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【Summary】
At Kyoto Concert Hall, Kyoto Symphony Orchestra performed Rimsky-Korsakov’s Scheherazade with Yasuhisa Ishida’s solo violin shining as narrator, followed by Debussy’s Clair de lune as encore; afterward, members even played Brahms’s String Sextet at Café Montage—showing their remarkable stamina.

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 今回の2曲目はリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」(شهرزاد Šahrzād=都市に生まれた麗しき女性)でした。「シェエラザード」は「千夜一夜物語」の語り手として登場する女性です。
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 暴君シャフリヤール王の殺戮を止めるために,自ら王の妃となり,毎晩女性を娶っては翌朝に処刑していたシャフリヤール王の流れを断ち切るため,毎晩魅力的な物語を語り続ける,というお話です。
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 「シェエラザード」において,ヴァイオリンは,単なる楽器のひとつではなく,物語の語り手,つまり,シェエラザード自身を象徴する存在として,作品全体の核を担っています。
 独奏ヴァイオリンは,物語を語るシェエラザードの声を表現します。第1楽章の冒頭,王の威圧的な主題のあとに,ハープの伴奏に乗ってヴァイオリンが「むかしむかし…」と語りはじめるように登場します。そして,各楽章の冒頭や転換点で,ヴァイオリンがシェエラザードの主題を奏でることで,物語の流れをつなぎます。
 ヴァイオリン独奏はカデンツァ風の自由な表現が求められ,演奏者の表現力が試されます。高音域まで滑らかに上昇するフレーズや繊細なニュアンスが必要で,音程の狂いが目立ちやすいため,非常にプレッシャーのかかるパートでもあります。ヴァイオリンの音色は,繊細さ・情熱・神秘性を表現するのに最適で,ここでは,シェエラザードの知恵と優しさ,命をかけた語りの緊張感がヴァイオリンの旋律に込められています。
 とまあ,この曲は,ヴァイオリンの出来がすべて,だと私の友人のひとりが言っていましたが,そのヴァイオリンを担当するのが,石田泰尚さん,というのが,これまた,なんとまあ,すばらしいことでしょうか。

●リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」
 作曲者のニコライ・リムスキー・コルサコフは1844年に生まれ,1908に亡くなったロシアの作曲家で,華麗な管弦楽法と民族色豊かな作品で知られています。
 1888年に作られたリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」は,全4楽章からなる交響組曲で,「千夜一夜物語」(アラビアン・ナイト)を題材にしています。色彩豊かなオーケストレーションと幻想的な物語性で知られる傑作です。
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 第1楽章「海とシンドバッドの船」では,勇壮な王の主題と優美なシェエラザードの主題が交錯し,波や航海が描写されます。
 第2楽章「カランダール王子の物語」では,托鉢僧となった王子の悲哀と冒険を描きます。ファゴットやオーボエのソロが特徴的です。
 第3楽章「若い王子と王女」は, ロマンティックで優雅な旋律が展開される愛の物語です。
 第4楽章「バグダッドの祭り,海,船の難破」は,華やかな祭りの描写から,嵐と船の難破へとドラマティックに展開し,最後は静かに幕を閉じます。
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 私は,こういう交響詩的な作品の多くは,あまり好みませんが,「英雄の生涯」「幻想交響曲」とともに,この曲は別です。
 重々しく威圧的に奏でられるシャリアール王の主題,繊細で語りかけるようなシェエラザードの主題,そして,圧巻のクライマックスとなる嵐と難破の描写など,まるで音楽による絵巻物のようにこころに響き,夢の中にいるような気がしました。何とすばらしい時間だったことでしょうか。
 今回の演奏会のプログラムは,定期演奏会が2回,その後,全国ツアーで6回と,合計8回も演奏されるようです。そこで,京都市交響楽団の団員さんはフルキャストでした。ヴァイオリンでは,コンサートマスターが組長こと石田泰尚さん,りぼんちゃんこと会田莉凡さん,そして,泉原隆志さんが勢ぞろい,また,ヴィオラには店村眞積さん,チェロには山本裕康さんといったソロ首席奏者が並びました。感動的な2時間でした。
 さらに,アンコール曲として,ドビッシーのベルガマスク組曲から「月の光」が演奏されました。それがまた,きれいだったこと。

 演奏会が終わり,いつものように,お見送りがあったのですが,そこには,指揮者の沖澤のどかさんの姿もありました。
 それにしても,会田莉凡さんのXによると,この演奏会のあと,京都の「カフェ・モンタージュ」で,この演奏会に出演した会田莉凡さん,杉江洋子さん,金本洋子さん,山本裕康さん,一樂恒さんの5人に大阪フィルハーモニー交響楽団の一樂もるゆさんを加えた6人がブラームスの弦楽六重奏曲を演奏したのだとか。なんとまあ,タフな人たちなのでしょう。演奏家はすごいです。

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