しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:エアラインアライアンスの利便性

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 数年に一度くらい飛行機で旅行をする人にはどうでもいいことでしょうが,航空会社にも買い物をするときのようなポイントというものがあります。それがマイレッジです。
 世界中の航空会社は大まかに3つのグループにわかれていて,これをかっこよくエアラインアライアンス(Airline alliance)という名前でよびます。エアラインアライアンスは「スターアライアンス」(Star Alliance),「ワンワールド」(Oneworld),「スカイチーム」(SkyTeam)があって,それぞれのグループで飛行機を利用するとエアラインアライアンスごとに共通のマイレッジという名前のポイントがつきます。
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 日本では,数年前にポイントカードとかいうものがブームになって,そのときに,TポイントだのRポイントだのPontaだのというものができました。1,000円で1ポイントとかだと,1,000買い物をすると1円の割り引きという感じです。考えてみれば,大した得にもならないので,ポイントなどはどうでもよいと私は思うのですが,買い物をするたびに「ポイントはどうですか」と聞かれるのが面倒で,そのためにポイントカードを作りました。
 それが,今では,ポイントが共通になったり,スマホ決済で自働的にポイントが加算されたするようになったりで,何がなんだかわからなくなってきました。大した得にもならないと先に書きましたが,であるのに,ここで買ってもポイントがつかないから,というような理由で,モノを買うのが面倒になったりもするから,ポイントはメリットでなく,デメリットであることも多いようです。
 そしてまた,持っているポイントはどんどん使うほうがいいのです。これは少し考えればわかります。
 この国の政府は,消費者にとって便利であるように,ポイントを交通整理すればいいのに,その逆に国自体もまた,新たにマイナポントとかいうのをはじめて,火に油を注いています。それはまるで,若者の話についていけない親父がむりやり話を合わせて白けるようなものですが,これもまた,日本らしきはなしです。これでは,スマホも使えないお年寄りはさらについていけなくなります。

 それはそれとして,エアラインアライアンスに戻りますが,このマイレッジといわれるポイントは,まったくもって利用者には迷惑極まりないものです。それは,このエアアライアンスのマイレッジは,それをため込んだ量によって,乗客を格付けするような感じになっているからです。楽しいはずの旅行なのに,一見さんは自分が何か劣る人間のような心理に貶めされることになります。
 それでも,海外旅行なら,いつも使っている人が便宜を図ってもらうのはそれなりに利点はあるのでしょうが,国内線にほんの1時間ほど乗るのに,マイレッジの量で優先搭乗とかしたところで,手間と時間がかかるだけでほどんど意味がないし,まして,そんな短時間の搭乗にファーストクラスなど設定しても必要もないと私は思っています。
 こうした格づけというのは何でも金で人をランクづけするアメリカ人の発想なのです。アメリカを旅行するときには,こうした「格」がないとやたらと混雑してしまうから,それは必要悪であろうけれど,たかが日本の空港など,そんな「格」があろうとなかろうと別に何も困ることなどないのです。
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 デルタ航空の属する「スカイチーム」のマイレッジは期限がないのですが,JALの属する「ワンワールド」やANAの属する「スターアライアンス」のマイレッジには1年とか3年とかの有効期限があって,なるべく早くたくさん利用してもらおうと煽るわけです。
 これが絶好調の時代の戦略でした。ちょっと調子に乗りすぎていたのでしょう。
 であったのですが,2020年来のコロナ禍で,海外旅行もできなくなり,多くの人は飛行機を利用する機会が減ってしまいました。そのために,マイレッジという企業戦略が破綻をきたす結果となったのは皮肉というかなんというか…。
 コロナ禍が終息したのち,これまでの戦略がどうなるかというのが,私には興味のあるところです。

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 今日は「エアラインアライアンスの利便性」についての話題の2回目です。続編を書くつもりはなかったのですが,その後調べていくと,補足が必要なことがわかってきました。
 航空機を自分で予約して利用するのは結構めんどうなものです。しかし,ほとんどの人は旅行社に行って航空券を購入するだろうから,こんなことを気にしている人は少ないのかもしれません。それに,ひょっとしたら,その方が安価でかつ便利なのかもしれません。しかし,ある意味,これを調べるのもまた旅行の醍醐味のひとつです。
 私は離陸して着陸するまでを1回と数えると,1年に20回以上は飛行機を利用していますが,いつもネットで予約をします。しかし,利用するたびに何事かを後悔するのですが,それらの多くは乗り継ぎの待ち時間と到着時間です。

 以前,このブログに,はじめてハワイに行ったとき,名古屋からハワイ島への便を探すのに苦労したことを書きました。そのとき私が予約したのは,ホノルルでの乗り換え時間が行きは6時間,帰りに至っては1泊する必要があるものでした。その結果,ハワイに行くにはホノルルからの便は別途買うべきだということを学びました。
 近頃は,ヨーロッパがテロ等の影響で安全面を心配して観光客が減少しているので,それをカバーするためにハワイ便が増えていて,成田からオアフ島以外の島にも直行便が多数運航されるようになってきました。しかし,東京に住んでいるならともかく,私のように名古屋から出発する場合は,今も名古屋から成田まで行くよりも名古屋からホノルルまで行ってそこで乗り換えたほうが便利なのです。便利かどうかは乗り換えということを一番先に考える必要があるわけです。
 これはアメリカ本土に行く場合も同じです。名古屋からはデトロイトに行く直行便しかありません。これでは西海岸に行くのがすごく不便です。

 それもこれも,名古屋-成田が便利でないことがすべての要因なのです。名古屋-成田というのは早割チケットなどの格安チケットが購入できればいいのですが,そうでなければかなり高額なのです。しかしわざわざ新幹線で東京まで行ってそこからさらにバスなんて大変な話です。これでは成田がハブ空港の役割を十分に果たしていないのです。
 私がここで書きたいのは,こうしたことになっている日本の航空行政の貧困さです。
 これも以前描きましたが,中部国際空港など作らずとも,それ以前にあった名古屋空港でいいから,成田まで国際線利用客に限った格安便をエララインアライアンスなど関係なく頻繁に飛ばせばそれでよかったのです。成田空港にハブ空港という意識が欠如しているからこういうことになるのです。
 これでは,ソウル(仁川)やバンコク(クスワンナプーム)をハブ空港として考えて,名古屋からそれらの空港へ行ったほうが便利ですが,成田へ行かずとも仁川などへ行ってそこから世界へ,ということを考えると,そうした客のために名古屋から仁川という便がもっと運行している必要があるのです。そして,その場合もネックになるのはエアアライアンスなのです。名古屋に限らず,地方空港からハブ空港までの便はエアラインアライアンスなどという垣根を取っ払うべきなのです。あるいは共通にすべきなのです。

 前回,オーストラリアのブリスベンに行くのに,カンタス航空の成田-ブリスベン便を使うと書きましたが,どうやらそれは私の選択間違いだったようです。実は,名古屋からブリスベンに行くには,キャセイ・パシフィックの名古屋-香港,香港-ブリスベンのほうが便利で安いということがわかりました。うっかりしていました。キャセイ・パシフィックのマイレッジはアジアマイルといいます。キャセイ・パシフィックもまた,エアラインアライアンスとしてはワン・ワールドに属しているのですが,結局のところ,そんなものはどうでもいいのです。
 これも前回書いたように,マイレッジを気にしていも大したお金にはならないのです。それよりも,マイレッジ会員の利便性というのは,優先搭乗とかラウンジの利用,そして,チェックインだと割り切った方がいいわけですが,そしてこれが有効に機能するのはアメリカ国内を旅するときくらいなものです。
 アメリカという影響力のある国のはじめたことはすぐに他の国に派生していくので,今や世界中の空港が同じようなサービスを真似事でやっているのですが,客の少ない日本の空港でそんな真似事をしていてもほとんど無意味です。ラウンジの利用だけならマイレッジ会員でなくても,ゴールドカードを持っていれば利用できますし。

 私は,恥ずかしながら,このキャセイ・パシフィックの存在を知りませんでした。しかし,名古屋からオセアニアに行くのなら,何も国内便を利用して成田まで行って乗り換えなくとも,香港経由でいいわけです。ひょっとしたら,サンフランシスコに行くにも,名古屋から成田あるいは羽田まで行ってサンフランシスコに行くよりも,名古屋から香港に行ってこそでサンフランシスコ便に乗るほうがひょっとしたら便利かもしれません。成田はターミナルの移動が面倒で乗り換えにも不便です。
 要するに,国際線を利用するとき,エアラインアライアンスなどに振り回されず,そして,マイレッジなど気にせず,マイル会員の利便性というのはチェックインとネットでの予約だけだと割り切って,接続の便利なハブ空港での乗り継ぎを世界地図を見ながらくまなく探すのが最も得策だということなのでしょう。

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エアラインアライアンスの利便性①-フライトを探すには?

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 旅慣れていなかったころは,旅行会社の窓口で言われるままに航空券を買ったので,さまざまな航空会社を利用しましたが,現在は,フライトの予約もネットで容易にできるようになったので,自分で航空会社を選んで直接購入するようになりました。
 世界の航空会社はスターアライアンス,スカイチーム,ワンワールドという3つのエアライン・アライアンス(airline alliance)に分かれています。これは航空会社間の連合組織のことで,同一の連合内においては,コードシェア便やマイレージサービスの相互乗り入れなどが行われています。
 成田空港はアライアンスごとにターミナルが分かれているので,同じアライアンスの乗り継ぎは便利ですが,私が利用するような第1ターミナルのANAから第2ターミナルのカンタス航空といった別のアライアンスの航空会社の乗り継ぎはかなり不便です。成田空港は,ターミナルの移動がなかなか来ないバス(無料)しかないという,世にもまれなバカげた空港だからです。
 
 スターアライアンス(StarAlliance)には,ANA,ユナイテッド,エアカナダなどが属しています。スカイチーム(SkyTeam)にはデルタ航空,大韓航空などが属しています。また,ワンワールド(OneWorld)にはJAL,アメリカン航空,カンタス航空などが属しています。
 ハワイアン航空は,なぜか無所属です。
 アメリカを旅するには機内の設備が豪華なことなども含めてスカイチームのデルタ航空が最も利用しやすいのですが,スカイチームには日本の航空会社が属していないので,日本国内の移動には不便です。
 日本の国内線と国際線の両方を頻繁に使う日本人には,ユナイテッド航空の機内設備の貧弱さに我慢できるのならスターアライアンスが最も便利な選択といえるでしょう。JALの属するワンワールドには加盟している航空会社やJALの運行路線をはじめ私はほどんどメリットを感じません。国内線を利用するにもJALよりもANAのほうがなにかと便利だからです。
 私はこれまでアメリカ国内を旅行することが多くいつもデルタ航空を利用しているので,デルタ航空のマイレッジがずいぶんとたまってゴールドステイタスになったので,アメリカ国内でも空港のラウンジが利用できたり,アメリカの国内線を利用するときにはいつもアップグレードされてファーストクラスが利用できたり,さらには,セキュリティの優先入場やゲートの優先搭乗ができるという大いなるメリットを享受してきました。

 しかし,こうしたアライアンスの縛りのおかげで,ほかの国に出かけるときに航空会社を選びにくくなっていることが多いのです。私は近頃,アメリカ本土やハワイに加えて,オーストラリアやニュージーランドといったオセアニアを旅することが増えましたが,スカイチームにはオセアニアの航空会社が属していないのです。私がこれまでオセアニアを旅することをためらっていた理由のひとつはそこにありました。
 カンタス航空がスターアライアンスに属しているのならANAとの乗り継ぎも便利なのでまだしも,スカイチームではままなりません。私はANAもJALも一応マイレッジカードを持っていて,ANAは国内線に乗るので少しは利用するのですが,JALに至ってはずっと0マイルのままです。おまけに,カンタス航空はJALと同じワンワールドに属しているのにもかかわらず,私の利用するカンタス航空のもっとも安価なエコノミーの最下位クラスはJALのマイレッジがたまらいないのです。つまり,カンタス航空がワンワールドに属している意味がないのです。実にせこい話です。

 では,マイレッジ会員になる利点というのは何でしょうか?
 私が頻繁に利用するデルタ航空のマイレッジははすでに30万マイルくらいあるのですが,それでもこれだけ利用しても還元されるのはお金に換算したらせいぜい30万円程度のことなので,これまでに支払ったお金の2~3%という感じでしょうか。それよりも,先に書いたように,アメリカ国内の空港のラウンジが利用できるとか混雑するゲートで優先搭乗ができるとか,快適なファーストクラスにグレードが変わるといった利点のほうが大きいのです。それは,アメリカ国内の空港は日本人には想像を絶するほど混雑しているしセキュリティを通るのにものすごい時間がかかるからなのです。
 しかし,オーストラリアやニュージーランドに行ってみてわかったのは,ハワイやオーストラリア,ニュージーランドの空港は日本と同じようにさほど混雑していないので,ラウンジが利用できたり優先入場とか優先搭乗ができることにはさほどのメリットを感じないということなのです。要するに,マイレッジを豊富に持っていてゴールドステイタスになる利便性というのはアメリカを旅するときだけのメリットのようです。アメリカは「すべてが金次第」の社会だからです。 

 私が利用するのは,デルタ航空のアメリカの国内線とハワイアン航空のハワイの各島間の便,そしてANAの名古屋-成田便のほかには,デルタ航空の名古屋-ホノルル便,名古屋-デトロイト便,成田-シアトルまたはポートランド便,それに,カンタス航空の成田-ブリスベン便くらいのものです。そこで,デルタ航空のマイレッジ会員に加えて,私は,ハワイアン航空とカンタス航空のマイレッジ会員になることにしました。たいしたマイルがたまるわけでなないのですが,会員になると,航空券の予約やチェックインのときに便利だからです。
 使い慣れたアライアンスの航空会社を利用するときは優先搭乗をしたりファーストクラスが利用できるのにもかかわらず,別のアライアンスに属した航空会社を利用するときは最後に搭乗して最後尾のエコノミークラスで小さくなっているというのも不思議な話です。ましてや同じセキュリティゲートを通るのに,優先入場ができたりできなかったりと,同一人物なのにおかしなことです。
 航空会社のマイレッジというのもまた,日本のコンビニのポイントカード同様,すべての客から集めた収益の一部を上客に限って還元するといった,金持ち優遇のお得意様囲い込み商法です。年に1度くらいツアーで海外旅行をするような庶民には,ゴールドステイタスの会員がラウンジを利用したり一般客がセキュリティや搭乗で長い列を並んでいる横を優先的にすり抜けていくのを眺めるという屈辱を味わうといった,旅行というささやかなぜいたくを疎外感と劣等感に代えるだけのものでしかないようです。

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