しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:ハッブル宇宙望遠鏡

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☆☆☆☆☆☆
 2022年2月28日,月と4惑星は満足な写真が写せたのですが,同じ画面にハッブル宇宙望遠鏡の飛跡も入れようという企ては失敗に終わりました。
 そこで,私らしくもなく,事前にきちんと調べてみて,翌日こそ,ということで,再挑戦することにしました。とはいえ,この日は,27.9の月が昇るのは遅く,月と4惑星とハッブル宇宙望遠鏡を同じ画角に入れることはできないので,月のない画面で我慢しなければなりません。

 話は前後して,3月1日,ハッブル宇宙望遠鏡が通り過ぎたあとのお話を先に書きます。
 この日,そもそも,水星よりさらに低く昇る土星すら満足に見られないのに,月齢27.9の月が昇ってくるのはその後のことでした。そんなものは写せるわけがないと思っていました。
 しかし,この日の空の状態はすばらしく,土星も肉眼ではっきり確認できたのです。そしてその後,月が家の間から昇ってくるではありまえせんか。というわけで,水星と土星と月が一緒に入った写真を写すことができました。
 それがおもしろいことに,昇ってきたころの月が最も明るくて,高度を増すにしたがって,空もまた白みはじめて,すぐに月は見えなくなってしまったのです。
 それが今日の1番目と2番目の写真です。

 さて,時間を戻します。
 この日,ハッブル宇宙望遠鏡が通過するのは,昨日より早くまだ土星は昇っていない時間のことでした。かろうじて水星は昇っていました。私は,広角レンズをその方向に向けて待ちました。
 すると,金星のはるか右,さそり座の輝くあたりを,ハップル宇宙望遠鏡の姿が見えました。非常に明るいものでした。このまま早く私のカメラを向けたところに来るように祈りましたが,次第に減光して,金星に近づくころには肉眼でやっと見えるほどの明るさになってしまいました。それが,今日の3番目の写真です。
 これにはかなり悔いが残りました。
  ・・
 その翌日3月2日。前日の反省を生かして,惑星とともに写すことはやめて,魚眼レンズで南の空全体を写すことにしました。しかし,あいにくの曇り空でした。それにもかかわらず,ひょっとしたらとカメラを設置して待つと,ちょうどはハッブル宇宙望遠鏡が通る時間に雲が切れました。
 この日の姿はちょっと異常で,さそり座あたりで,ものすごく明るく,1等星以上に突然輝いたのです。それは数秒のことでした。しかし,なんとか写すことができました。4番目の写真です。
  ・・
 3月3日。
 予報では,前日よりも明るいということでした。薄雲があったのですが,何とか星が見られました。
 前日と同じように狙ったのですが,結果は,思ったより暗い飛跡が写っただけでした。それが5番目の写真です。

 その翌日は快晴だったのですが,まったく肉眼では見えませんでした。写真にはかろうじて写っていたのですが,確認するのがやっとだったので,ここには載せません。
 実際に,こうして毎日挑戦してわかったことは,どうやら,ハップル宇宙望遠鏡がどのくらい明るいかは,太陽の光をどれだけ反射するか,だろうということでした。
 なかなか思い通りに写真が写せなかったのですが,それなりに納得できました。


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 今日の1番目の写真はずいぶん前に写した国際宇宙ステーションの写真です。自らは光らないので,月と同じように太陽の光を反射して夕方の太陽が沈んがあとと明け方の太陽が昇る前に予報通りの時間に簡単に見ることができます。国際宇宙ステーションは巨大なので,1等星よりずっと明るく,都会でも確かめられます。
 写真を撮るには,見えはじめてから消えるまで5分程度あるので,そのまま5分間露出をしてもよほど空が暗い所でなければ露出オーバーになってしまいます。そこで,20秒ほどの露出で何枚も写して,後で画像処理をして写真を合成することになります。
 写真を撮る以上に,肉眼で見たときに,そこに人が乗っていると思うと,それだけで感動的です。
  ・・
 ということですが,夕暮れ時に散歩したり望遠鏡で星を見ていると,国際宇宙ステーション以外に結構多くの人工衛星を目撃することがあります。しかし,これまでは関心もなく,また,そうして見ることができる人工衛星が何であるかも知りませんでした。

 国際宇宙ステーションを見飽きたこともあって,そうした人工衛星に興味をもつようになったので調べてみると,見ることのできる人工衛星のさまざまなデータが載っているサイトを見つけました。
 そうした中で,ハッブル宇宙望遠鏡が肉眼で見ることができることがわかりました。これはぜひ見て見たいと思いました。そこで「百聞は一見にしかず」ということで,ハッブル宇宙望遠鏡を撮ってみることにしました。
  ・・・・・・
 ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope=HST)は,1990年4月24日に打ち上げられた地上約600キロメートル上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡です。長さ13.1メートル,重さ11トンの筒型で,内側に反射望遠鏡を収めていて,主鏡は直径2.4メートルです。地球の大気や天候による影響を受けないので,地上から困難な高い精度での天体観測が可能です。
  ・・・・・・

 データを見ると,幸運にも,1月10日くらいから1週間ほど,毎朝,明け方の南の空で見られるということがわかったので,連日期待しました。早起きしてカメラを構えます。ところが,雪雲があって,なかなか晴れません。
 なんとか雲が切れてその間から星が見られたのが1月15日の早朝でした。
 南の空にはからす座の四角形が見えていました。
 ハッブル宇宙望遠鏡は,そのあたりを西から東に飛行するようですが,これまで見たことがないので,どのように見られるかわかりません。時間になったので凝視していると,雲の間を約2等星ほどの星がゆっくりと動いていくのが見えました。これが待望のハッブル宇宙望遠鏡でした。こちらは人間が乗っているわけではないのですが,これがあの有名なハッブル望遠鏡かと思うと,別の意味で感動しました。
 思っていたよりよく見えた,というか,国際宇宙ステーションよりかなり暗かったというか,そんな感想をもちました。やはり「百聞は一見にしかず」で,どのようなものかもよくわかりました。こうして,この日写したのが2番目の写真です。合成をしたものですが,薄雲に隠れてしまって,ちょっと残念な結果となりました。拡大してみると,記入した矢印の先に細い線のように見えるのがハッブル宇宙望遠鏡です。
  ・・
 これでは満足できないので,翌日に期待しました。
 1月16日早朝。昨日とはうって変わって快晴になりましたが,あいにく月齢13.0の月が沈みきらず,西の空に明るく輝いていました。月明かりは空を白くし,星や人工衛星を見るには大敵です。それでも,思ったより明るいハッブル宇宙望遠鏡がゆっくりと南の空を西から東に進んでいくのが見えました。それが今日の3番目の写真です。
 肉眼で見ていたときは気づかなかったのですが,この写真には同時に何か別の人工天体が写っていました。それが何か,調べてみてもよくわかりません。
 ということだったのですが,ハッブル宇宙望遠鏡がどのように見られるかがわかったので,これからまた作戦をねって,さらに満足な写真が撮れるように色々と工夫をしていきたいと思います。またひとつ楽しみが増えました。

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 2021年12月25日,これまで何度も延期されていたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope=JWST)が南アメリカのフランス領ギアナで打ち上げられ,高度約1,400キロメートルの宇宙空間でロケットから分離,数分後に太陽電池パネルを展開して発電を開始したことが確認されました。スラスター噴射で軌道を調整し,2022年1月の終わりには地球から約150万キロメートル離れた「ラグランジュ点」のL2ポイントに到着します。
 私は,2016年の夏にフロリダ州ケネディ宇宙センターでジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のモデルを見て関心をもっていただけに,ついに,という気持ちでした。打ち上げのカウントダウンはフランス語でした。
 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は,2010年に退役を迎えるはずだったハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope、=HST)の後継機として計画された赤外線観測用宇宙望遠鏡です。名称は、NASAの第2代長官ジェイムズ・E・ウェッブにちなんで命名されたものです。
 当初は2011年の打ち上げが予定されていたのですが,開発が遅れ,2015年以降に打ち上げが延期され,そのために,ハッブル宇宙望遠鏡が延命されました。さらに,2018年以降に延期となり,また,2020年以降に再延期となって,さすがに計画中止を求める声が他のプロジェクトから上がっていただけに心配しました。やっと,2021年12月18日の打ち上げが発表されたのですが,直前になってロケットへの搭載準備中に予定外の振動が生じたので,最終的な打ち上げが12月25日になったのです。

 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測目標は,宇宙誕生ビッグバンの約2億年後以降に輝きはじめたとされるファーストスターを観測することだそうです。ファーストスターからの光は赤方偏移により波長が引き延ばされ赤外線に変化すると考えられているので,赤外線域で捜索・観測することによってそれが発見できるといいます。
 現在,ハッブル宇宙望遠鏡は地表から約600キロメートルという低い軌道上を飛行しています。とはいえ,国際宇宙ステーション(International Space Station=ISS)はそれより低い約400キロメートルであり,航空機に至っては約10キロメートルでしかありません。これに対して,ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は地球から約150万キロメートルという高さで,ちょうど太陽とは反対側の遠距離に置かれることになります。地球から月までは約38万キロメートルなので,それよりも4倍も遠いのですが,その位置は,太陽-地球の「ラグランジュ点」(Lagrangian points)のひとつでL2ポイントとよばれる場所です。「 ラグランジュ点」というのは,ふたつの天体の重力の釣り合いが取れる安定したポイントのことでL1からL5の5か所あります。
 L2ポイントは太陽の反対側にあるために,地球によって太陽が遮られて宇宙空間での観測を行うのに都合のよい場所です。しかし,太陽から発せられる光や電磁波などがノイズになってしまうのでそれを避けるために機体を極低温に冷却したり,太陽や地球から発せられる光を避けるために折畳まれた遮光板を搭載する必要があるそうです。

 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の質量は6.2トンで,約11トンあるハッブル宇宙望遠鏡の約半分ですが,反射鏡の口径は約6.5メートルもあって,2.4メートルのハッブル宇宙望遠鏡の2.5倍です。ただし,ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の反射鏡はロケットに収まらないほど巨大なので,18枚の6角形セグメントに分割されていて,打ち上げられた後に高感度のマイクロモーターと波面センサーによって正確な位置に導かれて展開するようになっています。

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