しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:太陽黒点

5_98_18_14

☆☆☆☆☆☆
 2017年8月21日にアメリカで皆既食を見ました。
 なるべく安価で軽いという条件で,どんな機材を持っていけばいいか探していたところ,ケンコーから「MIL TOL」という望遠鏡が発売されているのを見つけました。口径6センチメートル,焦点距離400ミリメートルで,EDレンズ1枚を含め1群2枚というだけのスペックで,定価だと68,000円でしたが,もっと安価に購入したと思います。焦点距離400ミリメートルの直焦点では画像が小さいので,持っていたニコンのテレコンバーターTC-200をダメもとでつけて焦点距離を800ミリメートルにしたら,いい像を結びました。また,対物レンズのキャップは,すでに持っていたペンタックスの75SDHFの52ミリメートルのフィルターが装着できる太陽観測用のものがちょうど合ったので,そこに,ND100000のフィルターをつけました。こうすることで,太陽が皆既状態になったとき,簡単にフィルターを取り外すことができるようになりました。これと中古で買ったGITZOの三脚,そして,ニコンD5300というカメラを持って渡米しました。皆既日食当日は快晴で,無事,多くの写真を収めることができました。

 なお,「MIL TOL」は現在発売終了で,これに代わるものもありません。しいていえば,銘匠光学 TTArtisan 500mm F6.3望遠鏡かな。細かい収差やオートフォーカスの性能など机上のスペックを気にする人が多いので,こういうものは売れないのです。とても残念なことです。とはいえ,自分に必要のない仕様のついた高いレンズを買う必要などないと私は思うのですが…。
 ということだったのですが,その後,使い捨てでいいやと思って買った皆既日食を撮るという目的だけの望遠鏡は,出番がなくなりました。捨てるのはかわいそうということで,太陽黒点と月を写すために役立てることにしました。何分にも非力な望遠鏡なので,大した作品はできませんが,所詮,趣味なんてものは自己満足のものなので,私にはこれで十分。これはこれで楽しいのです。
 問題は,太陽を望遠鏡の視野に入れるのがけっこう難しいということでした。肉眼であまり長く太陽を見るわけにもいきません。いろいろと試してみたのですが,結局思いついたのが,ビクセンの単眼鏡をファインダー代わりにすることでした。これをカメラのアクセサリーシューにつけて,単眼鏡のフィルターサイズが27ミリメートルだったので,27ミリメートルから52ミリメートルのフィルターが接続できるステップアップリングをつけ,そこにND100000のフィルターを接続しました。太陽を視野に入れるだけのわずかな時間ならこれで大丈夫です。

 こうして,ときどき太陽黒点を写して楽しんでいるのですが,今日の写真は,1番目が2024年5月9日,2番目の写真が8月1日,そして,3番目の写真が8月14日に撮ったものです。こうしてみると,このところ,太陽は活動期ということで,大きな黒点がたくさん現れます。また,太陽の自転周期は25.38日なので,少しずつ位置を変え,また,姿も変わるので,写し甲斐があります。
 太陽活動は,およそ11年周期で繰り返します。喫緊の太陽極大期は2025年7月ころと予測されていて,太陽極大期には太陽表面の爆発(=フレア)が頻繁におき,その結果,強力な太陽風が放出されるので,これが地球に達すると磁気嵐などによってオーロラが発生します。そこで,このごろ,アメリカの北部地方や北海道でもオーロラが観測されています。特筆すべきは,2024年8月12日,北海道で,ペルセウス座流星群の流星とオーロラが同時に見られた,という出来事起きたことです。
 太陽の活動は,地球上に様々な影響を与えるのですが,私はそうした影響には何もできないので,せいぜい太陽黒点を写真に収めて,太陽のご機嫌をとることにしましょう。

IMG_0246ah00_aurora

◇◇◇
IMG_3850sIMG_3899


◆◆◆
「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは

◆◆◆
過去のブログの一覧は ここ をクリックすると見ることができます。

DSC_0915 (2)DSC_0977 (6)IMG_1639sx2 n(3)xIMG_1639sx2 n(3)xz

 自分の楽しみで日々空を見上げているだけなので,高価な機材を持っているわけでもなく,買う気もないのですが,それでも,長年楽しんでいると,安価であっても愛着のあるものがけっこうあります。
  ・・
 そのひとつが2017年8月にアメリカ・アイダホ州で皆既日食をみるために買った小さな屈折望遠鏡です。それだけで役目を終えるのも気の毒なので,写真用の三脚に微動装置のある架台に載せて,太陽や月を写すのに使っています。
 今日の写真は2022年1月9日の朝写した日の出ですが,大きな黒点があったので,ピントを調節して,少し高度が高くなった時に再び写してみました。
  ・・・・・・
 太陽活動領域(solar active regions)は太陽フレアなどが発生するコロナ中の局所的な発光領域のことですが, アメリカ海洋大気庁 (National Oceanic and Atmospheric Administration=NOAA)によって1972年以来,番号づけがされています。
  ・・・・・・
 この日の黒点は,上側のペアが12924で,下側の小さなほうが12925です。
 太陽には活動周期があって,2020年ころはほとんど黒点がなくなってしまったのですが,このごろは結構大きな黒点が見られるようになったので,それなりに楽しめます。

 ふたつめは,オーストラリアで南半球の星空を写すために購入した簡易赤道儀です。海外に持っていくためになるべく軽いものということで選んだのですが,こちらは広角レンズや魚眼レンズで星野写真を写すのが目的でした。
 この機材もまた,海外旅行ができないこのご時世,遊ばせておくのもかわいそうだと思っていたのですが,レナード彗星(C/2021A1 Leonard)が夕方の西空低く見られるようになったので,少し荷が重いのですが,180ミリの望遠レンズをつけたカメラをこの機材にとりつけて,1秒程度の露出で写るかを試してみることにしました。
 とはいえ,まったく恒星が見えない街中なので,頼るのは水星,土星,木星といった惑星です。まず,この3つの惑星が入る広角レンズで構図を決めてレナード彗星のある位置を特定してからレンズを交換して写すことにして,数日楽しみました。こうして数日写した結果,レナード彗星の位置が地上の景色を基準にしてわかるようになりました。
 今日の写真は2022年1月8日のものです。もう,ほとんど限界だったのですが,なんとか写りました。それが3番目のものですが,これではわかりにくいので,レナード彗星のあるあたりだけ拡大したのが4番目のものです。なお,3番目の写真には,レナード彗星の位置のめやすとなる2つの恒星が写っています。左側のものがつる座のガンマ星GSC7494.1748(γ Gru)で,上右がみなみのうお座のイオタ星GSC7490.1839(ι PsA)です。また,4番目の写真の右上の恒星はみなみのうお座の暗い恒星GSC7493.1118です。
  ・・・・・・
 GSCはガイドスターカタログ(Guide Star Catalog) といって,ハッブル宇宙望遠鏡が軸外の恒星を捉えるのを支援するために編集された星表です。15等星までの約2,000万個の恒星が含まれ,さらに,21等星までの9億4,559万2,683個の恒星が加えられました。これは,外宇宙の航行のために特別に作成された初の全天の星表です。
 また,昔からあるバイエル符号(Bayer designation)は,ドイツの法律家ヨハン・バイエル(Johann Bayer)が1603年に星図「ウラノメトリア」(Uranometria: Omnium Asterismorum Continens Schemata, Nova Methodo Delineata, Aereis Laminis Expressa =ウラノメトリア:新しい方法で描かれ銅版印刷されたすべての星座の図を集めたもの) で発表した恒星の命名法で,星座ごとに原則として等級順にギリシャ文字の小文字α, β, γ, …… と名づけたものです。
  ・・・・・・

◇◇◇
月,木星,土星,水星。

1月10日。日没後の快晴の西の空。
月齢8.6の月は天頂に。
水星が地平線ぎりぎりに写りました。
DSC_8430sx


◆◆◆
「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは

💛
過去のブログの一覧は ここ をクリックすると見ることができます。

このページのトップヘ