しない・させない・させられない

Dans la vie on ne regrette que ce qu'on n'a pas fait.

USA50州・MLB30球場を制覇し,南天・皆既日食・オーロラの3大願望を達成した不良老人の日記

タグ:2022年がやってきた

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 2022年1月1日,NHKEテレでウィーンフィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)のニューイヤーコンサート(NEUJAHRSKONZERT)を放送していました。私はウィンナワルツやポルカにはあまり興味がないのですが,ウィーンの雰囲気を味わえるので,毎年楽しみに見ています。
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の公式ホームページには次のようにあります。
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 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートは今や世界中で知られており,本楽団によるシュトラウスの楽曲の演奏は「ワルツ王」の時代,つまりウィーン・フィルの歴史の始まりまで遡るという印象を与えているかもしれませんが,史実は異なります。
 実際のところ,楽団員は長いこと当時作曲された最も「ウィーン的」なこの音楽を取り上げてきませんでした。彼らは「娯楽音楽」と関係することで「フィルハーモニー・コンサート」により向上した社会的地位が脅かされると考えたようです。
 シュトラウス一家に対するこの姿勢は徐々にしか変わりませんでした。
 この姿勢を変えた決定的なことは,フランツ・リスト,リヒャルト・ワーグナー,ヨハネス・ブラームスなどの偉大な作曲家が,他に例を見ないこの作曲家一族の二人を大変高く評価していたという事実に加え,ヨハン・シュトラウス二世と何度か会うことで,楽団員がこの音楽の意義やヨーロッパ中を魅了していた作曲家の人柄を知る機会を得たということにありました。
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 幸運にも2018年と2019年の秋にウィーンに行くことができたので,ウィーンの様子はよくわかります。2018年には楽友協会にも行くことができましたが,楽友協会で一度ライブ演奏を味わってみると,その楽しさが一段とよく理解できるようになります。私がいろいろと旅をした中で,ウィーンは最高です。

 さて,コロナ禍以降,私の好きなクラシック音楽も,コンサートでは十分に楽しむことができなくなってしまいました。2021年は,NHK交響楽団の名古屋定期公演に1度行っただけです。しかし,私は聴きには行けませんでしたが,NHK交響楽団の10月の定期公演にヘルベルト・ブロムシュテッドさんが来日できたことが幸運でした。あと2か月遅かったら実現しなかったことでしょう。2022年も10月の来日が予定されていますが,実現できることを祈っています。
 コンサートに行くことが少なくなったかわりに,2021年はこれまでなかなか聴くことができなったハイドンやモーツアルトの交響曲,モーツアルトのピアノ協奏曲,ベートーヴェンのピアノソナタや弦楽四重奏曲,ショスタコービッチの弦楽四重奏曲などをじっくりと味わうことができたのは幸いなことでした。そして,結局,そうした音楽を何度も聴いたあとで,私が再び聴きたくなったのはブルックナーの交響曲でした。結局,好きなものは好き。楽しみは元に戻ってくるようです。
 現在,大規模な曲は演奏されないことがほとんどなので,ブルックナーの交響曲をコンサートで聴く機会がないのが残念ですが,これまでに放送されたものの多くを録音しているので,しばらくはそれを楽しみに聴いてみたいと思っています。
 こうした楽しみを味わいながらいつも思うのは,できることなら,また,ウィーンに行ってみたい,ということです。

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 2020年は,コロナ禍がはじまる前に予約してあった旅行や,すでに購入してあったコンサートなどがあったことと,海外からの旅行者がいなくなったのを幸いにこれが好機と出かけては春の桜や秋の紅葉を楽しんだのですが,2021年は,そうしたこともなく,また,飽きてしまって,要するに,何もイベントもない1年となりました。10月に富士山麓から木曽路へドライブしたことと12月に紀伊半島を1周したことが唯一の旅行らしい旅行でした。
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 それまでの私は,海外旅行とクラシックのコンサートと星見を楽しみに過ごしていました。
 しかし,海外旅行はまったく行くことができなくなりました。
 クラシックのコンサートは2,3回行ってみたのですが,これまでにも書いたように,以前のように楽しくなくなってしまいました。
 星見の楽しみは今も変わりませんが,天気が悪いと行くことができないので,それが欠点です。

 それよりもむしろ,2021年は,これまでの私の楽しみを,一旦立ち止まって考えるよい時間になりました。
 それは,これまでにやりたかったこと,行きたかったところ,そのほとんどを成しえていたことが幸いして,落ち着いてそれらを振り返ることができたのでよしとするのですが,その結果,この先,再び,以前のようにさまざなことができるようになったとしたら,そのとき改めて何をするかということがだんだんとわかってきました。ただ,残された時間が少ないのだけが心配です。
 まあ,過去を振り返っても詮ないだけなので,前向きに生きましょう。

 さて,2022年は果たしてどんな年になるのでしょうか。
 ひとついえるのは,新しい年に社会がまた2021年の愚を繰り返すようだったら,人間は大したことないということです。


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月と火星とアンタレス。

2022年元日,初日の出前の東の空。
月齢27.5の月と火星とアンタレスが幻想的でした。
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Happy New Year 2022.
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 2022年になりました。
 私の手元にある山川出版社の高等学校教科書「詳説日本史B」は2013年に発行されたものですが,その50ページに次のようにあります。
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 飢饉・疫病などの社会的不安のもと,仏教を厚く信仰した聖武天皇は,仏教のもつ鎮護国家の思想によって国家の安定をはかろうとし…
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 そしてまた,57ページの欄外に小さな活字で次のようにかかれています。
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 光明皇后が平城京に悲田院を設けて孤児・病人を収容し,施薬院を設けて医療に当たらせたことも仏教信仰と関係している。
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 光明皇后というのは,聖武天皇の皇后です。
 同じく,私の手元にある山川出版社の高等学校教科書「詳説世界史B」も2013年に発行されたものですが,その142ページに
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 14世紀にはいると気候が寒冷化し,凶作や飢饉,黒死病(ペスト)の流行,あいつぐ戦乱などで農業人口が減少した。
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とありますが,第1次世界大戦のころに流行したといわれるスペイン風邪についてはまったく記述がありあません。
 おそらくこの時代,庶民にとっての大問題は,教科書に大きなスペースをとって記載されているような政権争いやら戦争よりも,むしろ疫病だったのでしょう。しかし,教科書のこれだけの記述では何もわかりません。

 2020年から今までの世界を体験したとき,「未曾有のパンデミック」といわれる新型コロナウィルスのような「疫病」は,これまでに,何度も人類が経験したことなのに,いざ,それが起きると,あたふたするだけで,上に書いたように,歴史からは何も学んでいないので,同じことを繰り返しているのです。そして,いざ,現実になると,そのときはじめて,実は過去には同じようなことが… といわれだすのです。
 リーマンショックのときもそうでした。
 このときは,1929年からはじまった世界恐慌を引き合いに出し,その対策として1932年にアメリカの大統領に就任したフランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策が話題になりましたが,そのうちに,ニューディール政策は必ずしも成功していなかったなどとの論評があったりと手のひら返しをして,私は,人間は歴史から何も学んでいないのかと落胆したことを思い出します。
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 450ページ近くある分厚い歴史の教科書に事細かに記述してある内容は,受験生を苦しめますが,それを学んだところで,歴史から何の教訓も学べないのなら,意味がありません。邪馬台国がどこにあったかよりも,人の生死にかかわる出来事にどう対処したかということのほうがずっと重要です。
 経験したことのない出来事だから,政治家がうまくできなくてもやむを得ないという人もいますが,それでは政治家は素人であって,プロではありません。政治家は,自分の権力を花見をすることで誇るものではないのです。
 平時ならだれがやってもうまくいきます。むしろ,教員免許更新のような害しか生まれなかった政策のように,何もしてくれなかったほうがよかったことも少なくありません。そうではなく,何か予想外の出来事が起きたときに,それに対処できるように,普段から投資をしたり準備をして,万一,そうしたまさかのことが起きたときにはできる限り的確に判断を下し,それを実行することができるように準備を怠らないのが政治家の仕事でしょう。
 昨年私が感じたのは,そんなことだけでした。


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