八戸市はよくわからないままあとにしました。人と車が多すぎて,青森らしくなかったので,テンションが下がりました。
そして,再び国道45号線を北上して,この日の宿泊先である「東北温泉」にやってきました。
この旅は,津軽半島と下北半島を巡るのが目的だったので,この1泊はおまけでした。結果的に2泊3日でもよかったのですが,旅に出る前はよくわからず,時間的に無理かもしれないと思って保険をかけたのです。
ネットでたまたま見つけた「東北温泉」は,温泉と2食付きで宿泊代がとても安かったということで予約したのですが,これまでに泊まった「龍飛崎温泉ホテル竜飛」と「むつグランドホテル」は豪華だったけれど,私の望む〈小さくて団体ツアー客がいない旅館〉とは違っていたから,これはこれで楽しみにしていました。
田舎の小さな宿だと思っていたのですが,実際は町の日帰り温泉に宿泊施設が付録でついているというものでした。昨年の秋にJR伊予線の下灘駅で夕景を見ようと泊まった「伊予プリンスホテル」や,この春にJR飯田線の秘境駅巡りをしようと泊まった「龍泉閣」と同じような感じでした。それはそれでよかったのですが,温泉が町の人たちで混んでいたのが欠点でした。いつものように,最も空いていると思われる夕食後すぐに行ったのですが,それでも数人の人がいました。
私は知らなかったのですが,「東北温泉」はお湯が黒いことでかなり有名なところでした。
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樹木や植物が地中に堆積し,約4,000万年前に亜炭の層になり,そこを通過して湧出したモール温泉は,天然保湿成分メタケイ酸を多く含んでいるため,美肌効果大! まろやかで肌触りがよく,入浴するだけで泥パックエステと同じ効果があります。
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ということです。
モール(Moor)は,ドイツ語で腐植質を意味し,モール温泉は火山活動由来の温泉と異なり,地下深く地熱で温められた湯を樹木や植物で抽出したものです。要するに,お茶や紅茶のような感じです。メタケイ酸(H2SiO3)は,ケイ素と酸素,水素の化合物で,コラーゲンの生成を助けて肌をみずみずしくしてくれる効果があるそうです。
「東北温泉」は,日本のモール温泉の中でも最も色が黒い温泉ということでした。それでも,東北地方太平洋沖地震の後は,以前よりも薄くなったと言っていました。
ちなみに,青森県では「お湯リンピック」と名づけられた5色の温泉があって,それらは「東北温泉」の黒,「不老ふ死温泉」の金,下風呂(しもふろ)温泉「まるほん旅館」の白,「古遠部(ふるとおべ)温泉」の茶,「新屋温泉」の緑だそうです。そんなことを知ると,今度はそれを制覇したくなります。
今回もまた,期せずして,こんなすてきな体験をすることができました。
温泉は賑わっていましたが,宿泊客は私だけでした。黒尽くしの夕食と翌朝の朝食をほかにだれもいない食堂で満喫しました。
そういえば,昨年の春,青森県を旅行したとき,野辺地から十和田市から奥入瀬渓谷を目指して走っていたときに見つけたのが「日本中央の碑」でした。そこは広い公園になっていて,保存館もあったのですが,帰宅後に地図を見ると,その場所もまた東北町だったので,「東北温泉」の近くだったのです。何か不思議な気がしました。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは
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