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2024年1月13日,上野の森美術館で開催されている「モネ 連作の情景」(Claude Monet: Journey to Series Paintings)を見てきました。
以前の私は,モネとマネの区別すらつかなかったのですが,このごろ,やっと,その違いがわかってきました。その違いは,すでに書いているように,1840年生まれのモネは印象派の巨匠,1832年生まれのマネは近代美術の巨匠で,曰く「モネがマネのまねをした」とか何とか…。
2020年1月8日にコート―ルド美術館展に行って,マネの傑作「フェリー・ベルジェールのバー」(Un bar aux Folies Bergère)を見て痛く感動しましたが,これがマネです。一方,モネはなんといっても「睡蓮」(Les Nymphéas)で,モネの絵を模した「モネの池」なるものがいろいろな場所にあります。モネは「睡蓮」というブランドで客寄せができるのです。
さて,今回の「モネ 連作の情景」は,「印象派」の誕生から150年目を迎えることを記念して開催され,国内外40館以上のクロード・モネ作品を厳選して展示するもので,期待して出かけました。
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●モネの連作絵画に焦点を当てた展覧会
モティーフの一瞬の表情や風の動き,時の移り変わりに着目したモネは,同じ場所やテーマを異なる天候,異なる時間,異なる季節を通して描き,「連作」という革新的な表現手法により発表しました。
この「連作」に焦点を当てながら,時間と光とのたゆまぬ対話を続けた画家の生涯を辿ります。
●100%モネ!! 展示作品のすべてがモネ
日本初公開となる人物画の大作「昼食」を中心にした「印象派以前」の作品から「積みわら」や「睡蓮」などの多彩なモティーフの「連作」まで,「100パーセントモネ」の贅沢な展覧会です。
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ということだったのですが…。
コロナ禍以前の美術展は,人だらけで,作品を見るよりも人の頭を見にいくようなものでしたが,ここ数年は,入館制限もあって,非常に落ち着いた中で鑑賞することができました。
今回は,そこまではムリだとしても,人数制限もあるから,マシだろうと思ったのですが,さにあらず。作品を見るよりも,人の頭を見るだけのものでした。こんな状況では,「連作」を見比べることも能わず,モネの絵画に描かれた光を味わうこともできず,何も感じませんでした。土曜日の午後,というのが失敗でした。これは美術展ではありません。人数制限などあってないようなもので,たくさん人を入れて入場料で稼ごうとするだけの魂胆です。これでは,もう,東京で開催される美術展は,行く気が起きません。平日の早朝に大阪展へ行くほうが少しはマシか?
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは