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 いささか古い話ですが,2018年に「団地の給水塔大図鑑」という本が出版されていたようです。
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 給水塔の世界はこんなにも華やかだ! 「団地にある給水塔」だけを400基超収録した史上初のデータベース。色も形も個性豊かに,団地の暮らしを支える塔たちの美しい姿をご覧ください!
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というのが紹介で,著者の小山/祐之という人は,団地の給水塔を鑑賞する「日本給水党」をWEB上で結党し,北海道から沖縄まで日本各地の団地にある給水塔を巡り続けているといいます。
 給水塔は,団地などの高い建物の水道の水圧を確保するために建てられた塔ですが,現在は技術の進歩で給水塔を使わなくても水圧が確保できるので,減少の一途をたどっていて,いわば絶滅危惧種ということです。
 この本によれば,どの建物も画一的である団地のなかで,この給水塔だけがシンボル的な存在として,デザインが工夫されていて,ボックス型,とっくり型,円盤型などに分類されるといいます。
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 私はこれまで給水塔など,美観を台なしにするだけの存在だと思っていただけに,これは意外でした。しかし,よくよく考えて見れば,こんな発想はすてきです。目のつけどころがいいです。何でも,この本をきっかけにして,給水塔を見て回る愛好者が増えているとか。愉快な話です。
 楽しいことは,身の回りにいくらでも転がっているものです。

 いや,今日のブログはこの本を紹介するのが目的ではありません。
 給水塔といって私が思い出すのは,アメリカのマザーロード「ルート66」沿いにある小さな町です。「ルート66」沿いには,およそどの町にも給水塔があって,それこそ給水塔がその町のシンボルとなっています。何もない大草原を走っていると,やがて給水塔が見えてきます。それが町に近づいたしるしです。
 私は給水塔を意識して写したのわけではなかったのですが,これまで写した写真を改めて探してみると,給水塔の写真が出てくるわ出てくるわ。こんなことなら,キチンと給水塔を写してくればよかったと,少し後悔するこのごろです。
 しかし,なぜ,アメリカの「ルート66」沿いの町にはどこも給水塔があるのでしょう。私はずっとそれを疑問に思ってきました。調べてみると,それは次のような理由だそうです。
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 そう,砂漠です。骨みたいにカラッカラです。水がないのです。
 しかし,その砂漠も,X線探知機で探してみれば,その土地の地下には,hueco(スペイン語で「穴」の意),mesilla(スペイン語で「棚」の意),bolso(スペイン語で「財布」の意)とよばれる湖や川が横たわっています。そこで,土の中から水を汲み上げて貯水タンクに貯めるのです。こうして,貯水タンクには100万ガロン以上の水が溜まっています。重力による水の重さが魔法のように働いて,ポンプやコンプレッサーを使わずに水圧を作り出します。
 水が少ないので,町では水の使用は制限され,高価でリサイクルされています。 
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ということでした。
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 そういえば,オーストラリアも水がないのですが,オーストラリアでは給水塔ではなく,それぞれの家屋に巨大な雨水タンクがあります。おそらく地下にも水がないからでしょう。しかし,あまりに日照りが続くとタンクに水がなくなり,そうなると,水は購入しなければならなくなるそうです。

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