しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:テカポ湖

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 私は,2016年の秋,2018年の秋の2回,ニュージーランドのテカポ湖(Lake Tekapo)へ行きました。
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 テカポ湖はマッケンジー盆地(Mackenzie Basin)の北端に位置し,プカキ湖(Lake Pukaki)とオハウ湖(Lake Ōhau)と平行する湖です。マッケンジー盆地に位置する3つの湖の中で最大面積の湖で,面積は83平方キロメートルあり,海抜700メートルに位置しています。湖水は氷河が削った岩石の粉が溶け込んでいるために青緑色をしています。
 湖周辺は人気の高い観光保養地であり,湖の南に位置する人口300人程度のテカポ湖村には数軒のリゾートホテルや飲食店があります。長距離バスの停留所が設置され休憩地にもなっているため,外国人観光客も立ち寄る機会が多いところです。
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と,Wikipediaにはありますが,私の目当ては星空でした。

 ここは,本当にすばらしいところです。ただし,有名になりすぎたために観光客が異常に多かったこと,そこで,なかなかホテルが予約できなかったことが難点でした。コロナ禍の現在は,どうなっているのでしょう。また,日本人観光客相手の星空ツアーは存続しているのでしょうか?
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 私は,2度ともクライストチャーチ(Christchurch)から車で行ったので,テカポ湖からさらにマウントクック(Mount Cook)まで足をのばすことができました。
 ニュージーランドは日本と似ていて,地震災害が多く,また,天気もさほどよくありません。私が行ったときは,クライストチャーチの大地震の復興途中でした。幸い奇跡的に天気には恵まれて,目的の星空を見ることができました。

 今にして思うに,テカポ湖へ行く途中ののどかなカントリーロードや,小さな町がとても懐かしく思い出されます。いつか,そんな町でゆっくりしたいものだと…。でも,実現しそうにはありません。
 本当に,行っておいてよかったところです。
 それにしても,同じ島国なのに,どうして,日本には,どこへ行ってもこんな風景がないのでしょう。

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 ニュージーランドのテカポ湖という名前は以前から知っていました。しかし,どういうところかは皆目見当がつきませんでした。実際よりももっと山の中か辺鄙なところだと思っていました。そして,まさか行くとは思いませんでした。
 このごろは,日本でも星空が美しいという名目で観光地化されているところがあるのですが,星空というのはほかの観光地とは異なって,観光地化されて人が増えると,星は遠ざかっていきます。それは,星が見えるのは暗い場所だから当然危険で,そこで,人が増えれば,街路灯ができたり,あるいは懐中電灯を灯したり,車がライトをつけて走り回ります,こうして,星が見えなくなるのです。さらに,満天の星を見たいという日ごろは星空に興味のない人が押しかけて,モラルもなくなります。
 ということで,星が美しい場所という情報が一般に行き渡ると,そこは星が美しい場所ではなくなるのです。

 2016年,はじめてニュージーランドに行ったとき,星のきれいな場所はないかと探して,偶然見つけたのが奇しくも私が地名だけを知っていたテカポ湖でした。クライストチャーチから車で3時間ほどかかりました。
 期待したテカポ湖でしたが,テカポ湖は,まさにそんな観光地化されてしまった場所でした。そこで,晴れた夜ともなると,人が大挙して押し寄せ,収拾がつかなくなります。むやみやたらとライトは灯すし,車がヘッドライトを付けて走ります。さらに,立ち入り禁止の場所もお構いなく入り込みます。だから,そんな場所で星の写真を写そうとすれば,一瞬の空きを見つけてシャッターを押すとか,なるべる人のいない場所を探してそこまで行くとか,そんなたいへんな苦労が必要になってくるわけです。
 それでも,ここでは,亡き羊飼いの教会をバックにして写真を撮れば,銀河が高くそびえ,いわゆる「インスタ映え」する写真が撮れるので,それなりに魅力がある場所ではありました。

 私がはじめてテカポ湖に足をはこんだときは,そのような状況も知りませんでした。ホテルは少なく,団体観光客が抑えていて空室を探すのもたいへんでした。それでも,かなり高価なホテルに宿泊してそれなりに楽しみました。そして写したのが1番目の写真でした。しかし,この写真,なんと,肝心な南十字星のあたりに雲があったのです。 
 帰国以来,私は,このことが満足できず,そこで,2018年,再び,テカポ湖に行くことにしました。とはいえ,私は,重大なことを忘れていました。それは,どんな周到に準備をしたところで,次に行ったときに晴れる保証はないということです。だから,本当は,雲のない写真が撮れる確率なんて,ほとんどないに等しいのでした。
 実際,2度目に行ったテカポ湖の天気は最悪でした。確か3泊したのですが,連日毎晩曇り空でした。しかし,いつものように,私には奇跡が起きました。1日目の夜,わずか数時間だけ雲ひとつなく晴れ渡ったのです。そのとき写した念願の写真が2番目のものです。
 ニュージーランドは自然の美しいすばらしい国ではありますが,天気があまりよくないという点で,星を見にいくには,さほど適したところでないなあ,というのが,私の実感です。

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 今年2018年の1月,
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 今年の秋のテカポ湖畔のホテルの予約状況を調べていて,手ごろな値段で宿泊できるホテルを見つけたのですぐに予約をしてしまいました。ということで,今年の秋,私は再びニュージーランドに行くのです。
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と書きました。そして,実際に行ってきました。

 2016年の秋にはじめて行ったニュージーランド,このときは勝手がわからず,テカポ湖では高価なホテルに宿泊することになったりとかいろいろと苦戦しましたが,ともかく,テカポ湖で満天の星空を見ることができました。しかし,そのときは,帰国後,ニュージーランドにさほどの想い入れはなく,まさかまた行くことになろうとは思っていませんでした。
 しかし,それからしばらくして,再び行きたくなったのが我ながら不思議なことでした。
 我が家の居間に,2016年に行ったときにテカポ湖で写した星空の写真と2018年に行ったフィンランドで写したオーロラの写真が並んで飾ってあります。テカポ湖の写真は,そのときは無我夢中で写したのですが,今考えると,適当な機材を持ってはじめて行った南半球でよく撮れたものだという気がします。それでも,テカポ湖で写した写真には「善き羊飼いの教会」の上空に少しだけ雲がかかっていて,南十字星がはっきりと写っていませんでした。だんだんとそれが気になってきて,今度こそ雲のない星空の写真を写したいなあ,という気持ちが高まってきたというわけです。

 実際に出かけてみて,そんな考えが甘かったことに改めて気づきました。
 2016年に行ったとき,ニュージーランドはお昼間の天気があまりよくなくて,曇りばかりでした。晴天率が高いなどというのは偽りだと思いました。ところが,夜になると連日雲が切れて滞在中は連日星空が見えました。しかし,2018年はお昼間は晴れていましたが,夕方になると雲が出てくるのです。これでは,せっかく来たのに雲ひとつない星空の写真など到底写せません。もう一度ニュージーランドへ行けば,今度こそ雲のない星空の写真が写せる,というのは夢物語だったと思いました。 
 しかし,滞在1日目の晩に奇跡が起きました。お昼間の快晴から夕方すっかり曇ってしまったあと次第に雲が切れてきて,再び快晴に。こうして満足した写真を写すことができたのです。結局,快晴だった夜は3泊したうちのこのはじめの1晩だけだったのですが,雲ひとつない星空の写真を写すという念願がかないました。
 それ以上に私が驚いたことは,2016年の秋にはあれほど辺り一面咲き誇っていたルピナスの花だったのに,2018年は1か月ほど時期が早かったので全く咲いていなかったということです。私が2016年に行ったときのニュージーランドは,偶然にも願ってもないベストシーズンだったということなのです。このように,旅というのは,はじめて行ったときの印象が強いもので,また同じ喜びを得ようと2度目に出かけても,はじめて行ったときの感動を再び手に入れることは難しいと,行ってみて気づくのです。
 しかし,たとえルピナスの花が咲いていなくとも,それでもやはり,ニュージーランドで見た南半球の星空というのは,晴さえすれば魅力的でした。
 私の愛するニュージーランドですが,日本からは遠く,そして,最高の季節と満天の星空に出会うのは容易なことではありません。

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2018年がやってきた②-今年もテカポ湖へ行く。

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 2016年の秋,南半球の星空が見たくてなんのあてもなくふらっと出かけたニュージーランドでした。クライストチャーチで4泊,成田からクライストチャーチまでの航空券はホテル代込みでわずか11万円でした。私はそのころ,テカポ湖という名前だけは知っていたのですが,具体的な場所はどこか知りませんでした。ともかくテカポ湖畔で天体観察ツアーがあるというのでそれも併せて予約しました。予約したときはクライストチャーチからテカポ湖まで日帰りで往復すればいいや,程度の甘い考えでした。
 出発の1週間前になって,はじめてテカポ湖の場所を調べて,クライストチャーチから日帰りで往復できるような距離ではないと知りびっくりしました。そしてあわててテカポ湖畔のホテルを探したのですが,時すでに遅し。ホテルはどこも予約が一杯で空室がありません。苦労してやっと2泊できるホテルを見つけたのですが,宿泊代が往復の航空券代くらいもしました。
 そんなわけで,とんでもない計画の末,あわただしく出かけたわけですが,満天の星空とニュージーランドの大自然には感動しました。

 しばらくはそのときの思い出はいい思い出だけでしたが,次第に,できればもういちどテカポ湖で星空が見たいものだと思うようになってきました。
 私の印象ではニュージーランドはあまり天気がよくありません。お昼間は毎日雲がたくさん出ます。しかし,2016年に行ったとき,夜だけはいつも快晴でした。私は,それがいつもそうであるのかどうかわかりません。また,テカポ湖付近はホテルもなかなか予約がとれないものなのかどうかもよくわかりません。このように,私にはニュージーランドはアメリカに行くのとは違って,謎だらけなのでした。
 そんな状態で,ずっとテカポ湖のことが気にはなっていたのですが,先日,今年の秋のテカポ湖畔のホテルの予約状況を調べていて,手ごろな値段で宿泊できるホテルを見つけたのですぐに予約をしてしまいました。ということで,今年の秋,私は再びニュージーランドに行くのです。
 果たして,私が抱いているニュージーランドの謎は解けるのでしょうか?
 それにしても,ニュージーランドというのは,なんと魅力的なところなのでしょう。その想いがどんどん募ってきました。愛すべきニュージーランドがもう少し日本から近いといいのですけれど…。

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 もはや地球は自然科学の真理を追究するには狭すぎる場所となってしまったのかもしれません。
 素粒子論を実証する実験をする加速器を作る場所も,狭い地球上では加速器の大きさに限界があります。同じように,天文台を作るにも,ハワイや南アメリカくらいしか最適な場所は残っていません。そこで,現代科学の粋を集めた巨大望遠鏡がそうした場所に続々と作られ始めました。
 
 私は,これまでに書いたように,かつてアメリカに建設された今や旧式となったパロマ望遠鏡のような巨大望遠鏡は,未だこの目で直に見ていません。
 それに代わる現代の巨大望遠鏡については,南アメリカは遠く行く機会もありませんが,ハワイ島マウナケア山の山頂とマウイ島ハレアカラ山の山頂には行くことができました。
 マウナケア山には日本のすばる望遠鏡をはじめとする12基の観測装置があります。私は,すばる望遠鏡はドームしか見ていないのですが,そのお隣にあるアメリカのケック望遠鏡はガラス越しにその雄姿を見ることができました。マウナケア山は標高が4,200メートル以上もあって,しかも道路は途中が舗装されていないので登るのは困難です。
 一方,ハレアカラ山にはアメリカ海軍やハワイ大学の天文台があって,こちらは標高が約3,000メートルで,しかも,山頂まで道路が舗装されているので楽に登ることも可能で,環境的にはずっと恵まれています。
 有名なマウナケア山には中腹のビジターセンターで星を見る一般向けの多くのツアーがあるので観光客が押しかけるのですが,ハレアカラ山のほうはそうでもなく,現地ツアーと日本のツアーくらいしかないので,むしろ,アマチュアの人が満天の星をみたければ,ハレアカラ山のほうがずっと恵まれています。

 ……と,私はつい先日まではそう思っていました。しかし,南天で星を見てしまうと,その魅力に圧倒されしまい,ハワイでの星空には魅力をなくしました。おそらくそれはプロの学者さんも同じであるようで,日本の国立天文台でも,一時はあれほどすばる望遠鏡の話題が独占されていたのが,近頃の話題は南アメリカ・チリにあるアルマ望遠鏡ばかりです。
 しかし,一般の観光客には南アメリカは遠いので,南天の星空を見るには,ニュージーランドやオーストラリアに行くということになります。

 その中で,ニュージーランドは景色も美しく国自体も広くないので,数日の観光でほとんどの見どころに行くことができるので人気の観光地です。そこに加えて,テカポ湖という星を見るのに絶好の場所があって,星空観察ツアーが観光ツアーに組み込まれているので,脚光を浴びています。私はそうした事情を知らなかったのですが,偶然テカポ湖に行きました。
 テカポの町の近くの山の上にマウントジョンという天文台があります。これは日本の名古屋大学の天文台です。しかし,テカポ湖にはそれ以外にめぼしい天文台がありません。本当に条件がよければ,もっと世界中から多くの天文台が建設されるはずなのです。行ってみてわかったのですが,ここは,天気があまりよくなく,プロが天体観測をするにはあまり適していないのです。

 オーストラリアにも行ってみました。ニュージーランドよりもオーストラリアの方が近いから何もニュージーランドまで行かなくてもいいのではないか,というのがその理由でした。そして,満天の星空に感動しました。実際,一般の人が気軽に南天の星空を堪能するには,オーストラリアが最も適しているようなのです。そこで私も,これからは年に1度はオーストラリアで星を見ようと思っているこのごろなのです。オーストラリアというのは,西側の海岸線に沿ったいくつかの都会以外はめぼしい観光地がないのです。そういった意味では,オーロラを見るくらいしか楽しみのないという点でアラスカに似ています。
 夏のアラスカと冬のオーストラリアは似ているなあ,というのが,両方に行ってみた私の印象です。

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