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「食わず嫌い」ではないけれど,私は,ほとんどのドラマを第1回から見はじめないのです。それは,番組の宣伝だけでつまらなそうだ,といった先入観をもってしまって,見るのを避けてしまうからです。今回の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」もそうでした。何を今さら英会話? と思いました。 しかし,一度,ふと何かの機会で見たときに,そのすばらしさにすっかりはまってしまいました。
これはおもしろい。
ということで,2020年にはまっていた「エール」以来何作目かで,また,朝が楽しみになりました。
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「カムカムエヴリバディ」は,2021年度後期放送のNHK「連続テレビ小説」第105作として,11月1日から放送されている日本のテレビドラマ。京都,岡山,大阪を舞台に,昭和から令和の3つの時代をラジオ英語講座と共に生きた祖母,母,娘の3世代のヒロインの一世紀(100年)におよぶ家族の物語をハートフルコメディーとして描く。
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ということですが,ドラマの感想は,いろんな人がいろいろと書いているので,ここではやめて,その代わりに,ラジオ英語会話番組の草分け「カムカムエヴリバディ」にちなんで,NHKのラジオ語学講座の思い出について書きます。
私は,中学校1年生ではじめて英語を学んだとき,すすめられたのがNHKラジオ第2放送の「基礎英語」という番組でした。私は,毎日かかさずこうした講座を聴く,といった継続が得意なのです。現在に至るまで,多くのラジオ語学講座にお世話になりました。もともと能力が不足しているので身についたとはいえませんが,それでも,ほとんどお金をかけず,いろんなことを学びました。
さて,私が12歳ではじめて聴いた「基礎英語」の講師は,調べてみると北村宗彬という慶応義塾大学の先生でした。と知ると,名前に憶えがあります。さらに調べてみると,北村宗彬先生に大学で習ったという人のブログがあって
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(北村宗彬先生が言うには)英会話のためには文法なんて中2程度+(would like to などを含む)仮定法で十分だ(ということだった)。これは本当にそうだ。今,大学でこういう話を学生にすると大いに反発するのだが実際これで十分だ。そして,だからこれから「話す方法を学ぼう!」。
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と書かれてありました。この北村宗彬先生の「基礎英語」で聴いた中で今でも覚えているのは発音です。それは,英語には[オ]という短母音はなく,[ア]と[オー]のどちらかだと習ったことです。たとえば,longという単語は,[ロング]ではなく[ラング]だというわけです。
ところで,私は,これもまたいつものように背伸びして,はやくそのあとに放送されていた「英語会話」という番組が聞けるようになりたいものだと思っていたのですが,その「英語会話」の前身が「カムカムエヴリバディ」だったのです。
「カムカムエヴリバディ」は第2次世界大戦終了後の1946年(昭和21年)2月から1951年(昭和26年)2月までは平川唯一さんが担当し,「カムカム英語」として親しまれたということは,私は,ずいぶん以前から知っていましたが,こうした番組がはじまると,そのときやっと脚光を浴び,マスコミが騒ぎ立て,終わるとともに忘れさられるというのがこの国のミーハー的社会の姿です。だから,いつも私はまたか,何やっとるの… と思ってしまうわけです。
さて,中学校の2年生になった私は「基礎英語」を卒業して「続・基礎英語」に挑戦しました。「続・基礎英語」の講師は安田一郎という有名な人で,「基礎英語」とはうって変わって,文法重視,言い換え練習を繰り返す,リズミカル,かつ,ハードな番組でした。でも,ためになりました。初学者にはこうした練習が大切だったのでしょう。
そんな「お勉強」中心だった「続・基礎英語」もそこそこに,中学校3年生で,待望の「英語会話」を背伸びして聞きはじめました。この番組はその後,ずっと聞き続けました。そのときの「英語会話」は松本亨という人が講師だったのですが,松本亨先生は 1951年(昭和26年)4月から1972年(昭和47年)3月までという21年間も「英語会話」を担当した英語教育のカリスマのような人でした。松本亨先生の次が東後勝明先生で,すごく発音がよかったのが印象に残っています。
一般の人を対象としたこのころの「英語会話」という番組は,学校の英語とはまったく違った非常におおらかでのんびりしたものでした。私は英語の専門家になるわけでなく,語学というのはコミュニケーションが取れればいいというのが目標だったから,いわゆる受験英語とはまったく違ったこうした番組を楽しむことができたことがとてもよかったと,今にして確信します。
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資格試験も入学試験も順位争いも無縁で語学の才能のまるでない私が「お前の英語は一般の日本人の話す(学校で習ったような)英語と違う」とネイティブに言われるブロークンな英語でもちゃんと意思の疎通ができて,海外に出かけては多くの友人と国籍も言葉の違いも関係なくお話をしたり食事を楽しんだりできるようになったのは,語学ならぬ語楽だったからこそであり,また,これぞ,こころがあれば通じるという「カムカムエヴリバディ」の流れをくむ初期のラジオ「英語会話」で知らず知らず身につけたコミュニケーション能力のたまものなのでした。
思えば,これが私の原風景でした。
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英語は勉強ということではじめるクセがついている
それではダメです
英語は口真似遊びという遊びで覚えないと大成しない
平川唯一
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今日の写真は,私が長年夢だったサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジとニューヨークのブルックリンブリッジを歩いたときのものです。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは