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●移民時代の歴史がわかる博物館●
 この日は「地球の歩き方」に載っていた中央マウイの博物館巡りから「マウイ・トロピカル・プランテーション」と「アレキサンダー&ボールドウィン砂糖博物館」を訪れた。「マウイ・トロピカル・プランテーション」を見学した後,私は「アレキサンダー&ボールドウィン砂糖博物館」に向かった。

 「マウイ・トロピカル・プランテーション」から南に州道30を走り,左折して州道380を今度は北北東に進路を変えて,今度は右折して州道331を南に行くとこの博物館は数日前に朝食を食べたレストラン「ジッピーズ」の近くにあった。
 博物館は州道331の左手にあって少し州道から入ったところにあったので注意深く道路標示を探して左折すると博物館があって,駐車場に車を停めた。
 ここもまたアメリカの博物館らしく,ほどんど目立つ看板もなく,入っていいのかしらん,というような入口から中に入った。

 「アレクサンダー&ボールドウィン砂糖博物館」(Alexander & Baldwin Sugar Museum)というのはマウイ島のプウネネにある博物館でり,1987年にオープンした。
 ブウネネはかつてサトウキビ産業で栄えた古い町で町(といっても町らしいものもないけれど)の中心にあるアレクサンダー&ボールドウィン製糖工場は今も稼働している。
 博物館はその一角にあって,アレクサンダー&ボールドウィンを含むハワイの砂糖産業の歴史資料が展示されている。博物館となっている建物はもともと農地管理のための施設で1902年に作られたものをそのまま使用している。

 ハワイのサトウキビ農場は日本からも多くの移民が入植し,厳しい環境の中で生活をしていた。この決して大きくない博物館には,そうした移民が日本からもってきた荷物だとか,暮らしていたころの生活用具とか,さらには仏壇までもが展示されていた。
 何度も書くように,現在のハワイは観光地として多くの日本人が訪れて,そのほとんどがオアフ島のホノルルに滞在しているのだが,一旦そこを離れると,サトウキビ農場やコーヒー農場に,そうした時代の移民の暮らしぶりを今も感じることができて,私は考えさせられるものがある。

 博物館の外に出ると,畑の整備に使われたオーブンや運搬に使用されたカフルイ鉄道の車両などが無造作に置かれていた。
 博物館というのは,いわば,使われなくなった「ガラクタ」の物置場なのだが,それを処分するでなく,こうして展示することで,その時代の人たちの生きた証となることに意義を感じるのだった。