しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:モロカイ島から帰国する

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●これでしばらく…●
 私は空港が好きではない。できるだけ人と会いたくないからだ。特に観光客が土産物を買いあさっている姿を見たくない。
 それでも,人の少ない地方空港ならいいが,国際線の数多く発着するハブ空港は私には耐えられない。アメリカ本土の空港はまだマシだが,ホノルルとなると,まるで日本の渋谷みたいな感じになるから最悪である。さらに,この時期は大学の卒業旅行客がいっぱいで,いささかげんなりであった。
 ということで,ホノルルでは,いつも,搭乗時間まではラウンジで過ごすことにしている。とはいえ,クレジットカードで入れるようなラウンジは,それもまた,日本人観光客ばかりなので逃げこむ意味がない。幸い私はデルタ航空のゴールドステイタスなので,この時もまた,デルタスカイクラブのラウンジに籠った。

 航空機や空港の制度は,アメリカ的な価値感が世界に浸透しつつあるものかもしれない。金がすべてという価値観であるアメリカは,金さえあれば人のステータスが高い。日本では,列車のグリーン車を利用しても,それは列車内のことだけで,待合室まで特別ではないだろう。しかし,飛行機のファーストクラスを利用するとなると,搭乗も優先になるし,待合室さえ異なるわけだ。だから,こうした特典をいかに安価に手に入れるかということが快適な旅行をするためのポイントとなる。
 しかし,こうした優遇措置は日本人にはなじまないように感じる。だから,日本の航空会社がそのまねをしても,どこかおかしなことになってしまう。それは,なんというか,着物を着た西洋人を思い浮かべればわかるだろう。
 日本には忖度は似合う? が,金がすべてという価値観には不慣れである。

 この年の1年前,2019年にハワイに行ったときは,私は,セントレア・中部国際空港とホノルル間を往復ともファーストクラスを利用した。それは,ものすごく安価にファーストクラスにアップグレードができたからだった。この年も同じようようにしようと思っていたのだが,思った以上にアップグレードが高かったからやめた。そして,妥協してコンフォートエコノミーにした。おそらく,私が旅を設定した時期がちょうど連休と重なっていたことが理由だったが,そんなことは知らず,少しがっかりだった。ハワイ便は,設定する曜日や日にちによって,ずいぶんと料金が違うのだ。
  ・・
  ・・
☆4日目 2020年2月23日(日)
 ともかく,定刻に帰国便はホノルルを離陸した。私は,今回もまた,何をするでもなく機内で過ごし,そのまま日付変更線を越え,行きに設けた時間を使い果たし,現実に戻ったわけだった。
 しかし,この時点では,まさか,この後,海外旅行すら行けなくなるなんて夢にも思わなかった。はたして,私がハワイの地を踏むときが再び訪れるのだろうか?

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●上空から見るハワイの島々●
 オアフ島が見えてきた。
 一般の人が簡単に行くことができるハワイ6島で,オアフ島から西に飛ぶのはカウアイ島だけで,残りのマウイ島,ハワイ島,モロカイ島,ラナイ島は東に飛ぶが,マウイ島やハワイ島に行く途中で機内から見ることができるのがモロカイ島とラナイ島である。
 はじめてハワイに行ったときは何もわからず,オアフ島から飛び立った後,興味深く眼下の島々を見ては,これがどの島なのだろうと思った。それが今では島の形を見るだけでどの島かわかるようになった。
 いずれにしても,最も遠いハワイ島でさえ,1時間程度の飛行で着いてしまうから,通勤電車と変わらない。今回行ったモロカイ島はもっとも近いから,わずか30分程度,しかも,プロペラ機だったから,高度も低く,地上がよく見えたし,上空に昇ったと思ったら,着陸態勢に変わってしまった。
 もう,ホノルルの上空は,何度見たことだろうか。海にへばりつくように家々が見えはじめて,その東の端にはダイヤモンドヘッドがその姿が美しい。

 滑走路に向かって旋回をし,やがて,飛行機は着陸した。
 プロペラ機は機体が低いので,ゲートに横づけできないから,タラップを降りることになる。
 このときはまだ,この後1年以上にもわたって海外旅行ができなくなるなんて夢にも思わなかったが,再び,こんな気軽な旅ができる日が訪れるのだろうか。
 とはいえ,第1次世界大戦のころに流行ったといわれるスペイン風邪も2年の流行だったし,あと数年もすれば,今回のコロナ禍も歴史となるのだろう。また,第2次世界大戦は4年も続いたが,それでも世界は復興した。
 しかし,そうした数年は歴史の教科書の年表を眺めればわずかな期間であっても,その時代に生きている人にはすごく長い期間であり,貴重な時間の浪費であっただろう。特に,多くの体験ができるはずの大学生やこれから旅を楽しもうと思っていた退職したばかりの人たちには,これほど不幸なことはないに違いない。
 私は,この旅で念願だったモロカイ島に行くことができて,本当に幸運だった。これをもって,一度は行ってみたいと思っていたすべてのところに行くことができたからだ。

 さて,空港の建物に入って,通路を歩いて,デルタスカイクラブのラウンジに急いだ。あとは,帰国便に乗るだけだが,空港の雑踏がきらいだから,時間まで,ラウンジでゆっくり過ごすのだ。ラウンジでは朝食もとらなければならない。
 空港の建物の通路を歩いていると,眼下には,パーキングエリアにずらりと並んだリムジンカーが見えた。きっと,ハネムーンなのだろう。こうした商業ベースのハワイもまた,ハワイである。というより,多くの人にとってのハワイは,むしろ,この世界なのである。
 しかし,私はそんな見せかけの虚栄を見て,すっかり現実に戻されて嫌になった。


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●ホノルルまでの30分●
 帰りのフライトも定刻どおりだった。これでホノルルまでは行けるから,あとはどうでもなる。
 これまでの旅で,数えきれないほど飛行機に乗ったが,いつもいつも帰りの便に乗るまでが不安である。しかし,この旅もそうだが,私にとってはホノルルまでが旅である。その先,日本までのフライトは,日本人が溢れていていて,まったく楽しくない。
  ・・
 今,海外旅行ができなくなって思うのは,これまで,いつも,日本人のほとんどいないところ,そして,日本人だけでなく,人の少ないところで自由気ままに過ごすのは本当に楽しかったということだ。
 何度も書いているように,この旅のあと,私は7月に,ネオワイズ彗星を見るという目的だけのために北海道に行った。札幌に着いて,海外でレンタカーを借りるときのような明快さと比較して,日本でレンタカーを借りるときの意味のないわずらわしさをやっと終えて車を借り,道北の,ほとんど車が通らないところへ着いて,やっと海外で味わうような楽しさをほんの少しだけ感じることができたのだが,それ以外は,海外旅行の楽しさとは雲泥の差であった。
 今回のようなすてきな旅ができる日がまた来るのだろうか。

 帰りもまた,搭乗したのは ATR42-500 という42人乗りのターボプロップ双発旅客機であったが,行きに乗った機体よりも新しかった。行きは座席の80パーセントほどが埋まっていた。帰りのほうが空いていたようには思うのだが,ほとんど記憶にないし,記録もないのでわからない。
 いずれにしても,海外旅行に行って,現地の国内線に乗って,ほとんど日本人がいないという状況,これを生まれてはじめて経験したときの緊張感はたまらなかった。そのうち慣れっこになってしまったが…。
  ・・
 離陸して,窓から,カラウパパの半島が見えてきた。ここで旋回して,ホノルルに向かうのだが,ほんの30分ほどの飛行である。あまりに近いので,行きは機内サービスもなかったが,帰りのフライトではちゃんとジュースが配られた。飲んでいたらすぐに着陸態勢に入ってしまったのが滑稽だった。
 これで,念願だったモロカイ島への旅も終わりである。

 それにしても,アメリカ50州制覇をめざしていたころにはまったく興味のなかったハワイだったが,一度行って以来やみつきになり,ほぼ毎年ハワイに行くようになった。しかも,ほとんどの日本人がハワイ,ハワイと行くオアフ島にはまるで興味がなく,それ以外の島々を訪れて,その,昭和初期の日本のような雰囲気とさびれた感じ,そしてまた,アメリカ人の超豪華な別荘などを見てきたことを思い出すと,私は,いったい何が目的でハワイに行ったのかな,と今も,それを不思議に感じる。
 別に,ハワイがとりわけすばらしいと思えないし,物価も高いし。本当に,何だろう?
 おそらく,私には,日本にはない自然と星空と,そして,今や,日本には田舎にも存在しないのどかさ,これが魅力なのだろう。
 また,行きたいものだ。


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●帰国の朝●
☆4日目 2020年2月23日(日)
 帰国の朝になった。
 朝早いフライトに乗る私は,コンドミニアムのオフィスがまだ空いていない時間にチェックアウトをすることになった。
 モロカイ島から,ここに住む人ならともかく,観光でこの島にやって来て,早朝ホノルルに行ってそのまま乗り換えて帰国するなどという人はまれであろう。
  ・・
 そもそも,今回の旅に限らず,海外旅行では,ツアーならともかく,個人旅行では,帰国が最も悩みのたねである。それは,乗り換える前の便が遅れてしまうと,あとがたいへんだからなのである。特に,私のように,日本からハワイまではデルタ航空,ハワイの島内はハワイアン航空と,別々の航空会社でフライトが予約してあれば,遅れても次のフライトが待っていてはくれない。
 たとえ同じ航空会社であっても,以前,アメリカ・ミズーリ州のカンザスシティからデトロイトで乗り換えて帰国しようとしてカンザスシティからの便が遅れて乗り換えができなくなって,えらい目をしたことがある。また,これは帰国のときではなかったが,2年前にオーストラリアのエアーズロックに行ったときは,行きの便が遅れて,乗り替え便に乗り遅れた。しかも,航空会社が違ったものだから,待っていてくれなかった。

 まあ,これまでこんなことばかりしてきたから,何が起きても何とかなるという自信だけはあるのだが,それでも,トラブルはめんどうだ。
 そこで,今回も,乗り換え時間にかなりの余裕をもって予約したのだが,それでも,何か事があって,全く飛ばなくなったらどうしようもない。
 ハワイも,オアフ島ならいいが,ほかの島に行くとなると,いつもこうした心配がある。それでも,ハワイ島やマウイ島のような観光地なら,余分に何泊しようとホテルがあるからどうにでもなるが,モロカイ島では,いったいどうすればいいのだろうか。
 コロナ禍で海外旅行ができなくなった今,そんなことを思い出していると,もう,海外旅行なんて,どうでもいいような気にもなってくる。

 さて,このコンドミニアムでは,チェックインのときにもらったプリントに,チェックアウトではルームキーを部屋のキッチンの上に残してロックをして帰ればいいとあったので,その通りにして コンドミニアムを出発した。
 約30分で夜も明けきらぬ空港に到着して,レンタカーを返却した。借りたときに言われた通り,ガソリンは半分の消費だった。借りたときに満タン返しにしないという契約にして,安価に満タン分のガソリンを購入するというシステムを使って,事前に半分だけのガソリン代を安価に支払っておいたのだ。
 写真のように,空港の建物内にもAlamaレンタカーのカウンターがあるのだが,ここは閉鎖されていて,営業は,直接,建物の外にあるAlamoのオフィスで行われている。モロカイ島は,このような「さびれた感」満載の,まるで,日本の過疎の田舎のような島であった。
 いつものように,すでに iPhone のアプリでフライトのチェックインは済ませてあったので,空港ではセキュリティを通って乗るだけだった。ハワイから日本への帰国は,一度セキュリティを通ればホノルルで再びセキュリティを通る必要がないので,こうした小さな島から帰国するのはかなり楽なのだ。特に,モロカイ島では,30人程度の乗客しか飛行機に乗らないのだから,セキュリティはまったく並ばず,田舎の駅と同じようなものである。


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