しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:土星

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☆☆☆☆☆☆
 異常な暑さの続く日々。わざわざ早起きしなくても午前3時に起きるようになったので,これを幸いに,涼しい時間に早朝散歩となりました。しかし,空を見上げれば,水星,金星,火星,木星,土星,さらには天王星,海王星まで並んでいるので,散歩どころでなく,魚眼レンズをつけたカメラを三脚に取り付けて持参するようになってしまいました。ところが,晴れていても,空には雲があったり,東の空低く雲が覆われていたりと,なかなか満足のいく写真が写せません。
 今日の2番目の写真は6月28日のものですが,水星がかろうじて雲の間から顔を覗かせて,それを狙って写ればそれで感動するような有様でした。
 さて,そんなこんなで1週間。すでに月は新月を越えてしまったので,この惑星揃い踏みに月が参加しなくなったのが残念なのですが,それでも,6月30日は,ついに雲がほとんどなく,星が輝いていました。こうなると,水星が地平線から顔を出したときからが勝負です。問題なのは,時間が経つにしたがって空が明るくなってきて,天王星と海王星が写らなくなることと,水星を写そうとすれば東の白んだ空に消えてしまわないように,露出を抑える必要があるということで,困難を極めるのです。
 そんな状況だったのですが,何度もシャッタースピードを変えながら,なんとか惑星すべてが写ったのが今日の1番目の写真です。水星は,写真でこそ写しにくいものですが,双眼鏡では思った以上にはっきり見えるので,一度場所がわかってしまえば,肉眼でも探し出せました。
 こうして,やっと,満足な写真が写せました。

 しかし,それよりも…。
 田んぼの用水路に何か生き物がいるのです。大きな音を立てて泳いでいます。これは毎朝のことだったのですが,はじめは魚だろうと思っていたので,気にも留めていませんでした。ところが,6月30日,ついに目撃してしまったのです。それは巨大なネズミでした。
 家に戻って調べてみると,ヌートリアでした。
  ・・・・・・
 ヌートリアは,南アメリカが原産のネズミ目ヌートリア科ヌートリア属の動物。頭胴長40センチメートルから 60センチメートル。
 ヌートリアの毛皮は,水に濡れても保温できる毛皮として,質が高いとされ,毛皮を目的に導入されたものが,養殖場から逃げ出したり放逐されたりした個体が,野生に定着。日本でも,1940年代後半から1950年代に毛皮の需要が減少したことで大量に放逐され,野生化。
 今後日本で広がった場合,生態系への影響が懸念される動物。
  ・・・・・・
とありました。
 さらに,新幹線の線路は,この日もまた,架線工事の車両が走っていました。
 このように,人々が活動を開始する以前の世界は,思った以上にさまざまな出来事が繰り広げられているのです。

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☆☆☆☆☆☆
 梅雨明けだそうです。というより,今年は梅雨そのものがあったのでしょうか?
 前回も書いたように,惑星直列のせいか? 地球自体がいろいろとおかしいような気がします。いよいよ終末か! という気がしないでもないのですが。

 という悪い冗談はともかくとして,昼間は暑いので,早朝散歩を楽しんでいます。一向に晴れないので,星見に遠出する気もないのですが,散歩をするだけなら問題ありません。
 6月27日の朝も,午前4時まえに散歩に出かけようと外に出てみると,たくさん雲がありましたが,東の空には雲が切れていて金星と月齢27.6の薄い月がきれいでした。こうなると予定変更です。さっそくカメラと三脚を取りに行って再び行動開始です。
 とはいえ,どんな画角で写せるのか事前に下調べもしていないのでさっぱりわからず,広角から望遠まで,おまけに魚眼レンズも持参することにしました。
 今にも月を雲が隠してしまいそうだったので焦りましたが,なんとか写すことができました。

 雲がまったくないのなら,それなりに空の暗いところまで行って,7惑星をすべて収めた写真を写す気力も湧こうというものですが,こんな天気ではそんな気持ちにもならず,しかし,考えてみれば,雲がほどほどに空を覆っているのもまた風流です。
 前回にくらべて月齢がずいぶんと増して,惑星の間を移動していたのですが,その間,まったく晴れなかったので,ずっと何も見ることができませんでした。
 それにしても,惑星がすべて明け方の空に見えるというのは今日の最後の写真のような位置関係だからです。この図はステラナビゲーターからとったものです。

 さて,まだほとんどの人が目覚めていないこの時間,結構興味深いことが起きています。
 まず,これは毎晩のことではないようですが,新幹線の架線に,工事用の長い列車が通りました。さらに,月と金星の横を飛行機雲が流れていきました。望遠レンズで見てみるとジェット機でしたが,これは不思議なことです。こんな時間に旅客機が通るというのはどういうことなのでしょう。さすがに国内線ではないと思うので,海外からの帰国便でしょうか。方角的にはセントレア・中部国際空港に向かっているようでした。家に戻ってしらべても,この時間に到着する便はないので,おそらく貨物便なのでしょう。

 いずれにしても,深夜に車を走らせても,これまでは頭の中は星見でいっぱいだったので気づかなかったのですが,この時間,結構知らないことがたくさんあって,それなりにおもしろいものだと,近ごろ思うようになりました。
 おそらく,この夏は異常な猛暑になることでしょうから,しばらくは昼夜逆転で過ごすとしましょうか。

太陽系


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☆☆☆☆☆☆
 6月14日の朝日新聞「語る・人生の贈りもの」というコラムに,囲碁棋士の小林光一さんが「3時に起床して囲碁の研究をしている」とありました。
  ・・・・・・
 3時に起きてます。昔から早寝早起きだったけど,さらに起きるのが早くなってね。
  ・・・・・・
 だそうですが,私も同じようなもの。歳をとると寝るのも体力がいるのです。そこで,早起きになった私は,早朝に星を見るのはまったく苦ではないのです。しかし,特に6月は夜明けが早く,午前4時にはもう明るくなるので,星を見るために早起きするとなると,午前4時ではすでに遅いので,若い人には困難な話です。

 そんな季節ですが,現在,明け方の空には,水星,金星,火星,木星,土星,天王星,海王星まで揃っています。これを「惑星直列」とかいうそうです。さらに,ここ数日は月までも参加です。
 しかし,あいにくの梅雨空なので,一向に晴れません。
 6月19日は午前3時30分に起床しました。今日も曇りだろう,とは思ったのですが,せっかく起きたのだからと窓を開けると,意外にも月や金星が明るく輝いていました。そこで,カメラを三脚に固定して,魚眼レンズを取りつけて,サンダル履きで近くの田んぼのあぜ道まで出かけました。寒くないので楽です。そして午前3時46分に写したのが,今日の1番目の写真です。
 こういった現象は,写真で見るより,実際に空を眺めたほうがずっと感動するものです。

 ところで,もう,6年以上も前のことになりますが,当時もまた「惑星直列」が話題となりました。そのときのバカげたニュースは次のものでした。
  ・・・・・・
【緊急警告】
 1月20日,5つの惑星が一直線に並ぶ「惑星直列」(The Parade of Planets)が起きる!  地球が無重力になり,自然災害も多発か!?
  ・・
 しかし実際のところ,地球が無重力状態となる現象は起きませんでした。
 ちなみに,過去に水星から海王星までの太陽系の全惑星が絡む「惑星直列」が起きた年の出来事を調べてみると,989年の新潟焼山の大噴火,1666年のロンドン大火,1982年の北海道浦河沖地震やフォークランド紛争など,世界を震撼させるような事件や災害が起きていることは確かです。
  ・・・・・・
 ということだったのですが,であるなら,このところの新型コロナウィルスの世界的な蔓延も,ロシアによるウクライナ侵攻も,異常な円安も,半導体の不足も,ジェネリック薬品の品薄も,みな「惑星直列」が原因なのでしょうか?

 ところで,この,2016年に起きた「惑星直列」は1月末から2月はじめのことだったのですが,このときに写した写真も載せておきます。3番目が2016年1月31日で5番目が2016年2月8日,ともに朝6時ごろです。このときは冬だったので,空が明るくなるのは遅く,さほど早起きしなくてもよかったのですが,最も寒いときでした。当時はすごい現象を写したと思っていたのですが,このときの「惑星直列」は現在とは違って,天王星と海王星は参加していなかったことを,改めて今回調べて知りました。
 ならば,今回のほうがずっとすごいです。でも,晴れないので,「惑星直列」は話題にもなりません。いや,それとも,世の中に星を見ているような余裕がないからでしょうか?

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 すでに冬は過ぎ,6月の夏至をめざして,夜がどんどん短くなっています。
 この季節,明け方の東の空に,土星,火星,海王星,木星,金星と5つの惑星が並んでいて見事です。この中でもひときわ明るい木星と金星の距離が日に日に近づいたり,また,離れていったりと,毎日見ても見飽きるものではありません。
 なのに,これらが見られるのは,早朝4時過ぎであり,5時ではすでに空が明るくなってしまうのです。
 また,夕方の西の空には,この5つの惑星から取り残された孤高の水星が,4月29日に東方最大離角となり,これもまた,最大高度でみることができます。そして,そこに,月が仲間入りしたりと,まことに美しいのです。
  ・・
 幸い,私の住むところからは,西の空も東の空も,ずいぶんと低いところまで見ることができるので,その点は,ビルや家々に隠れてこんなにすばらしい夜空を見ることができない都会に住む人が気の毒なくらいです。
 ということで,私は勝手に忙しくしていて,早朝からカメラと三脚を持参して田んぼのあぜ道で写真を写して楽しんでいます。

 ところが,きわめて残念だったのは,木星と金星が0.2度という月の大きさの4分の1もの大接近をした5月1日の早朝,そして,月齢1.6の月が水星の真下にあるという5月2日の夕方,ともに曇ってしまって,まったく見ることができなかったということでした。
 ただし,5月2日の夕方は,かろうして月齢1.6の月だけ,一瞬みることができました。
 すでに,5月1日のブログに4月30日の明け方の5つの惑星を写した写真と,5月4日のブログに5月3日の夕方の月と水星を写した写真を載せたので,今日は,その前後に写したものを載せておくことにしました。
 1番目の写真は5月2日の明け方に写したもの,これは薄曇りがあります。また,2番目の写真はすでにブログに載せた5月3日の別の写真,そして,3番目の写真はそのときの月齢2.6の月を拡大したものです。また,4番目の写真は,5月2日の夕方にかろうして見えた月齢1.6の月をなんと手持ちで写したものです。
 また,1月後の5月の終わりから6月のはじめにかけて惑星や月が同じような条件になるので,それを楽しみに待つことにします。

 ところで,ただひとつ残された惑星である天王星は今どこにいるのでしょうか?
 実は,天王星は,ちょうど太陽のうしろにあって,しばらくはまったく見ることができなのです。
 今はそんな天王星なのですが,今年は,2022年11月8日に皆既月食があって,皆既月食中に天王星食が見られる,という珍しい現象があります。つまり,皆既中の月が天王星を隠すのです。これを楽しみにしたいと思います。

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 2022年2月は,最悪でした。毎日天気が悪く,寒い日が続きました。昨年であれば2月上旬に咲いていた梅は,3月になろうとしているのに,ほとんど咲いていません。
 しかし,確実に春は近づいていて,夜明けが早くなってきました。この時期,早朝5時過ぎから6時ころは夜明け前の東の空がきれいです。そして,今年は,そこに明けの明星が明るく輝いています。

 都会では,金星だけが見えますが,よく目を凝らすと,その右下に火星が見えます。さらに,金星の高度が高くなったころ,水星,そして,さらにその下に土星が昇りはじます。
 そこに彩を添えるのが,日々形と場所を変える月です。
  ・・
 幸い,私の住んでいるところは高い建物がないので,地平線近くまで見通せます。あいにく空が明るくて満足に星は見られませんが,夜明けの空に惑星を見るだけならそれでもなんとかなります。
 ということで,ここ数日,早朝5時過ぎに三脚にカメラを取りつけて,東の空を写しました。それが今日の写真です。

 まず1番目は2月25日です。
 この日はまだ月が惑星から遠かったのですが,空が澄んでいて美しかったので,超広角にして,月も加えて写しました。地平線近くに昇ったばかりの水星も写りました。もう少し後までいて土星も写せばよかったのですが,このときは土星は空が明るくなりすぎて写らないと思い込んでいました。
  ・・
 2番目は翌2月26日です。
 昨日の空の美しさでやる気になったのはいいのですが,空の低いところに雲が出ていて,残念な結果となりました。
  ・・
 3番目が2月27日ですが,この日の空は最悪でした。
 毎日観察していると,毎日,空気が澄んでいるかどうかで,まったく星の見え方が違うことを認識します。晴れていて空が澄んでいると簡単に見ることができる地平線ぎりぎりの星々ですが,それがまったく見られなくなるのです。 
 土星も写すぞ,と意気込んでいたのですが,土星どころか水星すらやっと写真で確認できたほどでした。
  ・・
 4番目が月齢26.9になった2月28日のものです。この日は最高の条件でした。空は澄み渡り,月と惑星が写真に最も魅力的に写る位置にありました。そして,念願の土星もなんとか写すことができました。
 まったくこの前の日まで眼中になかったのですが,以前に2度写したことがあったハッブル宇宙望遠鏡がちょうど明け方に南の空を通過することを知りました。そこで,どこに見られるかを急遽調べたら,この写真の右上の金星のあたりから左下の土星のあたりまでを横切ることがわかったので画角を合わせて通過する時間に写してみました。しかし,どういうわけか,まったく見ることも写真に写すこともできませんでした。


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☆☆☆☆☆☆
 昨年12月下旬,木星と土星が大接近をしましたが,その後はともに西空に低くなってきました。また,水星は明け方の空から夕方の空に移ってきました。そこで,2021年早々,1月上旬から中旬ごろ,夕方の西南西の低空に木星,土星,水星が大接近して見えるようになりました。最も接近するのは1月10日から11日ごろで,直径3度の視野の中に3つの惑星が収まってしまうほど近づきます。とはいえ,日の入り30分後の水星の高度はわずか5度ほどと低く,西南西の空が開けたところでないと見ることはできません。
 幸い私が住んでいるところは,東から南,南から西が開けているので,冬は日の出から日没まですべて見ることができます。また,西の空は,明かりがなく,山があるだけなので,3度くらいの高度以上なら見渡すことができます。ただし,冬場の西空は雲が出ます。

  ・・・・・・
 水星(Mercury)は太陽に最も近い公転軌道を周回している惑星です。岩石質の「地球型惑星」で,惑星の中で大きさと質量はともに最小のものです。直径は4,879.4キロメートルで地球のわずか38パーセントしかなく,木星の衛星であるガニメデ(Jupiter III Ganymede)や土星の惑星であるタイタン(Saturn VI Titan)よりも小さいのです。
 水星の見かけの明るさは,地球からの位置によってマイナス0.4等から5.5等まで変化します。また,水星は太陽に非常に近いために,ほぼ2か月ごとに日の出前と日没直後のわずかな時間しか観察できません。太陽の周りを88日で公転し,地球から見たとき太陽からもっとも離れても28.3度に過ぎないためです。
  ・・・・・・
 とはいえ,そんな知識がいくらあろうと,見えるか見えないかは実際に見てみないことにはわかりません。そこで私は1月8日から水星を探していたのですが,1月8日は西の空だけ曇っていて,水星どころか土星も見えませんでした。ただし,木星だけはかろうじて沈む直前に確認できました。
 そして,1月9日。太陽が沈むところは見えたので大いに期待して木星が見えるほど空が暗くなるのを待ちましたが,やはり,西の空には雲がありました。そのうちに木星,そして,土星が見えるようになってきましたが,やはり水星は雲に隠れているようで,確認できませんでした。
 やがて,水星が沈む直前,その姿が見えたときは感動しました。写真にもしっかり写りました。

 知らなければ何も写っていないような写真ですが,私には見たとおりに木星と土星と水星を写すことができてとてもうれしいものでした。そしてまた,どのくらいのものが見られるのかということが実証できたことが,それ以上にうれしいことでした。
 1月10日はさらに水星の高度が高くなって木星と土星に接近するので,雲が切れるのを願っています。


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 何がすばらしいかといって,明け方,太陽が昇る前の夜空ほどすばらしいものはほかにありません。それに比べたら,太陽が顔を出した後の世界は,たとえは悪いのですが,何か悪夢を見ているかのようです。特にこのごろは世界中が耐え難い不安に包まれています。
 今回とはまったく原因は違うのですが,リーマンショックのときの株価や為替の変動は,今とそっくりでした。あのときもまた,多くのマスコミや政治家やアナリスト,そして無責任なワイドショーのコメンテーターたちが言っていたことはまったくあたらず,冷静な少数の人たちの声なき声が語っていたように相場は動いていきました。おそらく今回もまた,そのときと同じ動きをするのでしょう。
 現在は,どんな対策を打ち出そうとそんなことには関係なく,まるで底なしの泥沼に土をくべていくような感じに思えます。であっても,多くの人が飽き飽きしてきたころになると,やっと入れていく土の量が泥を凌駕してすべてが解決するのです。そのころには,人々は今の危機的状況を忘れすっかりもとの生活に戻って,また,懲りもせず浮かれはじめるのです。
 私は,リーマンショックのとき,つくづくそう感じました。長く生きていると,世界はこんなことの繰り返しだということだけはわかってきました。

 さて,星空のお話です。
 明け方の空には,火星,木星,土星がずっといて,動きの速い -それは地球に近いからですが- 火星がほとんど位置のかわらない木星と土星の間を駆け抜けています。そして,火星よりもまたずっと動きの速い月がそれらを追い抜きながら,姿を変えていくので,それらの姿を毎日眺めていても,決して見飽きるものではありません。
 3月19日の早朝は,木星に接近した火星と,その間を縫って高度を下げた月が土星に接近して,月と3つの惑星を同時に写真に収める構図の写真が撮れるという状況になりました。
 月が昇るのは3時10分過ぎだったので,2時過ぎに東の空の開けた場所に向かいました。

 到着したときはまだ早く,月が昇るまで,アトラス彗星(C/2019 Y4 ATLAS)がM81,M82 銀河に接近しているというので,それを写しながら待ちました。
 やがて,東の空にいつの間にか月が姿を現しました。この朝はあまり大気が澄んでいなかったので,昇ったばかりの月は真っ赤で,その隣にあるはずの土星はなかなか肉眼では見えませんでした。20分くらい待って,月の高度が高くなると,土星も見えてきて,火星,木星,土星と3つの惑星と月,そして,背景に地上も入る角度の写真が写せるようになったときに撮ったのが,今日の1番目の写真です。
  ・・
 2番目の写真は,先に書いたアトラス彗星とM81,M82銀河を同時に収めた写真です。銀河を一緒に収めるために画角の広い180ミリ望遠レンズで写したので,彗星が暗くしか写っていないのが残念です。
 このアトラス彗星ですが,当初の予想からは大きくはずれ,3番目のグラフのように,このところの光度上昇の変化の度合いから,来月4月末には0等星,そして,5月末にはマイナス25等星といった,とんでもない予想がたちはじめました。おそらくそこまで明るくはならないでしょうが,久々の大彗星が見られるかも,といったうわさも聞こえはじめました。
 彗星は,軌道は決まれど,彗星本体がどれほどの大きさであってその組織がどうなっているかがわからないので,太陽に接近したときにどのくらい明るく輝くかという光度の予想は常に水モノです。多くの場合は期待外れに終わりますが,まれに大化けします。さて,今回はどうでしょうか?
 このまま順調にいけば,次第に太陽に近づいていって見えなくなる5月20日ごろまで,しだいに明るく大きくなっていって,北西の夕方の空に尾をひいた彗星が肉眼でも見られるようになることでしょう。

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☆☆☆
次の写真は3月20日午前5時20分の東の空です。昨日とはうって変わって,とても澄んだ空でした。月齢は25.2。月の位置がずいぶん変わったことがわかるでしょう。地平線ぎりぎりには水星も昇ってきました。

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☆☆☆☆☆☆
 2019年2月18日の早朝,今度は金星と土星が大接近しました。
 金星(Venus)は、太陽系で太陽に近い方から2番目の惑星で,太陽との平均距離は108,200,000キロメートルで地球の約3分の2,地球に最も近い公転軌道を持つ惑星です。太陽系内で大きさと平均密度が最も地球に似た惑星であるため「地球の姉妹惑星」と表現されることもあります。地球よりも太陽側にあるので,地球から見ると金星は明け方と夕方にのみに見ることができます。明け方に見えるのを「明けの明星」,夕方に見えるのを「宵の明星」といいますが,現在は明け方,太陽が昇る前に東の空に昇ってくる「明けの明星」です。
 一方,土星(Saturn)は太陽から6番目,太陽系の中では木星に次いで2番目に大きな惑星です。太陽との平均距離は1,400,000,000キロメートルで地球の約10倍になります。また,巨大ガス惑星に属する土星の平均半径は地球の約9倍にあたりますが,平均密度は地球の1/8に過ぎないので軽く,水に浮くという説明がされています。私が子供のころに読んだ図鑑には土星が水槽に浮いている絵が描かれていたのですが,土星が入るような水槽などありえないし,土星の重さなどどうやって測るのだろうと,私は納得がいきませんでした。要するにこれを書いた大人は,土星の比重が1より小さいといいたかったのでしょうが,こういうたとえは子供の頭を混乱させます。土星といえば恒常的な環をもっていることで有名ですが,この輪ができたのは最近のことで,地球上では恐竜が闊歩していたころということが近ごろわかりました。土星の環は小さな望遠鏡でも美しく見ることができます。
 金星はマイナス4等星と明るく,土星は1等星ほどですが,現在は明け方の東の空,地平線に近いので,地平線付近まで晴れ渡っていないと,都会では土星が見にくいものです。また,写真に撮っても,輪のある土星を写すには露出を切り詰める必要があり,そうすると金星も暗く写っていまい,せっかくふたつの惑星を入れた写真を写してもほとんど小さな点になってしまいます。しかし,今日の写真のように十分な露出で写すと土星が露出オーバーになってしまうので,改めて土星の写真を別の露出で写して合成してみました。

 ところで,2月19日は「スーパームーン」でもあります。日本時間では午後6時3分に月が最も地球に近づきます。2019年は1月21日についで2回目の「スーパームーン」となります。月と地球との距離は1月の「スーパームーン」では357,700キロメートル,今回が356,800キロメートルなので,2月の「スーパームーン」のほうが若干近いです。
 「スーパームーン」というのは,もともとは天文学の用語ではなく占星術の用語です(今回もまた占星術が出てきてしまいました)。この言葉を広めたのは,NASAの研究所のひとつであるジェット推進研究所(JPL)で,地球と月の距離が近いときの満月が平均的な満月よりも大きくそして明るく見えるために,これを「スーパームーン」とよぶとしています。しかし,地球と月の距離がどれだけより近い満月を「スーパームーン」とよぶかという明確な定義はなく,概ね月と地球との距離が360,000キロメートル以内の満月を「スーパームーン」とよんでいるらしいというのが実情です。
 残念ながら明日2月の「スーパームーン」は雨で見ることができないという予報なので,その前日2月18日に左下がわずかに欠けた月を写しました。今日の写真はその月齢13.6の月です。

☆ミミミ
やっと晴れたか?冬2019④-火星と天王星の大接近

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 この季節は夜明けが遅いので,朝6時ころに東の空を見上げると,とても幻想的で美しいです。今年はそんな明け空に,さらに,金星,木星,土星が毎日位置を変えていって,そこに月が月齢を変えながら惑星の間をかけぬけていくのが見られるので,さらに幻想的で,どれだけ見ていても飽きません。

 今日の1番目の写真は2月1日(金)のものです。この日は金星と月齢25.8の月が大接近しました。
 そして,2番目と3番目の写真はその翌日2月2日(土)です。月は月齢26.8。あっという間に金星から遠ざかりました。この3番目の写真には右手上方にさそり座が写っています。月のさらに下には土星があるのですが,残念ながら雲に隠れて見えませんでした。
 さらに,4番目と5番目の写真は2月3日(日)のものです。月齢は27.8。月の出はさらに遅くなって,土星が月より先に昇りました。月齢27.8の細い月は肉眼で見ることができるのかな,と思ったのですが,予想以上に明るく輝いていました。
 これらの惑星いる位置はさそり座からいて座にかけてなので,ひょっとしたら,もっと空の暗いところに出かければ,夏の銀河のなかに惑星が輝いているという美しい写真が写せたかもしれません。一度,遠出をして写してみたいものです。

 以前このブログに書きましたが,月はどの月齢まで写せるのでしょう?
 地球を回る月の軌道は楕円なので,月齢がいくつまであるかは毎回異なります。また,今回は月齢が25.8,26.8,27.8というようにコンマ8のまま毎朝1ずつ変化するので,この時期に26.5のようなコンマ5の月を見ることはできませんから,どの月齢まで見ることができるかを確かめるには長い年月がかかります。
 今回の周期では,月齢は29.3までで0.0,つまり新月になりました。月齢27.8の翌日2月4日(月)は28.8でしたが,月が昇ってわずか10分もすれば日の出なので,果たして月齢28.8の月が見れらるのかどうか。それを確かめてみたいと思って,月が昇ってくる場所を調べて翌日を楽しみに待ちましたが,残念ながら曇ってしまっていて確かめることができませんでした。

 これまでに私が写した中で,最も月齢が小さいのは0.9で,反対に最も月齢が大きかったのは28.4でした。ともに今から3年前に確かめてみたものですが,その月齢の月はどちらも肉眼でもはっきり見えたので,もう少し月齢の小ささものと大きなものも写せるような気がします。
 今は当時よりも機材を整備したので,もう少し月齢が小さいものと大きいものにチャレンジしてみたいと思ったことでした。

☆ミミミ
月の写真を撮る②-月齢29と月齢1は写せるのか?
月の写真を撮る③-ついに撮ったぞ! 月齢0.9
月の写真を撮る④-ついに撮ったぞ! 月齢28.4
月・火星・木星・土星-小さな望遠鏡で惑星を写すと…

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水金地火木土bDSC_5623s火星2016_02_04木星 2016_02_02土星 2016_02_04木星 ガリレオ衛星

☆☆☆☆☆☆
 2月の上旬の5惑星のそろい踏みは,1晩に明るい惑星がすべて写せるので,私の「2016観測機材整備」で作った拡大撮影アダプターの実験には最適でした。拡大撮影アダプターの詳細は後日書くことにして,今日はそれを使って写した写真のお話です。
 まずは,家から少しドライブして木曽川のツインシティー138の上空に輝く5惑星を写したので,この写真をご覧いただきましょう。2月8日の夜明け前に写したものですが,水星が昇るのを待って写したので,午前5時30分過ぎ,すでに,世の中は活動を始めていて,通勤する人がいたり,犬を連れて散歩している人がいたり,という時間でした。見上げればこれほど素晴らしい星空が輝いているのに,多くの人はそんなことも知らず,もったいない話でした。
 なお,この日は月齢28.8。昨日は水星の隣に美しい月が見られたのに,この日は,そんなことは夢だったかのように月の姿はなく,まだ地平線の下でした。
 その後,月が昇ったので探してみたのですが,全く見つかりませんでした。
 先月月齢28.4は容易に見ることができたのですが,どうやら月齢28.5くらいが見ることができる限界なのでしょうか?
 そういえば,私の愛読しているアメリカの天文雑誌「Sky & Telescope」誌の今月の特集のひとつに,新月前後の月を写すというのがあったのにはびっくりしました。まるで私のための記事のようでしたから。

 こうした惑星のそろい踏みを写すのならともかく,月や惑星を拡大撮影するだけなら,星が見られる遠い山の中に出かける必要もなく自宅からでもできるので,寒い冬には最適です。ただし,冬の夜空はシンチレーションが悪く像が安定しないのが難点ではありますが。
 そんなわけで,新しく作った拡大撮影アダプターを利用して望遠鏡にカメラを取り付けて写してみたのが,今日の2番目から5番目の写真です。
 順に,月,火星,木星そして土星です。
 天文雑誌や本には鮮やかで大きな写真しか載っていませんが,実際に小さな望遠鏡で写すとどのくらい写るものなのかという情報はほどんどありません。星に興味にない人や,興味があっても図鑑でしか見たことのない人,そして「ドリラー」の気の毒な少年少女たちは,だれでも大望遠鏡で写した写真のように見えたり写せたりすると思っているのでしょうが,そんなわけがないのです。
 だから,望遠鏡を買って一度惑星を見るとがっかりして,その後は押し入れの中になってしまいます。

 写真でお分かりのように,火星は,この程度にしか写せません。
 小さな望遠鏡で写しても面白いのは、木星と土星です。
 木星は,衛星を写しても模様を写しても面白いのですが,両方を同時に写すのは露出時間が違うので無理なのです。インチキ? をするなら画像処理という手段を講じましょう。それが今日の一番下の合成写真です?!
 土星は,フィルムカメラの時代には写すのが非常に困難だといわれました。なにせ有名なので期待が大きすぎるのですが土星は結構暗く感度が低い時代,ずいぶんと露出をかける必要があったのです。そうしたフィルムカメラの時代を知っている人ほど,口径75ミリの小さな望遠鏡では無理と思ってしまいますが,それが存外いけるのです。図鑑にのっている写真と比べたらがっかりですが。

 実際に写してみると,このように,お金のかからない暇つぶしとして十分に楽しめることがわかりました。この先もっと良い写真を写すには,画像処理を工夫する必要がある,ということでしょう。
 それはそれとして,惑星は,写真で写すよりも肉眼で眺めるほうが最高です。

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