しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:国際宇宙ステーション

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☆☆☆☆☆☆
 このところ,やりたいことがどんどん増えてきて,ゆっくり星見に行く時間がありません。星は大概のものは見てしまったので,明るい彗星でも来ない限りは後回しです。なにせ,星雲や星団はいつ見ても同じで逃げていきませんから。とはいえ,夕暮れの「かわたれどき」と明け方の「かたわれどき」は非常に美しく,そこに惑星や月が共演すると,まことに興味深い姿を現すので,思わず見とれてしまいます。
 そんなわけで,このごろは,その時間ともなると,ほかにやりたいことがあるのにもかかわらず,近場に,三脚につけたカメラを持ちだして,そうした姿を写すことが楽しくなってきました。
 今のデジタルカメラはとても優秀なので,思った以上の写真が簡単に写せます。また,このごろは,ソフトフィルターなるものをつかうと,強い光を受けている場所ほど光が大きくにじみ星像が際立つのでこれを活用するようになりました。
 現在は,明け方の空には惑星がいないので,今日は,夕方の空,つまり「かわたれどき」に写した写真をいくつか載せることにします。

 まず,1番目の写真は2023年4月3日の午後7時5分ごろから5分間にわたって写した国際宇宙ステーションです。国際宇宙ステーションはとても明るくて,予報通りに動くので,写しやすいのですが,何度見ても感動します。ただし,長時間露出をすると空が「真っ白になってしまうので,適当な露出で何枚も写して,コンピュータで「比較明コンポジット」をしなければなりません。そこで,ところどころ軌跡が破線となっているわけで,国際宇宙ステーションが輝きを停めているのではありません。
 実は,この時期の夕刻に国際宇宙ステーションを見ることができることは知らなかったというか,気に留めていなかったのですが,4月1日に金星と天王星が近づいたのでその写真を撮ろうとして空を見たら国際宇宙ステーションが飛んでいてびっくりしました。そこで改めて調べると,4月3日にも見られることがわかったので,今度はそれを狙ったわけです。
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 2番目の写真は2023年3月24日の夜8時30分ごろに月と金星が大接近したのを旅先の佐渡島で写したものです。この日は南にいくほど月と金星は近くなり,沖縄では月に金星が隠されるという金星食が起きたので,それを見るためには,住んでいるところよりさらに北に旅するなんていうことをしていてはいけないのですが,そんなことはまったく頭になかったわけです。
 であったのに,この日,日本列島はほとんどの場所で曇ってしまったようで,私がいた佐渡島が晴れていたのが,まあ,いつものように悪運が強いというか何というか…。

 話が前後しますが,先に書いた4月1日に写した金星と天王星の写真が3番目のもので,4月3日に写したものが4番目の写真です。2日で少し金星の位置が変わっていることがわかると思います。天王星は6等星くらいなので,単独にいても,なかなかどの星がそうなのかわからないのですが,こうして,金星などの標的があると,簡単に見わけることができます。実際は3月31日に金星と天王星は最接近したのですが,あいにくこの日は曇りでした。
  ・・
 また,ちょうど同じ日に,水星が結構高く昇っていて見やすい位置にあって,雲さえなければ,これはどうでも写せるのですが,日没30分後の西の空ぎりぎりに木星があってすぐに沈んでしまうというので,なんとかこれが写せないものかとトライしてみたのが,5番目と6番目の写真です。結論からいえば,がっかりでした。明け方ならこの条件なら見ることができたと思うのですが,どうしても夕方はまだ街灯が明るく,また,春は空が濁っているので難しいのです。
 いつも書いているのですが,見えなければ見えないということがわかったことが意義のあることなので,それはそれで満足できます。

 そんなわけで,日々,さまざまな条件で見え方が違うのを確認するのは楽しいことです。
 こんなことをしているから,いつも,やりたいことだらけになってしまうのですが。

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☆☆☆☆☆☆
 このところ天気がさえません。 
 この時期は例年は五月晴れの日が続き,3月末から4月にかけての春霞やら黄砂から解放され,また,寒さからも遠のいて,夜は短いですが,星見には最適な季節となるのですが,今年はだめです。 
 さまざまな天文現象が報道されているのですが,果たして何人の人が実際に見るのだろうかと思うとかなり疑問を感じます。特に流星群のニュースなんて,晴れていても満足に星も見えないのに,何をいっているの,と私は白けてしまいます。
 そんななかで,天気さえよければ,都会でもまあ満足に見られるのが惑星と月の接近,そして,国際宇宙ステーションです。
 5月13日は月齢1.7の月が水星の下に,そして,5月14日は,月齢2.7の月が水星に追い越されて,西の空に見えました。また,午後8時30分ごろは,国際宇宙ステーションが天頂付近を通過しました。私は,いつものように,夕食後の散歩を兼ねて,西の空の開けたところにカメラと三脚を持ってでかけました。

 5月13日。月の下にはさらに金星があるはずなのですが,まだ日没からまもなく明るくてまったく見られませんでした。そのうち,次第に西の空には雲が深くなってきて,何も見えなくなってきました。しかし,それはそれでおもしろいものです。…などと思うようになったのも不思議な話です。
 しばらく見ていたら,雲の隙間から薄っぺらな月が見えました。そして,さらに待っていると,水星が見えました。月が見えるときは水星が雲に隠れ,その反対に,月が隠れると水星が見える,という状態だったのですが,やがて,ほんの一瞬,月と水星が見えました。そのときに写したのが,今日の1番目の写真です。
 翌日,5月14日。天気予報では晴れということだったので期待したのですが,空一面に薄雲があって,がっかりしました。月と水星だけでなく,さらに上空には火星もあって,35ミリほどの広角レンズなら,水星と月と火星が写せるはずだったのですが,薄雲の奥に月だけが見えました。薄雲の向こうの月というのも,それなりに幻想的なものでした。また,国際宇宙ステーションは,薄雲に負けることもなく,明るく輝いて通過するのを見ることができました。


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☆☆☆☆☆☆
 このところ,ドクターイエローと国際宇宙ステーションの動画と写真ばかりを写しています。お金もかからず,近場で楽しめ,人と会わないので,最高です。しかも,奥が深いのです。
 ところで,私が「撮り鉄」が嫌いなのは,第一に群れること,第二に道徳心がないこと,それが理由です。ひとりで楽しめばいいのに,群れて行動しています。さらには,場所を占有したり,田んぼに入り込んだりと,傍若無人です。
 幸い,私の家のベランダから新幹線が見えるので,家から写しているときは平和なのですが,いざ,近くで写そうと架線に近づけば,ドクターイエローが走る日は,カメラと三脚をもった人たちが群れていて気がめいります。私は地元なので,それでも,人が近づかないところを知っているからよいのですが,これには参ります。だから,私は,間違っても「撮り鉄」にはならないのです。

 さて,今日の本題である国際宇宙ステーションです。
 3月は日が沈んで暗くなってきたころに,ちょうど月がいい位置にあって,連日,月の近くに見ることができます。しかし,毎回なんらかの条件がちがうので楽しいです。しかし,予習もできず,どのように見えるのか皆目見当がつかず,いつもぶっつけ本番なので大変です。
 3月17日は,なんと,月の欠けた部分の表面を通り,しかも,太陽と国際宇宙ステーションの位置関係で,月の表面に来るまではまったく見えず,月を通過するときだけ一瞬明るく見える,というとんでもないものでした。このときにどうにか写した写真はすでにこのブログに載せましたが,露出が不足だったので,国際宇宙ステーションが暗くしか写らず,悔いが残りました。
 国際宇宙ステーションの撮影には,長時間露出して動く軌跡を写したり,拡大して写したり,動画で写したりと,いろんなパターンがあります。長時間露出で写す場合は,空の明るいところでは,露出オーバーで白くなってしまい,暗い星が写りません。そこで,短い時間の露出を繰り返して,あとでコンピュータで合成するという方法をとることにになります。拡大して写す場合は,その位置を正確に把握しておく必要があります。また,動画で写す場合,私の持っているカメラでは,1コマあたりのシャッタースピードを30分の1秒より遅くできないので,ISOと絞りを工夫して,なるベく暗い天体まで写るようにしなけばなりません。
 さらに,今回の写真のように,月と一緒に写真に入れて写すには,月の模様が写る適性露出で,しかも,国際宇宙ステーションも写らなければならない,という条件になるので,結構きついです。

 3月19日。この日はもともとは写す気がなかったのですが,「きぼうを見よう」というサイトを検索していたら,私の住んでいるところで,国際宇宙ステーションが月の表面を通るというのを見つけて,急にやる気になりました。しかし,「ステラナビゲータ」で詳細に調べ直すと,どうやら私の住んでいるところでは,月の表面からは少しずれているようでした。そこで,さらにより詳しく調べてみると,今回,月の表面を通過するように見える場所は,北緯35度20分から北緯35度22分の帯状のところだとわかりました。
 これまで私は知らなかったのですが,月の表面を通るように見える場所というのは,これほど狭い場所に限るわけです。これには驚きました。そこで,その条件に適したところで写さなければなりません。Google Map を使って,緯度を特定して,しかも,なるべく空の暗いところをいくつか探しだして,下見までしてきました。そうして見つけたのが,家から車で30分行った河川敷のキャンプ場でした。
  今回は,動画と拡大写真を写すことにして,機材を用意しました。
 そして,現地に到着したのが18時39分。快晴でした。
 国際宇宙ステーションは,予報通り18時56分20秒過ぎに月をかすめ,さらに火星に接近して飛行していきました。とてもきれいでした。
 この日は,国際宇宙ステーションを動画で写すのに成功しました。中央右上の星が火星,左上端の星がアルデバランです。そして,同時に別のカメラで写真も写しました。私の持っているのは,安価で貧弱な機材でしたが,それでも,なんと国際宇宙ステーションの形も写りました!
 本当は長時間露出をした写真も写したかったのですが,さすがに一人三役は無理なのであきらめました。 また,月の上を通過している国際宇宙ステーションもも捉えたつもりだったのですが,家に帰って写真を調べてみても写っていなくて,それだけがショックでした。
 しかし,それはそれとして,今回はとても満足しました。大した機材もなく,お金も手間もかけないのに,結構いろいろと楽しめるものです。何事も机上の知識だけではなく経験が大切です。


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 4月23日はとても暖かくて,というか暑いくらいの1日でした。プラネタリウムが見たくなって,久しぶりに名古屋市立科学館に行ってきました。
 着いたのはちょうどお昼。プラネタリウムのチケットは午前12時40分の残席がありましたが,「夢と感動の宇宙展」というのをやっていたことと,お昼を食べたかったので,その次の午後2時の予約を取りました。

 まず,レストランで,ブラックホールカレーとかいう名前のカレーライスを食べましたが,普通のカレーでした。そして,地下2階でやっていた「夢と感動の宇宙展」を見ました。
 以前書いたことがありますが,アメリカには,様々な都市に科学博物館があります。どこも規模が大きくて,それに比べると日本の科学館はとても小さいです。
 この日は,小学生や中学生がとてもたくさん訪れていて,ざわざわしていました。
 比べるのもなんですが,アメリカでは小学生や中学生のこうした社会見学では,きちんとガイドがいて,とても詳しく説明をしながら,館内を見学します。生徒たちも質問したり,ガイドに質問されたりと,きちんとした学習の場になっています。それに対して,この国では,なにやら書き込むようなプリントを持ってはいても,そんなものは形だけで,生徒たちは,自由気ままに歩きまわっています。というか,放任です。だから,休憩所でトランプやっているわ,やたらと展示物をいじっているわで,要するに,単に遊んでいるだけ…,引率の教師もほとんど展示に興味もなく,プリント学習には熱心でもこうした本当の勉強にはいい加減で,それがとても日本的でなさけないです。

 「夢と感動の宇宙展」では,宇宙服やら,月の石やら小規模ながら面白い展示がありましたが,ここも,オーディオガイドはあっても学習に来ていた生徒たちにはガイドがいるわけでもなし,生徒たちは全く興味を示さず,お絵かきをしていました。
 私は,アメリカの科学館で月の石や宇宙船はいやになるほど見たことがありますが,せっかくこれだけの展示をするのなら,なにかテーマがあって,きちんとしたガイドがいたりショーがあるべきでしょう。それでも,きっとゴールデンウィークは家族連れで満員になって人の頭を見ることになるのでしょう。

 それに比べて,ここのプラネタリウムは,人が説明をするし,内容があるので,好感が持てます。この日は,女性のスタッフがとても上手に説明をしていました。
 はじめに,名古屋の夜空くらいの明るい星空でこの日の夜空の丁寧な説明があって,その後,満天の星空にして,星座の説明と続きました。私が見に行く実際の空よりもずっとたくさんの星々…器械も新型のツアイスの特注品だけあって,とてもすばらしい星空でした。私は,毎月星見に行って実際の星空を見ているだけあって,星座の並びもとてもよくわかるし,よい復習になりました。
 その後,今月の特集である,ハップル宇宙望遠鏡のお話がありました。
 私にはとてもおもしろかったのですが,内容は少し難しいものでした。日本の教育では人の話を聞いて考えるという習慣が育たず,プリント学習しかしてこないので,頭をつかうようになると寝てしまうのが日本人です。ここでも寝ている人がたくさんいました。

 一番の収穫は,この日の晩,国際宇宙ステーション(ISS)を天頂付近で見ることとができるという情報を知ったことでした。私は,スペースシャトルが飛んでいる軌跡は見たことがありますが,国際宇宙ステーションは見たことがなかったので,とてもラッキーな情報でした。
 国際宇宙ステーションはずっと地球の周りをまわっているのですが,太陽の光を受けて日本の上空を飛んでいるタイミングというのは結構少なくて,見る機会がこれまでなかったのです。しかも,今晩がベストだとか。
 さっそく家に帰って,見てみることにしました。

 しかし,あいにく曇っていて,かろうじて月と金星と木星が見える,という状態。やがて,夜7時頃になって,ぎょしゃ座のカペラがうっすらと見えてきましたが,国際宇宙ステーションはこれまで見たことがないので,どういうものか想像がつきません。写真を写したいのですが,シャッタースピードも見当がつきません。
 そして,予報の時刻7時15分になりました。
 当然ですが,何の前触れもなく,ものすごく明るい,そう,金星よりも明るい丸い光が突然うす雲を通して見えてきました。ものすごくゆっくりと進んでいきます。私は,広角レンズに露出1秒で写していたのですが,これなら,望遠レンズでファインダーを覗きながら写すことができるなあ,と思いました。
 プラネタリウムがどんなに美しい星空を作り出しても本物にはかないません。国際宇宙ステーションが飛んでいるのを実際に見ることができたし,写真も写すことができて,あの,小さな光の中に人がいるなんて考えると,なんだか,とても感動しました。そして,不思議な気持ちがしました。
 すてきな1日になりました。

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