しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:特別編

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 今日は,フラグスタッフにあるローウェル天文台について紹介しましょう。
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 フラグスタッフ(Flagstaff)はアリゾナ州北部に位置する小さな都市で,人口は約5万人です。コロラド高原の南西端に位置し,標高が2,000メートルを超えます。このように,フラッグスタッフは高地に位置し,かつ,乾燥しています。冬を除いては概ね温暖で,青空が広がる日が多いところですが,冬の寒さは厳しいものです。標高が高いために,同じ州の標高330メートルのフェニックスに比べて夏の最高気温は10度以上も低く,摂氏27度ほどです。しかし,乾燥しているため,夜になると夏でも摂氏10度ほどまで下がって冷え込みます。また,冬は日中こそ摂氏4度から摂氏5度ほどであるものの,夜になると氷点下10度を下回ることもあります。
 7月や8月には夕立がよく起きます。年間降雨量は約570ミリメートル,降雪量は270センチメートルほどです。
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 1855年,エドワード・フィッツジェラルド・ベール(Edward Fitzgerald Beale)は,ニューメキシコ州リオグランデからカリフォルニア州フォートテホンへの道を調査していましたが,その道中でこの場所の東端にキャンプを張りました。エドワード・フィッツジェラルド・ベールとその部下は,すぐ側に立っていた松の木から枝を折って取り除き,星条旗を掲げるための旗竿としました。
 市の名まえであるフラグスタッフは1876年にアメリカ合衆国独立100周年を記念して立てられた旗竿に由来しますが,フラッグスタッフに最初の移民が住みついたのは1876年のことです。
 1880年代に入ると市は成長をはじめ,鉄道産業が栄えました。こうして,1886年ごろには、フラッグスタッフはアルバカーキと西海岸との間では最も大きな都市になりました。

 ローウェル天文台(Lowell Observatory)は,パーシヴァル・ローウェル(Percival Lowell)によって,1894年に標高の高さと視界のよさからフラグスタッフに設立された天文台です。
 私も見ることができた歴史的記念物に指定されている口径61センチメートル屈折望遠鏡は今も現役で,一般公開されています。61cm屈折望遠鏡は,1896年に20,000ドルの費用をかけて,アルヴァン・クラークによってボストンで製造され,アリゾナまで列車で運ばれたものです。
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 1900年代のはじめ,ウィリアム・ヘンリー・ピッカリング(William Henry Pickering)とパーシヴァル・ローウェル(Percival Lowell)は,天王星の軌道における摂動の分析からその存在が予測され発見された海王星と同じように,海王星の軌道もまた他の未発見の惑星「惑星X」によって乱されていると推測し,そのような惑星が存在する可能性のある天球座標をいくつか提唱しました。
 1905年,ローウェル天文台ではこの「惑星X」を捜索するプロジェクトを開始,プロジェクトはパーシヴァル・ローウェルが1916年に死去するまでの11年間続けられましたが,見つけることはできませんでした。
 ローウェルの死後の1929年,プロジェクトが再開されることになって,当時の天文台長であったヴェスト・スライファー(Vesto Melvin Slipher)がクライド・トンボーにこの仕事を預けました。クライド・トンボーは,ローウェル天文台の口径33センチメートルの天体写真儀で空の同じ区域の写真を数週間の間隔を空けて2枚撮影し,その画像の間で動いている天体を探すという方法で捜索を行いました。そして,撮影した膨大な写真を丹念に精査した結果,ついに,1930年2月18日,同年の1月23日と1月29日に撮影された写真乾板の間で動いていると思われる天体を見つけました。これが冥王星です。

 私はフラグスタッフというところにぜひ行ってみたかったことと,できればローウェル天文台を見てみたいとずっと思っていたのですが,2019年,やっとその念願がかないました。これもまた,今ではかなり幸運なことでした。それは,1年遅れていたら行くことができなかったからです。
 行くまでは,いろいろ調べても,ローウェル天文台がどのように公開されているのか,行けば見学できるものなのか,まったく見当がつかなかったのですが,気軽に中に入って,思う存分見学し,夜は天体観測会にも講演にも参加できるものでした。ここは,市民のための天文台でした。
 私は,冥王星を発見した望遠鏡に,何と,触れることまでできたのが,今では夢のような出来事です。
 星好きにはたまらない素朴な田舎町であるフラグスタッフは,私が住んでみたいアメリカの数少ない町のひとつです。


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 2018年の旅で,念願だったパロマ天文台を訪れたのですが,私が訪れたちょうどその日,天文台構内の駐車場の工事をしていて,中に入れませんでした。
 今にして思えばそのときの私は何にとりつかれていたのか,その翌年2019年にも再びそこに行くことにしたのがすごいことです。京都や東京だって,そう簡単に何度も行くことができるわけではありませんが,その当時は,ロサンゼルスなんて,私には精神的にそれくらいの距離でしかなかったのです。
 コロナ禍が起きていなければ,今もそんな感じで旅を続けていたのでしょう。しかし,今では遠い遠いところです。

 2019年は,パロマ天文台だけでなく,後に紹介することになるフラグスタッフのローウェル天文台をはじめ,バリンジャー隕石孔,さらには,大谷翔平選手まで見ることができましたが,これらのことは,2018年にパロマ天文台の中に入れなかったことで成し遂げられた奇跡なのです。まさに塞翁が馬でした。
 が,幸運はそれだけではなく,パロマ天文台を訪れたこの日が土曜日で,私が見たかったパロマ天文台の200インチ反射望遠鏡は,通常はガラス越しにしか見ることができないのですが,ドームの中に入って見学できるツアーに参加することができました。これもまた,もし2018年にパロマ天文台に入れたとしたらできなかったことでした。

 ロサンゼルスからパロマ天文台までは120マイル,約200キロメートルあります。
 ロサンゼルスで宿泊したモーテルから国道91を走り,アナハイムを過ぎて,さらに東に進んでいってインターステイツ15に入ります。そして,インターステイツ15を南東に進んでいって,テメクラ(Temecula)という町でインターステイツ15を降り,州道76に入る,という経路で走っていきます。テメクラからは一般道で,わずか36マイル,約60キロメートルの州道76は山道となるので1時間程度もかかり,リンコン(Rincon)という数件の家がある小さな町からさらに山道を走っていくと,やっと,パロマ天文台の口径500センチメートル反射望遠鏡の巨大なドームが見えてきます。

 門を通り過ぎて天文台の構内の道路を入っていくと,その先に広い駐車場があって,車を停めると右手にビジターセンターがあります。このビジターセンターもまた,土曜日と日曜日だけ開いているということでした。
 見学ツアーでは,まず,ドームの入口の前で望遠鏡の歴史のレクチャーがあってから,いよいよドームに入ります。ドームの1階部分では反射鏡の再メッキができる工場があって,それらの装置の説明ののち,端にある階段を上って,ついに,望遠鏡のある2階に登り,巨大望遠鏡と対面となります。 
 ドームはものすごく巨大で,外観もピカピカ,今も現役の口径500センチメートル反射望遠鏡はしっかりと整備されていて,ドーム内もきちんと整理整頓がされていました。


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 私は,星を見ること以上に天文台に興味がありましたが,それは,子供のころに買ってもらった「原色現代科学大事典」の第1巻「天文」に載っていた世界中の天文台を実際にこの目で見てみたいというのが動機でした。
 そうした望遠鏡は,ウィスコンシン州のヤーキス天文台にある口径102センチメートルの屈折望遠鏡,サンノゼ郊外のハミルトン山にあるリック天文台の口径91センチメートル屈折望遠鏡,サンディエゴ郊外のパロマ山にあるパロマ天文台の口径500センチメートル反射望遠鏡と口径122センチメートルシュミット望遠鏡,ロサンゼルス郊外のウィルソン山にあるウィルソン天文台の口径152センチメートルヘール望遠鏡と口径254センチメートルフッカー望遠鏡,アリゾナ州フラグスタッフにあるローウェル天文台の口径33センチメートル屈折写真儀などでした。
 しかし,ウィルソン山,パロマ山という名前だけは知っていても,それがどこなのかは全く認識がありませんでした。

 その後,知識も増して,そうした望遠鏡の多くが今は時代遅れのものとなっていることは知ったのですが,子供のころの夢はそんなこととは関係ありません。
 そこで,私はこのような望遠鏡が現在公開されているのならぜひ見てみたいものだという想いがどんどん強くなってきて,ついに出かけることにしました。
 しかし,一般の観光地とは違って,わざわざ行っても見られるものかどうかわかりません。ホームページを見ても,どんな様子なのか要領を得ません。行かなくてはことが進まないので,とにかく行ってみようと,2018年と2019年に天文台を見るためにカリフォルニア州に旅に出たのですが,今では,本当に行ってきてよかったと,強く思います。
 これもまた,もし,行っていなければ,今ごろはものすごく後悔していたことでしょう。

 実際は,2018年に行ったときは,もっとも期待したパロマ天文台は見ることができず,逆にあまり期待していなかったウィルソン天文台は偶然にも特別公開の日にあたって,そのすべてを見ることができたのは不幸中の幸いでした。
 2018年には行くことができなかったパロマ天文台は,その翌年にまた出かけて,ついに,念願のパロマ天文台にも行くことができて,しかも,見学ツアーに参加することができて,私は,長年の夢をすべて実現したのです。
 ここでもまた,私の強運が発揮されました。

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 1917年11月に完成したウィルソン天文台の口径254センチメートルフッカー望遠鏡でエドウィン・ハッブル(Edwin Hubble)は,星雲が実際には我々の天の川銀河の外にある銀河であると結論,さらに,ハッブルと助手のミルトン・ヒューメイソン(Milton L. Humason)は,宇宙が膨張していることを示す赤方偏移の存在を発見しました。
 この望遠鏡は世界最大のものとして君臨していましたが,1948年にパロマー山に口径500センチメートル反射望遠鏡を完成したことでその座を明け渡すことになりました。1986年に口径254センチメートル反射望遠鏡は一度は運用を終了しましたが,1992年に再び使用が開始されました。フッカー望遠鏡は20世紀を代表する傑出した科学装置なのです。
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 パロマ天文台については次回。


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 前回書いたように,マウナケアに憧れてはじめてハワイ島に行ったころは,まだ,南半球の星空は知らなかったので,ハワイが最も星見に適したところだと思っていました。
 ハワイ島もよかったけれど,観光客が星見をするには場所の少なく人も多かったので,もっと星見に適したところがないかと調べていて,マウイ島にハレアカラという夢のような場所を見つけました。そこでハワイ島に行った翌年に行ってみることにしました。
 ハレアカラはマウナケアとは違って,山頂まで舗装されていて,きわめて楽に登ることができました。日が暮れるとほとんどの人は下山するので,人もいなくなります。おそらくハワイの中で,一般人が星見をするのに最も適な場所ですが,何せ,ここは異国,ひとりで深夜の山の上で星見をするにはちょっと二の足を踏みます。ということで,私は,いいところだなあと思っても,1,2時間程度,満天の星を楽しんだだけでした。しかし,その数年後に再び行ったマウイ島でハレアカラのふもとの町クラに泊まったときにゲストハウスのベランダから見た星もすばらしいものでした。つまり,ふもとの町でも,十分に星を見ることができます。

 さて,今回は天文台の話です。
 このハレアカラにも天文台群があります。しかし,ここは完全に一般とは遮断されていて見学はできないので,遠くからドームを眺めるだけなのが残念ですが,いかにも研究施設という感じがします。前回書いたハワイ島のマウナケアより標高が1,000メートルほど低いのが難点ということですが,それでも富士山程度。何の何の,ここは最高のコンディションでしょう。
 ハレアカラにある施設を調べてみました。ウェブページから引用します。
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 驚くほどの透明度,乾燥した空気,そして静けさと,限られた光害のため,ハレアカラの頂上は世界で最も有数の天体観測の場所です。ここでは,ハワイ大学,アメリカ空軍などが運営する天体物理学の複合施設である「ハレアカラ天文台」があって,ここで行われている研究に世界中から多くの専門家が参加しています。また,空軍が運用する望遠鏡の中には,天体ではなく人工衛星の研究に携わっているものもあります。
 天文台は一般に公開されていませんが,ハレアカラアマチュア天文学者グループが主催する公開イベントがあります。
 以下,天文台にある望遠鏡についての紹介です。
●ミーズ天文台 (Mees Observatory)
 ひとつの赤道儀に多くの機器が取り付けられている独特なものです。
● アトラス (ATLAS)
 ハワイ大学によって開発され,NASAが資金提供する小惑星衝突早期警報システムです。
 100マイル,160キロメートル離れたふたつの望遠鏡で構成されていて,毎晩空全体を自動的にスキャンして接近天体を探します。
● パンスターズ PS1 and PS2(PAN-STARRS PS1 and PS2)
  単一鏡の試作望遠鏡PS1は2007年の8月に設置されました。さらに,現在はPS2がPS1の隣のドームに建設されています。多くの彗星を発見した望遠鏡として有名です。
●LCOフォークス天文台(LCO Faulkes Observatory)
 フォークス望遠鏡はラスクンブレス天文台グローバル望遠鏡ネットワーク(LCOGTN)の教育用です。
●TLRS-4レーザー測距システム(TLRS-4 Laser Ranging System)
 ハレアカラでの初期世代のレーザー測距実験であるLUREによって生成された衛星レーザー測距(SLR)データの時系列を維持するものです。
●東北 T60 and T40(Tohoku T60 and T40)
 日本の東北大学ハレアカラ天文台は惑星の外気圏・磁気圏からの微弱な放射を継続的に監視することを目的として、2006年3月に設置されたものです。
● 黄道光天文台(Zodiacal Light Observatory)
 黄道光天文台には次のふたつの機器があります。
 0.5メートルのコロナグラフです。この望遠鏡は多くの太陽および冠状実験に使用されます。
 デイ・ナイトシーイングモニター(DNSM)は,差分画像の動きを測定します。
●高度な電気光学システム(Advanced Elwctro-Optical System = AEOS)
 3.67メートルのAEOS望遠鏡は空軍で最大かつ最先端の望遠鏡システムです。
 ハワイ大学では,この望遠鏡で高解像度の可視および赤外線分光器と分光偏光計設備機器を操作しています。
●マウイ宇宙監視サイト(Maui Space Surveillance Site = MSSS)
 マウイ宇宙監視サイトは,アメリカ空軍フィリップス研究所の資産である空軍マウイ光学ステーション(Maui Optical Station = AMOS)の組織です。
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 以前,アメリカの国立公園の紹介をしたので,今回からは天文台をとりあげます。天文台はアメリカに限らず,日本もオーストラリアも見学したところがあるので,順に紹介していくことにします。
 星に興味のない人に天文台を見学に行くというと,星を見にいくと思う人が多く,望遠鏡を見にいくというと,そのどこがおもしろいのかと聞かれるのですが,それも当然です。それは,車に興味のある人がクラシックカーの博物館に行くのと同じようなものでしょうか。
 とはいえ,どんな望遠鏡でも見たいわけではなく,子供のころに図鑑で見たものを中心として,そのころに憧れた,いったいどんな山奥にあるのだろう,とか,どんなに大きいのだろう,とかそういった好奇心からくるものです。
  ・・
 私がそうした興味をもつようになった原点の本が3冊あります。
 1冊目は学研から発行された「原色現代科学大辞典」の第1巻「宇宙」に載っていた世界中の天文台,2冊目はこのブログにもたびたび登場する「月刊天文ガイド別冊・日本の天文台」,そして,3冊目は出口修至さんの書いた「アメリカ天文紀行・ふたたびキットピークへ」です。
 こうした本に書かれてあった天文台に一度でいいから行ってみたいものだとずっと思っていたわけです。

 では,はじめます。
 話は矛盾しますが,上記にあげた本にはかかれていないハワイ島マウナケアの天文台から,まずは紹介します。
 私は,ハワイというのは日本人観光客ばかり,という先入観から,あまり気が進みませんでした。それでも行ったのは,アメリカ合衆国50州制覇の目的を達成するためだったのですが,せっかく行くならということで目指したのがオアフ島ではなくハワイ島でした。それはハワイ島にはすばる望遠鏡をはじめとする多くの天文台がマウナケアの山頂にあるからでした。
  ・・
 ハワイ諸島の中で一般の人が行くことができるのは6島ですが,そのうち最も東側のある大きな島がハワイ島です。
 この島の中央にそびえるのが標高4,200メートルのマウナケア。実際,私は,この場所にお昼間と早朝日の出前の2度行きました。マウナケアの山頂には,世界最大級の天文台が13基あります。この望遠鏡のあるあたりは,ハワイ島のどこからでも見ることができるように思われるのですが,実は,ハワイ島でも地図の①で示したワイメアからと②で示したヒロからだけ山頂の天文台のドームを見ることができるのです。

 マウナケアにある望遠鏡のひとつが,日本の誇る口径8.2メートル,世界最大級のすばる望遠鏡です。しかし,すばる望遠鏡のドームを外から見ることはできても,事前にアポイントを取らないとその内部の望遠鏡自体を見ることは簡単にはかないません。
 私も,すばる望遠鏡の本体を見ることはできなかったのですが,すばる望遠鏡のドームは,見てきました。その代わり,お昼間に行ったとき,そのお隣にあるケック望遠鏡はこの目で見ることができましたし,ビジターセンターにも行くことができました。明け方に行ったときは,マウナケアの山頂にある多くの望遠鏡が,ゴーゴーと音を立てて観測をしている姿に感動しました。また,雲海から昇る朝日の美しかったこと。
  ・・
 すばる望遠鏡の最大の発見は「すばるディープフィールド」といって,くじら座のあたり,何もなさそうな場所を写したときに見つかった銀河団です。この銀河団は距離が100億光年,約90,00,000,000,000,000,000,000キロメートル(900垓キロメートル)の向こうです。宇宙の年齢は138億年といいますから,宇宙ができてわずか38億年経ったときの姿を見ているということになります。

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 これまで,2020年の夏に行く予定だったアメリカ旅行の幻の旅行記を書いてきましたが,今日がその締めとなります。
 ここ数年,アメリカに限らず,その他の国も,はたまた国内も,気が向くまま旅をしていただけに,それができないとなると,一抹の寂しさを感じずにはいられません。
 私の救いは,コロナ禍の前までに,子供のころから行ってみたかったところ,やってみたかったことのほぼすべてを成し終えていたことです。しかし,どこに出かけるにも,それなりの最も楽な方法を身につけ,便利な小道具などもすべて手に入れて,いつでも次の旅ができるようになっていただけに,それらを活用することがなくなったのが今は残念なことですし,使い慣れたキャリーバッグも部屋で眠っています。
 
 それにしても,地球,というか,この世というか,人類はこんなにも狭いところで生きているのかということを実感しました。コロナ禍のように,何かが起きれば,逃げ場などないのです。それなのに,依然として,権力争いやら覇権やらと,何と人類はバカで醜いのでしょう。ワクチンをわずかな期間で作り上げるだけの英知をもっているというのに,情けない限りです。
 私の親の世代は,最も多感な年代を戦争で無にしたために,それを一生背負って,社会をやっかんで生きていました。私も,早期に退職をせず,やりたいこともせずにここ10年あまり生きていたら同じだったことでしょう。この時期にやっと退職して,さあ,これからはやりたいことを,そしてまた,行きたいところに行こうと思っていた人たちは,その夢がすべて無になってしまったのは,耐え難いことでしょう。
 数年前は当たり前だった旅が再びできるようになる日が果たして訪れるのでしょうか。


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 アリゾナ州には多くの天文台があるので,幻になってしまった2020年のアメリカの旅では,そのなかからいくつか行ってみようと思っていました。しかし,実際に行ってみるとすれば,事前にしっかり調べる必要がありそうですが,調べる前にキャンセルになってしまったわけです。
 今,改めて調べていくと,こりゃ大変だという気がしてきました。前々回,前回に紹介した国立公園同様に,あまりに多くのおもしろそうなところがあるからです。
 今では,もし旅が実現していたとしても,行けなかったのではないか,また,この先も行くことができるのだろうか,複雑な気持ちがしています。
 いずれにしても,ここ数年のアメリカ旅行は,毎年,少しずつ行きたいところに行ってみようというくらいで,さほど想い入れがあったわけでもなく,単なる避暑気分の旅をしていたのでした。それもできなくなってしまいました。
 そんなこんなで,今日は天文台について紹介します。

●キットピーク国立天文台(Kitt Peak National Observatory)
 アリゾナ州ツーソン郊外の赤茶けた風景の中にキットピーク国立天文台は建っています。ここにある研究用望遠鏡群は世界最大級の規模と多様性を誇るといいます。
 日中は,敷地内を自由に見学したり,ガイド付きのプログラムや VIP プログラムに参加することができまるそうです。
 さすが,アメリカです。今は変わりつつありますが,かつては,日本では何か研究者は特権階級のように思っていて,一般の人を格下にみて謝絶する雰囲気がありました。
 キットピーク国立天文台では,夜もまた,一般用の観測プログラムがあって,遠方からも多くの参加者があるそうです。それらの中には,ゆっくりと楽しめるダーク・スカイ・ディスカバリー(Dark Sky Discovery)やナイト・オブ・マーベラス・ムーン(Night of Marvelous Moon)といったプログラム,また,オーバーナイト・テレスコープ・オブザービング・プログラム(Overnight Telescope Observing Program)では,専門家の指導の下で遥か遠い宇宙の天体を観察できるほか,3日間のアストロフォトグラフィーワークショップ(Astrophotography Workshop)で夜空の写真を撮影するための基礎を学ぶことができるそうです。
 さらに,トホノオオダム国立文化センターと博物館(Tohono Oodham National Cultural Center & Museum)が近くにあって,この地のアメリカ先住民の文化を学ぶこともできます。また、アリゾナソノラ砂漠博物館(Arizona-Sonora Desert Museum)の植物園では,アリゾナ州の自然史を学べます。
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●マクドナルド天文台(McDonald's Observatory)
 テキサス州西部のデイビス山脈(Davis Mountains)の奥地にあるマクドナルド天文台からは,アメリカ大陸で最も暗い空を見ることができます。起伏に富み,かつ,美しい風景に囲まれた展望台にはビジターセンターがあり,1年を通して見学できるといいます。また,毎週行われるスターパーティーでは,周囲の山々のシルエットを眺めながら満天の星を堪能できます。
 近くにはデイビスマウンテンズ州立公園(Davis Mountains State Park)があって,そこではハイキングやバックパッキング,乗馬などのアドベンチャーが楽しめるということです。また,フォートデイビス国定史跡(Fort Davis National Historic Site)では,開拓軍の駐屯地をガイドなしで見学できます。
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 そのほかにも,テキサス州には,レモン山スカイセンター天文台(Mt. Lemmon SkyCenter), グラハム山インターナショナル天文台(Graham International Observatory),フレッドローレンスウィップル天文台(Lawrence Whipple Observatory)などがあります。


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 2020年に行こうと思っていた旅では,さらに,これまで私が行っていないキャニオンデシェイ国定公園とメサベルデ国立公園にも行ってみたいと思っていました。
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●キャニオンデシェイ国定公園(Canyon de Chelly national Monument)
 キャニオンデシェイとはスペイン語で「岩の渓谷」を意味します。高さ300メートルの垂直な断崖が42キロメートルの長さにわたって続いていて,グランドキャニオンを小型にしたような感じだといいます。ここはナバホ族の居住地で,国定公園でありながら国有地がまったくないそうです。
 かなり辺鄙な場所にあるのですが,2019年,私が化石の森国立公園などに行ったとき,あと数日あれば行くことができたのに,と今では後悔しています。あのころは,いつでも行けると思っていたのに…。
  ・・
●メサベルデ国立公園(Mesa Verde National Park)
 メサベルデ国立公園は,今から1400年ほど前にこの地に住んだ先住民の遺跡です。
 今からおよそ1,400年前「緑のテーブル」とよばれるこの独特な地形であるこの地域に住んでいた人々は,高度な文明をもち繁栄していたのですが,約700年のちの14世紀に忽然と姿を消してしまったそうです。
 アメリカにはこんな歴史もあるのです。

 これらの国立公園を巡りながら,そのついでにフォーコーナーズにも寄ってみるつもりだったというのが幻になってしまった2020年の旅でした。
 今日の写真は,化石の森国立公園で写したものですが,このような遺跡がこの場所にもあるということでしょう。
 アリゾナ州というのは,知らないだけでずいぶんと奥が深い場所のように思われます。しかし,今では簡単に行くことができるところでなくなってしまったのが残念です。


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 2020年に行くはずだったアメリカ旅行でしたが,具体的な予定をたてる前にキャンセルとなってしまったわけです。この旅でなんとなく行きたいと思っていたのが,アリゾナ州の南部にある天文台と国立公園,そして,アリゾナ州の東部からニューメキシコ州にかけての国立公園,そして,フォーコーナーズモニュメントでした。これらの場所は,すべて行くことができるような,または,行けないような,微妙な距離にあります。
 とはいえ,それはいつものことで,もし,この旅が実現できていたとすれば,私は無理やりでもおそらくそのすべてに行っていたことでしょう。アメリカの距離感は日本とはまったく違います。しかし,道路は整備され,交通量も多くないので,かなりの距離が走れるのです。
 では,上記に書いた,行きたかった場所について,順に紹介することにします。

 今日はアリゾナ州の南部にあるサワロ国立公園とチリカワ国定公園です。
 地図を見ると,ともにインターステイツ10に近く,私は,以前,テキサスから西に,エルパソまでインターステイツ10を走ったことがあるので,もう少しだけ西へ走っていたらそのときに行くことができたのにと,今更ながら後悔しています。
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●サワロ国立公園(Saguaro National Park)
 サワロというのはハシラサボテンのことで,アメリカ最大のサボテンです。
 いわゆる,日本人が想像する西部劇にでてくるようなサボテンですが,10メートルを越えるような大きさに成長するのは4000万個のうちの1個ほどだといいます。
 こうしたサボテンは,フェニックスの郊外にも時折みられますが,フェニックスから南に行ったツーソンという町の西側と東側にあるサワロ国立公園に行くと,地平線のかなたまでサボテンだらけなのだそうです。
 そんなサボテンの林を見るだけ,といえばそれだけの国立公園なのでしょうが,しかし,アメリカの他の国立公園同様,行ってみたら期待を裏切ることはないでしょう。
 と書いてたら,ますます行きたくなってきました。
 なお,世界最大のサボテンというのはメキシコのカリフォルニア半島に育つカルドン(Cardon)というサボテンです。根元から腕が伸びるのが特徴で,高さは20メートルに達し,重量は25トンになるといいます。
  ・・
●チリカワ国定公園(Chiricahua National Monument)
 ここは,地平線まで広がる砂漠に忽然と緑濃い小さな山並みが見えてくるのだそうです。それは2,700万年前の巨大な火山の噴火の跡で,その際にできた火山岩が浸食されて奇怪な尖塔の群像になったものだといいます。まるで岩の墓場のような不気味な表情は独特なものということですが,訪れる人もほとんどなく,静けさに支配されている… と知れば,これはいつか行くしかないでしょう。 

 以下,次回に続きます。


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 幻となってしまった2020年夏のアメリカ旅行は,その1年前2019年夏のアメリカ旅行同様,フェニックスまで行くことにしていました。フェニックスでレンタカーを借りて自由に旅をするのです。
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 フェニックス(Phoenix)はアリゾナ州にある都市で,砂漠の中心にあります。愛称は「太陽の谷」(Valley of the Sun)。
 1867年に灌漑事業と共に創設され,開拓者が都市を創設しました。 20世紀前半からはニューディール政策によるコロラド川の電源開発,ルーズベルトダム,フーバーダム,クーリッジダムの開発によって無尽蔵の電力を供給,軍事産業に関わる航空機産業や電器機械工業が発展していって,今日では半導体などのエレクトロニクス産業,また,観光都市としても発達しています。
 安価な労働力と広大な土地,安い税金,そして,精密機械製作には好適な温暖で乾燥した気候,大消費地への近さという条件があいまって,急速に発展しました。
  砂漠気候に属し,年間を通して温暖で,夏は摂氏40度を超え、非常に暑いのですが乾燥しています。冬は摂氏20度を超える気温となり,摂氏4度以下に下がることはほとんどないので保養都市となっています。
  ・・・・・・

 私がフェニックスにはじめて行ったのは2000年のことでした。そのころはまだまだ素朴な町でした。
 2019年に再び行ってその発展に驚きましたが,空からみた町は当時の面影がありました。
 空港はアメリカの多くの空港の中でも乗客が多いと聞きましたが,そんな雰囲気はまったく感じられず,思ったよりも静かでした。
 私は都会には興味がないので,レンタカーを借りて,ともかくフェニックスの市街地から早く脱出したいと思いましたが,インターステイツがきちんと整備されていたので,予想以上に順調に走ることができました。フェニックスから郊外に出ると,あたりにはサボテンをたくさん見ることができました。
 また,近くには西部開拓時代の面影を残すような小さな町がたくさんあって,気に入りました。
  ・・
 そこで,2020年の旅もまた,1年前と同様に,フェニックスで車を借りて,とにかく一刻も早く町から出て,あとは,アリゾナ州の大自然をドライブするのを楽しみにしていたのですが,実現することができず,残念に思います。
 これを書きながら,もし,将来再び行くことができるようになったなら,やはり,このコースの旅がしてみたいと強く感じるのです。


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 「特別編・2020夏幻のアメリカ旅行LIVE②」を載せたのが8月11日で,その後中断して,この旅でも行く予定だったアメリカの国立公園のうち,これまでに出かけたところについてずっと紹介してきましたが,それも終了したので,再び「2020夏幻のアメリカ旅行LIVE」を続けます。

 日本からは,アメリカに行くのもヨーロッパに行くのもオセアニアに行くのも,どこも9時間程度のフライトなので,少し余分にお金を出して座席をちょっぴりグレードアップすれば,きわめて快適に行くことができることを知ったのですが,今ではこれも夢のように思えます。  
 2,3年前の私は,このようにしてエコノミークラスから少なくともエコノミーコンフォートに変更して,さらに優先搭乗をし,トランジットする空港ではラウンジで過ごしていました。また,座席も事前にネットで予約をするというように,ずいぶん旅慣れていました。
  ・・
 実は,空港の手続きがもっとも面倒なのは,今ではIT後進国となってしまった日本です。これもまた,いつものやったふり社会で,意味のない書類が多すぎて,本当に必要なことが何なのかさっぱりわかりません。出国と入国も自動でできるようになったのにかかわらず,以前のようなスタンプが欲しい人は別の窓口に行くとか,そんなものはきっぱりとやめてしまえばいいのに,そういうことがつねにどっちつかずなのです。

 さて,現地に到着したら,入国審査があるのですが,これもまた,アメリカではキオスクという装置で簡単に済みます。こういう場所での人の流れの方法は,お国によってずいぶんと違います。
 ここまで手続きをストレスなく終えるコツは,荷物をできる限り少なくすることです。仕事ならともかく,私のような単に観光で海外旅行をする場合は,特に,持ち物をなるべく少なくすることが楽に旅をする秘訣なのです。
 そんなこともあって,カメラなど,軽くて小さいものに限るのですが,さらに,荷物はできる限り預けずに機内持ち込みにするようになっていました。
 アメリカに到着して入国手続きが終われば,その先は,国内線への乗り換えになるわけで,そうなればあとは国内旅行をするのと変わらなくなります。私もすっかりアメリカ人になったつもりで行動をすることにしていました。

 それにしても,行くたびに思ったのですが,日本とアメリカでは航空路線というものの考え方がずいぶんと違います。
 アメリカでは航空路線というは日本の鉄道のようなものです。よくもあれほどの人が利用して,あれだけ多くの路線があるものだと感心するくらいです。そしてまた,実際はどれだけ間違いがあるのか,私は一度も間違えられたことがないのでわかりませんが,預けられた多くのカバンがほぼ確実に振り分けられること自体が奇跡のように思います。
 旅をしていると,いろいろと不思議なことに出会います。

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●エバーグレーズ国立公園(Everglades National Park)
 今日は番外編です。
 というのは,私はフロリダ州のエバーグレーズ国立公園に行ったことがあるのですが,それは今から23年前の1998年のことで,写真がありません。記憶もあいまいです。そこで,その代わりに,2016年に再び出かけたフロリダ州の最南端にあるキーウエストについて書くことにします。
 その前にエバーグレーズ国立公園の紹介を少しだけ。
  ・・・・・・
 世界遺産に登録されているエバーグレーズ国立公園はさまざまな植物や動物が生息する美しい土地です。
 多様な生態系が見るという国立公園で,沼地,湿地,深い草原,マングローブが形成する他では見られない地形が形成されていて,マナティー,アリゲーター,フロリダパンサーなどの希少動物や絶滅危惧種の動物が生息しています。そうした自然をエアボートに乗って巡ることで味わうというのがこの国立公園です。
  ・・・・・・
 私は,確か,車で周ったように思うのですが,今では,その後に行ったルイジアナ州のニューオリンズ郊外のスワンプと印象がごっちゃになってしまっています。

〇キーウェスト(key West)
 では,キーウエストです。
 マイアミからキーウエスト島までを繋ぐのが有名なセブンマイルブリッジ(Seven Mile Bridge)です。名前のとおり7マイル,約11キロメートルにわたって海の上に掛かる橋です。
 橋の両側はマイアミのきれいな青い海が広がっていて、キーウエスト島までのドライブでは絶景を眺められます。
 キーウェスト島はキューバと近く,キーウエスト島からマイアミまでの距離の3分の2しかありません。街並みもフロリダというよりはキューバに似ています。
 また,小説「老人と海」で有名な作家ヘミングウェイが1931年から住んでいた家があって博物館になっているのですが,有名なのはここに住むネコが6本指だということです。
 私は,中学生のころにふと知ったセブンマイルブリッジだったのですが,そのころは,まさか行くことができるとは思いませんでした。しかも,なんと2度も行くことになりました。しかし,1998年のころとは違って2016年に行ったときはあまりの観光客の多さにげんなりとしました。ここでもまた「2度目の幻滅」でした。多くの場所は,1度目の印象が思い出として拡大し,実際に2度目に行ったときにはがっかりしてしまうのです。
 2度目に行ったとき,この島で私が最もやりたかったのは国道1号線の始発,そして,終点のサインボードを写すことでした。そういえば,オールドルート66の始発,終点のサインボードがシカゴとロサンゼルスにあってこれを写したいという夢はまだ実現していません。
 そうだった,書きながら思い出しました。私は,「66歳でオールドルート66を完走する」という夢があったのです。でも,このご時世では無理そうです。


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●グランドティトン国立公園(Grand Teton National Park)
 これまで私の行ったアメリカの国立公園の紹介をしていましたが,最後にグランドティトン国立公園をとりあげます。
  ・・
 1953年に製作された映画「シェーン」(Shane)のロケ地となったのがグランドティトン国立公園です。私が生まれる前の公開なのでもちろんこの映画は見ていなかったのですが,なぜかラストシーンの「シェーン・カムバック」("Shane, come back!")は知っていました。馬上のシェーンは振り向きもせず立ち去るのですが,この映画をのちにテレビで放送されたときに見ました。
  ・・
 グランドティトン国立公園はイエローストーン国立公園の南に位置していて,標高13,770フィート,約4,200メートルのティトン山から名づけられ,1929年に国立公園に指定されました。「アメリカで最も美しい国立公園」といわれています。
 グランドティトン国立公園はハイカーのためにほぼ200マイル,300キロメートルにわたる道があるといいますが,もちろん私は歩いていません。
 山々を望むビューポイント「ジャクソンレイク」からの眺めは水面にティートン連峰が映し出されて壮観です。私は,この湖からの景色が最も思い出に残っています。
 また,草原に建つ小さな教会「トランスフィギュレーション教会」 (Church of Transfiguration) はまさに圧巻で,祭壇の後ろ側には大きな窓ガラスがあって、その窓の外に広がるティートン連峰の荘厳な風景は忘れられないものです。

 これで私が行ったことのある国立公園の紹介は終わりです。
 こうして書いていて,これまで風化していた記憶がよみがえってきました。毎年旅をしていたころは,またいつでも行くことができると思っていたのですが,いざそれがストップしてしまうと,こうした様々なところに行くことができたのはとても幸せなことでした。
 どこもすばらしい所なのですが,世界にはまだ行っていないところもたくさんあるので,一度でも行ったところにリピートするとなると,よほどそこが気に入らない限りなかかな困難なことです,人生は長いのか短いのか,世界は広いのか狭いのか…。やはり,人生は短く世界は広いのでしょう。
 いずれにしても,これまでにこうした多くの経験ができたのは本当に幸運なことでした。
 また,できるなら,10年前に戻って,ひとつひとつ行き直してみたいものだと思います。


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 2004年というから,早いもので今から17年前,私は,ずっと夢だったアメリカをひとりでトライブすることにもすっかり慣れて,調子に乗って,イエローストーン国立公園への旅に出ました。無知だったというか,怖いモノ知らずだったというか,シアトルからその日のうちにイエローストーン国立公園まで行こうという強硬スケジュール,しかも泊まるところなんて到着してから考えようというものでした。
 さすがに途中のアイダホ州のカーダーレイン(Coeur d'Alene)で夜になり,なんとかモーテルを探して1泊したまではよかったものの,その翌日にモンタナ州のビュート(Butte)で交通事故に遭ってしまいました。ひとつ間違えば,ここで私の人生は終わっていたのです。
 事故も癒えたその2年後の2006年,再び2年前の旅を実現しようと,さすがに今度は個人ツアーを組んで出かけました。成田からミネアポリスまで行って乗り換え,モンタナ州のボーズマン,そこからは個人ツアーでしたが,イエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園は現地ツアーに参加しました。
 これから紹介する2006年の旅は,私には最も忘れられないものとなりました。そして,今に続く私のアメリカ旅行の原点でもあります。

●イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)
 アイダホ州,モンタナ州,ワイオミング州をまたぐイエローストーン国立公園は1872年に世界初の国立公園に指定されたところです。アメリカでも人気のある国立公園ということで,そうとは知らず出かけたのですが,後で知ったことには,ハイシーズンにここに個人で行くというのはかなり無謀なことだったのです。
 イエローストーン国立公園の面積は東京都の面積の4倍以上あります。さまざまな間欠泉や地熱によるホットスポットで有名です。また,グリズリーベアやオオカミ,バイソンやエルクなどが生息する野生動物の宝庫としても知られています。
  ・・ 
 アメリカ最大の熱水泉「グランド・プリズマティック・スプリング」(Grand Prismatic Spring)は世界でも第3番目の規模ということで,まるで地獄絵のようでした。
 「オールド・フェイスフル・ガイザー」(The Old Faithful Geyser)は有名な間欠泉で,イエローストーン国立公園のシンボル的存在,100年以上もの間約80分毎の一定間隔で熱水を30メートルから50メートルまで吹き上げるということでしたが,私が見たときは期待はずれでした。
 「マンモス・ホットスプリングス」 は流れ出る温泉に含まれる石灰分が長い年月をかけて蓄積され白い段々畑のようになった不思議な景色が広がります。見るときによって景色が異なるといいます。
 また,イエローストーン国立公園の中心に広がる雄大な「イエローストーン湖」。
 というように,見どころは満載で,私は,現地ツアーに参加したおかげで,要領よくすべてを見ることができました。
  ・・
 私がこの旅で忘れられないのが,ツアーで多くの友人ができたこと,そして,夜宿泊したモーテルのあったウェストイエローストーン(West Yellowstone)という小さな町でした。
 もう二度とこんな楽しい旅はできないだろうなあと思うと,いつも寂しく感じます。 


◇◇◇
「ほぼ」皆既月食。
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●デビルズタワー国定公園(Devils Tower National Park)
 2012年に行った国立公園などについて紹介を続けます。
 このころはまだアメリカについて知らないことも多かったので,どこに行ってもときめきがありました。むしろ知らないということはメリットがあるようですが,今再び行くとすれば,どういう旅をするのかな? と思ったりもします。
 このデビルズタワーは,結局はマグマの塊が地上から突き出ているというだけのところで,アメリカのほかの雄大な多くの国立公園から比較すればスケールという点では見劣りがします。それに,サウスダコタ州なんて,簡単に行くことができるところでもないので,わざわざここを目的に行ったことのある日本人もさほど多くないように思えます。
 私も,モンタナ州ビュート郊外で交通事故に遭ったということがなければ,この旅はしなかっただろうし,そうであればデビルズタワーには行っていないと思うと,なにか不思議な気がします。
 とはいえ,デビルズタワーは映画「未知との遭遇」で有名な場所には違いがありません。
  ・・
 サンダンス(Sundance)という小さな町からデビルズタワーを目指しました。この日は,現地にすむ日本人を雇った個人ツアーだったので,いろいろと解説をしてもらって楽しい時間になりました。
 デビルズタワーというのは,地下深いところにあった巨大なマグマのかたまりが地層を貫いて地表まで上昇したものが,やがて,まわりの軟らかな地層が侵食されて削られて,結果として,この塊だけが,タワーのように残ったものということです。
 高さは約400メートル近くあって,ロッククライミングの名所ということで,数人のクライマーが登っている姿を見ることができました。1893年,はじめて登頂したときに残したはしごがあって,注意深く探すとそれを眺めることができます。また,1周するトレイルがあって,これを歩くと,タワーは,場所ごとに姿を変えて,そのどれもが壮大でした。
 頂上はサッカー場くらいの平原になっているということで,5,6時間で登はんできるそうです。そこで,山頂まで行ってサンドウィッチを食べるのが乙なモノだと聞きました。とはいえ,軟弱な私には縁のない話ですけれど。また,不思議なことに,ここに登ったことで事故が起きたことは今までにないそうです。
 頂上が写った写真を何とか見つけ出したのでここに載せておきます。タワーというよりも切り株みたいに見えます。

無題


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 2012年,私は,グレイラインの日帰りツアーに参加して,マントラッシュモア国立記念碑,クレイジーホースメモリアル,そして,カスター州立公園を巡りました。
 おそらく,今行くのなら,そういった現地ツアーに参加することもなく,個人で巡ったことだろうと思うのですが,むしろ,このツアーに参加したことで,観光用の列車にも乗れたし,結構混雑するこのあたりを楽に観光できたのが幸いでした。
 では,今日は,そのときのツアーで行った中からカスター州立公園を紹介します。ただし,残念なことに,カスター州立公園だけは,バスの車内からの観光となって,現地を歩けなかったのがこころ残りです。ツアーというのは快適な反面,こうした自由度に制限があるのが難点です。
 おそらく,多くの旅行者は私の参加したようなこうしたツアー旅行をしているだろうから,私がこれまでこのブログで書いていたようなちょっと変わったところには行くことができないだろうなと思います。

●カスター州立公園(Custer State park)
 カスター州立公園はマウントラッシュモアの南側に広がる大平原です。公園内をワイルドライフループロード(Wildlife Loop Rd.)
が走っています。この道路は野生のバイソンの群れが見ものである全長18マイル,約30キロメートルにわたるドライブコースです。
 ということなので,どうやら,カスター州立公園は,バスから降りて散策するようなところではなくて,車中からバイソンの群れを見れば十分,という理由で降りることができなかったのでしょう。
 ガイドブックによると
  ・・・・・・
 1913年に禁漁区として設立されたカスター州立公園にはおよそ 1,300頭の放し飼いのバイソンの群れが生息しています。エルクやシロオジカ,ミュールジカ,ビッグホーンシープ,マウンテンゴート,プロングホーンの大群もいるし,アナグマ,ビーバー,コヨーテ,ワシ,キツネ,タカ,ジャックラビット,プレーリードッグ,七面鳥を目撃できるかもしれません。
  ・・・・・・
ということなので,ここは自然の動物園という感じなのでしょう。
 それにしても,今,写真で見ても,ものすごい数のバイソンです。私は,アメリカ旅行の初期の段階からこのような景色を見慣れてしまったので,野生のバイソンなんて当たり前にアメリカにごろごろいるものだという印象になっていたのでしたが,実際は,都会に住むアメリカ人にもこうした野生のバイソンは珍しいもののようです。

◇◇◇


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●クレイジーホースメモリアル(Crazy Horse Memorial)
 クレイジーホースメモリアルはサウスダコタ州の西部ブラックヒルズの山中にある巨大な岩面彫りの彫刻です。アメリカインディアンのスー族(Sioux)の戦士クレイジーホース(Crazy Horse)をイメージしたものです。
 クレイジーホースは米軍や白人入植者の侵略からラコタ族の領土や、聖地ブラックヒルズを守るために戦った戦士のひとりです。
  ・・
 1947年,ラコタ族のヘンリー・スタンディング・ベア(Henry Standing Bear)が「わしらインディアンにも偉大な英雄がいることを白人達に知って欲しい。マウントラシュモアよりも大きな彫刻を造ってくれないか」とコルチャック(Korczak Ziolkowski)に依頼したことではじまったといいます。1982年,コルチャックが亡くなるとその後もコルチャックの家族がその遺志を継いで彫り続けていますが,いつ完成するやら…。
 私はマウントラッシュモア国立記念碑を見るためにグレイラインツアーに参加たのですが,このツアーではそれ以外にこのクレイジーホースメモリアルの見学が入っていました。もし,個人旅行だったら行かなかったかもしれません。
 クレイジーホースメモリアルは完成時には世界最大の彫像となるとのことだけれども,現在完成しているのは頭の部分のみで,正直いって,何だこりゃ,という感じだったし,以前テレビで見たときもなにかいかがわしい感じがしました。しかも,遠くの展望台と売店のある場所から眺めるだけで,近くに行くには,さらに,お金を出して乗り物に乗る必要があるということでした。
 要するに,ツアー旅行で必ずその会社と癒着する土産物店に連れて行くようなもので,クレイジーホースは,いかにも,マウントラッシュモア観光の団体客を目当てにした観光施設であったのですが,マウントラッシュモアに連れて行った以上はこの場所行かなければいろいろな問題があるような,そうしたアメリカの歴史上の微妙なことがあるような気がしました。
 おまけに,ここのレストランで昼食を,ということだったのに,中国人の団体客でごった返していて入れず,私の印象は最悪でした。
 いずれにしても,アメリカの国立公園は自然こそであって,人間の作った人工物というのは何であれそれとくらべてしまうとすべて見劣りがします。


◇◇◇
藤井聡太竜王誕生,
史上最年少四冠達成。

王位,棋聖,叡王に続いて竜王を獲得しました。
無題


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 テオドアルーズベルト国立公園,バッドランド国立公園と,2012年に行ったノースダコタ州,サウスダコタ州,ワイオミング州の国立公園の紹介をしています。
 私は2006年にアメリカ旅行をしてから6年間アメリカ旅行ができませんでした。それは,この期間は私にとって「悪夢の5年間」だったからです。この5年間は,私の人生にとって無意味な時間以外の何ものでもありませんでした。しかし,その後の楽しい時を考えると,ある意味では充電期間だったのでしょう。その5年間を思えば,現在のコロナ禍もたいしたことではないのかもしれません。しかし,50代の5年間と60代の5年間というのは重みが違いすぎます。
 2012年の旅は,ノースダコタ州に行ってみたいということが動機でしたが,今とは違って手探りだったことが多く,そのために,グレイラインの現地ツアーを利用したり,現地の日本人ガイドを雇って旅をしたりしました。そこで,自由度が少なかったのが悔やまれるのですが,それはそれで個人旅行では行けなかったところにも行けたというメリットもありました。
 今思い出すと,もう一度,今度は自由にこの場所に行ってみたいような気もしますが,おそらく行くことはもうないでしょう。人生はかくも短いものです。

●マウントラッシュモア国立記念碑(Mount Rushmore National Memorial)
 私は,グレイラインの現地日帰りツアーでマウントラッシュア国立記念碑,クレイジーホースメモリアル,カスター州立公園の観光をしました。
 マウントラッシュモア国立記念碑は,ワシントン(George Washington),ジェファーソン(Thomas Jefferson),テオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt),リンカーン(Abraham Lincoln)の4人の大統領の彫像姿が岩山に彫られたもので,あまりに有名なのですが,それがどこにあるかを知る日本人は意外と少ないものです。さらに,行った人はもっと少ないでしょう。
 作られたのは1927年からの14年間なので,今も作業に携わった人の中には存命の人がいて,現地ではそういった人による講演会をやっていました。しかし,この記念碑は資金不足で途中で中断してしまい,首から下のあたりができていません。考えようによっては,これは自然破壊です。
 国立なので,周囲にはとても立派な建物がありますが,日本で目にするのは像の部分だけなので,周囲がどうなっているかを知る人も少ないと思うので,今日はそうしたことがわかる写真を載せておきます。私も行ってみて,ずいぶんと立派なので驚きました。
 まず,アメリカ合衆国50州の州旗が並ぶアベニューオブフラッグス(Avenue of Flags)をまっすぐ抜けるてグランドビューテラス(Grand View Terrace)とよばれる展望台に出ます。そこから展望台の左手からはじまるプレジデンシャルトレイル(Presidential Trail)があって散策するということになります。1周1キロメートルあまりの周回路からは,角度を変えてワシントン,ジェファーソン,テオドア・ルーズベルト,リンカーンの4人の大統領の彫像姿を見上げることができます。
 また,展望台の下には博物館やみやげ物店や食堂もあって,映画も上映されています。


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 2015年の旅,私の目的地はノースダコタ州でした。そのころ何かにとりつかれたかのようにアメリカを旅していたのですが,元来のひねくれもの,行きたいところはめったに人が行ったことがないところでした。
 それ以前,ネットで,アメリカ合衆国50州制覇を目指しているのだけれど,ノースダコタ州にはまだいったことがないという人のブログを読んでアメリカ50州を制覇したくなり,ならばまずはノースダコタ州だと決めたからでした。
  ・・
 今にして思うに,もっと仕事は適当にやって,さらに生活からムダを絞り,義理は捨て,アメリカ旅行一途で若いころから過ごしていたら,どんなにか充実した生き方ができたのだろうと思うのですが,人生一度,はじめは自信もなく世の中を知らず,試行錯誤の繰り返しと煩悩のかたまりでは,なかなかうまくいきません。
 それでも,今までにこれだけのことができたのだから,自分ながらまだマシだったとは思います。今からこれだけのことをやろうと思ったってできません。それに,このコロナ禍,今ごろ定年退職して,これまでの仕事一途と別れを告げ,さあ,旅をするぞと思っていた人が気の毒でなりません。
 私はこのごろ痛感するのですが,人間という複雑なメカは65歳までが正常に機能するのであって,それを越えると保証期間が過ぎてしまい,急激にあちらこちらがダメになるのです。

●バッドランド国立公園(Badlands National Park)
 さて,ノースダコタ州に行く前にサウスダコタ州にも寄ることにしました。ここにも多くのおもしろい場所があるからです。まずはバッドランド国立公園です。
 バッドランドとは,つまりは荒れた土地です。一面,灰色の荒地が続きます。
 インターステイツ90はラピッドシティから約1時間,ウォールを過ぎると,南側のはるかかなたに国立公園の雄大な山々が連なっているのが見えてきます。
 バッドランド国立公園は西側のアクセスポイントであるウォールから,東側のアクセスポイントであるカクタスフラットという町まで続いています。
 インターステイツ90沿いの南側遠くにバッドランド国立公園は雄大です。
  ・・
 バッドランド国立公園のなかにはバットランズループが走っていて,ところどころにあるみどころで駐車し,トレイルを散策しながら,公園をめぐることになります。
 ドアトレイルを歩くと,展望ポイントからは延々と,この世のものとは思えない景色が続きます。   また,途中にはしごのあるのはノッチトレイルで,道なき道を1.5マイルも進むと,山の迫った平原のような異様な景色が広がります。それは,まさに地球の景色じゃないのです。
 さらに30分も歩くと,眼下には,延々とサウスダコタ州の大地が広がっています。まさに絶景です。  ビジネスセンターのあるシーダーパスからは屏風状の岩山がそそり立っているのが見えます。
 その次は,フォッスルトレイル,つまり,化石の道です。
 最後のピナクルズでは,360度広がる地球創世期のような景観を味わうことができます。
  ・・
 以下,おまけです。
 ウォールの町にはウォールドラッグというお店があります。ここはバッファローバーガーで有名なところです。

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●フォートアブラハムリンカーン州立公園(Fort Abraham Lincoln State Park)
 2012年,念願のノースダコタ州に行くことができた私は,州都ビスマルクの隣町マンダン(Mandan)にモーテルを見つけて宿泊しました。

 近くに何か見どころがないかなと調べてみると,フォートアブラハムリンカーン州立公園が近くにあるということだったので,行ってみることにしました。
 こんなところに行った日本人なんてめったににいないことでしょう。
 緑に覆われたミズーリ川の堤防をずっと走っていくと,やがて,州立公園の馬鹿でかい敷地の入口に到着しました。
 この州立公園は,南北戦争で立身出世してインディアンと戦ったジョージ・アームストロング・カスター(George Armstrong Custer)将軍が最後に住んでいた家やら軍隊の宿舎やらを再建したものです。とはいえ,アメリカ人が関ヶ原の戦いの古戦場を訪れるようなもので,私にはさっぱりわかりませんでしたが。
 ツアーが実施されていたので参加すると,カスター将軍の家の中を案内してくれました。
 また,この公園の奥にはオンアスランドインディアンの村(On-A-Slant Indean Village)というのがありました。ドーム型の住居が5つ再現されていて,そこでも,ツアーがあったのですが,ツアーといっても参加者は私ひとりでした。

 英語のホームページがあったので,そこから引用してみます。
  ・・・・・・
 1907年に設立されたフォートアブラハムリンカーン州立公園はノースダコタ州で最も古い州立公園です。 公園内にあるのは1575年ごろにマンダン族によって設立された最初の村です。
 マンダン族はアメリカのインディアン部族です。天然痘による壊滅前までは「人間」という意味の「ヌマカキ」(Numakaki)または「メチュタハンケ」(Me-too´-ta-häk)と自称しました。また,ダコタスー族の言葉で「マワタニ」(Mawátani)ともよばれ,ノースダコタ州の平原地帯最北部に定住していました。
 この村は傾斜した平原に建てられたため,オンアスランドインディアンの村と名づけられました。人口は約1,500人でした。住民は釣り,狩猟,作物に依存していましたが,1781年の天然痘の流行で村人の大部分が亡くなり,その場所は放棄されました。
 1872年,米軍はマッキーン砦(Fort Mackeen)とよばれる廃墟の近くに歩兵の駐屯地を設立し,アブラハムリンカーン砦(Fort Abraham Lincoln)と改名されました。1873年には北部平原で最大かつ最も重要な砦のひとつになり,約650人の兵士を収容しました。

  ・・・・・・

◇◇◇
月齢3.5の月と金星。

11月8日。
お昼間に金星を月が隠す金星食があったのですが,
曇っていてみられませんでした。
写真はやっと雲が切れた一瞬に写した夕方の姿です。 DSC_0421s


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●テオドアルーズベルト国立公園(Teodore Roosevelt National Park)
 ノースダコタ州にテオドアルーズベルト国立公園はあります。「地球の歩き方」のアメリカの国立公園編にも掲載されておらず,情報のほとんどありません。
 そもそも私が2012年にノースダコタ州に行ったのは,アメリカ人でさえもほとんど行かない,まして,日本人で行ったひとなんてほどんどいないというのが理由でした。
 アメリカの映画やドラマのセリフでノースダコタ州が出てくるのはそのほとんどが「辺鄙なところ」としてです。気の毒な限りです。私もノースダコタ州に行ったことのある変な日本人だとアメリカ人の友人たちには思われています。
  ・・
 テオドアルーズベルト国立公園は,ノースユニットとサウスユニットに分かれていて,どちらのユニットもビジターセンターのあるゲートから伸びている道をドライブすることができるのですが,私が行ったときも自然災害でノースユニットのほとんどは閉鎖されていました。また,夏のハイシーズンだったのですが,ほとんど人はいませんでした。
 その後,まさまざまな災害が起きたので,今,公開されえているのかどうかは知りません。 ただ,私はふもとの町メドラの町の野外劇場で今年もミュージカルをやっていたのは知っています。
  ・・
 ノースユニットでは閉鎖された場所の手前そこで見たのはロングホーンという野生の牛の群れがいる平原とそのはるか向こうに生息するバッファローの姿でした。
 サウスユニットは1周するのに2時間くらいでした。
 ゲートを越え,インターステイツ94をまたぐ橋を通ります。インターステイツ94自体が国立公園の南端を駆け抜けています。ループドライブは道からはどこも見ても360度の絶景でした。途中にバッファローの群れが住む平原があったり,野生の馬に出会ったり,また,別のところでは野生の鹿に出会ったりしました。極めつけは,バックヒルというところで,そこは国立公園のもっとも高い地点,360度の絶景が広がっていました。
 テオドアルーズベル国立公園のよいところは,なんといっても,ほとんど観光客がいないことで,国立公園を独り占めにできる状態でした。そしてまた,アメリカの観光地は,マイナーなところほど親切なので,それもまた,私には気持ちがよいのでした。

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●「キングズキャニオン国立公園」(Kings Canyon National Park)
 キングスキャニオン国立公園とセコイア国立公園は一体となっていて,途中にゲートがあったりはしません。ともにジャイアントセコイアの森ですが,キングスキャニオンの方は,そのまま深い渓谷に続いています。
 この地は,ある者は谷の西端にダムを建設しようとし,ある者は公園として保護しようとしたのですが,1965年に谷全体が「グラントの森国立公園」に編入されたときにやっと国立公園としてその自然が守られるようになりました。
 コロナ禍の時代にこういう話を聞くと,何でもきちんと法律によって保護する国と,何でもなし崩しにして自然を破壊する国の根本的な考え方の違いが明白にわかるような気がします。
  ・・
 キングズキャニオン国立公園は,グラント将軍の森 (General Grant Grove) 地区とキングズ川 (Kings River)の支流サウスフォークとミドルフォーク,サンワーキン川(San Joaquin River)の支流サウス・フォークの源流を形成している渓谷とのふたつの異なる場所から成ります。
 グラント将軍の森にはグラント将軍の木があります。グラント将軍の木は、園内では3番目に大きな木として知られていて,第18代グラント大統領(Ulysses S. Grant)の名をとってつけられたものです。
 地元商工会の人がこの木を訪れたとき,横にいた少女が「この木がクリスマスツリーだったらどんなにすてきだろうに」と言ったのがきっかけで,「国のクリスマス・ツリー」(Nation's Christmas Tree〉となり,現在,クリスマスにイベントが行われているということです。
 そのあとで,車でシーダーグローブ(Cedar Grove)を目指して細い山岳道路を走りました。山岳道路になると,急に景色が変わって山並みの美しい風景になり,すばらしい景観が望めました。
  ・・
 キングスキャニオン国立公園をでてから,前回書いたセコイア国立公園に入りました。
  セコイア国立公園で一番の見ものは「シャーマン将軍の木」です。「シャーマン将軍の木」(General Sherman tree)は,地球上で最も大きな木であると同時に最も大きな生命体であると考えられています。樹齢はおよそ2,200年だそうです。
 この木の名前は南北戦争における北軍の指導者ウィリアム・シャーマン将軍(general William Tecumseh Sherman)に因んでつけられたものです。
 その次の見ものは,クセントミドウ・ロード(Crescent Meadow Road)です。
 ここには博物館があって,その裏手にあったトレイルを歩いて,ラウンドミドウ(Round Meadow)という草原に行くと,突然,目の前に草原が広がります。不思議なところでした。
  ・・
 子供のころに覚えたことはいつまでも忘れません。私は,セコイアという木をしって,日本にはそんな木はないなあ,と思ってアメリカに憧れ,さらに,名古屋の植物園にメタセコイアという木があると聞いて行ってみたのですが,がっかりしたことがあります。
 そうした「トラウマ」は,実際にセコイアの木を見て,すべて解消されたのです。
 ちなみに,メタセコイア(Metasequoia glyptostroboides)はセコイアと違って落葉樹です。当初は日本を含む北半球で化石として発見されるのみで絶滅した植物と考えられていました。常緑種のセコイアに似た落葉種の化石が発見され,発見者の三木茂によってセコイアに「変わった」という意味の接頭語である「メタ」をつけて「メタセコイア」と命名されたものです。

◇◇◇
月齢28.4の月と水星。

11月4日早朝東の空に見えました。 DSC_8003s


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●セコイア国立公園(Sequoia National park)
 以前,次のように書いたことがあります。
  ・・・・・・
 それは私が小学校のころのことだったが,今となっては学年を思い出せない。ずっと国語の教科書だと思っていたが,帰国後,昔の教科書が閲覧できる,とある図書館に出かけてそのころの教科書を探したのだが,見つけ出すことができななかったから,私の勘違いで,国語の教科書ではなく,何かの学習雑誌か補助教材だったのかもしれない。
 ともあれ,そこに載っていて知ったのが,巨大な木の幹をトンネルのようにくり抜いてその中を車が走っている1枚の写真であった。
 私は,それを見てアメリカというのはエライ国だと思った。そして,子供心に,ぜひセコイア国立公園に行ってみたいものだと思った。しかし,本当にそこに行けるとは思っていなかったから,その幸運が訪れたことに私は感謝した。
  ・・・・・・
 そして,その後に,このときのブログでは,この木の倒れた姿だと思われた無残な姿のセコイアの倒木を見たことになっています。
 しかし,後日,それがまちがいだということがわかりました。
  ・・
 私が子供のころに知った「巨大な木の幹をトンネルのようにくり抜いてその中を車が走っている」セコイアというのは,セコイア国立公園にあったものではなく,ヨセミテ国立公園にあったものだったのです。
 ウィキペディアに次のように書かれています。
  ・・・・・・
 「ワウォナツリー」(Wawona Tree)は,ヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)のマリポサグローブ(Mariposa Grove)に生えていたセコイアデンドロン(ジャイアントセコイア)の巨木である。高さは69メートル,外周は27メートルあった。
 1881年,この木にもともとあった火事による傷を広げるようにしてトンネルが掘られた。木は少し傾いていたが,トンネル完成時には傾きが大きくなっていた。後に有名な観光スポットとなり,多くの旅行客が車で下を通りながら,あるいは木の下に立って写真を撮っていた。
 1969年2月,ワウォナツリーは雪の重みに耐えられずに倒壊した。推定樹齢は2,300年とされている。
  ・・・・・・
 つまり,私が小学生のときに知ったセコイアにあこがれ,やっと行くことができたセコイア国立公園だったのですが,私が見たかったセコイアというのは,セコイア国立公園ではなく,ヨセミテ国立公園にあった,ということでした。私は,はじめてアメリカに行った今から40年ほど前にヨセミテ国立公園を訪れたのですが,すでにそのときは,この木は倒れてしまっていたわけです。
 セコイア国立公園にも同じように倒れた巨木があるということは,このようにしてトンネルが作られたセコイアが数多くあったということなのでしょう。
  ・・
 なお,復習ですが,セコイア(Sequoia)とよばれる巨木には2種類あります。
 本家本元の「セコイア」(Sequoioideae)は,通称「コーストレッドウッド」(coast redwood)とよばれるもので,これはレッドウッド国立公園(Redwood National and State Parks = RNSP)にあります。一般にセコイアと思われているものは,通称「ジャイアントセコイア」(giant sequoia)とよばれる本名は「セコイアデンドロン」(Sequoiadendron giganteum)で,これがセコイア国立公園にあります。
 「セコイアデンドロン」つまり「ジャイアントセコイア」のほうは世界一幹が太い巨木で,「セコイア」つまり「コーストレッドウッド」のほうは世界一背が高い巨木です。

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 今から3年前,2018年の段階で,アメリカで私がそれまでに行きたくても行くことができていなかったところは,いくつかの国立公園と天文台でした。
 しかし,そのころはすでに関心がハワイと南半球のオーストラリアやニュージーランド,ヨーロッパのオーストリアやフィンランドなどに移ってしまっていて,アメリカ本土に行く機会はずいぶんと減っていて,年に1度のペースになっていました。
 数年かけて,そうしたところに行くことにして,まず,2018年はパロマ天文台に行ってみることにしました。そのついでに,ロサンゼルスの北にあるデスバレー国立公園とセコイア国立公園,そして,パロマ天文台に行くついでにサンディエゴで新しくできたボールパークに寄ってくるという計画で旅立ちました。
 その結果,最も行きたかったパロマ天文台だけ臨時に閉鎖されていて行くことができず,というか,入口まで入ったのに中に入れず,それ以外はすべて実現しました。
 今回と次回は,この2018年に行った国立公園の紹介をします。

●デスバレー国立公園(Death Valley National Park)
 デスバレー国立公園は,ぜひ一度は行ってみたいところでした。しかし,ロサンゼルスから決して近くなく,また,異常に気温が高くなるということで,本当に行くことができるのか心配でした。これだけアメリカに行ってずいぶんの距離を走っているのに,歳をとって次第におっくうになってきたからです。
 ともかく,ロサンゼルスから北に走って,途中でモーテルに泊まり,夜,明日はどうしようかずいぶんと考えた結果,早朝,暑くなる前に行ってみることにしたというのは,これまで何度も書きました。
 デスバレー国立公園についてはすでに多くのことを書いたので,ここでは,そのときに紹介できなかった写真を載せることにします。中でも最後の写真は車の計器に表示された外の気温です。華氏112度というのは摂氏44度です。
  ・・
 デスバレー国立公園に行った印象としては,これほどの広大な荒れ地が延々と続いていることに衝撃をうけたこと,そして,はやり,ここは地の果てだということ,さらには,どうしてこんなところに多くの人がやって来て,しかも,住んでいる人までいるのか,ということでした。
 私は,今でも,アメリカという国を測りかねているというのが正直なところです。
 つまり,アメリカという国がよくわからないわけです。
 というのも,このごろは,日ごろ,日本のテレビ番組はめったに見なくなって,もっぱらアメリカのニュース番組やドラマばかりになっているのですが,CNNなどで知るその姿は,アフガニスタンで苦労する姿や新型コロナウィルスでずいぶん多くの感染者がでている姿と,それとはまったく別の世界で,日々を楽しんでいる人たちの姿があるからです。
 日本は,何か問題があれば,すべてがそのこと一色に染まってしまい,明日にも世界が滅ぶみたいな雰囲気になるのですが,それとはまったく違うのです。


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●クレーター・オブ・ザ・ムーン国定公園(Craters of the Moon National Monument and Preserve)
 ポテトで有名なアイダホ州ですが,ここには有名な観光地はありません。だからといって何もないかといえば,ローカルではありますが,いかにもアメリカらしい自然の驚異が存在します。クレーター・オブ・ザ・ムーンもそのひとつです。
 私も現地に行くまで,こんな場所があることをまったく知りませんでした。また,ここば隕石の衝突跡だと思っている現地の人もいました。
 すすめられたようにスネーク川沿いの眠たくなるほほどの大平原を走っていくと,黒々とした大地が現れました。
 その景色はまるで月のクレーターのようだということで,この名前になったようです。しかし,ここは隕石の衝突でできたクレーターではなく,およそ2,100年前に終了した火山および洪水によって運ばれた玄武岩の地帯です。かつて月に行った宇宙飛行士がまるで月のようだと言ったというクレーター・オブ・ザ・ムーンは,アメリカでも最大級の玄武岩質の溶岩地帯です。
  ・・
 今日,クレーター・オブ・ザ・ムーン国定公園は国立公園局によって管理,維持されています。
 外周には道路が整備されていて,ところどころに駐車場があって,そこには丁寧な説明板が用意されていました。
 さらに進むと,公園の入口になって,そこにビジターセンターがあって,ビジターセンターでは,この地域の地質と歴史に関するさまざまな展示がありました。
 私は参加しなかったのですが,ここもまた,スケジュールに従ってレンジャーによるガイドツアーが実施されていました。こういうところがいかにもアメリカらしいことであり,また,どこに行っても,どこから人が来たのかと思うほどの人がそうしたツアーに参加して興味深く説明を聞いています。
 日本だと,京都のお寺でも,高い拝観料さえいただけば,やたらときれいなパンフレットはもらえども,あとはほったらかしで,そのお寺の由来やら仏像の細かい説明が聞けるようなことは,むしろまれです。
 外に出ると,7マイル,12キロメートルに渡ってトレイルが整備されていて,自由にこの大自然を観察することができました。
  ・・
 スケールからみれば,他の多くのアメリカの国立公園に比べれば物足りないところですが,それでも,日本にはありえないほど雄大な黒々とした大地は,一見に値する場所でした。


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●クレーターレイク国立公園(Crater Lake National Park)
 クレーターレイク国立公園はオレゴン州の南にあります。2017年,ポートランドの友人を訪ねた折,滞在最後の1日にどこに行こうかと考えていたときにすすめられた場所でした。それほど遠くないと言われたのですが,実際に行ってみたら,えらく遠いところでした。
 今これを書くために地図を見ても,気軽に行けるような距離ではありません。しかし,これまで行った多くの国立公園もどこも気軽に行けるような距離ではなかったから,私がクレイターレイク国立公園を恐ろしく遠いと感じたも,そのときそのときの気分の問題がその要因だったのでしょう。
 オレゴン州のクレイターレイク国立公園は,アリゾナ州のフラグスタッフからアンテロープキャニオンに行くより近いし,アイダホ州からロッキーマウンテン国立公園に行ったことを考えれば,それらよりははるかに近いのです。
 そしてまた,せっかくクレーターレイク国立公園までいったのだから,もう少し遠出して,私が行きたくてまだ行くことができていないカリフォルニア州のレッドウッド国立公園まで行けたのにと,今,ちょっぴり後悔をしています。
 ああ,書かなきゃよかった。思い出してしまった。
  ・・
 さて,このクレーターレイク国立公園はカルデラ湖。世界で7番目に深い湖だそうで,ものすごくきれいです。湖の外周を走りながらその景色を楽しむことと,トレイルを歩いて,湖まで行くことができます。
 もっとも記憶に残っているのは,そのトレイルがまた,とても大変だったことです。
 私は,普段山登りなどせず,スポーツすら縁遠いのですが,なぜか,国内外問わず,結構こうした,ある意味私には無謀の山歩きをしていまっているのです。しかし,それも,もう,この先する機会がないかもしれません。本当に行っておいてよかったと思うこのごろです。
  ・・
 この先,再びこのような海外旅行ができるようになるとはとても思えなくなってしまいましたが,もし「次回」があるのならは,クレーターレイク国立公園の近くに宿泊して,こんどこそはレッドウッド国立公園も含めて,何日も過ごしてみたいものです。というのも,ここは観光地とはいえ,ほかの多くの国立公園に比べたら,人も少なかったし景色も美しいし,ツアーがないので,うざっい団体観光客がいなかったからです。


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 ワシントン州の西の端にオリンピック半島があります。東京オリンピックが行われたときに,間違って? 私がオリンピック国立公園のことを書いたときのこのブログにアクセスした人が結構いたのですが,まったく違います。
 いや,ある意味では違いません。それは,オリンピック半島やオリンピック山脈という名前は,この半島の最高峰である標高2,428メートルのオリンポス山(Mount Olympus)にちなんで名づけられたものだからです。オリンポス山は,イギリス人航海者ジョン・ミアズ(John Meares)が1788年の航海中にその美しさをギリシャのオリンポス山になぞらえて命名したものです。

 ●オリンピック国立公園(Olympic National Park)
 オリンピック国立公園はオリンピック半島にあるオリンポス山を中心としたところです。地図で見ると,この国立公園はシアトルに近く思えるので,人が多く住んでいてあまり魅力的には思えませんでしたが,実際は,想像以上にのどかな田舎,しかも,風光明媚でした。
 ここで思い出に残っているのは,スクイムという町,ハリケーンリッジからの展望,透き通った湖レイククレセント,小さなレストランで食べたハンバーガー,そして,美しいルビービーチでした。
 どこもいいところです。
  ・・
 スクイム(Sequim)はオリンピック半島の北東の端の,のどかなアメリカらしい田舎町です。しかし,予約したモーテルは失敗でした。この町には,私が予約したものよりもずっと立派な全国チェーンのモーテルが多数あったのですが,それを知って後悔しました。私が泊まったのはどうしようもないところだったのです。であるのに,こうしたところのほうが忘れられない思い出となるのも,また,不思議なことです。
  ・・
 翌朝,スクイムを出て,オリンピック国立公園を見学しながら,オリンピック半島を1周することにしました。
 オリンピック国立公園のハリケーンリッジ(Hurricane Ridge)という展望台に,早朝到着しました。展望台は雲の上で快晴,すばらしい展望を楽しむことができました。
 ハリケーンリッジを下って,ポートアンジェルス(Port Angeles)の町を越え,レイククレセント(Lake Crescent)という湖に着きました。レイククレセントは藻類の成長を阻害する水中の窒素の欠如によって引き起こされる鮮やかな青い色と並外れた透明度で知られているところです。
 レイククレセントを出て,さらにオリンピック半島を州道112を通って北側の海岸を西に,半島の北西の端まで行くことにしました。私が目指したオリンピック半島の北西の端のフラッタリー岬(Cape Flattery)でした。しかし,私は,ネアーベイ(Neah Bay)という町で道に迷ってしまい,結局,フラッタリー岬へは行くことができませんでした。
 岬に至る手前のにあったネアーベイという町の小さなレストラン「Warm House Restaurant」で食べたハンバーガーが殊のほかスモーキーでおいしかったこと! こんなにおいしいハンバーガーをこれまで食べたことはなかったと思いました。
 ネアーベイからはオリンピック半島の西海岸沿いに南下しました。内陸部を走っていた道路は,突然,太平洋の海岸に出ました。そこはルビービーチ(Ruby Beach)でした。ルビービーチはオリンピック半島最南端のビーチ。壮観でした。

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●セントへレンズ火山国定公園(Mount St.Helens National Volcanic Monument)
 セントへレンズ火山国定公園の魅力はダイナミックな火山を目の前で見る,ということに尽きます。そのすごさは富士山の比ではありません。なにせ,人工物はまったくないのですから。
  ・・
 セントへレンズ火山国定公園は,火山の近くまで行くアクセスルートが北西,北東,南の3か所あります。そのうち,南のルートは噴火跡が見られないので,私は残るふたつのルートを選び足を運びました。
  ・・
 まず,北東のコースから登りました。このコースは山頂にウィンディリッジ(Windy Ridge)という展望ポイントがあります。そこまで登る道路は快適なのですが,そのまわりは火山の噴火による爆風で倒れた樹木が無残な姿をさらしていて,それは壮観でした。また,途中にスピリットレイク(Spirit Lake)という大きな美しい湖が眺められました。
 展望ポイントに到着しても,ほとんど人がおらず,とても魅力的なところでした。
  ・・
 次に北西のルートをまっすぐにジョンストンリッジオブザバトリー(Johnston Ridge Observatory)まで向かいました。このルートは車で噴火口まで最も近くに行くことができる場所にあるビジターセンターということで,北東のルートとはまったく違って,多くの人でごった返していました。
 ジョンストンリッジオブザバトリーで,まずは,ビジターセンターを横に,展望台に行って,火山の風景を楽しみました。すごい風景でした。そのあとで,ビジターセンターに入りました。
 ということで,私のだどったのは一般の観光客と順路が反対だったのです。そこで,結果的に出口からビジターセンターに入るような形となってしまいました。
 セントへレンズ火山は国立公園局の管轄ではなく,農務省森林局の管轄で,ビジターセンターもトレイルも有料なのです。しかし,出口から入った形となってしまった私は,その入場料を払わなくてもビジターセンターに入れてしまったのです。
 ジョンストンリッジオブザバトリーはものすごく混雑していました。私は悪気もなく,入館料が必要なこともまったく知らず,混雑した中を,映画が上映されるシアター「シネドーム」(Cinedome)に向かって押し合いへし合いしながら入っていって空いた席に座りました。
 この映画を見終わると,スクリーンが開いてその向こうに,実物の火山を見ることができるという演出で,これがすばらしいものでした。本来は,そうしてはじめて火山を見てから,実物を見にいくという仕掛けだったのですが…。


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 シアトルの町からはマウントレイニーの姿が美しく見ることができて,いつも感動します。日系の人たちはシアトル富士,あるいはタコマ富士ともよんでいます。また,ポートランドの町から見えるのはマウントフッドで,こちらはオレゴン富士とよばれています。
  ・・
 飛行機がシアトルを飛び立つと,機内からは眼下に美しい雪山をいくつか見ることができて感動しますが,それらは,北から順に,標高4,392メートルのマウントレイニー(Mount Rainier),その約80キロメートル南西に標高2,550メートルのマウントセントヘレンズ (Mount St. Helens),約50キロメートル東に標高3,743メートルのマウントアダムス(Mount Adams),そして,約100キロメートル南東の地点に標高3,429メートルのマウントフッド(Mount Hood)です。
 日本でも身近な存在であるこれらの山々のうちで,ここでは,マウントレイニー国立公園とセントへレンズ火山国定公園を紹介します。

●マウントレイニー国立公園(Mount Painier National Park)
 マウントレイニー国立公園(Mount Rainier National Park)は1899年にアメリカ5番目の国立公園として設立されました。公園は953平方キロメートルの面積があり,これは東京23区の1.5倍ほどです。
 成層火山であるマウントレイニーはカスケード山脈の中で最高峰。アメリカの先住民は,この山の神々しい姿を畏れ,神の宿るところ(Tahoma)とよんでいたといいます。

 例年だと,およそ130万人がこのマウントレイニー国立公園を訪れ,そのうちの約1万人がマウントレイニーへの登頂を目指し,そのうち25パーセントだけが登頂に成功するそうです。また,マウントレイニーは,公園の97パーセントが原生地域として保護されています。
  ・・
 シアトルから近いので,私は,マウントレイニー国立公園に2000年夏,2015年夏,2017夏の3回行ったことがあります。ちょうど東京から富士山にいくようなものでしょうか。しかし,国土が広いので,日本のように混雑することもなく,きわめて快適です。
 中でも,2015年に行ったときは,マウントレイニー国立公園をはじめとして,のちの紹介することになるオリンピック国立公園,セントへレンズ火山国定公園,そして,クレーターレイク国立公園まで足をのばしましたが,このときは,マウントレイニー国立公園の北東の入口から国立公園入って南に走り,西に進路を変えて南西のゲートに進むというコースで観光しました。
  ・・
 マウントレイニー国立公園の1番の見どころはパラダイス (Paradise)という場所です。パラダイスはマウントレイニーの南斜面,高度1,647メートルの地域です。
 マウントレイニー国立公園最大の魅力であるナラダ滝(Narada Falls)は,マウントレイニーハイウェイのふたつの層の間の横切っていて,簡単に見ることができます。滝は168フィート(51メートル)と20フィート(6.1メートル)のふたつの層からなっていて,188フィート(57メートル)の落下をします。上層はほぼ切り立った崖の下のいくつかのストランドに落ちる馬尾状になっていて,垂直な峡谷に落ちます。下層ははるかに小さなプランジ状です。この滝の透き通った流れはいかにも涼しげです。
 私が行ったときは,滝壺で若い女性がふたり,びしょ濡れになりながら遊んでいました。

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●ノースカスケイズ国立公園(North Cascades National Park)
 私はグレイシャー国立公園の帰りに寄ったので,実感がないのですが,ノースカスケイズ国立公園は意外なほどシアトルに近いのです。しかし,アメリカで最も北を横断するインターステイツ90よりも北にあるのでうっかりします。私は,グレイシャー国立公園に行かなければノースカスケイズ国立公園には行くことはなかったと思うと,その偶然に感謝します。
 行ってみてわかったのですが,先に書いたウィンスロップの町,そして,ノースカスケイズ国立公園,このふたつの場所こそ,もし私がシアトルに住んでいたら,毎年夏に行きたくなるすばらしい場所に違いありません。
  ・・
 ノースカスケーズ国立公園は通常の国立公園とは異なりゲートがないので無料です。
 この国立公園は,州道20沿いにある展望台や道路から景観を眺めるだけでもすばらしいのですが,トレイルもあって,ちょっとしたハイキングができます。目の前には標高2,700メートル級の雪を被った山々が圧倒的な迫力で迫ってくるし,ワシントン峠(Washington Pass)から展望すると, Liberty Bell Mountain の姿が圧巻です。
 さらに,州道2を2マイル西に進むと,レイニー峠(Rainy Pass)に差しかかります。ここにはRainy Lake に至るトレイルがあって,私も歩いてみたのですが,Rainy Lake までは往復3キロメートル,1時間ほどのたのしいハイキングができます。
 Rainy Lake は静かなすばらしい湖です。湖に着くと,そこにあるのは,景色を楽しむ展望デッキだけなのですが,鮮明できれいな山の空気と鳥の鳴き声が混ざり合い,静かな時間を過ごすことができました。

 ノースカスケーズ国立公園にはおまけがあります。
 それは,州道20をさらに西に,シアトルに向かって進んでいくと,巨大な湖が点在していて,そのすばらしい眺望を楽しめることです。それらは,ロス湖(Ross Lake),ディアブロ湖(Diablo Lake )です。
 また,私は行くことができなかったのですが,ノースカスケーズ国立公園には,国立公園の園外にあたる南にシュラン湖(Lake Chelan)があります。シュラン湖は水深が433メートルもある氷河湖です。南北80キロメートルに及ぶ湖畔は道路すらなく,シュラン(Chelan)という町からだけ神秘的な風景が望めるのだそうです。また,湖の北岸にステヒーキン(Stehekin)というビレッジがあって,そこには,シュランからフェリーか水上飛行機でないと行くことができないということです。
  ・・
 とまあ,いろいろ神秘に満ちているのですが,私が最も記憶に残っているのは,それ以上に,ウィンスロップの町からノースカスケイズ国立公園に行こうとして道に迷ったこと。
 ワシントン州の山の中であわや遭難,というありさまは,今も恐怖がよみがえります。


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●グレイシャー国立公園(Glacier National Park)
 2015年ごろ,私はアメリカの地図を見てため息をついていました。それは,モンタナ州の最も北にあるグレイシャー国立公園に行きたいのだけれど,その場所があまりに遠く,どうしたら行けるか考え込んでいたからです。レンタカーでは遠いし,なるべく近くの空港まで飛行機で行こうとも思ったのですが,なかかなよい便が見つかりませんでした。
 結局,シアトルから車で8時間かけて行くことにしました。その結果,ずいぶんとすばらしい思い出ができたのですが,行く前は不安で仕方がありませんでした。
 あとで知ったことには,実際は車がなくとも鉄道でも行くことができる唯一の便利な国立公園ということで人気でした。グレイシャー国立公園には西のポートランドから東のシカゴまでを結ぶアムトラックのエンパイアビルダー(Empire Builder)が1日1往復運行されていたのでそれを利用することができたのです。
  ・・
 グレイシャー国立公園はモンタナ州の北のはずれにあって,人工的な国境で分断されていますが,実際は,カナダのウオータートンレイクス国立公園(Waterton Lakes National Park)につながっています。公園の名前である「グレイシャー」というのは「氷河」という意味ですが,実際,非常に標高が高いので,ものすごく寒いところです。
 行ったことがある人から,たいしたことなかったよ,という話を聞いたことがあったので期待していなかったのですが,実際は,何の何の,とてもすばらしいところでした。
 これまでに紹介したゴールデンサークルの国立公園が赤茶けた土ばかりなのに対して,ここは湖あり,森あり,氷河ありというところでした。
  ・・
 グレイシャー国立公園は西のゲートであるウェストグレイシャー(West Glacier)から東のゲートであるセントメリー(St.Mary)までゴーイングトゥザサンロード(Going to the Sun Road)を走って抜けることができます。また,列車できた人のために,園内は観光用のバスが走っています。
 ゴーイングトゥザサンロードは分水嶺である海抜2,025メートルのローガンパス(Logan Pass)を越えます。ローガンパスにはビジターセンターがあって,ここが観光の拠点です。ローガンパスの周辺には高山植物の群集が見られ,背後に迫る山は右側が標高2,670メートルのマウントクレメンツ(Mount Clements),左側が標高2,781メートルのマウントレイノルド(Mount Reynolds)です。 ビジターセンターの裏側からトレイルがあって,このトレイルを歩くとヒドゥン湖展望台(Hidden Lake Overlook)へ行くことができます。私も雪道を歩きました。
 ゴーイングトゥーザサンロードの南には,セントメリーレイク(Mt. Mary Lake)が広がっていて,ゴーイングトゥーザサンロードの中ほどのビレッジの近くの船着場からこの湖を1周するクルーズがあります。私はそれにも乗りました。湖の途中には Wild Goose Island という小島があります。クルーズは,途中の対岸で降りて15分ほどトレイルを歩きベアリング滝(Baring Falls) まで行きます。 
  ・・
 ゴーイングトゥーザサンロードはローガンパスの西側はヘアピンカーブが頻繁にあり,さらにトンネルもあります。また,いたるところで,滝でもないのに氷河から溶け出した水が道路に降ってきて,まさに滝の下を走るようになります。わざわざこの滝の下を走り,洗車をしている車をみかけました。ローガンパスを越えた東側は直線道路で,ぐんぐんと下って行き,それまでの登り坂の険しさとはすっかり趣がかわって,高原ムード一杯になったころ,公園の東側のゲートに到着します。
 東側のゲートを過ぎ,さらに左折して北に行くとメニーグレイシャー(Many Glacier)へ行くことができます。メニーグレイシャーはグレイシャー国立公園で最も遠く静かで最も美しいところです。氷河を抱いた鋭い岩峰に囲まれた谷筋にいくつもの氷河湖が重なって幻想的な雰囲気です。このスイフトカレントレイク(Swiftcurrent Lake)の周りを一周するトレイルは絶品です。
 スイフトカレントレイクのほとりには,Many Glacier Hotel と Swiftcurrent Moter Inn というふたつのホテルがこの景色に調和していて,おとぎの世界のようなところです。
 メニーグレイシャーからさらに北に進むとカナダ国境に到達します。


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