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 東海北陸自動車道で終点の富山まで行って,北陸自動車道に入りました。
 私はこれまで富山県というところに行ったことがありませんでした。おそらく,石川県に行ったときに県境は越えたことがあるかもしれませんし,あるいは,若いころスキーをするために北アルプスには行っているので,そのときも県境は越えたかもしれませんが,わざわざ富山県を目的地として旅行をしたことはありません。
 私の思う富山県の印象は,冬寒く夏暑いというところです。しかし,大学を卒業して就職をするときに,結局は行きませんでしたが富山県のある会社に内定をもらっていたので,世が世なら富山県に住んでいたかもしれないのです。
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 富山県というのは有数の観光地で,黒部渓谷や立山,そして,蜃気楼,ホタルイカなどが有名なのですが,私は,それを目的にわざわざ行くこともこれまでありませんでした。どうしてなのでしょう? しかし,近い将来,富山県に夢中になる可能性もあるかもしれません。というのも,今回行ってみて,いいところだと思ったからです。

 北陸自動車道を目的地の親不知まで走っていってもおもしろくないので,早々に一般道に降りて,日本海に沿って走ろうと,魚津インターチェンジで降りました。こここから海岸線に沿って,目的地である親不知子不知に向かうのです。
 おそらく,この日の天気が悪かったらまったく別の印象をもったかもしれませんが,私は晴れているからこそ今日来たので,日本海がそれはそれは美しく眺められました。
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 蜃気楼の見えるところという看板が至る所にありました。
 蜃気楼というのは上暖下冷の空気層の間で光が屈折して観察者の目に届き風景が伸びたり反転した虚像が見える現象だそうです。これまでは,富山湾に流れ込む冷たい雪解け水が大気の下部を冷やして上暖下冷の空気層を作ると考えられてきましたが,最近の調査では,下層が冷やされるのではなく,蜃気楼発生時にはむしろ上層に陸地から暖気が流れ込んでくる現象ということです。
 富山湾で蜃気楼が見られるということは知っていたのですが,どのくらいの確率で見られるのかは全く知りませんでした。これを機会に調べてみると,蜃気楼が見られるのは春から初夏の3月下旬から6月上旬にかけてで,2,3日晴天が続き気温が高く海岸で穏やかな北北東の風が吹く日に発生しやすいとされていて,短いもので数分,長ければ数時間にもわたって幻想的な姿を見せるのだそうです。
 オーロラ同様,蜃気楼予報などというものがあるので,これを頼りに出かければひょっとして見ることができるかもしれません。富山など車ではしればすぐそこです。いやいや,また,余分な? ものに興味をもってしまいそうなのでこれ以上興味を深めるのはやめておきましょう。オーロラ,皆既日食などと同様,こういうものは見ようと思って見れらないとトラウマになってしまいます。
 海岸線を走っていると,確かにいかにも蜃気楼が見られそうな海岸でした。

 さらに進むと,今度はヒスイ海岸というところにたどり着きました。
 ヒスイ海岸という通称は,このあたりの海岸線でヒスイの原石を拾うことができることに由来します。ヒスイ海岸ではヒスイ以外にもルビーやサファイアなども見つかるらしいです。ヒスイは,山から姫川や青海川などの流れによって海まで運ばれてきたという説やフォッサマグナでのヒスイを含んだ蛇紋岩層が糸魚川市から富山県朝日町にかけての海底にも分布していて波の撹拌作用によってヒスイが海岸に打ち上げられるという説が存在するそうですが,実際のところはよくわかっていません。昔はたくさんみつかったそうですが,今は,河川の上流から流れ下ってくるヒスイは川に設置されたたくさんの砂防堰堤に遮られて海岸に到達しにくくなり,海岸に置かれた無数のテトラポッドがヒスイ探しの障害となっていて,海岸で1日かけて探しても数個のヒスイを拾うことができるくらいのものだそうです。
 それにしても,美しい海岸でした。私は,オーストラリアのゴールドコーストを思い出しました。