しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:只見線

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 午前9時30分,定刻に只見駅を出発しました。只見線の旅もあと1時間ほどで終着の小出駅です。
 只見線は,会津川口駅から只見駅までがもっとも風光明媚なところで,この先はたいしたことはないと思っていたのですが,最後の見どころ? がこのあとにありました。
 前回書いたように,只見駅を過ぎると,並走する国道252号線は,六十里越えという難所を迎え,冬の間は雪が深く通行できません。しかし,只見線は,3,712メートルの田子倉トンネルとそれに続く6,359メートルの六十里越トンネルというふたつの長いトンネルが掘られているので,運行ができるのです。

 このように,只見線は,只見駅を過ぎると長いトンネルに入るので,次の大白川駅までの30分間,全く駅がありません。しかし,かつて,田子倉トンネルの中に田子倉駅がありました。ただし,ほとんど乗客がなく,2001年(平成13年)から冬期間は全列車が通過となり,2013年(平成25年)に駅は廃止されてしまいました。
 只見駅で乗り込んだ車掌さんが,このふたつのトンネルと田子倉駅についての案内放送をしました。 勉強不足の私は,それがかなりの見どころであることすら知らなかったので,「猫に小判」「豚に真珠」「馬の耳に念仏」状態だったのですが,マニアには見たくてたまらないところだったに違いありません。
 今は廃墟となった田子倉駅をあっという間に列車は駆け抜けました。心構えがなかった私は,肉眼で駅を確認することはできましたが,残念ながら写真を撮ることはできませんでした。また,只見駅を過ぎると,トンネルのために,運転席の横のそれまで開いていたシェードも閉められてしまい,前面の展望がきかなくなりました。トンネルの中の駅,停車まではむりとしても,徐行運転するサービスがあってもいいなあ。

  ・・・・・・
 田子倉駅を中心にした半径2キロメートルには,現在はだれも住んでいません。
 田子倉駅は,線路の北側に単式ホーム1面1線を有する地上駅で,列車が大白川方の六十里越トンネルと只見方の田子倉トンネルの間で少しだけ外に出る地点に位置していました。ホームは南側の田子倉湖と北側の崖に挟まれた低い場所にあり,スノーシェッドに覆われていました。
 ホームの中ほどから北側に階段があって,これを登ると,駅舎を通って崖の上を走る国道に出ることができるようになってしました。駅舎の内部には階段と通路のみがあったということです。駅にまだ列車が停車していたころの乗車人員は,1日平均で,2000年3人,2001年3人,2002年0人,2003年3人,20040人でした。
 現在も駅舎は現存していますが,駅舎内に入ることはできません。
  ・・
 六十里越えは,新潟県魚沼市と福島県南会津郡只見町との間にある峠で,最高点の標高は863メートルです。六十里越えの名の由来は,実際の距離は六里,約24キロメートルでありながら,険しさゆえに1里が10里にも感じられるほど余りに急峻かつ長大な山道であること,中世まで東日本においては1里は500メートルであったことなどの説があります。
 新潟県中越地方と福島県会津地方南部を結ぶ街道であるものの,国内有数の豪雪地帯で,かつ,雪崩れや落石の危険性が高い箇所を経由することから,冬季は通行できない難所です。
 新潟県中越地方と只見町を結ぶ街道は,六十里越えのほかには,約15キロメートル北東側の三条市と只見町の間に位置する八十里越えがあるのですが,そちらの方が更に難所で,国道289号などの国県道は自動車の通行すら不能区間です。
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 なぜか,それまでは何ともなかったのに,トンネルを越えたあたりから列車の窓ガラスが曇って,窓を拭かないと写真が撮れなくなりました。
 この難所を抜けると民家が見えてきて,やっと只見駅の次の大白川駅に到着しました。ここで,年配の女性がひとり乗車してきたのにはびっくりしました。我々8人に,乗客がひとり増えたのです。
 その先,列車は民家の中を抜けて行って,入広瀬駅,上条駅,越後須原駅,魚沼田中駅,越後広瀬駅,薮神駅と停車して,やがて,小出駅に到着しました。
 午前10時41分,私は念願の只見線を走破しました。全く退屈しない4時間半でした。

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 私は,2019年11月22日,東武鉄道の「リバティ会津」という特急で会津田島駅まで行って,会津田島駅から湯野上温泉駅まで会津鉄道に乗り換え,さらに湯野上温泉駅から乗り合いバスで大内宿まで行ったことがあります。そのときは,大内宿に行きたかっただけだったのですが,その後,知識が増すと,今回行ったところと,大内宿の位置関係を知りたくなりました。
 それが今日の地図ですが。異なる路線を走ると全く無関係に思えた場所が糸のようにつながっていくのが不思議です。どこも,とてもいい印象が残る場所なので,また行ってみたいと思います。私は人の多い観光地よりも,こうしたのどかなところのほうが好きなのです。
 私には東北というのはものすごく遠く感じるのですが,東京からなら,日帰りコースだったりしますし,東京と名古屋は1時間30分程度だから,名古屋からでも日帰りで行くことができると考えると不思議な気がします。

 会津川口駅から只見駅までが只見線でもっとも景観のよい場所であり,それは只見川と自然との調和からくるものであったから,自然が猛威を振るい,調和が崩れれば,橋梁は破壊され,7年間も只見線が切断されてしまった場所ともなりました。
 本名駅の次が会津越川(こすがわ)駅,そして,会津越川駅の次が会津横田駅でした。このあたりはのどかな田園地帯がひろがっていましたが,冬の間は雪に覆われて,生活するのはたいへんだろうなあ,と思いました。
 会津横田駅を過ぎると,列車は第七只見川橋梁を渡りました。運転席のとなりの窓から橋梁の姿を見ることができました。第七只見川橋梁は,以前は上路式でしたが,水害で橋梁が全面流失してしまい,下路トラス桁に変わりました。橋の下を流れる只見川と,下流に見える集落や水田などの美しい自然風景が広がっているところで,並行してかかる四季彩橋から第七只見川橋梁見ることができるということです。
 第七只見川橋梁を越えると,会津大塩駅に着きました。会津大塩駅は無人駅で,のどかな里山の景色の中にぽつんと建つ素朴なたたずまいを見せます。春はさまざまな花々が周囲を彩り温かみのある景色を演出するそうです。

 会津大塩駅の次が会津塩沢駅です。会津塩沢駅から15分くらい歩くと,河井継之助記念館があります。河井継之助記は,は,戊辰戦争で長岡から会津へと向かう際に塩沢で亡くなった長岡藩家老・河井継之助を紹介する資料館で,地元の人の思いで,残された終焉の間が館内に移築されています。冬場は閉館しています。
 また,只見川の対岸にある十島集落は,小島のような形で,集落にある神社がビュースポットとなっていて,そこから眺める只見川と塩沢集落の景観が美しく,撮影ポイントとなっているそうです。
 会津塩沢駅を過ぎると,列車は第八只見川橋梁を渡ります。このあたりからだんたんと空が広くなり,晴れていれば,只見川の川面に空の美しい青が映り込むということです。

 次の会津蒲生駅を過ぎると,北側に,天気がよければ,蒲生岳がみえるそうです。蒲生岳は只見川から一気にせり上がるその山容の鋭さから「会津のマッターホルン」とも称される,標高828メートルの独立峰で,悠々とした姿はあたりののどかな風景と相まって印象的です。
 叶津川(かのうづがわ)橋梁は会津蒲生駅から只見駅間にかけて集落を貫く叶津川に架かる全長372メートルの橋梁。半径250メートルの曲線を描くのが特徴で,時速30キロメートルの速度制限があるカーブは,その美しさで写真愛好家たちに知られています。
 午前9時7分,列車は只見駅に着きました。
 只見駅出発が午前9時30分で,23分もの停車時間がありました。

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 午前8時5分,列車は会津川口駅に到着しました。
 反対側のホームには,小出駅午前5時36分発の2両編成の列車が午前8時2分にすでに到着していました。この列車は,会津川口駅で39分停車します。私の乗っている列車は会津川口駅を午前8時15分に出発するので,停車時間は10分でした。
 只見線全線に乗る,といっても,単に列車に乗っているだけかと思っていたのですが,こうして,会津川口駅と,その先の只見駅での長い停車時間があるので,ホームに出て写真を撮ったり,駅舎を見ることもできるのでした。
 あたりは凄い雪で,これもまた,美しく,最高でした。

 会津川口駅は,金山町の中心にあります。金山町は,金銀の鉱山が多かったことに由来するといわれ,江戸時代は羽州街道の宿場町として発展しました。もとは秋田の小野寺義道の領地でしたが,やがて最上義光の領地となりました。
 おいしいものが食べられたり,景色がすばらしかったり,温泉があったりと,歴史や名所などを調べて行けば奥が深いと思うのですが,あまりまとまった情報がありません。もったいない話です。ぜひ,今度は時間を十分にとって行ってみたいところです。
 この日は,10分の停車時間だったので,駅舎まで行ってみました。

 さて,列車は出発して,只見駅に向かって進んでいきます。
 会津川口駅から只見駅までの区間の橋梁がすべて流されてしまって,7年もの間,只見線は不通となっていましたが,今,こうして乗ることができるのがうれしいことです。
 まず超えたのが第五只見川橋梁でした。会津川口駅と本名駅間の阿賀野川水系只見川に架かる全長193.28メートルの橋梁です。2012年(平成23年)7月の新潟・福島豪雨被災後で,只見川の増水・氾濫によってこの橋梁は川口方プレートガーダー桁1連が流失しましたが,この付近の只見川は川幅がやや広く,かつ下路式トラス橋のため,トラス桁部分は冠水,流失する事態を免れました。

 列車が,次の只見川夏井川橋梁をこえると,本名駅に着きました
 本名駅を出ると,大きなダムが見えてきます。これは,上端が旧国道252号線になっている全国でも珍しい形状をもつダムで,太平洋戦争終戦後,GHQとの敗戦処理の折衝を矢面に立って行った白洲次郎氏が東北電力初代会長時代の1954年(昭和29年)に完成した,東北電力の発電専用のダムです。
 列車が第六只見川橋梁を渡る瞬間,北西側にその巨大な姿を目の前に見ることができますが,ダム下流の金山町から見ると,ダムと橋梁の景観がすばらしく,ゲート巻上機建屋から見下ろす下流の景色も絶景ということです。

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 私が乗っている只見線,今日は,会津宮下駅から会津川口駅までです。
 会津宮下駅を出ると,車窓から見えるのは巨大な東北電力宮下ダムで,対岸を国道252号線が走っています。
 ダム湖を過ぎると,列車は第三只見川橋梁を渡り,それまで進行方向右手に見えた只見川が左手に変わるのですが,第三只見川橋梁に差し掛かる瞬間,一気に視界が開け,ゆったりと流れる只見川と木々の緑が織りなす景色が車窓いっぱいに広がり,絶景となることで知られています。今は真冬なので,美しい雪景色が見られましたが,紅葉の秋はため息の出る美しさ,ということです。

 会津宮下駅の次は早戸駅です。早戸駅で下車すると,霧幻峡の渡し(むげんきょうのわたし)の乗り場に行くことができます。霧幻峡の渡しの運行は4月下旬から11月中旬までであり,予約が必要ということなので,今回はムリですが, 情緒ある「手漕ぎ渡し舟」に乗るときだけ味わうことができる只見川の川面から眺める四季折々の風景は,幻想的な川霧に包まれながら時空を超えた日本の原風景に出会えるということで人気です。
 列車の車窓からはそこまでは望めませんが,それでも,雄大な只見川を見ることができました。

 会津水沼駅,会津中川駅と過ぎました。 
 やがて,先ほどまでは,列車はずっと山の中だったのに,次第に民家が見られるようになってきました。これが金山町の集落です。
 只見線からも見ることができる,かねやまふれあい広場は,只見線の絶景スポットとして知られ,水面に迫る集落,川沿いを走る只見線が生み出す風景はすばらしく,特に,夏の早朝や夕方,雨上がりの川霧に沈む集落や冬の雪景色の中を走る列車の風景は幻想的,ということです。また,会津川口駅からほど近くの只見川の水面の先に広がる大志集落を望む風景は「大志俯瞰」(おおしふかん)とよばれ,晴天時は,山々と集落が只見川に反射する美しい水鏡の風景が見られるところだそうです。
 そんな場所を走りながら,列車は会津川口駅に到着しました。

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 只見線に乗車して1時間ほど経ちました。乗っているのは,カナダから来たという夫婦連れと2人の息子たち,私と同年代の夫婦連れ,そして,ひとり旅の若い女性,そして私の8人。列車はワンマンカーなので,運転手さんがひとり。とてものどかでした。各駅停車であっても,こんな雪の中,途中でだれも乗ってきませんし,降りる気にもなりません。
 紅葉の時期は通勤ラッシュ並みというから,幸運でした。旅はこうでなければいけません。

 会津柳津駅で停車中,窓から外を見ると,「赤ペコ発祥の地」という看板が見えました。
 会津柳津駅のある柳津町には,日本三所の虚空蔵菩薩のひとつ福満虚空藏菩薩を本尊として祀る圓藏寺があって,この寺が「赤ペコ発祥の地」です。
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 今から400年ほど前の1611年(慶長16年)に会津地方を襲った大地震後の1617年(元和3年)本堂である虚空藏堂を厳上に建てるとき,大材を厳上に運ぶのに大変困り果てていたところ,どこからともなく力強そうな赤毛の牛の群れが現れて,大材運搬に苦労していた黒毛の牛を助け,本堂である虚空藏堂を建てることができたという伝説からきたものです。
  ・・・・・・
 圓藏寺は,只見線の車内からもちらりと見ることができました。
 また,月光寺という寺もあるそうです。月光寺は圓藏寺と深い関係をもつ寺で,そそり立つ岩場を伝い落ちる滝を背にして静寂の地に建つ山居寺ということです。本堂の裏側に只見線の線路が伸びていて,春には線路脇に咲く桜のトンネルを潜る列車を見ることができるというから,そのころに来てその姿を見てみたいものです。また,日本遺産「会津の三十三観音めぐり」のひとつ奥之院弁天堂という観音堂もあるようです。
 柳津町には,柳津温泉もあり,一度,ゆっくりと訪れてみたいです。

 列車は郷戸駅,滝谷駅,会津桧原駅と停車して,さらに進むと,只見川を渡りました。ここが第一只見川橋梁で,只見線の魅力を語るうえで代名詞といってよいほど有名なビュースポットです。只見川が水鏡となって風景が川面に写る姿や,水面から川霧が立ち橋梁を包む幻想的な景観が見られます。
 第一只見川橋梁を渡ると,会津西方駅があります。それを過ぎると,再び,列車は第二只見川橋梁で只見川を渡ります。会津西方駅より国道400号を会津宮下方面に400メートル進んだ場所にビュースポットがあります。このビュースポットでは,国道400号からほぼ水平な視点から橋梁を眺めることができ,特に列車が走る様子は周囲の風景と相まって美しさもひとしお,ということです。
 それを過ぎると,国道252号,只見線,県道237号と3つのアーチ橋を一度に重ねて見られるスポットがあって,「宮下アーチ三兄弟」とよばれ親しまれているそうです。
 このように,只見線は,乗ってよし,見てよし,なので,次回はレンタカーでも借りて,外から只見線をみるのも悪くないなあ,と思いました。

 そして,列車は午前7時30分過ぎ,会津宮下駅に到着しました。ここで反対側から来る列車とすれ違うので,しばらく停車しました。写真を撮ろうと,乗客はホームに降りました。しばらく待っていると,列車がやってきました。この列車は,午前7時6分に会津川口駅を出発して,午前8時58分に会津若松駅に到着するものです。
 なかなかの景色でした。

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 ついに,念願だった只見線に乗車できました。心配だった雪は降り続いていましたが,ともかく列車は動きました。あとは,雪が強くなって途中で止まらないことを祈るだけでした。
 シーズンオフを狙ったのが功を奏して,ガラガラでした。また,雪が幸いして,雪景色の只見線という最高の状況となりました。
  ・・
 私は,この日,只見線で小出駅に到着後,午後6時31分発の上越線に乗って浦佐駅午後6時40分着。そして,浦佐駅午後6時53分発上越新幹線「とき」342号で午後8時12分東京駅着。さらに,東京駅午後8時30分発東海道新幹線「ひかり」665号で午後10時23分名古屋駅着の予定でした。「のぞみ」でなく「ひかり」なのは,ジパング倶楽部を利用していたからです。
 そこで,1日3本しか全線を走る列車のない只見線,私が乗ったのは,会津若松駅午前6時9分発ですが,次の午後1時5分発がJR小出駅午後5時47分着なので,最悪でも,これに乗る必要があるわけでした。

 来る前,只見線に乗っているだけではなく,1度は途中下車して,沿線でどんな観光をしようか考えました。そして浮かんだのが次の①②③の案でした。
  ・・・・・・
 案① 時刻表とにらめっこをした結果,今乗っている列車は会津川口駅午前8時5分着なので,この駅で午前8時41分発か,もしくは,その次の午後0時29分発の逆向きの列車に乗り換えて会津柳津駅まで戻って会津柳津駅で途中下車すれば,会津若松駅午後1時5分発の列車が会津柳津駅午後2時5分に来るので,これに乗ることが可能。
 案② あるいは,会津川口駅で7時間24分滞在すれば,午後3時29分発に乗れる。
 案③ また,只見駅でも同様に7時間24分滞在すれば,午後4時31分発に乗れる。
  ・・・・・・
 その程度の考えでした。
 しかし,実際乗ってみたところ,今乗っている列車でも,会津川口駅での停車時間は10分あり,只見駅では23分あるので,停車時間に列車から降りて,外から写真も撮れるし,駅の構内の売店に行くこともできることがわかりました。また,この雪では,会津川口駅や只見駅で7時間24分滞在しても,紅葉の時期ならともかく,雪の中どこへ行くの? と思ったので,結局,①②③の案は廃案となり,このままJR小出駅まで乗りつくすことにしました。

 さて,列車は進み,会津坂下(あいずばんげ)という駅に着きました。単線の只見線は,この駅で,反対方向からの列車とすれ違います。単線の只見線,すれ違うのは,ここ会津坂下駅と会津宮下駅,そして,会津川口駅の3つです。つまり,この3つの駅ならば,反対方向の列車に乗り換えて,JR会津若松駅に戻れるということになります。
 会津坂下駅で反対側からやってきた列車は,2両編成でしたが,車内は高校生で一杯でした。どうやら,会津若松市内の高校に通う只見線沿線に住む高校生たちのようでした。それとは反対に,私の乗った列車に乗っていた2人の高校生は,会津坂下駅で降りていきました。地図で調べると,ここには会津農林高等学校があったので,どうやら,そこの生徒のようでした。
 と,このあたりまで,只見線は会津若松市街地を通っているので,高校生の通勤手段となっているようです。
 会津坂下駅を過ぎると,空が白んできました。列車は,会津若松市街地を過ぎ,田園地帯に入りました。窓から外を見ると,一面の銀世界でした。
 やがて,塔寺駅を過ぎて,次が会津坂本駅,そして,会津柳津駅と進むと,只見線は只見川に沿った山の中に入り,それとともに雪も強くなりました。
 いよいよ,ここから只見線の景勝地です。

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 2024年1月15日月曜日。念願だった只見線に乗ります。
 昨日,会津若松駅で「明日雪だとどうなりますか?」と聞くと「そのときはそのときにならないとわからない」と言われました。運次第だな,と思いました。会津若松駅周辺にはコンビニすらなかったのですが,近くにスーパーマーケットがあったので,昨晩の夕食後,翌日の朝食を買いました。午前6時8分発の只見線に乗るので,東横インで朝食は食べられません。
 午前4時30分に起床して,部屋で朝食を食べ,支度をして,午前5時30分にチェックアウトしました。昨日はとても天気がよかったのですが,朝はすでに雪景色でした。しかし,どうやら只見線は動いているようでした。

 私は,旅に出る前は,先入観ができるといやなのでまったく見ないのですが,帰宅してからYouTubeを見ると,秋の行楽シーズンに満員の只見線に乗った,というようなものがたくさんありました。
 午前5時45分に只見線の列車がホームに入ってくるので,混雑しているときは,早くホームに行って並ばないと座ることすらできないとありましたが,このときの私はそんなことは知らないし,この寒さではホームで待つのもいやだったので,午前6時まで余裕で駅の構内の待合室にいました。午前6時になって改札を通ったのですが,すでに列車はホームにいました。しかし,がらがらでした。
 最終的に,この日,只見線をJR小出駅まで乗りつくしたのは私も含めてわずか8人で,始発の会津若松駅で乗っていたのは,この8人に加えて,途中で下車した高校生が2人だけでした。
 10人の乗客を乗せた只見線は,定刻に出発しました。
 日の出はまだ1時間先のことで,外は真っ暗だったので,風景をみることはできませんでしたが,只見線で景色のよいといわれる場所は,夜が明ける1時間後に到着する会津標津駅から先のことです。

 ところで,この旅の1週間後。1月24日に寒波が襲来して,只見線は不通になりました。
 私は,もし,只見線が不通だったときは,磐越西線で遠回りをして新潟駅まで行こうとぼんやり考えていましたが,磐越西線もまた,雪だとダイヤが乱れるようです。
 それに加えて,これは想定外のことでしたが,1月23日はJR東京駅とJR大宮駅間で架線事故が起きて,東北新幹線も上越新館も止まってしまいました。もし,私が遭遇していたら,今回の旅は不可能でした。
 いつものこと,今回も私は強運でした。

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 これまであまり興味がなかったのですが,歳をとったら,車の運転するのをやめて列車でのんびり旅をするのも悪くないと思うようになってきたので調べていくうちに,けっこういろいろと乗りたい路線がでてきました。どうも私の性格上,凝りはじめるときりがないのです。困ったものです。
 まず,興味をもったのが,只見線とわたらせ渓谷鉄道でした。しかし,名前だけは知っていても,これらもまた,これまでに書いた黒部渓谷と尾瀬のように,私は,それがどこを走っているのか皆目見当がつきませんでした。そこで調べてみました。

●只見線
  ・・・・・・
 只見線は,会津若松駅から魚沼市の小出駅までを結ぶJR東日本の鉄道路線です。
 会津若松駅から会津坂下駅まで会津盆地の南方を通り,その先は只見川沿いの谷間を上流へと奥深く遡って行きます。田子倉湖付近から長大な六十里越トンネルで県境を越え,破間川沿いに谷を下り,破間川の魚野川との合流点近くの小出駅で上越線と接続します。
 全線でローカル色の濃い車窓風景が続き,また,秘境ともいえる地域を縫うように走っています。
  ・・・・・・
 ということですが,途中の会津川口駅構内に「金山町観光情報センター OASIS」があって,そこでは飲食品・土産物類を,只見駅前の「只見町インフォメーションセンター」では,特産品の土産を売っていたり,観光情報やレンタサイクルも実施しています。また,会津宮下駅前の三島町観光交流館「からんころん」には観光案内があり,レンタサイクルを利用できるそうですから,途中下車をして楽しむこともできそうです。
 只見線は,2011年7月の新潟・福島豪雨で甚大な被害を受け,会津川口と只見間の27.6キロメートルで運休が続き,存続が危ぶまれたのですが,幸い,2022年10月1日から再開しました。
 では,この只見線にどうやって乗るか? です。
 只見線は,何らかの手段で会津若松駅まで行けば,そこで只見線の始発に乗ることができて,4時間30分程度で終着の小出駅に着くという方法が最適です。しかし,時刻表を見ると,全線を走り抜ける列車は1日に3本くらいしかないことと,会津若松駅の1番列車の始発が午前6時8分で,これに乗ると終点の小出駅到着が午前10時41分ということなので,会津若松駅周辺に1泊する必要があります。会津若松市といえば,鶴ヶ城,そして,白虎隊ですが,私は行ったこともないので,前日は会津若松市の観光をすることにして,この方法で行くのがいいなあと思います。
 なお,会津若松駅までは,名古屋からは飛行機よりも新幹線の方が便利です。まず,東海道新幹線で東京駅へ出て,東京から東北新幹線で郡山駅まで行き,JR磐越西線で会津若松駅まで,トータルで5時間程度です。小出駅からはJR上越線で浦佐駅まで行き,浦佐駅から上越新幹線で東京駅まで,そして東海道新幹線で名古屋駅まで,トータルで3時間30分程度なので,意外と近いです。
 これなら冬景色でも大丈夫か?

●わたらせ渓谷鐵道
  ・・・・・・
 1989年,JR東日本足尾線を引き継いだ第三セクターのわたらせ渓谷鐵道は「わ鐵」の愛称で地元住民や観光客に愛される人気のローカル線で,桐生駅から日光市の間藤駅までの全長44.1キロメートルを約1時間半かけて走ります。
  ・・・・・・・
 といいうことなので,わたらせ渓谷鐵道は,只見線よりは簡単に全線制覇ができそうです。
 車窓から広がる四季折々の景色を楽しんだり,乗り降り自由の1日フリーきっぷでレトロな雰囲気の駅を散策しながら,だらだらと進んでいくのがよさそうです。週末は窓ガラスのない「トロッコ列車」の運行もしているそうなので,これもねらい目かもしれません。
 また,終点の間藤駅の駅前のバス停から日光駅行きのバスが出ているということなので,これまもまた,まず,桐生市あたりに前日到着して1泊し,1日かけてわたらせ渓谷鐵道の沿線を楽しんだ後,翌日,日光観光をする,というのがよさそうです。日光には以前1度行ったことがあるのですが,陽明門が思ったより小さいと感じたこと以外は,ほとんど記憶にありません。
 桐生までは,東京駅からだと,JR宇都宮線で小山駅まで行き,小山駅からJR上毛線で桐生駅まで2時間30分程度です。また,日光からは東武鉄道で東武日光駅から浅草駅まで,あるいは,日光駅からJR日光線で宇都宮駅まで行って,そこから,東北新幹線に乗るか在来線で東京駅までというコースになります。

 いずれにしても,前回書いた尾瀬にせよ,今回の只見線やわたらせ渓谷鐵道にせよ,東京からなら比較的簡単にアクセスできそうですが,名古屋からだと,まず,東京へ行く,という余分な行程が必要になります。
 東北地方も,むしろ,山形,花巻,青森あたりまで行くのならFDAに乗れば短時間でアクセスできるのですが,ちょっと中途半端な距離なので,逆に縁遠いということになるわけです。

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