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このところ,やりたいことがどんどん増えてきて,ゆっくり星見に行く時間がありません。星は大概のものは見てしまったので,明るい彗星でも来ない限りは後回しです。なにせ,星雲や星団はいつ見ても同じで逃げていきませんから。とはいえ,夕暮れの「かわたれどき」と明け方の「かたわれどき」は非常に美しく,そこに惑星や月が共演すると,まことに興味深い姿を現すので,思わず見とれてしまいます。
そんなわけで,このごろは,その時間ともなると,ほかにやりたいことがあるのにもかかわらず,近場に,三脚につけたカメラを持ちだして,そうした姿を写すことが楽しくなってきました。
今のデジタルカメラはとても優秀なので,思った以上の写真が簡単に写せます。また,このごろは,ソフトフィルターなるものをつかうと,強い光を受けている場所ほど光が大きくにじみ星像が際立つのでこれを活用するようになりました。
現在は,明け方の空には惑星がいないので,今日は,夕方の空,つまり「かわたれどき」に写した写真をいくつか載せることにします。
まず,1番目の写真は2023年4月3日の午後7時5分ごろから5分間にわたって写した国際宇宙ステーションです。国際宇宙ステーションはとても明るくて,予報通りに動くので,写しやすいのですが,何度見ても感動します。ただし,長時間露出をすると空が「真っ白になってしまうので,適当な露出で何枚も写して,コンピュータで「比較明コンポジット」をしなければなりません。そこで,ところどころ軌跡が破線となっているわけで,国際宇宙ステーションが輝きを停めているのではありません。
実は,この時期の夕刻に国際宇宙ステーションを見ることができることは知らなかったというか,気に留めていなかったのですが,4月1日に金星と天王星が近づいたのでその写真を撮ろうとして空を見たら国際宇宙ステーションが飛んでいてびっくりしました。そこで改めて調べると,4月3日にも見られることがわかったので,今度はそれを狙ったわけです。
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2番目の写真は2023年3月24日の夜8時30分ごろに月と金星が大接近したのを旅先の佐渡島で写したものです。この日は南にいくほど月と金星は近くなり,沖縄では月に金星が隠されるという金星食が起きたので,それを見るためには,住んでいるところよりさらに北に旅するなんていうことをしていてはいけないのですが,そんなことはまったく頭になかったわけです。
であったのに,この日,日本列島はほとんどの場所で曇ってしまったようで,私がいた佐渡島が晴れていたのが,まあ,いつものように悪運が強いというか何というか…。
話が前後しますが,先に書いた4月1日に写した金星と天王星の写真が3番目のもので,4月3日に写したものが4番目の写真です。2日で少し金星の位置が変わっていることがわかると思います。天王星は6等星くらいなので,単独にいても,なかなかどの星がそうなのかわからないのですが,こうして,金星などの標的があると,簡単に見わけることができます。実際は3月31日に金星と天王星は最接近したのですが,あいにくこの日は曇りでした。
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また,ちょうど同じ日に,水星が結構高く昇っていて見やすい位置にあって,雲さえなければ,これはどうでも写せるのですが,日没30分後の西の空ぎりぎりに木星があってすぐに沈んでしまうというので,なんとかこれが写せないものかとトライしてみたのが,5番目と6番目の写真です。結論からいえば,がっかりでした。明け方ならこの条件なら見ることができたと思うのですが,どうしても夕方はまだ街灯が明るく,また,春は空が濁っているので難しいのです。
いつも書いているのですが,見えなければ見えないということがわかったことが意義のあることなので,それはそれで満足できます。
そんなわけで,日々,さまざまな条件で見え方が違うのを確認するのは楽しいことです。
こんなことをしているから,いつも,やりたいことだらけになってしまうのですが。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは