☆☆☆☆☆☆
年に2度ほど訪れる木曽駒高原です。普通は平日に出かけるのですが,このところ何かと忙しく時間がとれなかったのと,来週はゴールデンウィークになってしまうことと,新月の関係で,何とか時間をひねりだし,4月22日から4月23日の週末に行ってきました。
木曽駒高原は空が暗く標高が高いから星がきれいなので,星見が一番の楽しみです。どこに行っても空の明るい日本では,おそらく,この木曽駒高原の星空が一番でしょう。もうひとつの楽しみは,ついでに信州や奥三河などの,いままで行ったことがない場所に寄ることです。今回も,これまで行くことができなかった様々な場所を訪れることができました。
旅のことは後日書くことにして,今日は,星空について書きます。
木曽駒高原に行ったその1週間前,4月15日に東京へ行ったときは終日雨でした。それが原因で,自他ともに認める晴れ男の私はすっかり自信をなくし,木曽駒高原もどうせ天気が悪いだろうな,とテンション低めでした。しかし,今回は車で行くので,雨であっても,星が見られないだけで,それほど問題はありませんが,もし晴れたときのことを考えて,一応,望遠鏡などの機材は車に詰め込み,出発しました。
私の悪い予想に反して,天気予報では週末は晴れでした。私が木曽駒高原に行くときは大概晴れるのです。実際,天気予報が当たり,確かに天気がよく,気持ちよくドライブしながら,夕刻,常宿であるペンションに到着しました。到着したときも快晴で,やっと咲いた満開の桜が出迎えてくれました。
ところが,次第に雲が出はじめて,夕食をとったころには,一面雲に覆われてしまい,こりゃだめだとすっかりあきらめて,早々に寝ました。
夜中の午前2時過ぎに目が覚めたので,念のため,と窓から外を見ると… 何と,星がいっぱい輝いているではないですか。これには驚きました。機材は持ってきたものの,期待していなかったために何の準備もなく,慌てて外に出て,望遠鏡を組み立てたあとで,今,何が見られるのか,下調べもしていなかったのでわからず,iPadで検索するありさまでした。しかし,手ごろな彗星のひとつもないことがわかり,魚眼レンズで星空を写すことにしました。こうした空の暗い場所では,星野写真がいいのです。
写真を撮りながら気づいたことがふたつありました。
そのひとつは,やたらと流れ星が見られることでした。しかも,かなり明るいのです。それは,後で知ったことですが,この日が,こと座流星群の極大だったからでした。
・・・・・・
こと座流星群は,4月22日ごろに極大を迎える流星群です。普段の年の流星数はそれほど多くありませんが,ときおり突発的に流星数が増加することがあります。国内では1945年に1時間あたり約90個の記録があり,海外では1922年,1946年,1982年などに流星数の増加が観測されています。
こと座にある放射点が空高く昇る4月22日午後11時ごろから翌朝までがおすすめの観察時間帯でしょう。母天体は1861年に出現し,太陽の回りを約400年の周期で公転するサッチャー彗星(C/1861G1 Thatcher)です。
・・・・・・
ふたつめは,夜が明けるのが思った以上に早いことでした。考えてみれば,というか,考えなくてもわかることですが,4月も半ばを過ぎて,夏至が近づいてきたので,午前4時には東の空が白みはじめるのです。ということで,たっぷり星見をしようと思っていたのに,わずか2時間弱で星が見えなくなってしまったのは残念でした。
でも,望外に楽しい夜になりました。
◆◆◆
「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは