しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場・47都道府県を制覇し,南天・皆既日食・オーロラ,空の3大願望を達成した「不良老人」の日記

タグ:クレーターレイク国立公園

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●クレーターレイク国立公園(Crater Lake National Park)
 クレーターレイク国立公園はオレゴン州の南にあります。2017年,ポートランドの友人を訪ねた折,滞在最後の1日にどこに行こうかと考えていたときにすすめられた場所でした。それほど遠くないと言われたのですが,実際に行ってみたら,えらく遠いところでした。
 今これを書くために地図を見ても,気軽に行けるような距離ではありません。しかし,これまで行った多くの国立公園もどこも気軽に行けるような距離ではなかったから,私がクレイターレイク国立公園を恐ろしく遠いと感じたも,そのときそのときの気分の問題がその要因だったのでしょう。
 オレゴン州のクレイターレイク国立公園は,アリゾナ州のフラグスタッフからアンテロープキャニオンに行くより近いし,アイダホ州からロッキーマウンテン国立公園に行ったことを考えれば,それらよりははるかに近いのです。
 そしてまた,せっかくクレーターレイク国立公園までいったのだから,もう少し遠出して,私が行きたくてまだ行くことができていないカリフォルニア州のレッドウッド国立公園まで行けたのにと,今,ちょっぴり後悔をしています。
 ああ,書かなきゃよかった。思い出してしまった。
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 さて,このクレーターレイク国立公園はカルデラ湖。世界で7番目に深い湖だそうで,ものすごくきれいです。湖の外周を走りながらその景色を楽しむことと,トレイルを歩いて,湖まで行くことができます。
 もっとも記憶に残っているのは,そのトレイルがまた,とても大変だったことです。
 私は,普段山登りなどせず,スポーツすら縁遠いのですが,なぜか,国内外問わず,結構こうした,ある意味私には無謀の山歩きをしていまっているのです。しかし,それも,もう,この先する機会がないかもしれません。本当に行っておいてよかったと思うこのごろです。
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 この先,再びこのような海外旅行ができるようになるとはとても思えなくなってしまいましたが,もし「次回」があるのならは,クレーターレイク国立公園の近くに宿泊して,こんどこそはレッドウッド国立公園も含めて,何日も過ごしてみたいものです。というのも,ここは観光地とはいえ,ほかの多くの国立公園に比べたら,人も少なかったし景色も美しいし,ツアーがないので,うざっい団体観光客がいなかったからです。


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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは

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●西海岸と東海岸にある同じ名前の町●
 帰路もまた,どこを走ったのか覚えていないのだが,来たときよりも早くインターステイツ5に入ったことだけは確かである。何だ,このルートで来ればもっと早かったのに,と思ったことは記憶にある。日本とは違って,有名な観光地であろうと,途中には大きな案内看板などは皆無である。
 インターステイツ5に入ると快調に進み,北に北に走って,やがてポートランド近くまで戻ってきた。
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 ポートランドの手前にオレゴン州の州都であるセイラム(Salem)という町がある。
 話は飛ぶが,ニューヨーク州の州都がニューヨークよりはるか北の内陸部にあるオールバニー(Albany)であるというのを,多くの日本人は知らない。私はクーパーズタウンの野球殿堂と博物館に行ったとき,途中で偶然オールバニーを通ったことがあるが,古いビルが立ち並ぶ歴史ある町であった。
 それと同じく,オレゴン州の州都がセイラムということもまた,ほとんどの日本人は知らないであろう。また,セイラムという名前の町は,オレゴン州だけでなく東海岸のボストンの近くにもある。東海岸のセイラムは魔女の町として有名で,私は,その町にも偶然行ったことがある。ポートランドもまた,東海岸と西海岸に同じ地名の町があるが,それらもまた,ともに行ったことがある。
 このように,アメリカには東海岸と西海岸に同じ地名がけっこうあるので,それを知らずに空路を予約するとえらいことになるし,また,実際,なってしまったというのを聞いたことがある。

 この日の夕食は,そのオレゴン州の州都セイラムのデニーズで,ささやかにサーロインステーキを食べた。
 アメリカの小さな都市がどこも治安がいいということではないから注意を要するが,私の行ったことのあるほとんどの小さな都市はどこもとても落ち着いたすてきなな町であった。セイラムもまた,こじんまりとして美しかった。こんな町に住んで,安定したささやかな仕事をして,週末には家族で郊外に出かけてキャンプをするというのが,アメリカに生まれたら最も楽しくすばらしい生き方ではなかろうかと思う。
 人間を長くやっていると,そうした塩梅がよくわかってくる。
 とにかく,私がアメリカに生まれても,ニューヨークだとかロサンゼルスのような大都会には絶対住みなくない。日本でもまた,東京や大阪は嫌だ。

 夜おそくホテルに戻った。
 この日,シアトルマリナーズの岩隈久志投手がノーヒットノーランを達成した。テレビのスポーツニュースでは盛んにその話題を放送していた。私は,この登板のひとつまえの登板をセイフコフィールドで見てすっかり満足していただけに,ちょっと悔しかった。それもまた,今ではいい思い出だ。
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 岩隈久志投手は,1999年のドラフト会議で大阪近鉄バファローズから指名を受けて入団し,その後,東北楽天ゴールデンイーグルスに移籍,ともにエースとして活躍したのち,2012年にMLB(メジャーリーグベースボール)に挑戦。シアトル・マリナーズに入団した。アジア人として野茂英雄以来2人目となるノーヒットノーランを達成したのがこの日のゲームであった。
 2016年までは活躍したが,2017年開幕から6試合目の登板で左膝に打球を受け,新たに右肩の炎症も発覚し故障者リスト入りとなり復調することはなかった。
 2018年はマイナー契約を結んだが,メジャーでの登板を果たせないまま退団した。9月のゲームで試合前に捕手役をイチロー選手が務め,始球式を行ったのが最後となった。
 2018年末,読売ジャイアンツと契約し,日本の球界に復帰したが,登板することなく,1週間ほど前の2020年10月19日に引退を発表した。
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 これが5年という歳月である。

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●湖に浮かぶ老人●
 クレーターレイクの見どころといえば,まず,ウィザード島(Wizard Iskand)である。ウィザード島はこのブログの「クレーターレイク国立公園③」の最後に写真を載せたものである。高さ233メートルの小さな火山で,山頂には火口があって,これがクレーターレイクの名前のの由来となっている。
 次に,ファントムシップ(Phantom Ship)という長さ90メートルほどの小さな島で,まさに幽霊船のような雰囲気である。これは今日の1番目の写真の湖面の左に小さく写っている。
 これらは湖の外周道路リムドライブ(Rim Drive)を走ると見ることができた。
 さらに,湖に浮かぶ老人(The Old Man of the Lake)という100年以上前から湖面を漂っている枯れ木があるそうだが,私はこれを見た記憶がない。どうやら見損ねたようだ。残念なことをした。
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 私は湖の北側の入口から入ったが,湖の南側のリムビレッジというところにビジターセンター(=2番目の写真)があった。帰り道,そこに寄ってみたのが,中には簡単な展示があった。

 さて,これでクレーターレイク国立公園巡りは終了である。ここはポートランドからはとてつもなく遠いところであったが,もし次回があるのなら,こんな場所に宿泊して何日も過ごすのも悪くないと思う。観光地とはいえ,ほかの多くの国立公園に比べたら,さすがに人が少なく,景色も美しいし,ツアーがないので,うざっい団体観光客がいないからである。
 コロナ禍が終わったら,再び世界はどこも以前のように観光客で埋め尽くされるようになるのかどうかはわからないが,もし,以前のように観光客が戻って多くの場所がオーバーツールズムになったとしても,世界には人の少ないすばらしい大自然に接することができる場所が,まだある。このクレーターレイク国立公園などがそうだ。こうしたところは貴重なのである。
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 来るときも見た山火事だが,帰り道,その山火事がずいぶんと大きくなっていた。走っていると,その山火事がずいぶん近くに見られて,道路までその煙りが来て,すごい迫力であった。
 クレーターレイク国立公園は,ポートランドから往復で10時間,距離にして800キロもあった。日帰りをするにはかなりの強行軍であったが。そんな時間を超えた感動があった。本当に行ってよかったと思う。ここに行く前日,この場所を教えてもらったことを感謝した。

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●アメリカで最も深い湖●
 クレーターレイク国立公園(Crater Lake National Park)は,1902年,アメリカで5番目の国立公園として設立された。公園の面積は286平方マイル,741平方キロメートルというから,東京23区の面積628平方キロメートルより広い。クレーターレイク公園にはクレーターレイクとよばれるカルデラ湖がある。
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 クレーターレイクはマウントマザマ(Mount Mazama)の噴火活動によって形成された。最深部はなんと1,958フィート,597メートルと,アメリカで最も深い湖であり,世界で7番目の深さを誇る。また,面積は53平方キロメートルである。
 なお,世界一はバイカル湖の1,742メートルで,日本の田沢湖は世界10位の423メートルである。また,湖自体の平均標高は6,178フィート,1,883メートルである。
 クレーターレイクは,流入・流出河川をもたないために湖水は極めて青く澄んでいる。
 火山活動は,アメリカ西方沖にある小さな海洋プレートであるファンデフカプレート (Juan de Fuca Plate) が北アメリカプレートの下に潜り込む際のオレゴン州の沖合いでの沈み込みによって引き起こされた。この動きによって引き起こされた熱と圧縮がカスケード山脈を形成した。
 約40万年前,マウントマザマはカスケーズ山脈の他の山々と同様に層状の楯状火山として誕生した。長期にわたり溶岩流と火砕流が交互に重なりあい,高さ11,000フィート,約3,400メートルと,富士山ほどの成層火山に成長した。
 紀元前4,860年ごろに大噴火により崩壊し,上部の3分の1にあたる2,500フィート,760メートルから3,500フィート,1,100メートルの標高を失い,この噴火により直径約10キロメートルにわたる巨大なカルデラが形成され,カルデラに雨水が溜まった。
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 この大噴火によってできた地域は過剰な多孔性とレゴリスから成るやせた土壌のために,植物がほとんどみられない。したがって,私が通ってきたような大平原となったわけである。
 湖の外周道路リムドライブ(Rim Drive)はカルデラの縁の周囲をめぐる景色のよい道であった。
 湖には,ヒメマス(Oncorhynchus nerka)と ニジマス(Oncorhynchus mykiss)が繁殖しているが,大きさ,種類,数に制限を受けることなく,許可なしでつりができるという。また,湖での水泳は許可されている。さらに,夏期は毎日ボート・ツアーが実施されていて,湖の中のスコリア丘とウィザード島に停まる。
 湖面に触るには,湖の北にある険しい歩道であるクリートウッドトレイル(Cleatwood Trail)を降りることになる。また,展望台にはリムドライブを通って自動車で簡単に行くことができるが,最も見晴らしがよいのは8,929フィート,2,721メートルのスコット山からのものである。しかし,そこに行くためにはリムドライブの起点から2.5マイル,4キロメートルの急な道のりを歩かなければならないという。
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 私は,外周道路を走った後,意を決して,クリートウッドトレイルを歩いて降りることにした。
 予想よりずっと大変で,往復1時間,かなりきつい坂道であった。途中で根を上げそうになりながらも下まで降りて,湖面を触ることできた。クレーターレイクは形は同じカルデラ湖である北海道の摩周湖そっくりだが,深さと面積は3倍ある。湖は独特のエメラルド色をしていて、とにかく素晴らしいの一言であった。
 湖水は冷たく,湖畔には心地よい風が吹いていた。

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●最も美しい湖●
 国立公園のゲートを越えてもまだまだクレーターレイクははるか南で,依然,クレーターレイクハイウエイという名前の道路が穏やかに広がる草原と木立の中を延々と続いて行くだけであった。
 遠くに煙が立ち上っていたが,それは山火事であった。アメリカでもオーストラリアでも,山火事が頻繁に起き,日本でも時折ニュースになる。2019年の年末,オーストラリアでは大規模な山火事が起き,多くのコアラが死んでしまったというニュースは記憶に新しい。私が2019年春エアーズロックに行ったときも,そうした山火事を防止するために,わざと火を起し,大平原を焼き尽くしているのを見たが,せっかくの青空が灰色に濁ってしまっていた。
 大自然というのは雄大で美しいだけのものではない。

 やがて,大平原から景色が変わってきて,次第に道路も標高が高くなってきた。その先には多くの車が停車しているのが見られた。そこは駐車場で,どうやらクレーターレイクに到着したらしいことがわかった。まだ湖の姿は見えないが,その向こうに世界で7番目に深い湖クレーターレイクがあると思うと興奮してきた。
 とうとうクレーターレイク国立公園に到着したのだ。ポートランドからはインターステイツ5を南に3時間走りオレゴン州南部まで行って,さらにそこから東へ2時間山の方へ行ったところにあった。遠い道のりだった。

 クレーターレイクの北側から私はやってきたが,湖の入口辺りには,湖のクルーズ船のチケット売り場があった。しかし,残念ながら,チケットはすべて売り切れであった。それにしても,いつも不思議に思うのは,アメリカの観光地というのはどこも遠く来るのがたいへんで,途中はほとんど車の姿も見えないのに,どこへ行っても,到着すると,結構な観光客がいるということだ。いったい,どこからこれだけの人がやってくるのだろう。そしてまた,どこの国立公園も,きちんと整備され,ゴミひとつなく,こわれたようなガードレールもなく,道路もきちんと線が引かれていて,意味のない看板ひとつなく,ものすごく美しいのだ。
 日本だと,どこに行っても,さびたガードレールやら,意味のない看板やら,廃墟やら,廃道が無残な姿をさらしているし,ゴミがすてられているし,まったくもってなさけないのだが,そうした安っぽさはみじんもないのである。
 まず,湖の外周道路リムドライブ(Rim Drive)を走りながら,景色のよい場所に車を停めて,湖を見ることにした。その湖の美しさは筆舌に尽くし難いものであった。それは私がそれまでに見た中で最も美しい湖であった。

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●セルフでないガソリンスタンド●
 ポートランドからは,まず,アメリカの太平洋岸を北から南に縦断するインターステイツ5に入り,途中で州道に進路を変えて,クレーターレイク国立公園に向かうことになる。
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 途中でガソリンを入れることになった。すでに書いたが,オレゴン州ではガソリンスタンドはセルフではない。私は来るまでそのことを知らなかった。
 オレゴン州はアメリカでもちょっと異質な州でさまざまなユニークな政策がとられているようだ。ガソリンスタンドがセルフでないのは,従業員を雇うことで失業対策をしているのが理由のようだ。

 私がいつものようにガソリンスタンドで車を停めて,ガソリンを入れようと車から降りようとすると,若い女性が出てきた。まわりを見ると,ガソリンスタンドのそれぞれのポンプのところに女性がいて,給油をする仕事をしていた。
 ガソリンを入れてもらうとチップを払う… らしいことを後で知ったが,このときに私がチップを払ったかどうかは覚えていない。知らないのだから仕方がない。
 この日は長いドライブだったので,このあともう一度ガソリンを入れたが,そのときは田舎のガソリンスタンドであった。広い敷地の端にガソリンポンプがあって,ほかの州のガソリンスタンドと同じようにコンビニが併設されていて,おじさんがひとりで切り盛りしていた。
 こうなると,おじさんはコンビニのレジを離れることはできないから,システムは機能せず,結局,セルフで入れるしかない。ガソリンスタンドがセルフないという州の決まりなんて,実行できないじゃないか,と私は思った。アメリカという国は,このように,いつもどこか何かが抜けているのがおもしろい。
 日本でも,高知県とか福井県とかに行くと,未だにセルフでないのが一般的だとこのごろ知ることになったが,このごろはセルフでしか入れないので,私は逆にとまどってしまう。

 この日,私は,どこをどう走ったのか正確に覚えていないが,どこかでインターステイツ5を出て,州道を走っていったようだ。
 アメリカでは,道路の途中にはほとんど道路標示はないので,分岐などで控えめにある道路標示を見逃すと,走っていて,それが正しい道路かどうか不安になることがある。気づいて引き返すにも,並みの距離ではないし,聞こうと思っても人もいない。
 今は,カーナビやスマホがあるからまず大丈夫だが,この旅をしていた5年前は,私のような日本からの旅行者が常時 Wifi を使うことは困難であった。
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 走っていて,クレーターレイク国立公園は思ったよりえらく遠いところだと思った。道は広くきれいで,まわりは一面の大平原であった。かすかに覚えているのは,どこかでT字路があって,そこでどちらに曲がるのか迷ったことと,どうやら,そのときに,道を間違えたらしいこと,くらいである。
 しかし,そのうちに,なんとか,国立公園のゲートが見えてきた。やっと,国立公園に到着したと思ったが,ゲートを越えても,クレーターズレイクははるかはるか先であった。その先も延々と,大草原を走ることになった。本当に,こんな大平原の向こうに湖があるのだろうかと思ったことは今も忘れられない。
 いくら日本からアメリカに観光旅行をする人が多くても,こうした国立公園に行ったことがある人はそうは多くないであろう。アメリカの国立公園といっても,ほとんどの日本人になじみのあるのは,おそらくグランドキャニオン国立公園くらいのものであろう。

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●アメリカの国立公園●
☆14日目 8月12日(水)
 私が子供のころは,アメリカという国は夢の国であった。テレビで放送されたアメリカのホームドラマを見て,その裕福さをだれしもが憧れた。
 地球儀を買ってもらってはじめてアメリカが地球上のどこにあるかを知ったが,当時,世界にはソビエト連邦という巨大な面積をもつ国があって,アメリカが世界で一番面積が広い国でないことに,逆にがっかりした,そんな思い出がある。
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 私のアメリカ旅行は,今から40年前,カリフォルニアのディズニーランドに行ってみたいということからはじまった。そのころはまだ,日本にはディズニーランドはなかった。
 はじめてアメリカに,それもツアー旅行で行ってみて思ったのは,狭い日本の上でちまちまと生きるだけのなっさけない大人になりたくない,ということだった。そしてまた,ツアー旅行などしている場合じゃない,と思った。そこで一念発起して,それまで大の苦手だった英語を勉強して,翌年,ニューヨークにひとり旅をした。そして,それが高じて,MLBが見てみたい,になり,次第にエスカートして50州制覇が目標になってしまった。
 アメリカの国立公園を制覇したいという夢はもたなかったし,アメリカにそんな大自然があるということも知らなかった。しかし,頻繁にアメリカに行くようになると,知らず知らず,そのたびに多くの国立公園に行くことができた。そして,アメリカで最もすばらしいのは大自然だと気づいた。

 たびたびこのブログで紹介している「地球の歩き方」のアメリカの国立公園編だが,今改めてそれを読んでみると,この2015年の旅のあとにもずいぶん多くの国立公園に行った結果,私は,期せずして,この本に載っている国立公園のそのほとんどに行くことができたことを知った。
 未だに行く機会のないのは,西海岸では,レッドウッド国立公園,そして,グランドサークルでは,キャニオン・デ・シェイ国定公園,メサベルデ国立公園,これだけである。その中で,キャニオン・デ・シェイ国定公園とメサベルデ国立公園は2020年の8月に行く予定で飛行機のチケットも購入したのだが,コロナ禍でかなえられなかった。レッドウッド国立公園はそのあとに行く予定であったが,はたして今後どうなることであろうか。
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 この旅をしている2015年には,行こうと考えていなかった,というより,その存在すら知らなかったのが,これから書くクレーターレイク国立公園であった。
 しかし,行ってみて本当によかったと,今では思う。それは,そこがとてもすばらしい場所であったことに加えて,改めて行こうとすると,レッドウッド国立公園同様,大都市からとても遠く,行くことが大変な場所だからである。

 前日,食事をご馳走になっているとき,その場の会話で,明日の予定がないというような話になった。そこで勧められたのが,このクレーターレイク国立公園であった。クレーターレイク国立公園に行くことを勧められる前は,この日はインターステイツ84沿いにコロンビア川を上流にさかのぼって走るつもりであった。これもまたすばらしい景観であるが,ここはポートランドに行く機会があれば,簡単にアクセスできるであろう。しかし,クレーターレイク国立公園はそうはいかない。
 聞いたところでは,クレーターレイク国立公園はポートランドから2,3時間で行くことができるだろう,ということであった。私はそれを信じて行くことに決めたのだが,実際は,そんな生易しいものではなかった。距離にして,ポートランドからは240マイル,約380キロメートルというから,さほどのでもないようであるが,それでも,名古屋・東京間の距離である。これを車で日帰りしようということであった。
 ホテルで朝食を終えて,早速,クレーターレイク国立公園に向かって出発した。

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