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会社は多くの従業員が生活をかけて働いているのだから,その会社で作っている製品が時代遅れになって売れなくなったからといって,簡単に会社を解散するわけにはいきません。そこで,時代の流れを見極めて,その時代にあったものを作るように転換を図る必要があるわけです。
会社が存在しているのは,その会社でなければ作れない技術力があるという必然的な理由があるはずです。そこで,その技術力が生かせるような転換を図るのならそれは問題はないのですが,そうしたことができないとなると,会社は難しい局面になります。たとえば,カメラのフィルムを作っていた富士フィルムが化粧品を作るというのは同じ技術力が生かせるからそれなりに意味がり,成功しました。しかし,そろばんが売れなくなっても,そろばんを作っていた会社が電卓を作るというのはおかしな話です。
しかし,製造業ではなく販売業となると,今度は,売れるなら何を売ってもいいとばかりにまったく違うものを売ったりすることになるし,サービス業であれば,サービスを求める人がいるのならこれまでとはまったく違ったものでもサービスする,ということになります。ところが,販売業やサービス業の場合,売れることが第一,という表面的な業績が求められているから,本当にその業種のプロでない場合もまた多くあるのです。そこに,もうかりゃいいという素人商法が存在するのです。
だから,居酒屋が老人ホームを経営する,ハンバーガー屋がラーメンを売る,学習塾が福祉施設をはじめるということになっていくわけです。そのうち,病院が葬儀場を経営する,みたいなことも起きるかもしれません。
食べ物やさんのように,たとえそれが素人商法であろうとも,お腹が膨れて食欲が満たされるといったような目的がはっきりしていれば,そして,おいしいという判断ができるものならまだしも,学習塾のようなものになると,なにをもってその塾の評判が高いのかはあいまいで,しかもすぐに結果がでないだから素人商法が成り立ってしまうのです。消費者にはそれが素人商法かどうかを見極める目が必要ですが,それがまたむずかしいのです。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは