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●都会のなかの天文台って?●
 ロサンゼルスでは,レンタカーを借りてレンタカー会社の駐車場から出ると,すぐにジャンクションがあって,インターステイツ105に入ることができる。
 ロサンゼルスの市街地はものすごく広く,はじめて走るとつかみどころがない大都市である。インターステイツを走っているだけだと,まったくこの町の様子が把握できないのだ。
 インターステイツ105はロサンゼルスのダウンタウンよりかなり南にある空港から東に向かって走っていて,やがてはダウンタウンから南東に走るインターステイツ5と合流する。インターステイツ5はアメリカの南北を北はシアトルから南はサンディエゴまで続く主要道路である。また,アメリカのインターステイツの3ケタ番号はわかりやすくつけれていて,下2ケタの主要道路にやがては吸収される。
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 私は,今回の旅では帰国まえの2晩をロサンゼルスで過ごし2泊することになっているが,ロサンゼルスの市内観光をする予定はまったくなかった。この旅の計画では,この日の夜はディズニーランドのあるアナハイムでMLBロサンゼルス・エンジェルスのゲームを見ること,そして,明日は待望のパロマ天文台に行くことであった。そこで,空港とボールパークとパロマ天文台のどこに行くにも便利で,しかも快適で,かつ安価なモーテルを探していて,リンウッドという町に宿泊することにしたのだった。東京でたとえれば,空港が成田でアナハイムが浦安,パロマ天文台が埼玉県の堂平山,そして,宿泊するのが千葉,みたいな感じだろうか。

 インターステイツ105を東に走って,途中でインターステイツ710(この道がインターステイツ10の支線であることは番号からわかる)に乗り換え,少し北にいったところでジャンクションを降りて,一般道を西に数マイル行ったところに私の予約したモーテルがあった。
 昨年来たときはは少し節約しすぎて,散々なモーテルに宿泊することになってしまったので,今年は昨年よりは宿泊代の少し高いモーテルにしたのだが,改めて調べてみると場所は昨年宿泊したところとさほど離れていなかった。しかし,ずいぶんと町の雰囲気は異なっていて,昨年より断然雰よさそうな場所だった。
 予約してあったモーテルは期待通りきれいなところで,インド人のオーナーはとても親切そうな人だった。建物の外観やら,部屋の様子などから,オーナーの性格が几帳面なのがよくわかった。
 駐車場に車を停めてオフィスに行って予約してあることを告げると,チェックインの時間は午後3時からであり,私が到着したのが午後2時で,まだ少し早かったが,空き部屋があったので,幸いチェックインをすることができた。
 部屋で一休みをしてから,近くにあった「カールズジュニア」というバーガー店まで歩いていってそこで昼食をとることにした。
 ハンバーガーチェーンの「カールズジュニア」(Carl's Jr.)は私がおすすめする店である。昨年(2018年)アメリカに来たとき,半分冗談でアメリカのハンバーガーチェーン店巡りをしたことはすでにブログに書いたが,そのなかでも「カールズジュニア」のハンバーガーはおいしかった。日本にもかつて進出したことがあるということだが撤退した。近年,再び進出して関東地方に数店舗店を出しているということだ。

 ロサンゼルスはアメリカ西海岸にあって太平洋に面している。
 空港から北西に州道1を走ると,マリーナデルレイというヨットハーバーがあり,その北西にはサンタモニカがあるというように,有名な地名が続く。サンタモニカからは州道2を北東に行くとビバリーヒルズ,ハリウッド,そして,グリフィス天文台というように,ロサンゼルス観光の入門コースが続いている。また,その南がロサンゼルスのダウンタウンでりあり,ダウンタウンの北側にはチャイナタウンとリトルトウキョウ,そして,ドジャースタジアムがある。
 こうした場所がいわゆる日本人の知るロサンゼルスという場所であるが,ロサンゼルスの観光地は決して治安のいいところでない。私は,ハリウッドのマクドナルドで置き引きにあったこともあり,いい思い出はないので,今は行きたいとも住みたいとも思わない。
 グリフィス天文台というのは,19年前に一度,ロサンゼルスの町が一望できる,夜景の美しい場所ということで,行くでもなく行ったことがあるが,ここは「理由なき反抗」「チャーリーズ・エンジェル」といったハリウッド映画のロケ地として有名である。実際は,天文台というより科学館とでもいうべき一般向けの場所であるから,世界中の天文台巡りを趣味とする私には特に興味がない。そもそも,星空の美しい場所ならともかく,夜景が美しい天文台って,一体なんだろうと思ってしまう。
 グリフィス天文台は,メキシコの銀鉱で財産を作った資産家のグリフィス・ジェンキンス・グリフィス(Griffith Jenkins Griffith )が1896年にクリスマス・プレゼントとしてロサンゼルス市に寄付したもので,広さ3,015エーカー(約12平方キロメートル)ある公園である。グリフィスがヨーロッパを視察した際に、整備された公園に感激しロサンゼルス市民の憩いの場所として贈ったのが発端である。…と,ここまではいいのだが,グリフィスは,のちにウィルソン山天文台を見学して感激したことで,公園に天文台の建造を企画した。グリフィスが殺人未遂を起こしたため一度は保留になったのだが,のち,グリフィスが遺言で天文台と劇場の建設の寄付を書き残し,グリフィスの死後,1935年に完成したものだ。しかし,そもそも大都会に天文台を寄付するって,何かひとつおかしい気がする。