席に着いたら,隣に,キヤノンの一眼レフに200~400ミリのズームレンズで写真を写していた男の人がいました。私は,大阪は見やすくていいですね,と言ったら,でも座席がせまいでしょう? と言われました。いや,全く狭くないのです。名古屋の方がうんとひどい。大阪はイス席にもすべて座布団がついているけれど,名古屋は駅のイスみたいで,あんなところに何時間も座っているとお尻が痛くなるのです。ちなみに,東京は,イス席でもランクによって大きさが違いますし,いちばんうしろなんて,ものすごく遠いです。当然,イスはクッションがついています。
お相撲自体は,テレビで放映されましたから,ここでは省略します。ともかく,ものすごい盛り上がりでした。特に,地元出身の勢関はすごい人気でした。豪栄道関は気の毒で,観客は優勝決定戦が見たいから,この日だけは照の富士の声援ばかりでした。そして,横綱対決は,一番声援のあったのが,「庄之助」でした。
37代木村庄之助は,この場所9日目に定年の満65歳を迎え,本来ならば前日の中日が最後の捌きでしたが規定の改正により千秋楽をもって停年により引退となったので,この日が最後,終了後,花道で花束が贈られていました。
取組後の表彰式,これを最後まで見るのが今回の目的でした。
ものすごい数の表彰があって,最後が「吉本興業賞」。そこで土俵に登場したのが,アホの坂田こと,坂田利夫師匠。吉本興業阪本部所属のお笑い芸人です。芸名は将棋棋士の阪田三吉に由来しますが,将棋は苦手なのだそうです。
そのころには観客のほとんどは,帰ってしまったか,優勝パレードを見に行ってしまって,残り少ない人たちが「アホ」と声援を送っていました。まあ,なんと大阪らしいというか,素敵ですね。
そのあと,三賞の授与式があって,最後が,「出世力士手打式」に続いて「神送りの儀式」です。
「出世力士手打式」,出世力士,つまり今場所で入門した力士が登場して,観客も起立します。
まず,出世披露を受けた力士にお神酒を振舞われ,若者頭,世話人らとともに三本締めを行います。そして,「神送りの儀式」となります。この儀式は,初日前日の土俵祭に対応するもので,土俵祭によって神が宿り結界となった土俵を,この儀式によって結界を解きふつうの場所にもどす意味合いがあります。
テレビで最後まで放送していたころは,勝負審判が胴上げされていたのを私は見ていました。その後,それを嫌がった某審判が行司に変更すると提案して,現在では行司が胴上げされている… というのは知っていたのですが,それを実際に見にいったというわけでした。
大阪場所は出世力士が多いので,この儀式が華やかなのです。
そして,すべてが終了したのち,呼び出しが,土俵祭りで土俵の中央にお供えして埋められた日本酒,米,塩を取り出し,大屋根が降ろされて,大屋根に取りつけられた房と水引が取り外されて,終了という段取りになりました。
千秋楽のチケットを幸運にも手に入れられた方は,ぜひ,ここまでご覧ください。隣で見ていた写真を写していた人も,こういう儀式があることを知らず,最後まで見るといいと話しておいたので,その時間までいて感動していました。こうした儀式を見ると,お相撲がスポーツではなく神事であるということが実感されることと思います。
これが日本という国のひとつの文化です。





