ。今,大学でこういう話を学生にすると大いに反発するのだが実際これで十分だ。そして,だからこれから「話す方法を学ぼう!」。
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と書かれてありました。この北村宗彬先生の「基礎英語」で聴いた中で今でも覚えているのは発音です。それは,英語には[オ]という短母音はなく,[ア]と[オー]のどちらかだと習ったことです。たとえば,longという単語は,[ロング]ではなく[ラング]だというわけです。
 ところで,私は,これもまたいつものように背伸びして,はやくそのあとに放送されていた「英語会話」という番組が聞けるようになりたいものだと思っていたのですが,その「英語会話」の前身が「カムカムエヴリバディ」だったのです。
 「カムカムエヴリバディ」は第2次世界大戦終了後の1946年(昭和21年)2月から1951年(昭和26年)2月までは平川唯一さんが担当し,「カムカム英語」として親しまれたということは,私は,ずいぶん以前から知っていましたが,こうした番組がはじまると,そのときやっと脚光を浴び,マスコミが騒ぎ立て,終わるとともに忘れさられるというのがこの国のミーハー的社会の姿です。だから,いつも私はまたか,何やっとるの… と思ってしまうわけです。

 さて,中学校の2年生になった私は「基礎英語」を卒業して「続・基礎英語」に挑戦しました。「続・基礎英語」の講師は安田一郎という有名な人で,「基礎英語」とはうって変わって,文法重視,言い換え練習を繰り返す,リズミカル,かつ,ハードな番組でした。でも,ためになりました。初学者にはこうした練習が大切だったのでしょう。
 そんな「お勉強」中心だった「続・基礎英語」もそこそこに,中学校3年生で,待望の「英語会話」を背伸びして聞きはじめました。この番組はその後,ずっと聞き続けました。そのときの「英語会話」は松本亨という人が講師だったのですが,松本亨先生は 1951年(昭和26年)4月から1972年(昭和47年)3月までという21年間も「英語会話」を担当した英語教育のカリスマのような人でした。松本亨先生の次が東後勝明先生で,すごく発音がよかったのが印象に残っています。
 一般の人を対象としたこのころの「英語会話」という番組は,学校の英語とはまったく違った非常におおらかでのんびりしたものでした。私は英語の専門家になるわけでなく,語学というのはコミュニケーションが取れればいいというのが目標だったから,いわゆる受験英語とはまったく違ったこうした番組を楽しむことができたことがとてもよかったと,今にして確信します。

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 資格試験も入学試験も順位争いも無縁で語学の才能のまるでない私が「お前の英語は一般の日本人の話す(学校で習ったような)英語と違う」とネイティブに言われるブロークンな英語でもちゃんと意思の疎通ができて,海外に出かけては多くの友人と国籍も言葉の違いも関係なくお話をしたり食事を楽しんだりできるようになったのは,語学ならぬ語楽だったからこそであり,また,これぞ,こころがあれば通じるという「カムカムエヴリバディ」の流れをくむ初期のラジオ「英語会話」で知らず知らず身につけたコミュニケーション能力のたまものなのでした。
 思えば,これが私の原風景でした。
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 英語は勉強ということではじめるクセがついている
 それではダメです
 英語は口真似遊びという遊びで覚えないと大成しない
  平川唯一
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 今日の写真は,私が長年夢だったサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジとニューヨークのブルックリンブリッジを歩いたときのものです。

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