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午後5時,木曽駒高原のゲストハウスヒルトップに到着しました。さすがに気温が低いところだけあって,ちょうど,満開の桜が迎えてくれました。到着したときは快晴だったのですが,夕食のころには曇ってしまい,せっかく星見を楽しみにやってきたのにと,少しがっかりして,早々に寝ました。このごろは何事にも執着心がなくなってしまいました。しかし,すでに書いたように,深夜になって晴れ上がり,今回もまた,すばらしい星空を見ることができました。
私は,このペンションでの晴天率が異常に高く,ほぼ毎回,星をみることができます。
翌日も朝から晴れ上がったので,朝食後,早々にチェックアウトして,雲ひとつない御嶽山を見ようと,開田高原へ急ぎました。
開田高原の木曽馬の里では,ちょうど,コブシの花が満開でした。
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コブシ(Magnolia kobus)は,モクレン科モクレン属に属する落葉高木の1種で,早春に葉が展開する前に他の木々に先駆けて白い大きな花をつけます。花は3枚の萼片,6枚の花弁,らせん状についた多数の雄しべ・雌しべをもちます。
コブシの名前の由来は,つぼみの形を握りこぶしに見立てたとする説や,つぼみが開花する様子を握りこぶしが開く様子に見立てたとする説,でこぼこした果実の形を握りこぶしに見立てたとする説などがあります。コブシがそのまま英名の基となっています。また,漢字では辛夷と書きますが,中国では辛夷(しんい)はモクレンのことなので,中国でコブシは日本辛夷と書きます。
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私がコブシといって思い浮かぶのは千昌夫さんの歌った「北国の春」という歌です。
「コブシ咲くあの丘北国のああ北国の春」なんですが,私は,コブシという花をこれまで知りませんでした。
さて,帰りもまた,国道19号線を下るのではなく,権兵衛トンネルを抜けて,国道153号線を南下して,奥三河を経由することにしました。とはいっても,あまり時間もなかったし,日曜日でどこも人がいっぱいそうだったので,地図で目についた四谷の千枚田というところにに行ってみることにしました。こんなところなら,ほどんど人もいないだろうなあと思いました。
国道153号線から途中で国道257号線,そして,県道389号線,県道32号線と進みます。このあたりも行ったことがなかったので,どんなところかと好奇心もありました。
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鞍掛山の斜面に広がる山間集落に,約400年前に開墾された美しい棚田が広がっています。
標高220メートルから420メートルにかけて連なる石積みの棚田では,今でも20戸の農家が約420枚の田を耕作していて,先人たちが残した偉大な財産を風化させることなく,地域の人々が主体となって使命感をもって守り続けています。
山の中腹からこんこんと湧き出る澄んだ水は,大雨が降っても濁ることがありません。水と緑にあふれた棚田は様々な動植物の住処にもなり,まるでおとぎ話のワンシーンのように人と自然が共生する日本の原風景が脈々と息づいています。
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ということで,これまで多くの千枚田を訪れたのですが,ここが最も広く,きれいでした。こんなとところだれが来るのかと思っていたのですが,帰ってから知ったことに,「JAF MATE」の2023春号に載っていて,それが理由かどうかは知らないけれど,予想以上に人が来ていました。
千枚田の下に数台車が停められるスペースががあって,そこに車を停めて見上げている人が多くいたのですが,それを過ぎて,さらに中腹まで行ったところにも駐車場と展望台があって,そこでは週末限定で地元の人が五平餅を売っていました。お昼を食べ損ねていたので,というか,お昼が食べられるところは道の駅くらいしかなく,そのどこも混雑していたので敬遠していたので,ここで,お昼代わりに五平餅を食べながら,おばちゃんたちとしばし雑談をしました。そして,さらに一番上まで登れる道を教えてもらうことができました。
こうして,今回もまた,思いがけない情報を手に入れて,数多くの知らなかった場所に行くことができました。
奥三河といっても,私は,これまで,足助とか茶臼山とか鳳来寺といった,だれもが知る場所しか行ったことがなかったので,愛知県内にもこんなおもしろいところがあるなら,一度,ゆっくり泊りがけで来てもいいなあ,と思ったことでした。
四谷の棚田を見たあとは観光客だらけの足助を経由して,猿投グリーンロードという,勝手知ったる道を通って帰宅しました。
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「しない・させない・させられない」とは
「Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.」とは