この旅の2日目,2023年5月19日です。
朝は午前5時に千人風呂に行きました。こんな早くても,すでに5,6人の人が入浴していました。私も含めてお年寄りは朝は早起きなのです。私も,常日ごろから午前4時過ぎの起床です。
朝食が午前7時からだったのですが,それ以前にすでに並んでいました。日本いうバイキング,つまり,ビュッフェ形式で,私はこれが嫌いなのですが,致し方ありません。それでも早めに行ったので,座席を確保して,ゆったりと食事をすることができました。
食事を終えて,酸ヶ湯温泉をチェックアウトしました。
この日の目的地は,まずは弘前市,そして,青森県の西の海岸線に沿って,この日に予約した深浦の民宿まで行きます。天気予報は午前中なんとか雨が降らず,午後は天気が悪くなって雨,ということでした。前日はとても天気がよくて,奥入瀬渓谷も十和田湖も美しく見ることができたし,この日は弘前という都会の観光なので,まあ,よしとしますか。明日は天気も回復するということでした。
国道394号線は,むつ市から下北半島の東側を海岸線に沿って進み,小川原湖の北側を西に向かい,さらに青森県の中央部を進み,途中,八甲田山の北側を国道103号線と併用しながら黒石市へ行き,そこから国道102号線と併用しながら弘前市に至る国道です。
私は,この日の朝,酸ヶ湯温泉からこの国道394号を走っていました。その途中で渡ったのが城ヶ倉大橋でした。
このあたり,かつて城ヶ倉と沖揚平間は,城ヶ倉峡谷の急峻な地形を幅員狭く急勾配の九十九折りで越す難所でした。1974年,この部分をつけ替えて長大な城ヶ倉大橋を作ることになりました。そこで1995年にできたのがこの城ヶ倉大橋という,城ヶ倉峡谷を眼下に見下ろす長大なアーチ橋で,作られた当時は,上路式アーチ橋として,アーチ支間長が255メートルで日本一でした。
私は,当然,いつもの通り,そんなことはまったく知らず走っていたのですが,こりゃすごい,と橋のたもとにあった展望台に車を停めてしばし見入りました。
帰宅してから調べてみると,この場所は県内有数の景勝地で,城ヶ倉渓流の美しい景色をを見下ろすことができ,特に紅葉の時期になると真っ赤に染まり非常にきれいな場所なのだそうです。
このごろ,四国地方や紀伊半島などを走るようになって,日本にいかに山が多く,そこに道路を通すためにこうしたとんでもない橋やトンネルが無数にあることを知りました。また,今でも車がやっとすれちがえるようないわゆる「酷道」が山のようにあり,走っていると何とかならないものかと思ってしまうのですが,それを解消するためにこんな難工事ばかりを行っていれば,技術は進むことでしょうが,いくらお金があっても足らないだろうとも思います。また,今後の日本を考えたとき,維持できるかしら,と心配にもなります。
こうした絶景があると,オカルト好きのお人たちは,心霊スポットと騒ぎ立てます。この場所も, 飛び降りの名所で,青森県ではじめて新型コロナウィルスに感染した人が飛び降りただとか,そういう噂があるらしいです。私はまったく興味がないのですが,いやはや,という感じです。
私が通ったときはせっかくの絶景も霧っていたのが少し残念ではありました。
黒石市に入ると道路が広くなりました。このあたりは田んぼアートで有名なのだそうですが,今は時期でないので,何もありませんでした。さらに進むと,弘前市に到着しました。
弘前市は長年ずっと行きたかったところだったのですが,なかかな機会がありませんでした。
2020年の春に有名な弘前城の桜を見ようと名古屋・青森間の航空券を買ってあったのですが,直前になってコロナ禍が襲い,私はむしろ空いているから行く気満々だったのですが,飛行機が飛ばず,行くことができませんでした。今は桜の季節ではないのですが,ともかく,その3年後に弘前市に行くという念願はかないました。
弘前城のあたりは官庁街でした。どこかに車を停めて,半日観光をしようと思った矢先,西に美しく見えたのが岩木山でした。そこで,天気が崩れて見えなくなる前に岩木山の写真を写そうという気になって市街地を越えて岩木山が一望できる場所を探しに行くことにしました。そしてなんと見つけた場所で幻想的な写真を撮ることができました。
市街地に戻り,車を駐車場に停めて,まずは観光案内所に行きました。
事前に何も調べない私は,ともかく,その場所の観光案内所に行って情報を聞き,地図をもらうのです。観光案内所には弘前ねぷたが飾ってありました。
弘前の桜,例年はゴールデンウィーク直前のころが満開ということでしたが,今年は異常に早く,開花が4月8日だったそうです。
いろいろな情報を聞いて,そのあとは,徒歩で弘前市内を歩き回ることにしました。まずは弘前城。思った以上に広いお城の敷地でした。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは