しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場・47都道府県を制覇し,南天・皆既日食・オーロラ,空の3大願望を達成した「不良老人」の日記

タグ:シャルル・デュトワ

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【Summary】
Ravel’s Daphnis et Chloé was performed complete, its shimmering “Dawn” and exuberant final dance creating a dreamlike atmosphere with wordless chorus. Though musically superb, the concert started the second half very late, stretching the evening and diminishing the audience’s ability to enjoy the post-concert mood at NHK Hall.

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 後半はバレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)です。
●バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
 「ダフニスとクロエ」は,ラヴェルがロシア・バレエ団を率いるセルゲイ・ディアギレフの依頼を受けて作曲したバレエ音楽です。
 1909年,ラヴェルはバレエ・ダンサー兼振付師のミハイル・フォーキンが3世紀ごろのギリシアの作家ロンゴスの叙情詩を基に書いた台本によるバレエ「ダフニスとクロエ」に着手しました。しかし,作曲は難航し,初演は1912年にようやく行われました。
 全体は1幕3部からなります。
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第1部 パンの神(牧神パン)とニンフの祭壇の前
 若い男女が祭壇に供え物をして礼拝していると,羊飼いのダフニスとクロエが登場します。
 牛飼いのドルコンがクロエに言い寄り,ダフニスは嫉妬します。ダフニスとドルコンは踊りで勝負し,勝った方がクロエの接吻を受けることにします。
 ドルコンのぎこちない踊りに対し,優しく軽やかに踊るダフニス。彼はクロエから約束の熱い接吻を受けて恍惚となります。しかし,その後,海賊が来襲し,クロエはさらわれてしまいます。
 それを知って絶望するダフニス。そこに3人のニンフが現れて倒れているダフニスに気づき,彼を蘇生させ,パンの神に祈らせる。すると,パンの神が姿を現わします。
第2部 海賊ブリュアクシスの陣営
 海賊の首領の前に連れて来られたクロエは,踊りながら脱出の機会をうかがうのですが失敗し,あわやというところで,突然パンの神の巨大な幻影が現れ,海賊たちは逃げ去ってしまいます。
第3部 祭壇の前
 ダフニスとクロエの感動的な再会となります。
 老羊飼いが,パンの神はかつて愛したシリンクスの思い出ゆえに,クロエを助けたのだと説明します。祭壇の前でふたりは愛を誓い,パンの神とニンフを讃えて熱狂的に踊ります。
  ・・・・・・
 第3部の冒頭に登場する「夜明け」(Lever du jour)は,ヴェルのオーケストレーションの妙が光り,朝もやの中で少しずつ光が差し込むような音の移ろいが水面に反射する光のように繊細で美しく,フルートやハープ,弦のさざ波のような響きがします。また,フィナーレを飾る「全員の踊り」(Danse générale)は,エネルギーが爆発するようなリズムと色彩感が魅力で,ラヴェルが「舞踏交響曲」とよんだように,音楽が踊ります。また,今回は合唱がついていましたが,この作品では,歌詞のない合唱を楽器のように使い,音の霧のように幻想的な雰囲気を作り出す役割を果たしました。
 このように,夢の中にいるような時間となりました。

 演奏会自体はよかったのですが,60分に及ぶ大曲なのに,後半のはじまりが遅すぎたのです。休憩時間が30分以上あって,会場にすべての観客が座って待っているのに,なかなかはじまりません。前半が終わったのが午後7時35分ごろで,後半が始動しはじめたのが午後8時10分ごろ。それから合唱団,そしてオーケストラがステージ上いっぱいに入りはじめました。
 そして,やっと曲が終わったのが午後9時10分ごろでした。何かアクシデントがあったのか,と思いました。
 これまでも,シャルル・デュトワさんが指揮をするときは,はじまりが遅かったり,演奏会自体が長かったり,そんなことが頻繁にありました。今はFMでの生放送がなくなったので心配はないのですが,もし,生放送があったら,とても番組枠に入りません。多くの観客は,カーテンコールもそこそこに,演奏会の余韻を楽しむでもなく,足早に会場を後にしました。
 演奏会に足を運ぶというのは,会場に来るときから,曲の終了後の余韻までが楽しくなくては,と私は思うのですが,そもそも,NHKホールは,終了後に騒音だらけの代々木公園を横切るだけでもそれまでの雰囲気がぶち壊しなのに,演奏会自体が長引いて,余韻を楽しむことすらできないようではいただけません。

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【Summary】
The concert featured Ravel works conducted by Charles Dutoit, returning to NHK Symphony’s subscription series after eight years. His refined interpretation highlighted Pavane pour une infante défunte and Le Tombeau de Couperin. Dutoit’s signature elegance and the orchestra’s vivid colors created a nostalgic yet fresh atmosphere, closing the first half memorably.

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 2025年11月14日に行われたNHK交響楽団第2049回Cプログラムを聴きました。
 曲目は,「ラヴェル生誕150年」と銘打って,「亡き王女のためのパヴァーヌ」「Pavane pour une infante défunte」,組曲「クープランの墓」(Le Tombeau de Couperin),バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(Daphnis et Chlo)(全曲)でした。それより何より,指揮が名誉音楽監督のシャルル・デュトワ(Charles Édouard Dutoit)さん。実に8年ぶりの定期公演登場でした。
 シャルル・デュトワさんがしばらくNHK交響楽団を指揮しなかったのは,2017年に報じられたセクハラ疑惑がきっかけでした。その影響で,予定されていた定期演奏会の出演がキャンセルされ,それ以降,しばらく日本の楽壇から距離を置くことになりました。その後,2019年に大阪フィルハーモニー交響楽団に登場するようになり,2024年10月30日に行なわれたNHK音楽祭2024で,ラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」(Ma Mère l’Oye),ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番,ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」(Le Sacre du printemps)を振って復帰し,ついに,NHK交響楽団の定期公演に戻ってきました。
 どうやって復帰させるか考えて,NHK音楽祭にそっと登場させたら観客に抵抗がなかったので,晴れて定期公演に,という段取りだったのでしょう。十八番の「春の祭典」は,やはり,シャルル・デュトワありてこそ,を印象づけました。
 とはいえ,若々しい,というか,もともと年齢不詳? のようなシャルル・デュトワさんもすでに89歳となりました。今から20年以上前,私がNHK交響楽団の定期公演に熱心に通っていたころ,シャルル・デュトワさんの指揮する公演は,いつも,来てよかった,と思ったことでした。この感動を再び味わうことができるということで,期待をもって会場に足を運びました。

 今回のラヴェルプログラムも,シャルル・デュトワさんお得意のものです。
 緻密で洗練されたラヴェルの作風をストラヴィンスキーは「スイスの時計職人」と評しました。「職人」シャルル・デュトワにとって,精巧に作られたラヴェルの作品が,いかなる名品もそれを持っている人次第のように,最も腕の振るい甲斐のある素材といえるでしょう。
 特筆すべきは,「ダフニスとクロエ」が本来の合唱付きで演奏されることで,もともと,ラヴェルはディアギレフの求めに応じて合唱抜きの管弦楽版を作ったものの,合唱が作品の重要な構成要素だと考え,主要な上演においては合唱を加えるよう求めていたということです。このようなスケールの大きな演奏会は,シャルル・デュトワさんが音楽監督のころによく行われたものです。

●亡き王女のためのパヴァーヌ
 原曲は,1899年にラヴェルがパリ音楽院在学中に作曲したピアノ曲で,作曲者自身が意外に感じるほどの好評を得,1910年に管弦楽に編曲されました。パヴァーヌとはスペイン起源の宮廷舞曲です。「亡き王女のための」という題名はフランス語の響きに惹かれて命名したものです。
 管弦楽編曲版は小規模なオーケストラのために書かれ、薄く透けるようなオーケストレーションがなされ,哀愁を帯びた典雅な雰囲気がただよいます。いかにもデュトワサウンド,という感じで,とても懐かしくなりました。

●組曲「クープランの墓」
 原曲はラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲した,前奏曲,フーガ,フォルラーヌ,リゴードン,メヌエット,トッカータの全6曲からなるピアノ曲です。6曲それぞれが大戦で戦死した友人,知人たちの思い出に捧げられました。
 ピアノ組曲は1919年に初演され,ラヴェルは曲集から4曲を選び管弦楽用に編曲し,曲順を入れ替えて,前奏曲,フォルラーヌ,メヌエット,リゴードンとしました。管弦楽化によって作品に鮮やかな色彩がほどこされ新たな魅力が生まれました。管弦楽版の初演は1920年でした。
 会場の雰囲気がいつもと違うような…。これがデュトワマジックか?
 前半が終了しました。

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